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水害のリスクを伝えて、より安全な場所へ 高まる機運

2020年3月21日
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今年1月に土木学会が公表した提言を取り上げた記事を掲載します。
土木学会の提言は次の通り、土木学会のHPに掲載されています。
この提言は「氾濫リスクに基づくまちづくり・住まい方の改善等による被害軽減を進め、地域・都市政策と治水政策が一体となった「流域治水」の実現」を求めたものです。
土木学会が流域治水の実現を求めたのですから、河川行政が真っ当な治水行政に少しは変わっていくことを期待します。

「台風第 19 号災害を踏まえた今後の防災・減災に関する提言 ~河川、水防、地域・都市が一体となった流域治水への転換~」(2020 年 1 月23日 土木学会台風第 19 号災害総合調査団)
https://jsce.or.jp/strategy/files/hagibis_20200123.pdf
提言要旨 https://jsce.or.jp/strategy/hagibis_20200123.shtml

水害のリスクを伝えて、より安全な場所へ 高まる機運
(朝日新聞2020年3月20日 10時00分) https://digital.asahi.com/articles/ASN3K6JRKN36ULZU00V.html?iref=pc_ss_date
編集委員
2度上昇シナリオではなく、4度上昇シナリオも視野に入れるべきである――。今年1月に土木学会が公表した提言に、こんなくだりがある。世界が2度、さらに1・5度までに気温上昇を抑えようと動いているのになぜ、と思える数字なのは防災や減災をめぐる提言だからだ。
日本列島は一昨年の西日本豪雨、昨年の台風19号と、2年連続で広域の災害に見舞われた。気候変動で激しい雨が増えるとみられるなか、治水のあり方も見直しを迫られている。温室効果ガスの排出を抑える努力が進むとしても、災害への備えに楽観的な見通しは禁物だろう。

(写真)京成電鉄の京成本線荒川橋梁(きょうりょう)。地盤沈下のため堤防をかさ上げした結果、線路付近だけ低くなった。橋の架け替えが計画されている。当面は土囊(のう)などの水防活動で対処する=東京都
堤防やダムなどの建造物を扱ってきた土木学会だが、ハードだけでは命や財産は守りきれないというのが近年の共通認識になっている。河川整備は思うように進まず、高齢化や人口減など社会も変化している。提言は、治水事業や水防は「体力不足」だと明記し、リスクを積極的に伝えていくことに踏み込んだ。
「メリハリのきいた対策のために危ないところをはっきりさせたい」。記者会見で次期会長の家田仁・政策研究大学院大教授はこう話した。
今のハザードマップが示しているのは、あくまでも様々な洪水のケースを一つにまとめた水深だ。同じ色に塗られていても、実際のリスクはさらに濃淡がある。決壊するとすればここから、繰り返し被害に遭いやすいのはここ、といった知識は、専門家や古くからの住民の間で暗黙の了解になることはあっても、必ずしも広く知らされてはこなかった。
古い橋が架け替えられず堤防が低いままの場所、そもそも堤防がない場所などはわかりやすい例だ。用地買収が進まずに堤防の幅が十分でない所や、地形的に流れが滞りやすい場所もある。合流点の近くや、周りよりも低いくぼ地など、水が集まりやすく排水もしにくい所もある。
タブーのままにはしておけない。提言は、リスクを多段階で示した浸水想定図の作製と公表をうたう。何年に1回の雨だと、どの範囲がどれだけ浸水するのかを具体的に示すイメージだ。堤防の強度の診断や水の流れのきめ細かな解析など、技術面も整ってきたという。
目指すのは、水を集める範囲を広く見渡し、地域づくりとも一体になった「流域治水」への転換だ。リスクに応じた対策を取り、まちづくりや住まい方を見直して長期的に安全な場所への集約を図っていく。森林や水田などの保水・遊水機能、避難計画も組み合わせ、自然環境や文化との調和も図る。そのために広く関係者が協議する場をつくる。
災害リスクを踏まえた土地利用の見直しの議論は、ほかの学会も含め盛んになってきたと感じる。国土交通省も、不動産取引での水害リスクの説明義務づけや、開発規制を強化する法改正の方針を打ち出した。機運は高まりつつある。(編集委員)
(写真)京成電鉄の京成本線荒川橋梁(きょうりょう)付近。堤防が線路の近くだけ低くなっている=東京都葛飾区

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