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報道

流水型川辺川ダムの建設をメインとする球磨川河川整備計画の策定と流域住民の抗議行動

2022年8月14日
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九州地方整備局と熊本県は8月9日、流水型川辺川ダムの建設をメインとする球磨川水系河川整備計画を策定しました。

河川整備計画の内容は九州地方整備局のホームページ http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/site_files/file/news/r4/20220809kisya.pdf に掲載されています。

河川整備計画の主な治水事業の位置図を次に示します。

多くの方が 公聴会や意見書で球磨川水系河川整備計画原案の根本的な問題点を指摘したけれども、ほとんど変わることなく、流水型川辺川ダムの建設をメインとする球磨川水系河川整備計画があっという間につくられてしまいました。

公聴会・パブリックコメントは河川管理者が市民の意見を計画に反映したことにするためのセレモニーにすぎませんでした。

この策定に対して、流域の市民団体が8月10日、国土交通省、熊本県に抗議文を提出しました。

抗議文提出の記事と整備計画策定の記事を掲載します。

必要性が希薄で、環境に多大な影響を与える流水型川辺川ダムの計画が進められていくことは腹立たしい限りです。私たちはこれからも球磨川水系河川整備計画の問題を指摘し、流水型川辺川ダムの建設を阻止するための行動を続けていかなければなりません。

ダムの完成予定が2035年度ですので、反撃の余地はまだまだあると思っています。

 

流水型ダム整備含む熊本・球磨川の河川計画 反対市民団体ら抗議文

(西日本新聞2022/8/11 11:30)https://www.nishinippon.co.jp/item/n/971071/

流水型ダム建設を盛り込んだ河川整備計画への抗議文を手渡す市民団体のメンバー

抗議文を手渡す豪雨被災者の住民有志(右)

球磨川の支流川辺川への流水型ダム整備を含んだ河川整備計画の策定を受け、ダム建設に反対する市民団体が10日、国土交通省や熊本県に対する抗議文を提出した。人吉市の豪雨被災者ら住民有志も同日、県庁に提出した抗議文で「ダム反対の民意を無視する暴挙だ」などと訴えた。

国交省八代河川国道事務所では「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」(中島康代表)など6団体が斉藤鉄夫国交相と蒲島郁夫知事に宛てた抗議文を提出。河川整備計画を断固拒否するとした上で「ダム計画の中止を勝ち取るまで闘い続ける」と強調した。

中島代表(81)は「流域の意見が計画に反映されていると思えない。民主主義の根幹に関わる問題だ」と憤った。抗議文を受け取った同事務所の寺師浩二事務副所長は「意見や文書は担当部署に伝える」と述べるにとどめた。

一方、人吉市で被災した住民有志5人は、蒲島氏が整備計画案に「異存なし」と回答したことへの抗議文を提出。同市や球磨郡の住民計93人分の署名も添え、整備計画の撤回を求めた。

豪雨で自宅が全壊した同市の林通親さん(73)は「(策定手続きが)こんなに早く進められて納得いかない。被災者の声を聞くべきだ」。同市の関根喜美子さん(75)は「災害では命だけでなく住まいや財産全てを失う。住民の声を聞いて計画をゼロから考え直してほしい」と声を上げた。 (梅沢平、鶴善行)

 

計画策定「住民無視の暴挙」 国、県に抗議文提出 

(人吉新聞20220810) https://hitoyoshi-sharepla.com/news.php?news=5573

川辺川への流水型ダム建設を含む球磨川水系河川整備計画を9日に策定、公表した国土交通省、熊本県に対し、市民団体の「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」(中島康代表)は10日、「住民無視」の同ダム建設に反対するとともに、流域住民への丁寧な説明を求める抗議文を提出した。

抗議文によると、同計画原案に寄せられた住民意見の7割が流水型ダムに反対したことを無視した異挙であり、国交省、県ともに「丁寧に説明しながら事業を進める」という姿勢に反する。流域住民の多くは過去の体験からダムに強い拒否感情、疑問がある中で住民無視の計画は到底受け入れられないと訴えている。

国交省八代河川国道事務所に中島代表ら賛同する団体の9人が訪れ、寺師浩二副所長に抗議文を手渡した。

中島代表は「住民の意見が全く反映しておらす、丁寧な説明をするというが、何度も行っている抗議活動に対する回答は一度もない」、瀬戸石ダム周辺に喜らす男性は「荒瀬ダム、瀬戸石ダムを建設する際、国交省は今回と同じことを言っていたが、全くのうそだった」「穴あきダムがある清流の河川はない。命も清流も守れない」と抗議した。

寺師副所長は「窓口として受け取り、上司に適切に伝え、対応していく」と詳細な回答を控えた。

 

豪雨災害から2年熊本・球磨川水系の治水策本格始動へ

(西日本新聞2022/8/10 6:00) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/970447/

川辺川への流水型ダム建設で10年に1回程度の大雨で水没することが想定される熊本県五木村の旧中心部=9日午後

国土交通省九州地方整備局と熊本県は9日、2020年7月の熊本豪雨で氾濫した球磨川水系の河川整備計画を策定したと発表した。発災から2年超。河川法に基づく整備計画には支流川辺川への新たな流水型ダム整備も盛り込まれ、河道掘削や宅地かさ上げ工事などを含めた、今後約30年間の治水策が本格的に動き出す。

流水型ダムは、旧川辺川ダム計画と同じ同県相良村に建設予定。高さ107・5メートル、総貯水量約1億3千万トンで、治水専用ダムとしては国内最大となる。今後は環境に与える影響調査を進め、27年度に着工。完成は35年度を見込む。

整備計画では、遊水地の整備や河道掘削などにより、同県人吉市の地点で洪水時の最大流量を毎秒7600トンに設定。「50年に1度」の洪水を安全に下流に流すことを目標に掲げる。

蒲島郁夫知事は流水型ダムについて「命と環境の両立が図れているか確認する仕組みを立ち上げる。(ダム建設の影響を受ける)五木村、相良村の振興にも全力で取り組みたい」とのコメントを出した。

球磨川水系では、08年の旧川辺川ダム計画「白紙撤回」後の治水策がまとまらず、全国109の1級水系で唯一、整備計画が策定されていなかった。今回の整備計画を巡っては、蒲島氏が今年7月下旬、国が示した案に「異存なし」と回答。流域市町村からも変更を求める意見はなかったが、五木村と相良村はダムへの賛否を明言していない。

ダム建設に反対する市民団体「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」の中島康代表は「説明会やパブリックコメント(意見公募)での住民の意見が反映されていない。ダム頼みの治水策は危険であり、改めて検証するべきだ」と訴えた。 (鶴善行、松本紗菜子)

 流水型ダム、環境への影響どう低減

球磨川水系河川整備計画の柱は、環境への影響を最小限に抑えることを目指す支流川辺川への新たな「流水型ダム」の整備だ。旧ダム計画を白紙撤回しながら、今回計画を容認している熊本県の蒲島郁夫知事は「命と清流を守る」として環境への配慮を求めているが、実効性を確保できるかが問われている。

新ダムの特徴は、放流口に開閉式のゲートがあり、平常時は「流水型」として運用し、豪雨時はゲート操作により放流量を制御し「貯水型」としての機能を兼ね備えられる点だ。平常時はダムの下部に設けた穴から川の水を流すことになっており、魚類や土砂の移動は確保されやくなる。そのため、土砂の堆積などによる生態系や水質などへの影響は小さいとされる。

球磨川の治水策を検討する学識者懇談会委員を務める熊本大の大本照憲特任教授(河川工学)は「平常時は生態系への影響が小さく、貯水容量も大きいため安全性を確保するには効果的だが、有事の際は下流に土砂を押し流すことになる」と指摘。その上で「今後は実験を重ねた上で、治水効果と生態系維持とのバランスがとれる形にすべきだ」と話した。 (松本紗菜子)

 

 流水型ダム決定「球磨川治水本格的に」国が意義

(読売新聞2022/08/10 05:00)https://www.yomiuri.co.jp/local/kumamoto/news/20220809-OYTNT50163/

(写真)計画について記者会見で説明する宗所長(中央)ら

国土交通省が九州豪雨で氾濫した球磨川の河川整備計画を策定した9日、担当者が県庁で記者会見を開き、「遊水地や 引堤(ひきてい)などの治水対策に本格着手できる」と意義を語った。支流・川辺川への流水型ダム建設を含め、「丁寧に説明し、住民の理解を深めたい」と強調した。振興策を示すよう求める声も上がった。(内村大作)

ダム本体の工事は2027年度に着手し、35年度の完成を目指す。着工前に環境影響評価(環境アセスメント)や設計を進め、用地買収や漁業権を巡る漁協との補償交渉にも取り組む。

計画には、気候変動による降雨量の増大を踏まえ、関係者が協力して流域全体で被害を軽減させる「流域治水」の観点を盛り込んだ。会見した国交省八代河川国道事務所の宗琢万所長らは、支流や森林などにも目を向けたとする特徴を説明した。

国は計画策定を受け、球磨村や人吉市などで進める遊水地の用地取得に取り組む。球磨村神瀬地区などが対象となる宅地かさ上げは盛り土の工事に本格着手する。県も管理区間の整備計画を公表し、支流の治水対策を進めるとした。

蒲島知事は「流水型ダムが命と環境の両立が図れるか確認する仕組みを出来るだけ早くつくる」との談話を出した。

水没予定地がある五木村の岡本精二議長は「計画ができたというだけで、村も議会もダムを容認したわけではない。村づくりが先決で、国、県には今後の振興の形を早く示してほしい」と注文した。

◆反対市民団体が批判

球磨川の河川整備計画を巡り、ダム建設に反対する市民団体「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」(熊本市)の中島康代表は「計画案に対する説明会はなく、多くの反対の意見も聞き入れていない。水害の被害者にも失礼だ」と批判した。

団体は5日、蒲島知事が国の計画案に「異存なし」と回答したことについて、撤回を求める抗議文を提出していた。他に5団体が賛同した。

抗議文では、整備計画の原案の段階で国、県が行った意見公募や公聴会で、約7割が建設反対の意見だったと分析。「豪雨災害を経た後でも流域の民意は圧倒的にダム反対」とした。

 

川辺川のダム整備計画策定 国交省と熊本県

(毎日新聞 2022/8/10 西部朝刊 )https://mainichi.jp/articles/20220810/ddp/041/040/008000c

国土交通省と熊本県は9日、2020年7月豪雨で氾濫した球磨川水系の河川整備計画を策定した。治水対策として、支流の川辺川に流水型ダムを建設するのが柱。今後、遊水地の整備や河川工事を含め、本格的な作業に移る。

流水型ダムは35年度に完成予定で、水路を設け、平時は水を流して増水時だけためる仕組み。環境負荷が少ないとされる。蒲島郁夫知事は「命と環境の両立が図られているか確認する仕組みをできるだけ早く立ち上げる」とコメントした。

整備計画は、今後約30年間にわたる河川整備の目標や、河川工事の場所などを明記。流水型ダムによる「緑の流域治水」を進めるとしている。県は順次、宅地かさ上げや河川整備の現地測量に向けた住民説明会を開催する予定。国交省は用地取得などを進める。

 

流水型ダム盛り込んだ河川整備計画、国と熊本県決定 球磨川水系

(熊本日日新聞  2022年8月9日 13:13)  https://kumanichi.com/articles/754010

国が流水型ダムの建設を計画している川辺川の峡谷。中央右は下流側の排水路トンネル=2月14日、相良村四浦(高見伸、小型無人機で撮影)

国土交通省九州地方整備局と熊本県は9日、2020年7月豪雨災害で氾濫した球磨川水系の河川整備計画を策定し、治水対策の柱として支流・川辺川への流水型ダム建設を盛り込んだ。河川整備計画の期間はおおむね30年。人吉市で「50年に1度」の大雨でも洪水被害が出ないようにすることを掲げた。

ダム以外に、遊水地の整備や河道掘削といった河川工事も本格的に進める。蒲島郁夫知事は「命と環境を守る『緑の流域治水』を推進し、流水型ダムは命と環境の両立が図られるか確認する仕組みを早く立ち上げる」とコメント。ダムの影響が及ぶ五木村と相良村の振興に全力で取り組む姿勢を改めて強調した。

流水型ダムは旧川辺川ダム計画と同位置の相良村四浦の峡谷に建設。高さ107・5メートル、総貯水量約1億3千万トンで、国内最大の治水専用ダムとなる。

35年に完成予定で、普段は水をためず、洪水時は下部のゲートを閉めて水をためて水位が上がれば中段のゲートを操作し放流量を調節する。河川整備計画では20年7月豪雨の実績の1・4倍の雨が降った場合、流入量を下流へ流す異常洪水時防災操作に移行する可能性があることを言及。環境への影響については「最小化を目指す」とした。

計画は人吉市の基準点で「50年に1度」の大雨を安全に流すことを目標にしており、既存の市房ダム(水上村)の再開発や複数の遊水地整備、河道掘削を進め、対応可能な流量を現状の約2倍の毎秒7600トンに引き上げるとした。

家屋への浸水を防ぐ輪中堤整備や宅地かさ上げは、球磨川中流域にある球磨村、芦北町、八代市坂本町の計6地区で実施。五木村を含む14支川でも取り組む。水田の貯留機能向上や森林整備など、流域全体で氾濫を防ぐ施策も進める。

河川整備計画は、全国に109ある1級水系のうち球磨川水系だけが未策定だった。策定を巡っては、ダムに反対する住民らが疑問を挟んでいた一方で、河川法が定める意見聴取で蒲島知事は被災地の復旧・復興を重視する県の方向と一致するとして計画案に同意。球磨川流域12市町村も変更を求める意見は出さなかった。(髙宗亮輔)

川辺川下流から見た流水型ダムの建設予定地=2021年12月、相良村四浦(小山智史)

 

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