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報道

「川まで奪わないで」人吉市ではダム反対多数 熊本知事の意見聴取会

2020年10月25日
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7月の豪雨で氾濫した球磨川の治水について蒲島郁夫・熊本県知事が被災地住民から意見を聴く会が人吉市で開かれました。その記事とニュースを掲載します。

多くの方が「川辺川は宝」であるとしてダムに反対し、清流への愛情と行政への不信感が浮き彫りになりました。

川辺川ダム推進の流れが変わることを願うばかりです。

 

「川まで奪わないで」人吉市ではダム反対多数 熊本知事の意見聴取会

(西日本新聞2020/10/25 6:00)  https://www.nishinippon.co.jp/item/n/657698/

(写真)球磨川が氾濫し、多くの民家などが被害を受けた熊本県人吉市=7月4日、西日本新聞社ヘリから

7月豪雨後の治水策に民意を反映させるため、熊本県の蒲島郁夫知事が球磨川流域で開いている意見聴取会が24日、同県人吉市であり、計約100人が参加した。豪雨による犠牲者20人、家屋被害3千戸と最大の被災地であり、是非論が再燃している川辺川ダムによる治水の最大受益地とされるが、多くはダムに反対した。「川辺川は宝」。清流への愛情と行政への不信感が浮き彫りになった。

「知事さん、ダムを造らないで」。地元で生まれ育った木本千景(ちひろ)さん(34)は切々と訴えた。川辺川は遊び場であり、アユ漁や川下りができる観光資源であり、古里の原風景。学生だった2008年、ダム建設を「白紙撤回」した蒲島氏のニュースを東京で見て「うれしくて泣いた。だから、ここに戻って子育てし、幸せな生活を送っています」。川遊びする長男(4)の写真を蒲島氏に向けた。

「多くを失った被災者から川まで奪わないで」。他の参加者の反対意見にも川への深い愛情がにじんだ。

ダムへの拒否反応も強い。「ヘドロが増えた」「臭い」などとやり玉に挙がったのは球磨川上流の県営市房ダムだ。7月豪雨時には防災効果を発揮したが「今回の水害は市房ダムの放流が原因という声が多い」との意見も出た。「川辺川ダムが存在すれば人吉市の浸水範囲は6割減った」という国の検証結果についても、複数の市民が「信用できない」と述べた。

蒲島氏は会合後、報道陣に対し、ダム反対論の多さに関して「不信感の強さを感じた。丁寧に説明すべきだと感じた」と話した。

(古川努、中村太郎)

 

ダムめぐり慎重な検討求める声相次ぐ 熊本

(朝日新聞2020年10月25日 10時00分)

 

ダム建設巡り賛否交錯 熊本県が人吉市で意見を聴く会

(熊本日日新聞2020/10/25 09:00) https://this.kiji.is/692885624023450721?c=39546741839462401

(写真)蒲島郁夫知事(手前左)に球磨川治水に対する意見を述べる出席者ら=24日、人吉市

7月豪雨で氾濫した球磨川の治水対策などについて、熊本県の蒲島郁夫知事は24日、20人が犠牲となり甚大な被害が出た人吉市の住民から意見を聴いた。川辺川ダム建設を巡っては賛否が交錯。住民に建設の賛成、反対を問う住民投票の実施を求める声も上がった。

同市内2カ所で計3回、104人から意見を聴いた。球磨地域振興局であった2回の会合には、各町内会長や被災者らが参加。同市城本町の城本雄二町内会長は、町内の9割を超える住民が建設を求めているとして「漠然と球磨川を再生したいと考えている人は誰一人いない。ダムがあれば、避難する時間は稼げる」と述べ、ダム建設に賛成した。

同市南泉田町のラフティングガイド、木本千景さん(34)は「美しい川辺川が残っている地元で子育てをしたいと思い帰郷した。ダムを造ったら川は死ぬ」と涙ながらに訴えた。球磨村に住んでいた親族の川口豊美さん(73)と牛嶋滿子さん(78)を亡くした北願成寺町内会長の岡田昭範さん(75)も「2人は『かさ上げしたので安全だ』と言われていた場所で流されてしまった。ダムを造っても災害は防げない」と建設に反対した。

治水対策の結論を急ぐ県の方針に、苦言を呈する声も。自宅が全壊した同市下薩摩瀬町の元小学校教師林通親さん(71)は「被災者は日常を取り戻すのに必死で、ダムについて落ち着いて考える状況にない」と述べた。

同市下原田町の中原コミュニティセンターでは、複数の町内会長からダム建設賛成の声が上がった。その一方で、今回の水害で甚大な被害が出た同市中神町大柿地区の農業、尾方和敏さん(72)は「私たちは被害を受けてもダムには反対。ダムは必要ない」と断言。中原小PTA会長の隈部圭二さん(50)は「ダム問題をわが子の世代まで残したくない。住民投票などで総意をまとめ、新たなスタートを切るべきではないか」と提案した。

終了後、蒲島知事は「ダムへの考え方には多面性があると感じた。意見聴取を重ね、しっかり分析した上で治水の方向性を考えたい」と述べた。(内田裕之、澤本麻里子、小山智史、吉田紳一)

 

人吉市で被災住民の意見を聴く会

( テレビ熊本TKU 2020.10.24 17:32)

https://www.tku.co.jp/news/%e4%ba%ba%e5%90%89%e5%b8%82%e3%81%a7%e8%a2%ab%e7%81%bd%e4%bd%8f%e6%b0%91%e3%81%ae%e6%84%8f%e8%a6%8b%e3%82%92%e8%81%b4%e3%81%8f%e4%bc%9a/

(映像)

球磨川の治水をめぐり県が行っている被災地住民から意見を聴く会、24日は人吉市で開かれました。

会では集まった住民を前に、まず県側が今回の被害について人吉市では約518ヘクタール4681戸が浸水したこと、そして仮に川辺川ダムが存在した場合、人吉市では今回の洪水のピーク水位より約2メートル低下するなど効果が推定される一方、すべての被害を防ぐことはできなかったなどとするこれまでの検証結果を説明しました。

24日の参加は合わせて約90人、ダムへの賛否を含め「来年災害がないとは限らない。ダムを含めた治水をしっかり考えてほしい。まずは命を守っていただいて、それから環境を考えてほしい」や「2008年に白紙撤回のときは東京でテレビで見ていて、うれしくて声をあげて泣きました。それがあったから戻ってきて今幸せな生活をしています。知事には作らないでほしいです」などさまざまな声があがりました。

蒲島知事はここでの意見などを踏まえ、年内のできるだけ早い時期に治水対策の方向性を示すとしています。

 

人吉市で球磨川治水会議が開かれる

(RKK熊本放送2020/10/24(土) 17:54配信)https://news.yahoo.co.jp/articles/dd370e9db283e5fe7d4d75d7d25e9c8777799158

(映像)

7月の豪雨で氾濫した球磨川の治水について蒲島知事が住民から直接、意見を聴く会が人吉市で開かれました。

「わが家も床上浸水1メートルで堤防を2メートル超えた水量が流れてきている。怖かった思いです」(参加した住民)「被災した人々の生活支援をお願いしたい」(参加した住民)

会議には地元の町内会長などおよそ30人が出席しました。参加した人からはダム建設を望む声や河床掘削や堤防の強化などダムによらない治水を求めるものなどさまざまな意見が出されました。

いっぽうで「ダムの是非について対立を続けるより住民投票を行ってでも白黒つけてほしい」とダム問題の再燃を憂慮する声もありました。午後からも人吉市の球磨地域振興局で住民から意見を聴く会が開かれました。

 

川辺川ダム建設に賛否 熊本知事が人吉市民に意見聴取 住民投票求める声も

(毎日新聞2020年10月24日 19時38分) https://mainichi.jp/articles/20201024/k00/00m/040/212000c

(写真)水害時の避難のあり方などについて熊本県の蒲島郁夫知事(奥)に意見を述べる住民(手前)=熊本県人吉市の中原コミュニティセンターで2020年10月24日午前11時9分、清水晃平撮影

7月の九州豪雨で氾濫した熊本県南部の球磨川の治水対策について、蒲島郁夫知事が流域住民の意見を聴取する会が24日、自治体として最大規模の浸水被害を受けた人吉市であり、焦点の川辺川ダム建設への賛否は分かれた。蒲島知事が2008年に川辺川ダム建設の「白紙撤回」を表明した際は当時の人吉市長らの反対が理由だった。

同市は全壊882棟、半壊1411棟など、約4600棟の家屋が浸水被害を受けた。市内で3回開かれた会には、各地区の町内会長やPTA関係者ら計約100人が出席した。

(写真)熊本県の蒲島郁夫知事(奥)に対し、球磨川の治水について意見を述べる参加者(手前)=熊本県人吉市の県球磨地域振興局で2020年10月24日午後2時30分、清水晃平撮影

ダムに賛成する住民からは「水害は来年も来るかもしれない。ダムを含めた治水をしっかりと考えてもらいたい」といった意見があった。一方、「緊急放流の不安がぬぐえない」などの理由での反対があった他、「国が示すダムの効果の数字だけでなく、『ダムがなかった場合』の数字も出してもらったうえで検討したい」「被災者一人一人の声を聞いたうえで判断してほしい」という慎重意見もあった。住民投票の実施を求める意見も出た。

また、ダムに賛成、反対双方の住民から「河床にたまった土砂の撤去など、できる対策を早期にしてほしい」との声も上がった。

約20回を予定する知事による意見聴取は24日までに14回が終了。川辺川ダム建設予定地の相良(さがら)村で23日にあった会では、水産業の男性が「ダムを造ると大量の土砂がたまって濁りが長期化する。日本一の水質や天然アユという観光資源を捨て去ることになる」と主張。球磨川中流で被害が大きかった球磨村や八代市坂本地区での会では「ダム論議より、被災者の生活再建が先」といった声も出た。【城島勇人、清水晃平】

 

 

 

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