水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

ホーム > ニュース > 報道 > 川内川洪水から50年 ダム容量倍増も「自然は想定を超えてくる] という見方は妥当か?

報道

川内川洪水から50年 ダム容量倍増も「自然は想定を超えてくる] という見方は妥当か?

2022年7月11日
カテゴリー:

鹿児島県の川内川(せんだいがわ)について南日本放送2022/07/07のニュース記事「川内川洪水から50年 ダム容量倍増も『自然は想定を超えてくる』」がありました。

2006年7月、川内川流域を未曾有の豪雨が襲いました。川内川の鶴田ダムは洪水調節ができなくなって、ただし書き操作を行い、計画最大放流量2400㎥/秒をはるかに上回る3600㎥/秒(最大)を放流しました。

鶴田ダム下流で氾濫被害の最も大きかったさつま町宮之城では計画高水位T.P.27.74mに対して、本洪水最高水位はそれを2.92mも上回る最高水位T.P.30.66mを記録し、大きな災害が発生しました。

その後、鶴田ダムの再開発事業が再度行われ、洪水調節容量が7500万㎥(当初は4700万㎥)から9800万㎥に増強されました(2018年度完了)。

しかし、昨年(2021年)7月10日の豪雨で鶴田ダムは下記のニュース記事(NHK2021年7月10日) のとおり、緊急放流直前の状態になりました。

この問題について、下記の記事は「ダム容量倍増も『自然は想定を超えてくる』」と報じていますが、このような問題のとらえ方が妥当なのでしょうか。

川内川水系河川整備基本方針の流量図(末尾に掲載)を見ると、川内川は鶴田ダムへの依存度がかなり大きい治水計画になっています。

ダム依存度が大きい治水計画であるために、鶴田ダムの緊急放流の事態が迫ると、危機的な状態になるのが川内川です。

川内川においては今後、ダム依存度を極力小さくする治水対策に転換していく必要があります。

  

川内川洪水から50年 ダム容量倍増も「自然は想定を超えてくる」

[南日本放送2022/07/07 19:45] https://www.mbc.co.jp/news/article/2022070700057468.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

50年前の7月6日、局地的豪雨で川内川が氾濫し、死者・行方不明者8人の被害を出しました。ダムや河川の改修は進みましたが、水害はその後も繰り返し起きています。関係者は「自然は想定を超えてくる」と話し備えを訴えます。
(1972年の住民インタビュー)
「まさか家が流れるとは全然思わず、着の身着のままで船に乗ってようやくたどり着いた」
1972年7月6日。川内川流域では、現在の「特別警報」に匹敵する雨量の2倍以上の2日間で600ミリを超える雨が降りました。川内川は氾濫し、流域の広い範囲で浸水。
鹿児島県によりますと、死者・行方不明者8人、家屋の全壊や半壊、流失はあわせて472棟。浸水被害はおよそ2100棟に及びました。
(舟倉武則さん)
「川に行って魚をすくっていた。なにか流れてくるから何かなと思ったら、上流の建物が流れてきた」
舟倉武則さん(75)は、さつま町宮之城の川原集落で54年、衣料品店を営んでいます。
(舟倉武則さん)
「おいおい来たぞと、みんなそれぞれ三々五々自分の家に行って、何分もしないうちに、ここがどーんと。床から2メートル80センチきた」
50年前の大雨で舟倉さんが住む川原集落では、6棟が流され80棟が浸水しました。上流の湯田地区ではおよそ120棟が流され、宮之城温泉街は大きな被害を受けました。
国は、川内川の堤防を2メートルから3メートルかさ上げする工事を行ったほか、上流の鶴田ダムの容量を見直し、7500万立方メートルに増量しました。しかし…。
2006年、1972年を上回る5日間で1000ミリの雨が降り、再び川内川ははん濫。死者2人、およそ2300棟が被害を受けました。
下流への流量を抑えるため、2006年の災害後、鶴田ダムは大規模な工事を実施。1972年の災害以降1.8倍にした容量を、さらに1.3倍の9800万立方メートルに増量。ダム建設当初のおよそ2.3倍にしました。
鶴田ダムでは大雨が予想される場合、事前にダムを空にする「予備放流」を行っていますが、容量が7割を超え、その後、決壊のおそれがある場合「緊急放流」を行います。過去に行われたのは、大きな水害のあった1972年と2006年の2回で、去年7月の大雨でも一時、検討されました。
国は水害が起こるたびに対策を打ってきましたが、担当者は、ハード面の整備が進んだとしても「自然は想定を超えてくることを理解していて欲しい」と話します。
(鶴田ダム 廣松洋一所長)
「地域住民とともに意見交換、情報の発信の仕方を勉強してきて、地域の方の理解が深まっている地域だと思う。安全度がすごく向上したのは間違いない。しかし、それを上回る洪水は想定しておくべきもの」
去年7月の大雨で、舟倉さんの住む川原集落は、80世帯230人全員が高台にある公民館や知人宅などに避難しました。
(舟倉武則さん)
「ダムが放流するかもという情報が来たから。握り飯を持って昼飯も車の中で食べた」
50年前の水害以降、ダムや堤防などハード面の整備は進みましたが、舟倉さんは「自分たちが住む地域のリスクを知った上で、いざという時の避難行動に結びつけることが大切」と話します。
(舟倉武則さん)
「空振りでもいい。空振りでもいいから情報をもらって、早く避難することが大事。命があればまた再生、復興できます」
50年前の大水害は今も住民の記憶に残り、自ら学び、避難に繋げることの大切さを教えてくれています。

 

 鹿児島 さつま町 鶴田ダム 緊急放流見送り 国交省

(NHK2021年7月10日 12時39分)  https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210710/k10013131641000.html

国土交通省は、鹿児島県さつま町の川内川にある鶴田ダムについて「午前11時半ごろから緊急放流の可能性がある」としていましたが、現時点では見送ることを決めました。

今後の雨の状況によって再び実施する可能性が出てきた場合は、すみやかに周知するとしています。
川内川の水位は依然としてかなり高い状態にあり、洪水や氾濫のおそれがあるとして引き続き厳重に警戒するよう呼びかけています。

 

川内川水系河川整備基本方針〈2007年8月〉

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

↑ このページの先頭へ戻る