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川辺川ダム議論再燃に不快感 元本体建設予定地の熊本・相良村長「まずは現実的対策を」

2020年9月4日
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川辺川ダム計画のダム本体の建設予定地だった熊本県相良村の吉松啓一村長のインタビュー記事を掲載します。

「ダムがあれば効果があった、なかったという議論の前に、まず現実的なことをしてほしい。堤防のかさ上げや住宅のかさ上げ、遊水池の整備もしていないのにその先の議論はできない」という村長の話はその通りだと思います。

堤防のかさ上げや住宅のかさ上げ、河床の掘削など、行うべき治水対策をきちんと実施してこなかったから、7月の豪雨で氾濫被害が大きく拡大したのだと思います。

 

川辺川ダム議論再燃に不快感 元本体建設予定地の熊本・相良村長「まずは現実的対策を」

毎日新聞2020年9月3日 20時21分) https://mainichi.jp/articles/20200903/k00/00m/040/200000c

(写真)「ダム議論の前にできることをやって」と訴える熊本県相良村の吉松啓一村長=熊本県相良村の村役場で2020年9月2日午前10時56分、平川昌範撮影

九州豪雨で氾濫した球磨川の治水対策について、支流の川辺川ダム計画でダム本体の建設予定地だった熊本県相良村の吉松啓一村長(66)が2日、毎日新聞のインタビューに応じた。蒲島郁夫知事が2008年に計画の「白紙撤回」を表明した背景には、相良村の当時の徳田正臣村長らが建設に反対していたことがあった。20年3月に就任した吉松村長は、村が要望してきた堤防のかさ上げなどの対策が進まないままダム議論が再燃していることに不快感を示し、「まずは現実的対策を」と訴えた。【聞き手・平川昌範】

――村の被害状況は。

◆川辺川と球磨川本流との合流地点周辺で、特に大きな被害が出た。球磨川の水位が高くなり、川辺川の水が流れていかずにあふれる「バックウオーター」が起きたと見ている。堤防を越流し、水田や家屋、小学校も水につかった。多くのボランティアに来てもらい、非常に助かった。

――復旧について課題は。

◆(村の要望で実施されてきた)河川の掘削はだいぶ効果があったが、(県に)希望しても、できるのは一部だ。堤防のかさ上げは実施されていない。(地区を堤防で囲む)輪中堤(わじゅうてい)も議論されたが実現していない。下流では(川幅を広げる)引き堤や住居のかさ上げが進められているが、相良村では実施されておらず、遊水池もできていない。

――今回の災害を受け、蒲島知事が「川辺川ダムも選択肢の一つ」と発言した。

◆ダムがあれば効果があった、なかったという議論の前に、まず現実的なことをしてほしい。堤防のかさ上げや住宅のかさ上げ、遊水池の整備もしていないのにその先の議論はできない。今回の災害後も住民からは「堤防を上げていてくれれば」「河川掘削をしてくれていれば」といった声が寄せられている。川辺川の管理をしているのは国や県だ。(国と県、球磨川流域の12市町村による豪雨被害の)検証委員会では、こういった部分を検証してもらいたい。

――相良村は徳田前村長が08年に川辺川ダム反対を表明し、12市町村でつくる「川辺川ダム建設促進協議会」から一時脱退したが、今回の豪雨災害後に復帰した。促進協は8月、「県や国は川辺川ダム建設を含む抜本的な治水対策を講ずるべきだ」と決議した。

◆それは(12市町村)共同(での決議)だから。全体でどうだろうかという発案だ。住民から「促進協に入ってほしい」と言われ、状況を説明しなければいけない(ので復帰した)。やはりダム計画に(直接)関係のある自治体は慎重だ。

――過去2代の村長はダム計画に反対した。

◆それは個人(的な考え方から)でしょう。相良村は1963、64、65年に水害があり、「これじゃあだめだ」ということで、ダム推進を議会も議決し、村長も(建設の)要望書を出した。それがずっと続いている。蒲島知事や前村長が反対したのは政治的なものもあったんだろう。

――ダム計画では、隣の五木村だけでなく相良村でも60戸が移転を余儀なくされた。

◆移転して良かったのか、そのままが良かったのか、それぞれの考えがある。ダム計画が発表されてから約50年。長い。世代も、(生活)様式も、自然も変わっている。昔のものをどうこうではなくて、新しい起点で(今の)村民の意見を聞きながら村政を進めたい。

(ダム計画への賛否が)はっきりしている人もいるだろうが、それ以外の人が大半だ。だから(国や県には)村民が望むことをしてもらいたい。それをせずに、その先の(ダム建設の)ことを言えば、村民は違和感を感じる。(ダムで)翻弄(ほんろう)するよりも、現実にできる対策を急いでもらいたい。急がないと国や県への信用はもうなくなってしまう。

――復旧への国の支援はどうか。

◆足りていない。村では橋が流失し、農地(の被害)も大変だ。大きな水路が3カ所崩壊した。ただ、人的被害が出なかった。住民が協力して避難したのが私たちの誇りだ。浸水した高齢者施設も非番の人が対応し、利用者たちは体育館に避難した。村の職員たちが農業も復興に向けて進めている。早く住民が安定した生活ができるように頑張りたい。

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