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「利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画」の変更

2021年5月31日
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5月28日に「利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画」(利根川荒川フルプラン)が変更され、下記の通り、国土交通省のHPに掲載されました。

「~需要主導型の「水資源開発の促進」からリスク管理型の「水の安定供給」へ~」としていますが、水需要が減少の一途を辿り、水余りが一層進行していく時代になったのですがら、役目がなくなった水資源開発基本計画(フルプラン)は廃止されるべきものです。

利根川・荒川・豊川・木曽川・淀川・吉野川・筑後川の7指定水系については水資源開発促進法により、水需給の面でダム等の水資源開発事業が必要であることを示す水資源開発基本計画(フルプラン)が策定されています。利水面でのダム等水資源開発事業の上位計画になります。これらの指定水系では現在、思川開発、霞ケ浦導水事業、設楽ダム、川上ダム、天ヶ瀬ダム再開発、小石原川ダム(試験湛水中)といった水資源開発事業が進められていて、木曽川水系連絡導水路が計画されています。

しかし、水需要が減少の一途を辿り、水余りが一層進行していく時代において水需給計画で新規のダム等水資源開発事業を位置づけることが困難になってきたため、2015年度目標のフルプランのままになってきていました。

このうち、今回、利根川・荒川水系について2030年度目標のフルプランが策定されました。

フルプランは水資源開発促進法の目的に書かれているように、「産業の開発又は発展及び都市人口の増加に伴い用水を必要とする地域に対する水の供給を確保するため」に策定されるものであり、水道用水・工業用水の需要が減少傾向に転じた時点で、その役割は終わっているのですから、水資源開発促進法とともに、7指定水系のフルプランは廃止されるべきものです。

しかし、国土交通省水資源部の組織を維持するため、目的を失ったフルプランの改定作業が行われています。

これから、豊川・木曽川・淀川・筑後川の指定水系についてもフルプランの改定が行われることになっています(新規の事業がない吉野川水系は2019年4月に形だけの計画を策定)。

今回の利根川荒川水系フルプランの概要 2030年度の水需給

を見ると、中段に図が三つあります。

左の図では2030年度において10箇年に1回の渇水では供給可能量が高位の水需要量をも少し上回るが、真ん中の図の既往最大渇水時には供給可能量が高位の水需要量を下回ってしまう。右の図はその対策として需要側の節水対策などに取り組む必要があることを示すものです。

分かりずらい図ですが、要するに10箇年に1回の渇水に対応する水源量はすでに確保されているが、既往最大渇水時を考えると、不足が生じることがあるので、水源開発がまだ必要だということを言いたいようです。

  

国土交通省のHP

「利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画」の変更

~需要主導型の「水資源開発の促進」からリスク管理型の「水の安定供給」へ~  令和3年5月28日

https://www.mlit.go.jp/report/press/water02_hh_000132.html

 

【経緯】

危機的な渇水、大規模自然災害、施設の老朽化に伴う大規模な事故など、近年の水資源を巡るリスクが顕在
化している状況を踏まえ、平成29年5月の国土審議会の答申では、従来の需要主導型の「水資源開発の促進」
からリスク管理型の「水の安定供給」へと、水資源開発基本計画を抜本的に見直す必要があることが提言されま
した。
これを受け、利根川水系及び荒川水系については、令和元年7月より計画の見直しに着手し、国土審議会水資
源開発分科会利根川・荒川部会における6回の審議、国土審議会水資源開発分科会における審議を経て本計画
をとりまとめ、令和3年4月15日に国土審議会長より国土交通大臣へ答申された後、関係大臣協議、関係都県知
事意見聴取を経て、本日、閣議決定、国土交通大臣決定をしました。

【新たな計画のポイント】

比較的発生頻度が高い渇水時を基準に水の安定供給を目指してきた前計画を新たな視点で転換

[1]供給の目標に、発生頻度は低いものの水供給に影響が大きいリスク(危機的な渇水等)を追加
危機的な渇水、大規模自然災害、老朽化に伴う大規模な事故に対しても新たに目標を設定

[2]需要と供給の両面に存在する不確定要素を踏まえて、水需給バランスの点検を行い計画を策定
<需要面> ・社会経済情勢等の不確定要素(人口、経済成長率)
・水供給の過程で生じる不確定要素(水供給過程での漏水等、給水量の時期変動)
それぞれ、「高位」と「低位」の2ケースを想定
<供給面> 「10箇年第1位相当の渇水」、「既往最大級の渇水」の2ケースを想定

[3]ソフト対策を供給の目標を達成するための必要な対策として計画に掲上
「水供給の安全度を確保するための対策」、「危機時において必要な水を確保するための対策」に区分し、
地域に即した対策を掲上

[4]PDCAサイクルの導入
計画策定後、おおむね5年を目途に水需要の実績や対策効果等を点検し、必要に応じ計画を見直し

〔注〕(Wikipediaの解説 PDCAサイクル:PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)は、品質管理などの 業務管理における継続的な改善手法。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check( 評価)→ Act(改善)の4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する 。

 

添付資料

報道発表資料(PDF形式:178KB)

新たな計画の概要(利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画)(PDF形式:506KB)

計画本文(利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画)(PDF形式:227KB)

説明資料(利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画)(PDF形式:338KB)

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