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報道

富士川の濁りとの関連触れず サクラエビ秋漁解禁10月23日 組合決定、一部に慎重論も

2019年9月23日
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駿河湾のサクラエビの記録的不漁問題からはじまって問題が発展し、日本軽金属・雨畑ダムのひどい堆砂状況が明るみになってきました。
このサクラエビについて夏に実施された産卵調査で資源が回復傾向にあるということで、10月23日をメドに秋漁を解禁することになりました。
しかし、下記のグラフを見ると、2019年はサクラエビの水揚げ量がかなり落ち込んでいます。

拙速な資源状況の評価は、持続可能な漁業を守ることにつながるのかの懸念が出されています。

その記事とニュースを掲載します。

 

富士川の濁りとの関連触れず サクラエビ資源回復で静岡県
(静岡新聞2019/9/21 07:54)https://www.at-s.com/news/article/special/684201.html

(写真)県水産技術研究所の担当者から産卵状況などについて説明を聞く出席者=20日午後、静岡市清水区の由比港漁協

駿河湾奥の富士川沖でサクラエビの資源回復が進んでいないことが明らかになった20日の情報連絡会。一方で県水産技術研究所の花井孝之研究統括官は、富士川沖以外の漁場では「回復傾向」にあることを強調。これまでの漁規制の取り組みを念頭に「(漁師ら)皆さんの努力のたまもの」と高く評価した。
花井統括官によると、サクラエビは本来、湾奥で産卵する。「何らかの理由で産卵が遅れ、親エビが湾奥まで北上できていない」と南に偏っている理由を説明。不漁との関係が指摘される富士川河口域の濁りとの関連性は「解析していない」と明言を避けた。
主な産卵場とされる富士川沖と蒲原沖で漁師らが実施した産卵調査によると、産卵数は18年に比べ半分以下に減少している。ことしの春漁で禁漁にしたにもかかわらず減ったことに関し、花井統括官は「エビはいろいろな場所で産卵している。特定の地点の数字を見て多い少ないを論じてはいけない。特定部分だけを見たら判断を見誤る」などと述べた。
サクラエビ研究で知られる大森信・東京海洋大名誉教授は一般論としつつ「湾外に流される心配の少ない湾奥で産卵することが重要。全体の多い少ないで(漁の操業を)決めるのはおかしい」と話した。

■拙速評価の懸念も(解説)
県水産技術研究所が20日発表した駿河湾産サクラエビの資源調査結果は、主要な産卵場であり、約1年漁を自粛したにもかかわらず改善が進んでいない富士川沖と、今春漁を実施しながら潤沢な卵が確認された富士川沖以外の漁場の違いを鮮明にした。
湾内で生じた資源回復の濃淡はむしろ、富士川沖での資源状況や不漁の原因を科学的に説明する必要性を改めて浮き彫りにしたと言える。
県企業局の約30年間の記録では、駿河湾に流れ込む水の濁りは2011年度から急激に上昇した。富士川や支流の早川での静岡、山梨両県による合同水質調査の結果が待たれる。
ただ、肝心な濁りと海洋環境の関係については、静岡県も予算を付け動きだしたばかり。ダムや不法投棄と川の濁りの関係、濁りとサクラエビ不漁の関係がはっきりしないのが現状だ。
県は湾奥で産卵するサクラエビが湾奥まで北上できていない理由を明示できなかった。その一方で、「特定部分だけ見たら判断を見誤る」と強調。湾全体で資源回復傾向にあると評価し、漁規制の取り組みを高く評価した。
漁業者の生活生業を支援する取り組みは県の重要な役割だが、拙速な資源状況の評価は、持続可能な漁業を守ることにつながるのか懸念は拭えない。


サクラエビ秋漁解禁10月23日 組合決定、一部に慎重論も

(静岡新聞2019年9月23日)https://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/684826.html

静岡県桜えび漁業組合(実石正則組合長)は22日までに、秋漁について協議し、10月23日をめどに解禁することで正式決定した。春漁と同様、自主規制を敷くことも確認し、同日までに規制策をまとめるとした。
由比・蒲原(静岡市清水区)、大井川(焼津市)各地区の漁師でつくる船主会で決めた。ただ、一部の漁師には「本当に漁ができるのか」と慎重論もある。
ある船主は20日の情報連絡会について、「県の説明は根拠が曖昧だし、報道への説明にはっきりと答えず疑問ばかりが残った。『資源が回復した』と手放しで喜べる雰囲気はない」と語った。
組合は今後、解禁までに行う駿河湾全体での資源調査の結果を踏まえ、県水産技術研究所(焼津市)と規制内容を詰める。秋漁の漁期は12月23日までだが、調査結果や操業の状況次第で前倒し終了も検討する。
同研究所は情報連絡会で、「湾全体の資源状況は回復傾向」と産卵調査の結果を報告。これを受け、実石組合長は秋漁実施の方針を示していた。

駿河湾のサクラエビの記録的不漁問題からはじまって問題が発展し、日本軽金属・雨畑ダムのひどい堆砂状況が明るみになってきました。
このサクラエビについて夏に実施された産卵調査で資源が回復傾向にあるということで、10月23日をメドに秋漁を解禁することになりました。
しかし、下記のグラフを見ると、2019年はサクラエビの水揚げ量がかなり落ち込んでいますので、解禁して本当に大丈夫なのかと思ってしまいます。


サクラエビ秋漁解禁へ、10月23日メド 卵数は回復傾向

(日本経済新聞2019/9/24 19:07)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50150060U9A920C1L61000/

静岡県特産サクラエビの漁業者でつくる静岡県桜えび漁業組合(静岡市)は、10月23日をメドに秋漁を解禁する。記録的不漁が続いており慎重論もあったが、夏に実施された産卵調査で資源が回復傾向にあることが分かったため「捕りながら増やす」方針を維持する。2018年秋漁以降、続けてきた自主規制の具体的な内容は今後詰める。

静岡市内でこのほど開いた船主会で決定した。解禁数日前に駿河湾の広い範囲で資源調査を行う予定で、結果次第ではスタートがずれ込む可能性もある。漁期は12月23日までだが、資源状況によって前倒しで打ち切る。
漁業者や加工業者、公的機関でつくる「情報連絡会」の20日の会合では、県水産技術研究所が産卵調査の結果を報告した。これによると湾内の推定総卵数は7月のみで326兆粒に上った。調査開始(1994年)以来の最低だった18年7~9月の19兆粒から急回復した。18年秋漁、19年春漁と自主規制で資源を温存した成果が出ている。
一方で、卵が主産卵場の湾奥だけでなく湾全体に分布していることは懸念材料だ。湾南部の卵は湾の外に流出してしまうためだ。産卵の時期が遅れたことが理由とみられ、過去の不漁でも同様の分布が観測されている。「卵が多いからと手放しでは喜べない」(県担当者)
サクラエビは2018年以降、記録的な不漁に見舞われている。19年春漁では水揚げ量が計85.3トンと過去最低に落ち込んだ。不漁の原因は分かっていないが、捕りすぎや海の濁りなどが指摘されている。実石正則組合長は「産卵調査では一筋の光が見えた。ただ資源回復は道半ばだ。慎重にあたらなければいけない」と気を引き締める。


漁は再開も「自主規制」を サクラエビに“回復の兆し

(静岡放送(SBS)2019/9/23(月) 11:24配信) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190923-00010000-sbsv-l22

不漁が続くサクラエビについて県はこの夏の調査で資源回復の兆しがみえたと報告しました。一方、漁協は秋漁について自主規制をしながら操業する方針を明らかにしました。
9月20日に由比港漁協で開かれたサクラエビの情報連絡会で、県水産技術研究所はこの夏に実施した調査の結果、駿河湾のサクラエビの卵の数が去年を大幅に上回っていることが確認されたと報告しました。ただ、卵の数は回復傾向にあるものの、まだ十分とは言い切れない状態のため、県桜えび漁業組合は10月下旬からの秋漁について自主規制を設ける方針を示しました。
(県桜えび漁業組合・実石正則組合長)「去年の秋漁と今年の春漁と今年の秋漁と、状況が全然違うものですから、状況にあった自主規制を決めていかなければいけない。」
組合は今後、自主規制の具体的な内容について慎重に議論して決めるということです。

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