水源連:Japan River Keeper Alliance

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林業の悪循環、防災に影 人工林管理、行き届かず

2017年7月18日
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九州北部の豪雨水害、土砂災害について拡大造林の問題を取り上げた西日本新聞の記事を。掲載します。

林業の悪循環、防災に影 人工林管理、行き届かず

 

(写真)上流域から根が付いたままの巨木が流れ、集落を襲った=12日、福岡県朝倉市杷木林田写真を見る

 

福岡県と大分県の豪雨水害は、土砂崩れによる大量の流木が被害を拡大した。被災した集落には根が付いたままの大木が広範囲に横たわり、人工林のもろさを印象づけた。一帯は林業が盛んな地域。流木の原因をたどると、日本の林業が克服できていない課題に行き着く。

 福岡県朝倉市の杷木林田地区。安否不明者の捜索現場のそばに、流木が山積みになっている。5日の豪雨では、上流から流れてきた木々が橋桁や欄干に引っかかり、そこに土砂がたまって川があふれた。

 中には直径50センチ、長さ10メートルを超える大木もある。枝はなく、樹皮は剥がれている。土砂とともに流れる間にぶつかり合い、丸太になったとみられる。福岡県の推計によると、朝倉市と東峰村の流木は少なくとも20万トンを超える。

 なぜ、これほど大量の木々が流出したのか。地元の林業関係者や専門家は複合的な原因を指摘する。

 朝倉市や隣の東峰村の山あいは、地表の近くに花こう岩が風化した「まさ土」が堆積しており、大量の水を含むと崩れやすい。

 そこに植えられたのは、根を深く張らない針葉樹のスギやヒノキ。種子から成長する場合は深く密集した根を張るが、人工林は挿し木から育てるため、根は浅く、密度も低い。木を真っすぐに育てるにはある程度密集させるため、根は広がらない。

 今回は短時間に記録的な雨が降り注ぎ、地表面のもろい地層が木々と崩れ落ちる「表層崩壊」が同時多発的に発生した。面積の86%が山林で、スギの人工林が多い東峰村の渋谷博昭村長は「国策で植林したが、今は伸び放題。雨が降るたびにおびえなくてはならない」と苦境を訴える。

   ■    ■

 流木や倒木による災害は5年前の九州北部豪雨をはじめ、何度も起きている。その背景には、長く続く林業の悪循環がある。

 国は高度経済成長期の木材需要の高まりを受け、全国で植林を推進した。スギの人工林はその象徴だ。木材輸入の自由化、木造住宅の需要低下などの影響で、1980年代以降は国産材の価格が低迷。伐採期を迎えた木が半ば放置されている地域もある。

 今回の被災地の林業関係者も「木材の価格が安すぎる」と口をそろえる。スギ(中丸太)の価格は、1立方メートル(直径50センチの材木4メートル分)当たり1万円強。ピークだった80年の3割程度まで下がった。

 価格の低迷は、林業従事者の減少に拍車をかけた。国勢調査によると、60年は44万人だったが、2015年は5万人を割った。高齢化も進む。

 人工林は木が真っすぐ成長するように、数年おきに適正な間隔を空けるための間伐が必要だ。シダやササの下草が生えやすくなり、表土の流出を防ぎ、保水力を高める効果もある。だが林業従事者の減少で間伐が行き届かず、樹齢40年以上の木も残されている。

 人手不足を補う機械化に合わせ、森林に重機が通れる作業道が整備されたが、朝倉市の林業関係者は「雨水が作業道に流れ込んで川や滝のようになり、倒木や土砂崩れを引き起こす一因になった」とみている。

 林野庁は流木災害の構造や減災対策を探るチームを初めてつくり、近く現地を調査する。治山課は「被災地域は林業が盛んで、森林の手入れをしていたので、このくらいの被害で済んだとも言える」との見方を示し、流木を止めるくし状のダム(スリットダム)の設置などを検討する方針だ。

 東峰村の渋谷村長は、森林が下流域の水源を養い、川から海に栄養を与える機能があることを強調。「植林を推進した国は現状を改善する手だてを示してほしい」と要望する。

    ◇      ◇

●防災の観点で森林整備を

 九州大大学院の久保田哲也教授(森林保全学)の話 今回は樹齢40年を超えた大木が、豪雨に耐えられずに倒れて被害を拡大させた。一斉に植林すると、根の深さがそろってしまうので、根の下の地層が弱くなってしまう。

 いまさら拡大造林の失敗を指摘しても始まらない。国はこれを機に、産業としてではなく、防災の観点で森林整備に取り組むべきだ。伐採した後は自然林を育て、危険箇所には治山公園を設置するなどの対策が必要。そうしなければ同じ惨事を繰り返す。

=2017/07/17付 西日本新聞朝刊=

石木ダム 米国衣料メーカー日本支社が実施、事業の県民意識調査 県の説明不十分8割 「公開の場で話し合い必要」

2017年6月23日
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パタゴニア日本支社が昨日発表した、石木ダムに関する世論調査の結果について朝日新聞と毎日新聞の記事とテレビ長崎のニュースを掲載します。

長崎)「県の説明不十分」 石木ダムめぐるアンケートで

(朝日新聞長崎版2017年6月23日)http://digital.asahi.com/articles/ASK6Q44R0K6QTOLB00B.html

(写真)アンケート結果について説明するパタゴニアの辻井隆行・日本支社長=長崎市の県庁
県と佐世保市が計画する石木ダム(川棚町)について、米アウトドアウェアメーカー・パタゴニアの日本支社(横浜市)は22日、「県の説明は不十分」とするアンケート結果を発表した。
「賛成、反対、中立の立場の人たちが話し合う必要がある」として、公開討論を求める署名をネット上で呼びかけ始めた。
パタゴニアは売り上げの1%を環境団体に寄付しており、2015年からは石木ダム建設への反対運動を支援している。
アンケートはその一環として、5月23~31日に「石木ダム建設計画に関する意識調査」として実施。リサーチ会社に委託し、県内に住む20歳以上の2500人から有効回答を得たとしている。
同支社によると、建設計画については半数が「どちらでもない・わからない」と回答。「反対・どちらかというと反対」とした人は4分の1ほどで「賛成・どちらかというと賛成」をやや上回った。一方で、計画についての県の説明は、約8割が「不十分」と答えたという。
県庁で記者会見した辻井隆行・日本支社長はアンケ―ト結果を踏まえ、「このまま多額の税金を使いながら、工事を進めていくことに疑問がある。賛成、反対の人たちが一堂に会し、多くの人がわかるようにしてから次のステップを決めたらいいのではないか」と話した。(堀田浩一)

石木ダム   米国衣料メーカー日本支社が実施、事業の県民意識調査 県の説明不十分8割 「公開の場で話し合い必要」 /長崎

(毎日新聞長崎版2017年6月24日)https://mainichi.jp/articles/20170624/ddl/k42/010/226000c
県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム事業を巡り、米国アウトドア衣料メーカーのパタゴニア日本支社(辻井隆行支社長)が県民を対象に意識調査した結果、約8割が「石木ダムに関する県の説明は不十分」と回答した。
同社は「一度立ち止まり、賛否を含めて公開の場で話し合うことが必要だ」としている。
同社はダム建設への反対運動を支援している。調査は5月23~31日、インターネットリサーチ会社に委託し、地域や年齢に偏りがないよう抽出した2500人を対象に実施した。
「県は石木ダムについて必要性や県民の負担などを県民に説明してきたと思うか」という問いでは、79・3%が「そうは思わない」と回答。「十分に説明した」と答えたのは20・7%だった。
ダム建設への賛否では、「賛成」「どちらかというと賛成」が計21・9%、「反対」「どちらかというと反対」が計27・5%、「どちらでもない・わからない」が50・6%だった。
賛成理由で最も多かったのは「佐世保市の水は足りていないから」で35・8%。反対理由は「多額の無駄な税金が使われているから」が29・1%で最も多く、「佐世保市の水は足りているから」が27・1%と続いた。
公開討論会を求め、ネットで署名活動
同社は「県民の理解や議論が不十分なまま多額の税金を投入する公共事業が進もうとしている」と指摘。専門家を交え、ダム建設に対する賛否双方の意見を聞ける公開討論会の開催を求める署名活動をネット上で始めた。
年内に5万筆を目標に集め、中村法道知事と各県議に提出する予定。【浅野孝仁】

石木ダムに関する県民アンケート

(テレビ長崎2017年6月22日 18:53)http://www.ktn.co.jp/news/20170622137065/

東彼杵郡川棚町での石木ダムの建設について、環境保護の活動をしている企業が県民にアンケートを行い、22日結果を公表しました。
「建設に反対」が「賛成」を上回っています。石木ダムの建設に関してアンケートをしたのは、アウトドア用品を扱っている「パタゴニア日本支社」です。
パタゴニア日本支社 辻井隆行支社長「長崎県民2500人の方、反対の方がやや多いという結果が出ました」
ダムの建設に「賛成」が21・9%、「反対」が27・5%、「どちらでもない、分からない」が50.6%となり、「県が石木ダムの必要性などを十分に説明したか」については、およそ8割の人が「説明が不十分」と答えました。
アンケートは先月末、外部の調査機関に委託して行われ、県内に住む2500人から回答を得ました。
パタゴニア日本支社は石木ダム予定地の自然を守る活動を支援していて、推進派や反対派など様々な立場の人を集めた公開討論会の開催を県に求めて、22日からインターネットでの署名活動を始めています。
署名は5万人分を目標に中村知事や県議会議員に届ける予定で、年内の公開討論会の実施を目指しています。

滋賀)浸水警戒区域、県が米原市村居田地区を初指定(流域治水推進条例)

2017年6月16日
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滋賀県の流域治水推進条例が制定されてから、3年強が経過しました。この条例は水害の危険性が高い地域で建築規制などを行う画期的な条例です。

県は400万円を上限として住宅の新築・増改築の費用の2分の1を助成します。

今回、建築規制などを行う浸水警戒区域の指定がはじめて行われました。

その記事を掲載します。

 滋賀)浸水警戒区域、県が米原市村居田地区を初指定

(朝日新聞岐阜版2017年6月16日03時00分http://digital.asahi.com/articles/ASK6H3VCCK6HPTJB00R.html

 県は、水害の危険性が高い地域に建築規制などを義務づける浸水警戒区域に、米原市村居田地区の約13ヘクタールを正式に指定し、16日付の県公報で告示する。ダムだけに頼らない治水を目指す県の流域治水推進条例に基づく初の指定となった。

 浸水警戒区域は、200年に1度の大雨で3メートル以上の浸水が予測される区域が対象。住宅を新築、増改築する際、敷地をかさ上げするなどし、想定される水位より高い位置に住宅を設けるよう義務づける。県は400万円を上限として費用の2分の1を助成する。

 県流域治水政策室によると、5月末に開かれた県流域治水推進審議会で、同地区を指定することが全会一致で承認され、庁内の手続きを経て正式に決まった。

 村居田地区は、姉川中流の左岸に位置し、支流の出川が地区内に流れる。指定されるのは出川下流の約13ヘクタールで、指定区域内には22世帯がある。同地区の堀居良一区長(69)は「水害に強い地域づくりを県と協力して進め、障害者や弱者の避難訓練に心を一つにして取り組みたい」と話した。

 県は2020年までに約100地区を指定する計画だ。今年3月末現在、村居田地区を含め湖北10、甲賀6、東近江3、高島2、湖南1の計22地区で浸水警戒区域の指定に向けた取り組みを進めている。

 うち避難計画の策定まで進んでいた2地区では、一部住民に異論があり、県が引き続き調整中だ。

 高島市朽木野尻地区では、5月の地区総会で「区域指定されると地価が下がる。風評被害も懸念される」などの意見があり、指定の見送りを決定。甲賀市の黄瀬地区でも、一部住民から「資産価値が下がる。売買が難しくなる」「区域指定の費用を河川改修に使うべきだ」といった反対意見が続出。4月の地区総会でも指定に慎重な対応を求める意見が出た。

 県流域治水政策室の担当者は「区域指定による長所と短所などを説明するなどし、粘り強く対応して理解を取り付けたい」と話している。

■対策住宅対象ににローン金利優遇

 関西アーバン銀行(本店・大阪市)は、浸水警戒区域内で対策を施した住宅の購入や増改築を対象に、住宅ローンに優遇金利を適用する新商品「県流域治水推進住宅ローン」の取り扱いを始めた。

 中古・新築のいずれも対象で、①浸水警戒区域内で、県から建築の許可を受ける②1階の床の高さを、県が公開している浸水予測図「地先の安全度マップ」で想定される水深以上にする③100リットル以上の雨水貯留タンクを設ける――をすべて満たすことが必要だ。

 所定の条件を満たせば、ローン基準金利から年1・9ポイント引き下げ、がん・脳卒中急性心筋梗塞(こうそく)の三大疾病保障と自然災害補償特約の上乗せ金利分を最大年0・5ポイント引き下げる。変動金利型に限られ、固定金利選択型は利用できない。

 同ローンへの公金投入はなく、区域に正式に指定された後から利用できる。県流域治水政策室は「災害リスクへの対策をすると金利を優遇する仕組みは珍しく、活用してほしい」としている。(岡本洋太郎)

アマゾンのダム新設で「大規模な」環境破壊の恐れ 研究

2017年6月16日
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アマゾンのダム新設は、自然環境に大きな打撃を与えるだけではなく、局地的な天候にも変化を及ぼす可能性があると警鐘を鳴らす研究論文が発表されました。
その記事を掲載します。

アマゾンのダム新設で「大規模な」環境破壊の恐れ 研究

AFPBB News 2017年6月15日 13時5分) http://news.livedoor.com/article/detail/13205765/

【AFP=時事】ブラジル・アマゾン盆地(Amazon Basin)で建設が提案されている水力発電ダムは、数にして既存のダムの3倍に当たる428基に及び、自然環境に大きな打撃を与える恐れがあるだけではなく、局地的な天候にも変化を及ぼす可能性があると警鐘を鳴らす研究論文が14日、発表された。

国際的な研究チームは英科学誌ネイチャー(Nature)に発表した論文で、建設予定のダムが及ぼす影響をさまざまな基準に基づいて評価する「ダム環境脆弱(ぜいじゃく)性指数(DEVI)」を発表した。DEVIは、政策立案者らにどのダムの建設を見合わせるべきかについて判断材料としてもらう役目も担っている。

論文の主執筆者で、米テキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)のエドガルド・ラトルベッセ(Edgardo Latrubesse)教授は「リスクを洗い出して、問題に対する見方を変える必要がある」と話す。「天然資源に対する人為的な大規模破壊が進み、環境の保全と持続可能な開発のための合理的な代替案を見つけることは急務だ」

アマゾン川(Amazon River)に流れ込んでいる河川系は世界最大規模で、地球上で最も高密度の生物多様性を育んでいる。

この巨大な支流をダムによって時には何十回もせき止めれば、下流の生態系を支える栄養分が遮断され、広大な森林地帯が水没し、水生・陸生両方の野生動物が脅かされることになる。

ダムを1(無害)から100(非常に破壊的)までの間で採点する今回の最新指数は、既存のダムにも適用できる。

例えば、アマゾン水系で最も多様な魚類個体群が生息するマデイラ川(Madeira River)に最近建設された2基の巨大ダムは、浸食、流出水汚染、堆積物の流出阻害などの潜在リスクのせいで評点が驚くほど高くなった。マデイラ川では、さらに上流にも25基のダム建設が計画されている。

■遠隔地の降雨や暴風雨のパターンにも影響

米コロラド大学ボルダー校(University of Colorado at Boulder)の地表動力学専門家、ジェームズ・シビツキ(James Syvitski)氏は「ダムは、健全な社会と人の発展を支える工学技術の偉大な成果の実例である一方で、環境に大規模な悪影響を与える」と指摘する。

例えば、ダム下流域の堆積物の減少は、特に人口密度の高いデルタ地帯にとっては見過ごされがちな問題の一つだ。

絶えず蓄積される沈泥は、健全なマングローブの生育維持には欠かせない。汽水域で育つ沿岸森林のマングローブは、海からの高波を防ぐ上、生物数十種の水中の生育環境として機能する。

だが堆積物の減少が原因で、6億人が居住する世界の主要デルタ地帯の沈下も進んでいる。この現象と(気候変動に起因する)海水面上昇、そして(地下帯水層の枯渇による)地盤沈下は3重の脅威となっている。

また、これまでの研究によって、アマゾン盆地から流れる堆積物の変化が、米南部メキシコ湾(Gulf of Mexico)に至るまでの遠隔地の降雨や暴風雨のパターンに影響を与える可能性があることが分かっている。

「アマゾン盆地で計画されているダムがすべて建設された場合、ダムの蓄積作用により、大西洋(Atlantic Ocean)に流入する堆積物に変化が生じ、これによって局地的に天候が乱れる可能性がある」と、ラトルベッセ教授は指摘する。

世界には、基礎地盤から堤の頂上までの高さが15メートル以上、または貯水容量が300万立方メートルのダムが5万8500基以上存在する。

シビツキ氏はAFPの取材に、「私たち人間は地球の表面に彫刻を施すようにその形を変えている」と語った。「19世紀半ばから建設されてきた多数のダムは、地球の水の流れを完全に変えてしまった」

【翻訳編集】AFPBB News

水道料金、6割の値上げ必要 政投銀が今後30年を試算

2017年6月16日
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水需要の減少や老朽施設の更新で30年間で6割の水道料金の値上げが必要だという日本政策投資銀行の試算を紹介した記事を掲載します。
日本政策投資銀行のまとめは、「水道事業の将来予測と経営改革」http://www.dbj.jp/ja/topics/region/industry/files/0000026827_file2.pdf で読むことができます。
水道事業がこのように推移していくことが確実であるのに、いまだに石木ダム、八ッ場ダム等々、新規のダム建設にまい進する河川行政、水道行政に怒りを禁じえません。

水道料金、6割の値上げ必要 政投銀が今後30年を試算

(朝日新聞2017年6月13日)http://digital.asahi.com/articles/ASK634JTBK63ULBJ004.html

国内の1日あたり水道使用量の推移

 人口減に伴う需要減や、老朽化した施設の更新に費用がかかるという課題に直面する水道事業。赤字を出さずに継続するには、約30年間で6割の水道料金の値上げが必要との試算を日本政策投資銀行がまとめた。水道網の維持のため、厚生労働省は事業の広域化を促している。

 主に市町村が担う水道の事業は、小規模のものも含めて全国に約7千ある。厚労省によると、人口減や節水機能付き家電の普及により、水の需要は減少。2060年ごろには、ピーク時の2000年から約4割減ると推計されている。

 経営状況の悪化のため、水道管の更新などへの投資ができず、老朽化が進む事例もみられる。日本水道協会によると、水道管が破裂して断水するなどの水道管トラブルは、14年度に約2万2千件あったという。

 同行は、人口予測をもとに水道料金の減収を推定。人件費や水質を保つための薬品の費用などは14年度並みとし、実情にあわせて60年で水道管を更新すると仮定した。事業者が毎年、赤字にならないよう、各家庭などから徴収する水道料金を値上げしていくと、14年度から46年度までに、全国平均で63・4%値上げされると推計した。

 事業の広域化を促している厚労省は、交付金のほか、連携・広域化を実施する事例集をつくるなどして自治体を支援している。水道課の担当者は「地域の実情に応じて取り組んでほしい」と話す。

 群馬県太田市など3市5町は昨年4月から水道事業を統合した。浄水場の統廃合や人件費の抑制により、10年間で約139億円の経費削減を見込む。毎年約10%の経費カットができる計算だ。香川県と県内8市8町は来年4月からの水道事業の広域化をめざす。26年間で浄水場は71から38にほぼ半減し、28年間で事業全体の1割弱にあたる計約954億円の経費削減ができると見込んでいる。(福地慶太郎)

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