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報道

洪水調節容量1.4倍に増強 鹿野川ダム改造、全事業完成 しかし、その事業費を肱川の河道整備を回していれば 

2019年6月10日
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愛媛県・肱川の治水対策として国土交通省が進めてきた鹿野川ダム改造事業が完成し、6月9日、完成式が開かれました。その記事とニュースを掲載します。
この改造事業の主たる内容はトンネル洪水吐を設置して、治水容量1650万㎥を2300万㎥に増やすものです(発電容量を転用)。
しかし、昨年7月の西日本豪雨では鹿野川ダムは発電用放流管を使って事前放流を行い,下図の通り、治水容量を2980万㎥-749.8万㎥=2230万㎥に増やしていました。それでも、流入量の急増で満水になり、緊急放流が行われ、大変な被害をもたらしました。
改造によって2230万㎥が2300万㎥に増えるだけですから、あまり変わりません。
鹿野川ダム改造の事業費は420億円にもなります。肱川ではダム優先の河川行政が進められて河道整備がなおざりにされ、かなり長い無堤区間が放置されてきました。必要性が希薄な鹿野川鹿野川ダム改造の事業費を肱川の河道整備を回していれば、西日本豪雨の被害を大きく軽減することができたと思います。


洪水調整容量1.4倍に増強 鹿野川ダム改造、全事業完成 大洲で式典

(愛媛新聞2019年6月9日(日))https://www.ehime-np.co.jp/article/news201906090053?utm_medium=social&utm_content=%2Farticle%2Fnews201906090053

(写真)トンネル洪水吐(左)の新設で、国が進めてきた改造事業が完成した鹿野川ダム=9日、大洲市肱川町山鳥坂

肱川流域の治水対策として国が進めてきた愛媛県大洲市肱川町山鳥坂の鹿野川ダム改造事業で、最後に残っていた「トンネル洪水吐(こうずいばき)」がこのほど完成し、9日、同町予子林の風の博物館で全事業の完成式が開かれた。改造でダムの洪水調整容量を2390万トンと従来の約1.4倍に増強。トンネルの運用で洪水をため始める水位を従来より4.7メートル下げ、下流の洪水被害軽減を図る。
国土交通省山鳥坂ダム工事事務所によると、改造事業は洪水調整機能の増強や貯水池の水質改善などを目的に、2006年度着手。下流の状況を見ながらよりきめ細かな放流量の増減(開閉操作)を可能にするクレストゲートの改良や、水質悪化の原因となるアオコの発生を抑制する曝気(ばっき)循環装置の設置、任意の深さの水を放流できる選択取水設備の新設などの工事を実施した。総事業費は487億円。
洪水吐のトンネル部分は全長457メートル、内径11.5メートルで、高い水圧に耐えられる鉄筋コンクリート部分と、世界最大級の鋼製放流管からなる。低い水位の放流能力が向上し、増強した洪水調整容量を有効活用できるようになった。
完成式には国や流域自治体の関係者ら約200人が出席。大洲市の二宮隆久市長は「鹿野川ダム改造事業の完成で、肱川流域住民の生活を守る治水対策が一歩進んだ」と述べた。


鹿野川ダム改造事業完成式 洪水対策が強化

(テレビ愛媛2019/06/09 18:51:00) http://www.ebc.co.jp/news/data/index.asp?sn=7259

肱川の洪水対策として進められていた大洲市にある鹿野川ダムの改造事業がこのほど完成し、9日、記念の式典が行われました。大洲市肱川町で行われた完成式には関係者約100人が出席、事業の完成を祝いました。鹿野川ダムの改造事業は洪水調節機能を強化するため国が2006年から進めてきたものです。このうち新たに設置された「トンネル洪水吐」は大雨の際などにあらかじめトンネルを使い放流することでダムの空き容量をこれまでの1.4倍に増やすものです。この事業の完成に伴い鹿野川ダムと野村ダムでは操作ルールを変更、西日本豪雨クラスの大雨が降っても洪水被害は大幅に軽減できるとしています。

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