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韓国4大河川の堰解体、専門家の意見も分かれる…日本でも堰めぐり葛藤

2019年3月21日
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韓国では、李明博政権時代の2008~2012年に漢江、洛東江、錦江、栄山江の4大河川を浚渫して、堰を多数建設する4大河川事業が行われました。
この4大河川の堰解体について専門家の意見が分かれています。その記事を掲載します。

韓国4大河川の堰解体、専門家の意見も分かれる…日本でも堰めぐり葛藤
(中央日報2019/3/21(木) 13:54配信) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190321-00000035-cnippou-kr

 

韓国の水質・水資源専門家の中でも環境に及ぼす悪影響のため4大河川の堰の解体に同意する人は少なくない。その専門家らも政府が2月に提示した錦江(クムガン)・栄山江(ヨンサンガン)の3つの堰の解体案には批判的だ。1年にもならない短いモニタリング期間であるうえ、水質と生態が改善するという確実な証拠も確保していない状態で堰を解体することに賛成できないということだ。さらに干ばつや洪水が頻発するなど今後の気候変動まで考慮すると、慎重に接近する必要があると話す。

このため多くの専門家は直ちに堰を解体するよりも、水門を弾力的に運営しながら水質・生態・流量などに関連するデータを収集し、その後に決定をしても遅くはないと提言している。川と堰の周辺の重要なところにさまざまな測定センサーを設置し、10年間ほど堰の運用のビッグデータを集めれば、意思決定に大きく役立つということだ。

KAIST(韓国科学技術院)のある教授は「10年間ほどデータを蓄積した後に解体を決めてもよい。政治的に負担になるなら、最初からデータを海外研究陣に送って解釈を要請するのも方法」と述べた。

別の河川生態専門家は「季節により、過去(1991年)の洛東江(ナクトンガン)フェノール汚染事故のような懸案により、また地域の特性により堰を弾力的に運営すれば役に立つ」と強調した。藻類の大量発生が懸念される夏には水門を開いて滞留時間を減らし、渇水期の秋からは水を貯め、冬には農家が地下水を暖房に使えるようにするということだ。

キム・ソンジュン建国大社会環境工学科教授は「上流の堰で水門を開いて水を放流すれば、下流の堰まで到達するのに3-5日かかる」とし「その時間を考慮して放流して水門を操作すれば水質改善に役に立つだろう」と述べた。

その代わり10年以上も堰を運営すれば堰の構造を改良する必要も生じる。堰の水門の下を通って土砂や汚染堆積物が下流に流れるようにすることも水質の改善につながる。

政府も2017年3月、利水と治水、藻類の量などを総合的に考慮し、堰の水位を弾力的に調節する「ダム-堰-貯水池連係運営案」を発表した。特に環境部が最近明らかにしたように生活・農業用水取水口の位置を4大河川事業以前のように川底まで低くすれば、連係運営の効果ははるかに高まる可能性がある。

一方、海外でも堰の建設をめぐる問題があった。日本の「第十堰」をめぐる葛藤が代表的な例だ。1982年に建設省の四国地方建設局は徳島県を流れる吉野川について「水路工事実施基本計画」を樹立し、洪水防止のために堰の建設が必要だと指摘した。97年に徳島県知事が水門を開閉できる可動堰の建設を提案すると、これに反対する住民団体が結成された。住民は1000億円にのぼる工事費用がかかるうえ、干潟も破壊されるという点を挙げて反対した。

「第十堰」をめぐる葛藤は続き、結局、2000年1月に住民投票まで実施された。当時、投票率55%で反対が91.6%にのぼり、堰の建設は白紙になった。しかし日本では取水や洪水予防のため河川本流に可動堰を設置する事例が少なくない。

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