山形・最上小国川ダム 県、漁協同意ないまま着工(河北新報2012年10月26日金曜日)
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山形・最上小国川ダム 県、漁協同意ないまま着工(河北新報2012年10月26日金曜日)
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/10/20121026t51004.htm
山形県が最上町で予定する最上小国川ダムの建設計画で、県は今月、本体工事の資材搬入などに使う建設用道路の取り付け工事を始めた。現場の漁業権を持つ小国川漁協(舟形町、組合員1119人)は計画に反対を続けており、本体工事の着手まで曲折も予想される。
県は13日、ダムの上流側で建設用道路の工事を始め、現在は樹木の伐採などを行っている。今月下旬には下流側でも同様の工事を始める。
道路の完成後は時間を置かず、本体工事に着手したい考えだ。
県は洪水対策のためダム建設を決め、下流域の地元住民から賛同を得た。赤倉温泉観光協会の大沢康浩旅館部会長は、経営する旅館が1998年の集中豪雨で床上浸水の被害を受けた。「観光地は安全が第一。工事開始は『待ってました』という気持ちだ」と歓迎する。
一方、小国川漁協はアユの生態系が打撃を受けるとして、2000年から一貫してダム建設に反対している。17日には沼沢勝善組合長が県庁を訪れ、関連予算の執行停止などを要請した。
本体工事を行うには、漁業権を持つ漁協が県の補償案に同意する必要がある。県は生態系への影響は少ないと説明するが、沼沢組合長は「われわれはダム建設に同意しないし、補償にも応じない。
周辺工事は税金の無駄遣いになる」と批判を強め、両者が折り合う見通しは立っていない。
補償交渉が決裂した場合、県は土地収用法に基づき、漁業権を強制収用する手続きも選択できる。県河川課は「同意を得る努力を続けるとしか言えない」として、現時点で強制収用の可能性を肯定も否定もしていない。
吉村美栄子知事は15日の定例記者会見で「理解を得るための話し合いはこれからもやっていく」と述べ、議論を続ける姿勢を見せたが、「住民の安全、安心を守るのが私の立場だ」との意向も示した。
[最上小国川ダム]山形県が2006年、最上町赤倉地区の洪水対策として、貯水機能のない治水専用の「穴あきダム」の建設を決定。15年度までの完成を目指している。総事業費は64億円で、国から2分の1の補助を受ける。
政権交代後に見直し対象となったため、県は11年、ダム以外の治水対策と効果や費用を比較した上で、計画の継続を決めた。
昨年、9月一人でアユの川を尋ねました。豊かな23億円の水揚げと聞いていましたが、現地は、豊かな流れで、美しく、簗があちこちにあり、人と流れ、水と魚、流れと生態系の豊かな関係がみられました。私は、投網で2時間アユをとりつづけた漁師と歩きました。この川は、地域の財産であるとともに日本の財産でもあります。ダムは,無駄、無用です。知恵を寄せ合い、流域の保全に市民,漁協の踏ん張りを期待します。
小国川に学ぶ。追加。川は、地球の血管と言われますが、小国川は、清流そのもので、これを見ますと、まさに地域の財産であり、様々な生物を運ぶ大道脈であることがわかります。豊かな水と緑と土の生態系ハ、豊かな河畔林を伴い、たくさんの簗があります。ともに歩いた方は、3時間で80匹以上のアユを取りました。河畔リンは、水害防備林でもあるわけで、小国川の水害が、内水反乱だとするなら、まさに、この流域には、穴あきダムなど無用のはずで、この際、流域は誰のものか、水利権とはだれのものか、流域住民の声を問わず、自然の摂理を無視するかのっごとき山形県の、ダムへの対応は疑問が残ります。治水の方法は、多義的であり、流域興しの方法は、まずは、流域住民、なかんずく漁民たちの声でありましょう。私たちは、自然の一部であり、私たちの暮らしはそれに依存しているのだから。「ダムを造らない社会へ」を差し上げた、魚協組合長が亡くなられた、現地で死者の心を振り返りたい。明日16,17日新庄でシンポあります。
上野様
コメントをいただき有り難うございます。
沼沢組合長をハジメとした小国川漁協の皆さんの想いである「小国川の力」を守り抜くべく「小国川漁協の提案」を是非とも実現させたいですね。