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事務局からのお知らせ

マニフェスト:廃れた村「再建」描けず 脱ダム押しつけ 補償棚上げ 熊本・五木村水没予定地(毎日新聞社会面 2012年11月19日)

検証・民主党マニフェスト:廃れた村「再建」描けず 脱ダム押しつけ 補償棚上げ 熊本・五木村水没予定地(毎日新聞社会面 2012年11月19日)
http://mainichi.jp/area/news/20121119sog00m040004000c.html

(写真)自宅裏の畑で妻とサトイモを収穫する尾方さん=熊本県五木村頭地で、取違剛撮影
「昔は役場も何もかもあったですけどな。みんな上に行ってしもうたですたい」。国営川辺川ダム計画の水没予定地、熊本県五木村頭地(とうじ)地区。
ただ一軒、妻と住み続けている尾方茂さん(85)は高台の代替地を見上げた。かつて493世帯が暮らし、元の役場や小・中学校、消防署など全ての公共施設が集まっていた「一等地」は現在、国が買収した更地にやぶが茂る。
ダム計画が発表された1966年以降、住民は代替地や村外へ移っていった。尾方さんは「畑から離れたら仕事ができん」と移転を断り、3反歩(約3000平方メートル)の畑でソバや大豆を作ってきた。「ダムはできん方がよかです。しかし、このままで村がどうやって生きていけますか」
民主党は前回総選挙のマニフェストで、川辺川ダムと八ッ場(やんば)ダム(群馬県)中止を掲げた。
前提条件に、地元への補償も打ち出したが、川辺川ダムの計画中止を表明した09年以降、村の中心部を占める水没予定地244・3ヘクタール(東京ドーム52個相当)を今後どうするか、具体策を打ち出さないままだ。
河川法で「河川」の水没予定地は、コンクリート製工作物を造れないなど利用の制約がある。再建ビジョンを描けない村の人口は10月末現在1287人。この46年で4分の1に減った。
村では60?70年代、産業の中心だった林業が寂れるのと入れ替わるようにダム関連工事が増え、やがて建設業が最大の雇用の場になった。
建設会社オーナーで村議長も務めた照山哲栄さん(80)は嘆く。「ダムは国が村に押しつけた事業だ。建設業が潤い、コンクリートが村の骨身、血肉になってしまった。いきなり『コンクリートから人へ』と言われても生殺しだ」
村は国のダム中止表明以降、当時の前原誠司・国土交通相が明言した地元補償のための新法作りを再三要望している。
新法は廃止ダムの全国モデルとなるはずだったが、国と熊本県、村の三者協議の場に国交相など政務三役が出席したことは一度もなく、実現の見通しは立っていない。
八ッ場ダムの建設再開に反対する民主党議連会長、川内博史前衆院議員(鹿児島1区)は「そもそも国交省の頭の中には『ダム中止』がないので補償しようという気もない。そんな官僚機構と戦える大臣が民主党にも自民党にもいないのが現状だ」と話す。

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