水源連:Japan River Keeper Alliance

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川辺川ダム議論再燃も 熊本県、球磨川治水で検証対象

2020年7月9日
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今回の球磨川の氾濫で、川辺川ダム是非の議論が再燃することになりそうです。その記事を掲載します。

国土交通省はこの際にと、川辺川ダム計画の再登場を目論んでいると思います。

今回の氾濫は、国の方針としては中止になったものの、まだ生き残っている川辺川ダム計画の存在が根底にあります。

川辺川ダム計画の存在が根底にあるから、現実的な治水対策である全面的な河床掘削の手段が選択されず、氾濫しやすい状態が放置されてきました。

 

川辺川ダム計画は民主党政権下の2009年に中止になったものの、川辺川ダムなしの球磨川水系河川整備計画は、ダムの代替案がないということで、いまだに策定されていません。

球磨川の重要な治水対策は河床を掘削して河道の流下能力を大幅に増やすことなのですが、2007年に策定された球磨川水系河川整備基本方針では河床を掘削すると、軟岩が露出するという理由をつけて、人吉地点の計画高水流量(河道の流下能力の設定値)が4000㎥/秒に据え置かれました。軟岩の露出については対応策があるにもかかわらず、当時は川辺川ダム建設の理由をつくるため、そのように恣意的な計画高水流量の設定が行われました。

河川整備計画は河川整備基本方針の範囲でつくられますので、河川整備計画では河道目標流量を4000㎥/秒以上にすることができません。

河道目標流量を4000㎥/秒に据え置くと、まとな河川整備計画をつくることができず、川辺川ダムなしの球磨川水系河川整備計画は策定されないまま、10年以上経過してきました。

 

川辺川ダム無しの河川整備計画をつくるためには、この球磨川水系河川整備基本方針を見直して、計画高水流量4000㎥/秒を大幅に引き上げる必要があります。

河川整備基本方針は一度策定されると、改定されることはほとんどありませんが、その改定を求めないと、川辺川ダム計画が再登場してくることは必至ですので、改定を求める取り組みが必要です。

なお。今回の球磨川氾濫について国土交通省の観測データを現在、嶋津の方で検討しています。或る程度まとまりましたら、あとでお送りしますが、

未曽有の豪雨により、球磨川のピーク流量は人吉地点で5000㎥/秒以上、下流の横石地点で10000㎥/秒以上の流量になったと推測されます。

また、川辺川ダム予定地上流でもかなりの雨が降り、もしダムがあったら、緊急放流を行う事態もあったのではないかと思われます。

なお、球磨川水系河川整備基本方針が策定された後の2007年11月に水源連は意見書「球磨川水系河川整備基本方針における基本高水流量と計画高水流量の問題点(主に人吉地点について)」基本高水流量と計画高水流量の問題点 球磨川を国土交通省に提出しました。

その中で上記の恣意的な計画高水流量の設定の問題を球磨川水系河川整備基本方針における計画高水流量の虚構 2007年

の通り、指摘しましたので、お読みいただければと思います。

 

川辺川ダム議論再燃も 熊本県、球磨川治水で検証対象

(熊本日日新聞2020/7/8 15:00) https://www.47news.jp/localnews/4991834.html

 

©  熊本県南豪雨災害を受け、県が今後進める球磨川の治水対策の検証対象に、当時の民主党政権が建設を中止した川辺川ダムによる治水効果を含めることが7日、関係者への取材で分かった。特定多目的ダム法に基づく計画の廃止手続きは取られておらず、検証結果次第では、ダム建設計画の議論が再燃する可能性がある。

検証では、今回の豪雨に対する市房ダムなど既存ダムの治水能力に加え、川辺川ダムの有無による影響を調査するとみられる。国や流域市町村との検証を目指しているが、救援活動を優先するため、開始時期は未定。

蒲島知事は豪雨災害を受けた5、6日の会見で「ダムによらない治水を極限まで検討したい」とする一方、「今回の災害対応を国や流域市町村と検証し、どういう治水対策をやっていくべきか、新しいダムのあり方についても考える」とも述べていた。

川辺川ダム建設計画を巡っては、蒲島郁夫知事が2008年9月に流域首長の意向などを踏まえ、「計画を白紙撤回し、ダムによらない治水対策を追求すべきだ」として建設反対を打ち出した。

その後、国と県、流域市町村が治水代替策を検討。19年に代替策の整備10案がまとまったものの、事業費は2800億~1兆2千億円と巨額で、工期も45~200年と長く、最終的な整備方針は決まっていなかった。(野方信助)

 

川辺川ダム建設計画 1966年、建設省(現国土交通省)が球磨川流域の洪水防止を目的に、支流の川辺川(相良村)に建設を決定。その後、用途を農業利水と発電にも広げ、総貯水量1億3300万トンの多目的ダム計画になった。住民の賛否が割れる中、2007年に利水事業の休止が確定。蒲島郁夫知事の白紙撤回に続き、前原誠司国交相が09年に建設中止を表明したが、特定多目的ダム法に基づく計画は存続している。

最上小国川ダムの控訴審、返還請求を棄却 仙台高裁 /山形

2020年7月1日
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山形県の最上小国川ダムの工事費支出差し止めを求めた住民訴訟の控訴審の判決が昨日(6月30日)、ありました。
まことに残念ですが、住民側の敗訴となりましした。その記事とニュースを掲載します。
控訴審はたった2回の裁判しか開かれませんでした。ひどい裁判でした。
最上小国川ダムには根本的な問題があるのに、仙台高裁は拒絶反応を示しました。
最上小国川ダムは、清流を守るためにダム建設に反対する漁協組合長を自死に追い詰めたダム事業です。
「流水型ダム」(通常は水を貯めない穴あきダム)ですが、ダムの水を放流するための常用洪水吐きの吞み口は高さ 1.6m、幅 1.7mの二門であり、大きな洪水の時には流木や土砂などで詰まって、洪水調節機能が失われてしまう危険性もあります。
最上小国川ダムの問題点は、http://suigenren.jp/news/2019/10/02/12398/ )をお読みください。


最上のダム費用、返還請求を棄却 仙台高裁 /山形

(毎日新聞山形版2020年7月1日)https://mainichi.jp/articles/20200701/ddl/k06/040/045000c

アユ釣りで有名な最上町の清流・最上小国川に県が建設したダムを巡り、反対派の住民らが、2012年度に支出した費用の一部約5490万円を吉村美栄子知事に返還請求することなどを県に求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は30日、訴えを退けた1審山形地裁判決を支持し、住民側の控訴を棄却した。住民側は上告する方針。
ダムは下流域の治水のため増水時だけ貯水する「穴あきダム」。原告側は「河道改修の方が効果的だ。ダムに土砂が堆積(たいせき)しアユなどの生態系に悪影響を及ぼす」と主張した。しかし山本剛史裁判長は「自然環境の保全をどの程度考慮すべきかは河川管理者の裁量に委ねられる。ダム建設への費用支出に問題はなかった」と退けた。
県によると、ダムの総事業費は約88億円で、20年3月に工事が完了し、4月に運用を開始した。

 

最上町の赤倉温泉上流に県が整備し、ことし4月に運用が始まった「最上小国川ダム」を巡り、反対住民らが工事費の支出差し止めを求めた控訴審で、仙台高等裁判所は30日、住民側の訴えを棄却した。
(日テレNEWS24 2020.6.30 20:19) https://www.news24.jp/nnn/news88710250.html

この訴訟は「最上小国川ダム」の建諏こ反対する住民団体が2012年、県知事を相手取り、流木型の穴あきダムでは水害を防げないなどと、工事への公金支出は不当として提訴したもの。
去年7月の一審判決で山形地裁は、ダム建設に治水の観点から違法性はないとして訴えを退け、原告側は判決を不服とし、控訴していた。
判決公判で仙台高裁の山本剛史裁判長は「最上小国川の治水対策として吉村知事がダムの建設を選択したことは合理的な裁量の範囲内で、違法性はない」として原告側の訴えを棄郡した。
最上小国川ダム住民訴訟原告団の高桑順一原告団長は「どこが悪いのかを検討してほしいが重要な部分で県側の主張を鵜呑みにしている印象」と語る。
原告側は「今回の判決には、新たな事実誤認もあり納得できない」として上告を決めた。
被告の吉村知事は「今後も県民の安全安心を確保し、最上小国川流域の治水対策の充実を図っていく」とコメントしている。
「最上小国川ダム」はことし3月に工事が完了し、4月下旬からすでに運月が始まっている。

石木ダム問題の番組「ダム予定地に生まれて」

2020年6月21日
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6月20日(土)17:30~のTBS『報道特集』で、石木ダム問題の番組「ダム予定地に生まれて」が放映されました。
九州で既に放映されたドキュメンタリー「ダム予定地に生まれて」を短縮したものです。
その番組案内には次のように書かれていました。https://www.nbc-nagasaki.co.jp/tv-topics/200527/
「去年、石木ダム建設に反対する地元住民13世帯の家や田畑が強制収用されました。
事業が計画されたのは半世紀前。水没予定地に暮らす住民達は先祖代々の土地を手放せないと立ち退きを拒んできました。
事業を推進する長崎県との対立で日常のほとんどが抗議活動に染まっています。
強制収用された今も13世帯およそ50人が暮らす川棚町川原地区の半世紀を描く。長すぎる公共事業がもたらすものとは。」
この番組を見て、利水治水の両面で必要性がない石木ダムの建設のため、13世帯50人の生活を奪おうとする長崎県に対してあらためて強い憤りを覚えました。
次の上段の図は石木ダムの水源が必要だという佐世保市の水需要の実績と市予測を比較したものです。実績がほぼ減少の一途を辿ってきているのに、市は実績と乖離した架空予測を続けて石木ダムの水源が必要だと強弁しています。
次の下段の図は川棚川流域における石木ダムの位置を示したものです。川棚川の最下流で合流する支川「石木川」につくられる石木ダムで対応できるのは川棚川流域の4~5%に過ぎず、石木ダムは治水対策として意味を持ちません。
川棚川の治水対策として行うべきことは河道整備や内水はん濫対策であって、石木ダムの建設ではありません。
このように愚かな石木ダム事業は何としても中止させなければなりません。

水害リスクの説明責任訴訟、市側が敗訴、全国初 台風で住宅水没、京都地裁

2020年6月18日
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今年3月に予定されていた福知山水害訴訟の判決が延期され、6月17日に判決言い渡しがありました。その記事とニュースを掲載します。
京都府福知山市造成の住宅地で発生した浸水被害について被災住民7人が市に総額6221万円の損害賠償を求めた訴訟です。、
この水害訴訟は被告が河川管理者ではなく、住宅地の造成者である福知山市です。
判決は住民7人のうち、市から土地を購入した3人は請求を認め、不動産業者から購入した4人は請求を棄却しました。
市から土地購入の3人については住民側の勝訴でした。


水害リスクの説明責任訴訟、市側が敗訴、全国初 台風で住宅水没、京都地裁

(京都新聞2020/6/17 14:16) https://this.kiji.is/645860931698738273?c=39546741839462401
(写真)2013年の台風18号、17年の台風21号で相次いで浸水被害が出た住宅地(2017年10月、福知山市石原)
2013年の台風18号による川の氾濫で自宅が床上浸水した京都府福知山市の住民7人が、水害の危険性を説明せずに宅地を販売したとして、市に計約6200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、京都地裁は17日、計約811万円の支払いを命じた。
原告弁護団によると、「宅地を造成・販売する自治体に水害リスクの説明責任を認めた、画期的な判決」という。
同訴訟は従来の水害訴訟と違い、河川管理の責任ではなく、宅地販売時の行政の説明責任を問う「全国初の取り組み」(原告弁護団)という。
井上一成裁判長は判決理由で、市は土地を販売した住民に対し「過去の浸水被害発生状況および浸水被害に遭う危険性の高さについて信義則上説明すべき義務を負っていた」と認定。
ハザードマップを配布して危険性を周知していたとする市の主張に対し、100年に1回程度起こる規模の大雨の想定は現実感に乏しいと指摘。
「規模の小さい支川の氾濫や内水の氾濫は考慮されておらず、ハザードマップの情報は不十分」と断じた。
住民7人のうち、3人の請求を認め、不動産業者から購入した4人の請求は棄却した。


浸水リスク伝えず造成地販売 福知山市に810万円支払い命令 京都地裁

(毎日新聞2020年6月17日 17時35分() https://mainichi.jp/articles/20200617/k00/00m/040/163000c
(写真)2013年9月の台風18号で水没した京都府福知山市石原地区の造成地=同地区で2013年9月16日、読者提供
浸水被害が起きる可能性について十分な説明をしないまま造成地を販売したとして、2013年9月の台風18号で浸水被害を受けた京都府福知山市の住民7人が市を相手取り損害賠償を求めた訴訟の判決で、京都地裁(井上一成裁判長)は17日、住民側の主張を一部認め、市に対し3人に計約810万円を支払うよう命じた。
(写真)2013年9月の台風18号で浸水した、原告・山岡哲志さんの自宅。泥水が窓ガラスを割って流れ込み、家の中にサーフボードが浮かんでいた=京都府福知山市石原地区で2013年9月16日、山岡さん提供
判決によると09~13年、住民らは市が造成した同市石原(いさ)、戸田両地区の住宅地を、市や仲介業者から購入し自宅を建設。台風18号により付近の由良川や支流があふれ、それぞれ床上10~130センチの浸水被害を受けた。
裁判で住民側は、「造成地周辺の過去の浸水被害発生状況や被害に遭う危険性の高さについて、市が十分に説明しなかった」と主張。市側は「防災ハザードマップで予想される浸水を伝えており、買い手として情報を得る努力を怠った」と反論していた。【添島香苗】

 

福知山水害、市に賠償命令 「宅地売却で説明尽くさず」―京都地裁
(時事通信2020年06月17日17時21分)https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061700953&g=soc
(写真)京都府福知山市の水害をめぐる訴訟の判決後、記者会見する原告の山岡哲志さん(前列左)ら=17日午後、京都市中京区
2013年9月の台風18号で、京都府福知山市が造成した土地に建てた自宅が浸水被害を受けた住民7人が、過去の水害などの情報提供を怠ったとして市に約2200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、京都地裁であった。井上一成裁判長は、市から土地を購入した3人への説明義務違反を認め、計約810万円の支払いを命じた。
判決は、市によるハザードマップ配布は宅地購入に当たっての十分な情報提供とは言えないと指摘。「市は信義則上、最近の浸水被害の状況や今後、被害が発生する可能性を説明すべき義務を負っていたが、説明義務を尽くさなかった」と判断した。仲介業者から購入した4人については、市の責任を否定した。


水害危険性「市に説明義務」被災住民へ賠償命じる 京都地裁

(NHK2020年6月17日 19時08分) https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200617/k10012474051000.html

7年前の台風で浸水被害を受けた京都府福知山市の住民が、水害の危険性を説明しないまま宅地を販売していたとして市を訴えた裁判で、京都地方裁判所は「説明すべき義務があった」と判断し、市におよそ810万円の賠償を命じました。

平成25年9月の台風18号による大雨で、福知山市石原地区では近くを流れる由良川とその支流が氾濫し、市が造成した宅地などで床上まで水につかる被害が出ました。
この地区などに住む住民7人は、過去にたびたび水害があったにもかかわらず、市は危険性を十分に説明しないまま宅地を販売していたなどとして、およそ6200万円の賠償を求めていました。

17日の判決で京都地方裁判所の井上一成裁判長は「浸水するおそれのある土地かどうかは購入者にとって重大な関心事だ。市はハザードマップの内容だけでなく、過去の浸水被害の状況や今後の被害の可能性に関する情報を開示し説明する義務を負っていた」と判断し、およそ810万円を支払うよう市に命じました。

判決のあと原告の1人の山岡哲志さんは「永住を決めて家を購入した1年半後に浸水被害を受けました。市は一刻も早く治水対策をして住みよい地区にしてほしい」と述べました。
福知山市は「判決の内容を精査し、今後の対応を検討していきます」とコメントしています。


「住宅が浸水」水害リスクの説明責任は? 福知山市の”説明義務違反”認める判決 京都地裁

(関西テレビ2020/6/17(水) 18:25配信)https://news.yahoo.co.jp/articles/0723101a9b0f6ebe38cd9d44ece334905cd785cf

もし、あなたの家が浸水被害を受け、その土地が水害の危険性がありながらも説明されていなかったとしたら、どうしますか?
京都府福知山市の住民が市を訴えた裁判で、注目の判決です。

浸水した住宅地…福知山市が造成
【キャスターリポート】(京都・福知山市 2013年9月) 「街全体が、茶色い湖の底に沈んでいるような状態になっています」
マイホームが、大雨で浸水。被害を受けた京都府福知山市の住民は、水害の多い土地だと知らなかったとして、裁判を起こしました。
【原告・居合克樹さん(2015年提訴時)】 「もし事前に(水害が)ここまでくると知っていたら、ですか?それは、ここには家を建てていません」
一方で、土地を造成した売り主側の福知山市は… (福知山市の主張) 「ハザードマップを配布して、危険性を周知していた」
住民と行政が5年に渡って争った裁判の判決。 京都地方裁判所は17日、一部で福知山市の説明義務違反を認める判決を言い渡しました。

【原告弁護団の代表】 「一部とはいえ、画期的な勝訴判決を得ることができた」
【原告・居合克樹さん】 「私達の主張が認められたということで、大変嬉しく思う」

浸水の危険性…福知山市に説明責任は?
この裁判のきっかけとなったのは、2013年9月の台風18号による豪雨災害です。
京都府福知山市では川の氾濫で多くの住宅が浸水し、裁判の原告のひとりで、石原地区に住む居合克樹さんの自宅も大きな被害を受けました。
【原告・居合克樹さん(2015年提訴時)】 「カーポートの樋にゴミがたくさん乗っていたので、そこまで水位が上がるとは…部屋の中はめちゃくちゃな状態ですね」
居合さんの自宅は、2017年や2018年の豪雨でも浸水。 2009年に不動産業者を介して購入した土地を造成したのは、福知山市でした。
居合さんたち石原地区などの住民7人は、福知山市が土地の販売時に浸水の危険性を告知しなかったなどと主張し、市を提訴。
福知山市から直接購入した住民に対しては危険性を告知する義務があり、不動産業者から購入した住民に対しても情報を提供する義務があったとして、あわせて約6200万円の損害賠償を求めました。
これに対し福知山市は、「ハザードマップを配布して危険性を周知していた」などと反論していました。

認められたのは…市から「直接購入」した原告のみ
福知山市から直接購入した原告3人については、「市の説明義務違反があった」として、市に対し、3人にあわせて約810万円を支払うよう命じました。
一方で、不動産業者から購入した居合さんら4人に対しては、福知山市が住民に情報を提供する義務について、法令上の根拠が認められないとして、訴えを退けました。
また、福知山市の大橋一夫市長は「判決書の内容を精査し、今後の対応を検討してまいります」とコメントしています。
カンテレ「報道ランナー」2020年6月17日放送より

 

「売主の市に説明責任」 石原の造成地水害訴訟地裁判決
(両丹日日新聞2020年06月18日)  https://www.ryoutan.co.jp/articles/2020/06/90425/

(写真)台風18号で家屋が浸水する石原(いさ)地区(2013年9月)
2013年9月の台風18号水害で自宅が浸水した福知山市石原と戸田の住民7人が、浸水リスクの高い土地であると分かっていながら、その危険性を説明せずに市が造成地を販売したことは不当として、市に計約6200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が、17日に京都地裁であった。井上一成裁判長は、市の説明義務違反を指摘して、市から直接購入した原告3人に対して計約810万円を支払うよう命じた。

原告側の福知山市造成地水害被害弁護団(小川達雄団長)によると、自治体が開発した土地の浸水リスクについて行政の説明責任を問う全国初の訴訟で、小川団長は「一部勝訴ではあるが、行政の説明責任を認めた画期的な判決」とした。

判決によると、7人は土地区画整理事業などで市が造成した宅地を、09年~13年に市、または不動産業者から購入。台風18号の大雨で、近くの由良川や支流の大谷川が氾濫して浸水被害にあった。一帯は04年の台風23号などでも冠水しているが、市は過去の浸水被害状況や浸水リスクなどについての説明義務を怠ったとして、原告3人の請求を認めた。

井上裁判長は「地方公共団体として、石原、戸田両地区の浸水被害状況等の情報を収集・把握し、市民に対してこれを提供する立場にあったのみならず、両地区で各種減災措置を講ずるなどして宅地化を実施していた事業者であることを考慮すると、原告らに保有する地区及び本件各土地についての浸水被害状況等に関する情報を開示し、提供することは極めて容易であった。説明義務を尽くさず、説明義務に違反したものというべきである」と市の説明責任を指摘。ハザードマップの配布や、過去の浸水被害状況が複数回にわたりテレビ報道がされていることなどから「原告と被告との間に情報力の格差はない」とする市の主張は退けた。

不動産業者から購入した原告4人の請求については「市の情報提供義務は法令上の根拠が認められない」と棄却した。

福知山市の大橋一夫市長は「判決書の内容を承知しておらず、内容を精査し、今後の対応を検討してまいります」とのコメントを出した。
(写真)記者会見で思いを語る山岡さん(前列左から2人目)ら

原告市民が会見「住みよい地区」願い■
弁護団は同日、京都地裁で記者会見をした。出席した原告の山岡哲志さん(44)は「念願の家を買って1年半程度で浸水。行政をたたくつもりで提訴したのではなく、一刻も早く治水対策を進めて住みよい地区にとの思いでやってきた」。居合克樹さん(41)は「一部主張が認められてうれしいが、直接購入か否かで判断が分かれたことには違和感がある。今も雨が降ると不安になる。市には血の通った施策をしてほしい」と思いを吐露した。


浸水リスク 説明不十分、宅地販売で福知山市に賠償命令…京都地裁

(読売新聞2020/06/18 06:00) https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20200618-OYO1T50011/ 浸水被害が起きる可能性について十分に説明をしないまま宅地を販売したとして、2013年9月の台風18号による豪雨で自宅が浸水した京都府福知山市石原(いさ)地区の住民ら7人が市を相手取り、計約6200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、京都地裁は17日、市から宅地を直接購入した3人に計約800万円を賠償するよう命じた。
水害発生の可能性について、市は「(水害時の浸水区域を示す)ハザードマップで必要な情報を提供した」と主張していたが、井上一成裁判長は「マップの配布だけでは不十分」と指摘し、説明義務違反を認めた。弁護団によると、不動産販売を巡って、水害リスクに関する行政の説明義務違反を認めた判決は初めて。
判決では、宅地は市が造成し、3人は市から、4人は仲介業者を通じて09~13年に購入し、自宅を建てた。13年の台風18号で近くを流れる由良川が氾濫し、床上浸水などの被害を受けた。
由良川やその支流では、04年の台風23号など過去にも水害が相次いでおり、市は06年以降、全戸配布しているハザードマップで、地区が3~5メートル浸水する区域と表示。市は「マップで浸水について伝えており、(住民側は)情報の取得を怠った」と主張していた。
井上裁判長は判決で、「市が浸水の恐れがある土地を販売することはないと住民が信頼し、マップを考慮せずに購入することは予見できた」と指摘。販売時に過去の浸水被害や今後の浸水リスクについて説明する義務があったとした。
仲介業者を通じて購入した4人については、市の情報提供義務がないとした。
福知山市の大橋一夫市長は「判決の内容を精査し、対応を検討する」とのコメントを出した。

西日本豪雨など受け、水害の恐れ説明 業者義務付けへ
近年、大きな被害をもたらす水害が全国で相次ぎ、不動産取引の際に水害リスクの説明を求める動きが広がっている。
宅地建物取引業法は、不動産取引業者に電気・ガスの整備状況など重要事項の説明を義務付ける。重要事項の内容は大規模災害を経て拡充され、30人以上が犠牲になった広島県の土砂災害から2年後の2001年に「土砂災害」、東日本大震災が起きた11年に「津波被害」の警戒区域かどうかが盛り込まれたが、水害リスクは含まれていない。
しかし、18年の西日本豪雨などを受け、全国知事会は昨年7月、水害リスクを重要事項に加えるよう国に提言。国は今夏にも、宅地建物取引業法の施行規則を改正し、水害リスクの説明を業者に義務付ける方針だ。
滋賀県は14年制定の流域治水推進条例で、浸水想定区域などを説明する努力義務を業者に課した。京都府も16年、府が業者に水害リスクなどの情報を提供し、業者には情報の把握を義務付ける条例を制定した。

台風19号災害から8か月 出水期迎えた被災地で復旧工事進む 長野

2020年6月13日
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昨年10月の台風19号で被害を受けた千曲川の堤防復旧工事について6月10日に国土交通省千曲川河川事務所の発表がありました。その記事とニュースを掲載します。
破堤箇所を含む穂保地区560mについては住宅地側ののり面も含めて両のり面をコンクリートブロックで補強する堤防工事が進みつつあります。決壊地点周辺の140m区間はすでに終了し、残りは今年度中に終了する予定です。
住宅地側ののり面をコンクリートブロックで補強する工法は、私たちが求めてきた耐越水堤防工法です。
千曲川河川事務所調査課に問い合わせたところ、越水があった4カ所の方は耐越水堤防工法ではなく、堤防の天端と法尻を補強する工事になっているとのことです。
耐越水堤防工法の全面採用までには至っていません。

千曲川堤防 越水4カ所復旧
• (信濃毎日新聞2020年6月11日) https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200611/KT200610ATI090006000.php

(写真)復旧工事が完了した千曲川の堤防=10日、千曲市雨宮
国土交通省千曲川河川事務所(長野市)は10日、昨年10月の台風19号災害による越水で被害を受けた千曲川の堤防4カ所を復旧したと発表した。決壊した長野市穂保の堤防もほぼ復旧が完了。いずれも被災前と比べ、決壊までの時間を引き延ばせるよう堤防を強化した。

中野市栗林、上高井郡小布施町大島、長野市篠ノ井塩崎、千曲市雨宮の4カ所では越水が発生し、堤防の住宅地側ののり面が削れた。越水が続いていれば、決壊する可能性もあったため、同事務所は堤防の住宅地側の下部にコンクリートブロックを設置。堤防から流れ落ちる水で最も削れやすい部分を守り、決壊までの時間を延ばすようにした。

長野市穂保の堤防では幅約1500メートルで越水し、決壊につながった。同事務所は決壊場所を含む前後140メートルで、住宅地側と川側ののり面をコンクリートブロックで補強。この140メートルを含む560メートル区間では住宅地側ののり面だけブロックで強化し、川側は本年度中に整備する。

この他、護岸欠損などの被害があり、国が復旧する千曲川堤防計30カ所も本年度内に工事を終えるとしている。

 

台風19号災害から8か月 出水期迎えた被災地で復旧工事進む 長野
(SBC信越放送2020/6/12(金) 20:05配信)https://news.yahoo.co.jp/articles/afc6b192fd9485e75762aa553fbfa649bef75ac2

台風19号災害から8か月 出水期迎えた被災地で復旧工事進む 長野
去年10月の台風19号災害からきょうで8か月です。 長野市では被害を受けた農地の土砂の撤去がほぼ終わり、今年のリンゴの収穫に向けた作業が進められています。
去年の台風19号で千曲川の堤防が決壊した長野市長沼地区では、国の千曲川河川事務所が決壊場所を含む前後560メートルの区間で今年度中の復旧を目指し工事を進めています。
このうち140メートルについては、住宅地側と川側の両方にコンクリートブロックで補強する工事が完了し、今は土をかぶせる作業が行われています。
残りの区間については、住宅地側をブロックで強化し、川側は今年度中に整備するということです。
去年10月の台風19号災害では県内で災害関連死も含めて6人が死亡し、8300棟余りが浸水被害を受け、およそ3500棟が全半壊しました。
長沼地区では被害を受けた住宅の解体が進められています。
長野市によりますと、公費解体は先月末時点で426件の申請のうち60件が完了し、自費での解体も130件以上行われています。
一方、5センチ以上の土砂が溜まっていた被災農地については、土砂の撤去がほぼ終わりました。
米沢俊夫さん・73歳は、およそ1000坪の畑でリンゴを栽培していますが、台風災害で10本以上の木が流されるなど被害を受けました。
今はリンゴの摘果作業が進められていますが、梅雨や台風による大雨を心配しています。
きのう梅雨入りし、出水期を迎えた被災地。
住民たちは手さぐりの状態で復旧、そして復興への歩みを進めています。

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