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報道

設楽ダム、完成が8年遅れて2034年度へ、事業費が約800億円も増額

2022年5月22日
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国交省が愛知県の豊川で建設工事を進めている「設楽ダム」が「完成が8年遅れて2034年度になり、事業費が約800億円も増える」ことが発表されました。

この工期延長・事業費増額について各紙と地元紙の記事が掲載します。

今回の国交省の資料(中部地方整備局ダム事業費等監理委員会及び部会(設楽ダム))https://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/damu_kanri/data/220517_bukai_01.pdf を見ると、

工期延長と事業費増額の理由として、「地質調査や詳細設計の結果より、十分な強度を有する基礎岩盤が当初想定より深くなったため、本体掘削量や本体打設量を変更する必要が生じた」などが書かれていますが、

そのような問題が今頃になって出てくることに首を傾げてしまいます。

必要性が希薄で問題積みの設楽ダムは中止すべきダムです。設楽ダムの問題点は「設楽ダムの建設中止を求める会」のHPhttp://www.nodam.org/ に詳しく書かれています。

この設楽ダムの貯水容量の内訳を見ると、下記の通り、洪水調節容量1900万㎥、新規利水容量1300万㎥、流水の正常な機能の維持6000万㎥となっています。

洪水調節や新規利水も必要性が疑わしいものですが、流水の正常な機能の維持は特段の必要性・緊急性がなく、ダムの規模を大きくするための増量剤のようなものです。この容量が6000万㎥もあって、全体の約2/3も占めるのが設楽ダムです。巨額の事業費を投じること自体を目的にした、必要性が希薄な設楽ダムの建設が進められているのです。

 

設楽ダム工期延長で関係者困惑

(東愛知新聞 2022/5/19 0:02) http://www.higashiaichi.co.jp/news/detail/9709

水源地再建や治水への影響危ぐ

設楽町で進めている「設楽ダム」の建設について、国土交通省中部地方整備局が工期延長と事業費の増加方針を示した。豊川(とよがわ)流域で受益者となる東三河の自治体では、水源地の生活再建などに配慮するとともに、早期実現を図る治水対策への影響にも心配を募らせる。一方、建設反対派は膨らむ事業費に警鐘を鳴らす。

中部地整局「ダム事業費等監理委員会」の17日の報告では、工期の8年延長と事業費800億円増の総額3200億円とする方針を示した。地すベリ対策に伴う掘削量の増大のほか、現場の働き方改革や物価高などが背景にある。

報告を受けて設楽町の土屋浩町長は同日夜にコメントを発表

「現場の地理的要因のほか、働き方改革や物価高など社会要因も分かる」と理解を示す一方、「計画申し入れから約50年。移転を決めた水没地域の住民らの苦しみを思うと耐え難い」と胸の内を語った。さらに工期延長で、付替道路や生活道路整備の進み具合、まちづくりや水源地域整備事業などの計画と社会情勢に見合わなくなる点などに不安を募らせる。

豊橋市の浅井由崇市長も国交省の報告内容には理解を示しつつ、水源地の再建や流域の治水事業については、計画通りの実施を望んだ。

その中で「豊川水系流域治水プロジェクトで洪水時の被害軽誠に努めている。特に霞堤(かすみてい)地区は安全対策へいち早く事業を進めてほしい」と求めた。

隣接する新城市の下江洋行市長も報告には理解を示しつつ「引き続き総事業費の圧縮や工期短縮に取り組んでほしい。水源地域の皆さんの生活再建対策は重要」などと配慮した。

東三河広域連合では完成を見通して昨年、ダムサイトの一角に「山村都市交流拠点施設」の整備構想を打ち出した。2 0 2 7年完成へ今年度は基本計画作成を予定し、外部委託事業者の募集を始めたばかり。

連合では「委託契約前なので違約金などは発生しなかった。8年後まで社会情勢の変化を踏まえることも必要」と動向に注視する構えだ。

 

事業費増に警鐘も

一方、「設楽ダムの建設中止を求める会」の前代表で元愛知大学教授の市野和夫さんは「当初事業費2 0 7 0億円から1・5倍超に膨らむ。別の方法で治水対策をした方が安い」と指摘した。

また「現場は地質が悪く不適切な立地。地すベリ対策は、上流部にある深層崩壊の危険箇所に施すもので、膨大な工事になる。うまくいくかも不明。すでに一部工事は始まったことを現地視察で確認した」と述べた。

この時期の発表は「物価高騰でごまかしきれなくなったからでは」と推測。ダムエ事の今後について「渇水対策は十分で治水は下流の堤防工事で済む。今からでもダムはやめるべきだ」と主張した。

 

衆院議員の根本氏コメント

元国土交通政務官で自民党の根本幸典衆院議員(愛知15区)は18日、東愛知新聞の電話取材に応じ、国が示した工期延長や総事業費増額の方針について考えを述べた。

根本氏は「地すぺり対策など技術的要因に、現場での働き方改革や物価高など社会的要因も重なった。これは受け入れざるを得ない」との認識を示した。

地元への生活再建や治水への影響は「生活道路の付け替えなど新たな負担増を下流域の受益者全体で支えるべきだ」とした。7流域の治水については霞堤(かすみてい)のある地区での安全対策を急ぐよう、国への働き掛けを強めたい」との考えを示した。

働き方改革が工期延長に与える影響について「社会や時代の要請で、建設業界の人材確保にも不で欠だ」と理解を求めた。将来的には「事業の長期化傾向となれば、機材リースなどの負担や総事業費の増加につながる。国土強靭化への新たな課題になり得る」と指摘した。

【取材班】

工期延長に伴い基本構想作成も中断される「山村都市交流拠点施設」の建設予定地=設奈町で

 

山村都市交流拠点施設に影響 国交省の設楽ダム工期延長発表/「先を読みにくい」戸惑う関係者/遠のく従来目標 事業スケジュールも見直し

(東日新聞2022/05/20)https://www.tonichi.net/news/index.php?id=94852

設楽町で建設が進む「設楽ダム」の完成に合わせ、東三河広域連合が整備を予定する「山村都市交流拠点施設」は、ダムの工期が2034年度まで8年延長されることになった影響で事業スケジュールの見直しを余儀なくされている。
国土交通省中部地方整備局は17日、豊橋市内で開いた有識者による委員会で、設楽ダム建設現場で掘削量が増えたことへの対応や新たな地すべり対策の必要性、働き方改革に伴う作業時間の減少などを理由に工期延長を明らかにした。当初は26年度の完成を目標に掲げていた。
ダム予定地のすぐ近くでは、同連合が交流拠点施設の整備を計画している。同連合は今年度、施設の規模や具体的な機能、民間活力の導入可能性について検討する基本計画の策定を目指し、プロポーザル方式で業者を募集。すでに選考作業に入っていて来週にもプレゼンテーションを開く予定だった。工期の延長方針を受けて策定業務を中止し、業者におわびしたという。
同連合では、今後の具体的なスケジュールを改めて調整する。これまで通りダムの完成と同時期に施設利用を開始する方向性に変わりはないとしている。
交流拠点施設の整備は、東三河を流れる豊川(とよがわ)の上下流の交流を基本としつつ、域外からの観光誘客につなげる狙いもある。ただ、同連合の担当者は、設楽ダムの完成までに予想される社会情勢の変化も踏まえ「8年は長い。先を読みにくい」と従来目標が遠のいたことへの戸惑いも口にした。

  

設楽ダム工期8年延長 建設費800億円増/国交省が監理委部会で方針説明

(東日新聞2022/05/18)  https://www.tonichi.net/news/index.php?id=94829

(写真)ダム建設現場を視察する委員ら(設楽町で)

(写真)地滑り対策などが行われているダムの上流部(同)

(写真)設楽ダム建設事業部会であいさつする松尾直規委員長(中央)と委員会のメンバー(豊橋商工会議所で)

設楽町の豊川上流部で建設中の設楽ダムについて、国土交通省は17日、想定以上の工事が必要になったとして、工期を2034年度まで8年延長する方針を明らかにした。建設費用も800億円増え、約3200億円に膨らむ見通し。豊橋市内で同日、中部地方整備局ダム事業費等監理委員会の部会を開き、委員らに説明した。
設楽ダムは堤高129メートルの重力式コンクリートダムとなる予定。16年に告示された現行の建設基本計画では、工期は「26年度まで」、建設費用は「約2400億円」とされていた。
国交省が今回示した資料によると、地質調査などの結果、ダム本体を支えられる強い岩盤までは従前の設計より深く掘る必要があることが判明。これにより本体のコンクリート打設量も、約104万立方メートルから約130万立方メートルに増加する。
また、地滑りの恐れにより工事用道路の構造見直しなどが必要となった。本体打設の開始は26年度、水を実際にためる試験湛水の開始は32年度にずれ込むことになる。
建設費用に関しては、これらの事情に加え▽資機材価格や労務費の上昇(約286億円増)▽ダム湖に沈む道路の付け替え工事における設計・施工方法見直し(約288億円増)▽設備賃借・施設維持などの期間延長(約136億円増)―といった増額要因が見込まれる。
設楽ダムの建設目的は、豊川下流の洪水被害軽減、渇水時の流量確保や農業用水などの補給。現在は、本体の基礎となる岩盤を掘り出す工事や道路付け替え工事が行われている。
工期をめぐっては08年に告示された当初の基本計画では「20年度まで」とされていた。しかし、用地買収や道路工事が始まった09年、民主党への政権交代があり、事業はいったん「凍結」。5年後に自公政権が「継続」を決め、現在の基本計画に変更された経緯がある。

 事業効果のできるだけ早い発現図ること大切/設楽ダム建設事業部会で松尾委員長

17日、設楽ダム建設現場の現地視察をした後、中部地整ダム事業費等監理委員会のメンバーらは豊橋市内に移動し、設楽ダム建設事業部会に出席。工期延長と事業費の増額について国交省側から報告を受けた。
報道陣に公開された会議の冒頭、松尾直規委員長(中部大名誉教授)は「ダムは100年先までを見据えた、地域の安全安心と豊かな暮らしを実現するための施設だ」と指摘。その上で「ダム建設事業をいかに進めていくのが適切かを考えることが肝要だ。同時に事業効果のできるだけ早い発現を図ることも大切だ」と述べた。

 

設楽ダム、工期8年延長 事業費も800億円増へ 働き方改革も影響

(朝日新聞2022年5月17日 22時00分) https://digital.asahi.com/articles/ASQ5K6X2SQ5KOBJB005.html?iref=pc_ss_date_article

 

設楽ダム 工期8年延長 完成34年度方針 見直しで800億円増か

(読売新聞2022/05/18 05:00) https://www.yomiuri.co.jp/local/aichi/news/20220517-OYTNT50223/

設楽町で建設が進められている「設楽ダム」について、国土交通省中部地方整備局は17日、工事の見直しが必要になったとして、工期を8年延長し、完成を2034年度とする方針を明らかにした。これに伴って建設費も従来の2400億円から800億円増の3200億円に膨らむ見通しだ。同局は、費用の一部を負担している県に意見を求めるなど必要な手続きを進め、8月頃には方針を正式決定したいとしている。

設楽ダムは17年に本格的な工事が始まり、26年度の完成を目指して建設が進められていた。

しかし、この日、豊橋市内で開かれた有識者らによる同局の「ダム事業費等監理委員会」で示した計画によると、従来の設計段階では想定できなかった軟弱な地質が確認されるなどし、地すべり対策の見直しが必要となった。また、建設資材の高騰のほか、働き方改革関連法の影響で時間外労働や休日作業の見直しも必要となり、建設スケジュールや建設費を変更した。

工期の延長について、県は「新たな計画を精査し、適正に対応したい」とした。

また、地元の設楽町はダム湖を核とした観光活性化策を検討しており、土屋浩町長は読売新聞の取材に、「工期延長で町の検討内容を見直す必要が出てくるのか、今後の動きを注視したい。見直しが必要ではないものは、予定通りに進めてもらうよう要望したい」と話した。

 

愛知・設楽ダムの完成、さらに8年遅れ 事業費800億円増

(毎日新聞 2022/5/18 中部朝刊 ) https://mainichi.jp/articles/20220518/ddq/041/040/002000c

国土交通省中部地方整備局は17日、建設中の多目的ダム「設楽ダム」(愛知県設楽町)の完成時期が現行計画から8年遅れ、2034年度になる見通しを明らかにした。岩盤掘削量の増加や工事用道路の地滑り対策など新たな工事が必要になったことが主な理由。事業費は約800億円増の約3200億円となる。

同県豊橋市で17日に開いた設楽ダムに関する有識者委員会で報告した。設計段階で想定しなかった地滑りなど追加の安全対策のほか、資材や人件費が高騰したと説明。時間外労働や休日作業の見直しも必要になったとした。

 

設楽ダムの工期を8年延長 地滑り対策など見直し

(中日新聞 2022年5月17日 16時00分)https://www.chunichi.co.jp/article/471801

(写真)設楽ダム建設予定地。後方は設楽町中心部=2013年5月、愛知県設楽町で、本社ヘリ「まなづる」から

国土交通省中部地方整備局は、愛知県設楽町で建設を進めている設楽ダムについて、工事の見直しが必要になったため、工期を二〇三四年まで八年延長する方針を固めた。現計画では二六年の完成を目指していた。十七日午後に豊橋市内で開催するダム建設事業部会で関係者に報告する。

設楽ダムは洪水調整やかんがい用水の補給、水道用水の供給などの目的で、東三河地方を流れる豊川の河口から約七十キロ上流に建設される。二〇一七年に基礎掘削などの本体工事が始まり、建設が本格化した。

ただ、設計段階では想定していなかった地滑り対策や、ダム本体を支えるための地盤強化の工程が必要となった上、付け替え道路の見直しをする必要性などが明らかになった。有識者でつくる中部地整ダム事業費等監理委員会で工事のコスト変動や工期見直しを検討した結果、八年の延長が妥当との結論に達した。

総事業費は約二千四百億円だが、工期延長に伴い、事業費の増加が見込まれる。県はおおむね三割を負担しており、県負担分も増える見通し。中部地整は工期の延長方針を部会で説明した上で、延長に必要な手続きを進める。

 

設楽ダム、工期8年延長 国交省が発表、34年度完成へ

(中日新聞 2022年5月18日 05時05分)https://www.chunichi.co.jp/article/472206?rct=national

(写真)完成時期が現計画から8年遅れる、建設中の設楽ダム。上方は設楽町中心部=17日午後、愛知県設楽町で、本社ヘリ「まなづる」から

愛知県設楽町で二〇二六年度の完成を目指していた設楽ダムで、国土交通省中部地方整備局は十七日、完成が予定より八年遅れ、三四年度になることを明らかにした。有識者でつくる建設事業部会で計画変更を示した。工期延長などにより、総事業費は約二千四百億円から約三千二百億円に増加する。

設楽ダムは治水やかんがい、水道用水が目的で、東三河地方を流れる豊川の河口から約七十キロ上流で建設が進んでいた。当初の計画では、二四年度までに本体工事を終え、試験湛水(たんすい)を経て、二六年度の完成を見込んでいた。

だが国交省によると、想定していなかった地滑り対策に絡む土砂運搬路の工法見直しによって、四年三カ月が追加された。さらに働き方改革による作業員の労働時間の短縮が二一年度から始まったことで、工期の延長は避けられなくなった。近年の資材高も総事業費の増加に影響したという。

設楽町の土屋浩町長は「水没となるため移転した皆さんに思いをはせると、八年間延伸されることは誠に耐えがたい。住民の生活に直結する付け替え道路が同様に遅れることも懸念している」、受益者となる同県豊橋市の浅井由崇市長は「国に対しては、今後とも豊川の治水対策の促進について申し入れを行っていく」とそれぞれコメントを出した。

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