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ダムがあるために避難の時間が失われた(野村ダムと鹿野川ダム)

2018年7月13日
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今回の記録的な豪雨では、愛媛県・肱川の国土交通省の野村ダム、鹿野川ダムの放流がダム下流域の被害を大きく拡大しました。
そのことに関して、次のように、ダムがなければ、もっと大きな被害が出ていたというダム擁護論が出ています。
「(時時刻刻)ダム放流急増、伝わったか 愛媛・西予、2キロ下流で5人犠牲(朝日新聞2018年7月11日)https://digital.asahi.com/articles/DA3S13579517.html?iref=pc_ss_date
京都大防災研究所の中北英一教授(水文気象学)は、「上流からの流れをダムで調整し、下流に流しているので、ダムがなければもっと大量の水が下流に流れ、大きな被害が出ていたのは間違いない」と話す。」

しかし、これは憶測で語った根拠のない話です。
野村ダム、鹿野川ダムの流入量と放流量のグラフ今回、放流量の上昇速度がはっきりわかるように、横軸を24時間にしてグラフをつくり直しました。下図のとおりです。
野村ダムは、ダム流入量が300㎥/秒から1400㎥/秒まで約4時間半で上昇しているのに対して、放流量は1時間足らずで300㎥/秒から1400㎥/秒まで上昇しています。たった数十分で1000㎥/秒も増加している時間帯もあります。
鹿野川ダムは、ダム流入量が600㎥/秒から3500㎥/秒まで約5時間で上昇しているのに対して、放流量は約2時間で600㎥/秒から3500㎥/秒まで上昇しています。たった数十分で1500㎥/秒も増加している時間帯もあります。
このようにダムがなければ、流量の上昇が4~5時間あって避難できたのに、ダムがあるために、その放流で流量上昇時間が1~2時間に短縮され、しかも、そのうちの数十分で流量が急上昇しているため、避難することはほとんど困難な状況になってしまいました。
以上の通り、ダムとは想定外の降雨に対して無力であるだけではなく、放流量を急激に増やしてダム下流の住民を危機に陥れるものなのです。

なお、各ダムの諸元は次の通りです。
野村ダム  総貯水容量1,600万㎥、洪水調節容量350万㎥、集水面積168㎢
鹿野川ダム 総貯水容量4,820万㎥、洪水調節容量1,650万㎥、集水面積513㎢

 

 

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