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報道

球磨川水系の整備基本方針見直し 国交省小委、想定流量引き上げへ

2021年7月9日
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7月8日、国土交通省で社会資本整備審議会小委員会が開かれました。昨年7月、球磨川の大洪水があったので、球磨川水系河川整備基本方針の洪水時の想定流量(基本高水のピーク流量)を引き上げる審議を行うための会議です。今回は第1回です。

その記事とニュースを掲載します。

この小委員会は公開で開かれます。下段に示す通り、国土交通省のHPにその案内が出ていました。

思えば、この球磨川水系の小委員会はかつて2006年4月から2007年2月まで10回開かれました。10回も開催されるのは異例のことでした(ほかの水系は1~数回)。これは当時の潮谷義子・熊本県知事が毎回出席し、安易に川辺川ダムを前提とする治水計画を策定することに異論を示したからです。

私たちは熊本の方との共同作業で毎回、意見書を提出して傍聴し、潮谷知事を支援し続けました。

今から15年前のことになりました。

 

球磨川水系の整備基本方針見直し 国交省小委、想定流量引き上げへ

(熊本日日新聞  2021年07月09日 07:00) https://kumanichi.com/articles/306097

(写真)球磨川の河川整備基本方針を議論する国の検討小委員会にオンラインで参加する蒲島郁夫知事(中央)=8日、県庁

国土交通省の社会資本整備審議会小委員会は8日、昨年7月の熊本豪雨で氾濫し、甚大な被害をもたらした球磨川水系の河川整備基本方針の見直しに着手した。気候変動による降水量増加も踏まえて洪水時の想定流量(基本高水のピーク流量)を改め、支流の川辺川の流水型ダム計画を含む流域の治水対策に反映させる。

現行の基本方針では基準地点の人吉におけるピーク流量を毎秒7千トンと想定してきたが、昨年の豪雨では、これを上回る推定毎秒約7900トンを記録した。これを受け、今後の治水対策の前提となる基本高水ピーク流量をどの程度引き上げるかが焦点となる。

小委員会は河川工学や環境保全の専門家をはじめ、蒲島郁夫知事も加えた13人で構成。初会合はオンライン開催で、国交省が球磨川の地形的特徴や豪雨による被害、これまでの治水対策を説明した。基本高水の議論は次回以降に持ち越した。

委員からは「温暖化の影響で、7月豪雨の総雨量は(従来計画の)おおよそ2割程度アップしている」「非常に大きな雨が実際に降った場所だけに計画雨量の設定が難しい」などと指摘する声が上がった。

終了後、蒲島知事は報道陣に対し「7月豪雨に耐えられる安全を確保することが大事だ。『緑の流域治水』の実現に向けて本格的な審議がスタートしたのは大きな一歩だ」と述べた。

国交省は、全国の1級水系で河川整備基本方針の見直し作業を始めており、球磨川は、三重県などを流れる新宮川、宮崎県などを流れる五ケ瀬川に続いて3例目となる。(嶋田昇平、内田祐之)

 

最大流量、気候変動を考慮 球磨川水系整備方針 国交省が見直し着手

(西日本新聞2021/7/9 6:00 )https://www.nishinippon.co.jp/item/n/767702/

国土交通省の社会資本整備審議会検討小委員会は8日、初会合をオンライン方式で開き、昨年7月の熊本豪雨で氾濫した球磨川水系(熊本県)の河川整備基本方針の見直しに向けた検討に着手した。気候変動の影響で降雨量が増えることや、ソフトとハード両面から防災対策を図る「流域治水」の視点を加えた新方針を策定することを決めた。

球磨川水系の河川整備基本方針は2007年に策定された。整備目標として想定する洪水時の最大流量「基本高水」は熊本県・人吉地点で毎秒7千トンだが、昨年の豪雨では毎秒7900トンとこれを上回り、見直しが急務となっている。

現方針は過去の降雨に基づき策定したが、初会合では新方針として気候変動を考慮することで合意した。「気温が2度上昇した場合、降雨量は1・1倍になる」との予測モデルで流量を見直す。昨年の豪雨時の流量も踏まえ、次回会合で基本高水をどの程度引き上げるかを協議する。

基本高水は、国や熊本県が球磨川支流の川辺川で検討している流水型ダムの容量や規模を定める際の前提となる。国は基本方針を固めた後、流水型ダムを位置づける「河川整備計画」の策定に取り掛かる。 (鶴加寿子)

 

温暖化も考慮」球磨川の治水方針見直しへ協議開始

(熊本朝日放送2021/7/8(木) 19:07配信)https://news.yahoo.co.jp/articles/05478171af69d14659dd9785ed124b62c0950a00

温暖化の影響を考慮すべきとの意見も出されました。今後の大雨で球磨川はどの程度流量が増えると想定すべきか治水方針の見直しをめぐる協議が始まりました。

8日は河川工学の専門家などが出席し球磨川治水の根拠となる洪水時の想定流量見直しについて話し合いました。これまでの基準ではピーク流量を人吉地点で毎秒7000トンとしていましたが、熊本豪雨では毎秒7900トンと想定値を超えました。

会議では平均気温が2度上昇すると降雨量が1.1倍に増える試算が示され、委員からは「熊本豪雨でも総雨量の15%~20%が温暖化による影響を受けている」「新たな目標値も気候変動の影響を加味したものに見直す必要がある」などと意見があがりました。 次回の開催は未定ですが今後、国が新たなピーク流量を示す方針です。

また、8日は流域市町村長らが流水型ダムの早期建設を求める要望書を県に提出しました。蒲島知事は「流水型のダムは環境に極限まで配慮する必要がある。できるだけ早期に整備が進むように国に全面的に協力を求めていく」としています。

 

国土交通省のHP 社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会(第112回)

https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_001077.htm

国土交通省は、7月8日に社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会(第112回)をWEB開催します。

今回は、球磨川水系の河川整備基本方針について、気候変動を踏まえた新たな計画へと見直すため、1回目の審議を行います。

〇昨年7月の豪雨によって、現行の河川整備基本方針(以下、基本方針)に定める目標流量を上回る洪水流量を記録した球磨川水系(熊本県、宮崎県及び鹿児島県)について、気候変動を踏まえた新たな基本方針への見直しに向けて、1回目の審議を行います。

【会議について】

1.日 時: 令和3年7月8日(木)14:30~16:30

2.場 所: 中央合同庁舎3号館 1階 水管理・国土保全局A会議室(千代田区霞ヶ関2-1-3)

および 各委員所属場所等

3.委 員: 別紙のとおり

4.議 題: 球磨川水系の河川整備基本方針の変更について 等

5.その他:

・会議はWEB会議方式にて、公開で行います。

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