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ダム建設 疑問再燃 「山鳥坂」予定地変更 大洲 事業費膨張 工期も延長 安全性・効果 不安の声

2022年1月5日
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国土交通省が愛媛県大洲市の肱川支流・河辺川に建設する予定の山鳥坂(やまとさか)ダムの予定地が変わり、事業費が470億円も増額になりました。そして、工期が2026年度から2032年度に変わりました。

その記事を掲載します。

この記事に書かれているように、以前から山鳥坂ダムの建設には反対の声がありましたが、今回の建設地変更を機に、ダムの存在自体に疑問を呈す声が改めてあがっています。

この際、ダム建設事業を中止すべきです。

 

ダム建設 疑問再燃 「山鳥坂」予定地変更 大洲 事業費膨張 工期も延長 安全性・効果 不安の声

(愛媛新聞2021/12/29 10:34))https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%83%80%E3%83%A0%E5%BB%BA%E8%A8%AD-%E7%96%91%E5%95%8F%E5%86%8D%E7%87%83-%E5%B1%B1%E9%B3%A5%E5%9D%82-%E4%BA%88%E5%AE%9A%E5%9C%B0%E5%A4%89%E6%9B%B4-%E5%A4%A7%E6%B4%B2-%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E8%B2%BB%E8%86%A8%E5%BC%B5-%E5%B7%A5%E6%9C%9F%E3%82%82%E5%BB%B6%E9%95%B7-%E5%AE%89%E5%85%A8%E6%80%A7-%E5%8A%B9%E6%9E%9C-%E4%B8%8D%E5%AE%89%E3%81%AE%E5%A3%B0/ar-AASdSAN?ocid=BingNewsSearch

国土交通省山鳥坂ダム工事事務所は20日、愛媛県大洲市の肱川支流・河辺川で進む同ダム建設事業について、建設予定地を約400メートル上流の位置に変更すると公表した。これまでの予定地周辺に大規模な地滑り対策が必要な岩盤があることが判明したためで、同事務所は、完成時期が当初予定の2026年度から32年度にずれ込み、総事業費も約470億円増の約1320億円になると見通す。以前から同ダム建設には反対の声があったが、今回の建設地変更を機に、ダムの存在自体に疑問を呈す声が改めてあがっている。

事務所によると、これまでの地盤調査で、建設予定地より上流の見の越地区(2カ所)と奥の山地区の計3カ所で、貯水位変動に対する地滑り対策が必要と確認。予定地の右岸側下流部の月野尾地区では、強度が不足する「ゆるみ岩盤」を確認していたが、掘削除去することでダム本体の施工は可能と推測していた。

 

山鳥坂ダム2026年度の完成は困難【愛媛県】

2021年5月16日
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国土交通省が愛媛県の肱川に建設中の山鳥坂(やまとさか)ダムの完成が2026年度より遅れる見通しになったというニュースを掲載します。

このニュースの元になっているのは「『令和3年度 山鳥坂ダム工事事務所 ダム事業費等監理委員会』の 審議結果について 令和3年5月14日

https://www.skr.mlit.go.jp/yamatosa/kisya/pdf/210514.pdf」です。

この資料の3ページを見ると、付替県道に関する工事用道路は進捗度が86%で、まだ完成せず、仮排水トンネル等のダム本体工事はその先のことになっています。

そして、この記事に書かれているように(この資料の11~13ページ)、ダムサイト右岸下流域で大規模な地すべりが発生する危険性があることが判明して、その対策が必要となったのですから、ダムの完成は予定の2026年度よりかなり遅れると思われます。

肱川では2018年7月の西日本豪雨で野村ダムと鹿野川ダムの緊急放流により、ダム下流域は大氾濫し、凄まじい被害が発生しました。

肱川大氾濫の主因は肱川においてダム偏重の河川行政(山鳥坂ダムの建設推進)が続けられ、河川改修を後回しにし、なおざりにしてきたことにあります。

 

山鳥坂ダム2026年度の完成は困難【愛媛県】

(テレビ愛媛2021/05/15 12:18)

https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%E5%B1%B1%E9%B3%A5%E5%9D%82%E3%83%80%E3%83%A0%EF%BC%92%EF%BC%90%EF%BC%92%EF%BC%96%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E3%81%AE%E5%AE%8C%E6%88%90%E3%81%AF%E5%9B%B0%E9%9B%A3-%E6%84%9B%E5%AA%9B%E7%9C%8C/ar-BB1gKnZ8?ocid=msedgdhp

肱川の治水対策として建設が予定されている山鳥坂ダムについて国は新たに「地すべり」対策の追加工事が必要として2026年度の完成は困難との認識を初めて示しました。

山鳥坂ダムは2026年度の完成に向け、現在ダム本体の建設工事に取りかかるため県道の付け替え工事が行われています。並行して地質調査を進めている国は、予定地のそばに工事によって大規模な「地すべり」が起こる可能性のある個所を発見。

追加の対策工事が必要として現在、予定されている2026年度の完成は困難との認識を初めて示しました。

国は地すべりが起こる可能性のある個所の撤去や、ダムの工事予定地を上流に変更するなどの対策を検討していて、できるだけ早く決定し公表したいとしています。

山鳥坂ダム 反対根強く 流域 治水効果・環境に懸念

2020年12月27日
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愛媛県の肱川に計画されている国土交通省の山鳥坂ダムについての記事を掲載します。

山鳥坂ダム反対の声が大きくなっていくことを熱望します。

 

山鳥坂ダム 反対根強く 流域 治水効果・環境に懸念

21年度政府予算案に39億8700万円

(愛媛新聞 2020年12月27日)

政府が閣議決定した2021年度当初予算案で、肱川支流・河辺川で進む山鳥坂ダム建設事業(大洲市)に39億8700万円が計上された。

うちダム本体工事に向けた測量設計費に約8億円を充てる内容で「計画通りに事業を進めるために最低限必要な額が確保された」(中村時広知事)形だが、

西日本豪雨による被災を経てなお、流域では治水効果への疑問や河川環境悪化への懸念などから建設反対の声が根強く残る。

山鳥坂ダムは1982年に旧建設省が予備調査に着手。「コンクリートから人へ」を掲げた2009年からの旧民主党政権下で3年余り建設が凍結されたが、13年1月に事業再開が決定した。

国土交通省は、堤高約103mの重力式コンクリートダムの26年度完成を予定する。

本体工事の着工時期は未定だが、水没地域住民の用地補償や付け替え県道の整備などが進む。

全国のダム建設を巡っては、今年7月の豪雨災害を機に熊本県を流れる球磨川支流・川辺川でのダム建設計画が再始動するなど、ダムによる治水が復権しつつある。

愛媛県は政府予算への要望・提案でダム建設を含む肱川の治水対策を「再度災害防止に向けた喫緊の課題」と位置付けており、

中村知事は今月24日の会見で改めて「ダムや堤防整備、河床掘削などさまざまな対策でコントロールする必要がある」と強調した。

だが、降雨を安全に流すための堤防整備や河床掘削による治水対策を優先するよう望む声は根強い。

市民団体「山鳥坂ダムはいらない市民の会」の矢野庄一さん(77)は「ダム建設にかかる予算を河床掘削に充ててほしい」と懇願する。

矢野さんは、河口の長浜地区にある長浜大橋付近で土砂が堆積し、小型船の航行にもが影響が出ていると指摘。「今回配分された約40

億円の予算があれば、掘削はかなり進められるはずなのに」と疑問を呈す。

下流部の同市多田地区に居住する矢野さんは、18年の西日本豪雨では自宅が約1.3㍍の浸水被害を受けた。

「河口の土砂を除去し流下能力を上げなければ、再び豪雨の時のような洪水が起こった場合に大きな浸水被害が発生する。

不安で仕方がない」と話した。

15年連続でダム建設反対を議決している肱川漁協の橋本福矩組合長は「鹿野川、野村両ダムの建設後、ハヤやウグイといった魚がいなくなるなどわれわれ漁業者は身をもって河川環境の悪化を感じてきた。

ダムがもう一つできればどうなるかは目に見えている」と述べ、肱川の生態系の変化や水の濁度の高まりを背景に反対の姿勢を示す。

下流の東大洲地区などが発展してきた経緯もあるとし「『流域全体の命と財産を守るため』と言われれば、そんな必要がないとは言えない」と複雑な心境も吐露しつつ、

水質改善の策などに「具体的な提案がないと(ダム建設に)賛同できない」。、対応策について書面での正式な回答を国側に求めたいとしている。

(薬師神亮太、西尾寛昭)

(写真)山鳥坂ダム建設予定地の看板が立つ県道小田河辺大洲線

(写真)山鳥坂ダム建設に伴う県道小田河辺大洲線の付け替え工事の一環で進められている「見の越トンネル」坑口付近

=いずれも26日午後、大洲市肱川町山鳥坂

西日本豪雨1年 ダムが水が怖い 愛媛・西予、緊急放流で集落浸水 「再発防止策不安」残ったのは数世帯

2019年7月8日
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昨夏の西日本豪雨では野村ダムの緊急放流によlり、肱川が氾濫し、西予市野村町地区で5人が亡くなりました。「「天災ではなく人災だ」との思いは被災者から今も消えない。ダムの操作規則が変更されるなど、ハード・ソフト両面で対策が進んだが、不安を拭えずにいる」という被災者の声を伝える記事を掲載します。


西日本豪雨1年 ダムが水が怖い 愛媛・西予、緊急放流で集落浸水 「再発防止策不安」残ったのは数世帯

(毎日新聞大阪夕刊2019年7月8日) https://mainichi.jp/articles/20190708/ddf/007/040/010000c

西日本豪雨でダムの緊急放流後に肱川(ひじかわ)が氾濫し、5人が亡くなった愛媛県西予市野村町地区。「天災ではなく人災だ」との思いは被災者から今も消えない。ダムの操作規則が変更されるなど、ハード・ソフト両面で対策が進んだが、不安を拭えずにいる。【中川祐一】

三島町集落
四国地方が梅雨入りした6月26日。久しぶりに雨が降る中、小玉由紀さん(60)は自宅の前を流れる肱川を見つめていた。「また、どばっと雨が降ったらどうなるんやろう」
昨年7月7日午前6時20分。集落上流にある野村ダムが貯水の限界に達し、国土交通省野村ダム管理所は流入量とほぼ同量を放流する「異常洪水時防災操作」を実施した。川の水位は急上昇して集落はあっという間に濁流にのみこまれ、小玉さんの母ユリ子さん(当時81歳)も亡くなった。

(写真)新たに設置された危機管理型水位計。橋の向こうに三島町の集落がみえる。豪雨以前は川沿いに家が建ち並んでいた=愛媛県西予市野村町地区で2019年6月28日、中川祐一撮影
国は6月、野村ダムなどについて大雨の初期段階で放流量を増やすなど操作規則を変更。小玉さんの家の前の橋には同月、ダム管理所などがきめ細かく水位を把握するため新型の水位計が設置された。
ただ小玉さんは「電光掲示板などで放流量をもっと簡単に分かるようにしてほしい」と話す。どれだけ川の様子に気を配っていても、大規模放流があれば一気に水位は高くなる。それが西日本豪雨から得た最大の教訓だ。
小玉さんの家がある三島町集落ではすべての家が浸水被害を受けた。国の「防災集団移転促進事業」を使い全住民が高台などへまとまって移ることも検討されたが、反対意見もあって立ち消えになった。
集落に残ると決めているのは数世帯にとどまる。仕事場のある別の町に妻と引っ越すことを考えている建築業の男性(67)は「ダムがあるから安心と思って家を建てたが、もう水が怖い。住民説明会に行ってもダム管理所は言い訳ばかり。聞いてもしょうがない」と胸の内を明かす。
多くの人が今も仮設住宅で暮らしているため、集落には更地や空き家が目立つ。「以前は夏の夕方になると、風が通る橋に自然と人が集まってみんなで涼んだ。ずっと続くと思ったのに……」。小玉さんがさみしそうに言った。

(写真)更地が目立つようになった三島町集落を歩く小玉由紀さん=愛媛県西予市野村町地区で2019年7月8日午前9時53分、中川祐一撮影

 

洪水調節容量1.4倍に増強 鹿野川ダム改造、全事業完成 しかし、その事業費を肱川の河道整備を回していれば 

2019年6月10日
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愛媛県・肱川の治水対策として国土交通省が進めてきた鹿野川ダム改造事業が完成し、6月9日、完成式が開かれました。その記事とニュースを掲載します。
この改造事業の主たる内容はトンネル洪水吐を設置して、治水容量1650万㎥を2300万㎥に増やすものです(発電容量を転用)。
しかし、昨年7月の西日本豪雨では鹿野川ダムは発電用放流管を使って事前放流を行い,下図の通り、治水容量を2980万㎥-749.8万㎥=2230万㎥に増やしていました。それでも、流入量の急増で満水になり、緊急放流が行われ、大変な被害をもたらしました。
改造によって2230万㎥が2300万㎥に増えるだけですから、あまり変わりません。
鹿野川ダム改造の事業費は420億円にもなります。肱川ではダム優先の河川行政が進められて河道整備がなおざりにされ、かなり長い無堤区間が放置されてきました。必要性が希薄な鹿野川鹿野川ダム改造の事業費を肱川の河道整備を回していれば、西日本豪雨の被害を大きく軽減することができたと思います。


洪水調整容量1.4倍に増強 鹿野川ダム改造、全事業完成 大洲で式典

(愛媛新聞2019年6月9日(日))https://www.ehime-np.co.jp/article/news201906090053?utm_medium=social&utm_content=%2Farticle%2Fnews201906090053

(写真)トンネル洪水吐(左)の新設で、国が進めてきた改造事業が完成した鹿野川ダム=9日、大洲市肱川町山鳥坂

肱川流域の治水対策として国が進めてきた愛媛県大洲市肱川町山鳥坂の鹿野川ダム改造事業で、最後に残っていた「トンネル洪水吐(こうずいばき)」がこのほど完成し、9日、同町予子林の風の博物館で全事業の完成式が開かれた。改造でダムの洪水調整容量を2390万トンと従来の約1.4倍に増強。トンネルの運用で洪水をため始める水位を従来より4.7メートル下げ、下流の洪水被害軽減を図る。
国土交通省山鳥坂ダム工事事務所によると、改造事業は洪水調整機能の増強や貯水池の水質改善などを目的に、2006年度着手。下流の状況を見ながらよりきめ細かな放流量の増減(開閉操作)を可能にするクレストゲートの改良や、水質悪化の原因となるアオコの発生を抑制する曝気(ばっき)循環装置の設置、任意の深さの水を放流できる選択取水設備の新設などの工事を実施した。総事業費は487億円。
洪水吐のトンネル部分は全長457メートル、内径11.5メートルで、高い水圧に耐えられる鉄筋コンクリート部分と、世界最大級の鋼製放流管からなる。低い水位の放流能力が向上し、増強した洪水調整容量を有効活用できるようになった。
完成式には国や流域自治体の関係者ら約200人が出席。大洲市の二宮隆久市長は「鹿野川ダム改造事業の完成で、肱川流域住民の生活を守る治水対策が一歩進んだ」と述べた。


鹿野川ダム改造事業完成式 洪水対策が強化

(テレビ愛媛2019/06/09 18:51:00) http://www.ebc.co.jp/news/data/index.asp?sn=7259

肱川の洪水対策として進められていた大洲市にある鹿野川ダムの改造事業がこのほど完成し、9日、記念の式典が行われました。大洲市肱川町で行われた完成式には関係者約100人が出席、事業の完成を祝いました。鹿野川ダムの改造事業は洪水調節機能を強化するため国が2006年から進めてきたものです。このうち新たに設置された「トンネル洪水吐」は大雨の際などにあらかじめトンネルを使い放流することでダムの空き容量をこれまでの1.4倍に増やすものです。この事業の完成に伴い鹿野川ダムと野村ダムでは操作ルールを変更、西日本豪雨クラスの大雨が降っても洪水被害は大幅に軽減できるとしています。

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