立野ダム:建設継続へ 歓迎と反対の声交錯(2012年12月07日)
反対運動が展開されていた立野ダムに対してゴーサインが出たのは本当に残念です。
国交省の有識者会議でも次のように基本的な疑問が提起されていたのに、対応方針には何も反映されませんでした。
「立野ダムでは、上流での環境等を考慮して、流水型ダムにしていると思われるが、長い間に土砂が上流に堆砂する可能性について、その影響をどのように考えているのか。 流水型ダムでも自然調節方式が一番いいとはかぎらないので、ゲートを設置して容量を小さくするなどの工夫を検討することができないか。 環境を心配する意見も出されており、丁寧に説明していくことが必要ではないか。」
立野ダム:建設継続へ 歓迎と反対の声交錯 (毎日新聞熊本版 2012年12月07日)http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20121207ddlk43010468000c.html
ダム10+件事業見直しで凍結されていた立野ダム10+件(予定地・南阿蘇村など)の建設継続を国土交通省が6日決定し、蒲島郁夫知事は「7月の九州北部豪雨災害で治水の重要性を改めて認識したところだった」と歓迎した。
白川改修・立野ダム10+件建設促進期成会会長の幸山政史・熊本市長も報道陣の取材に対し、九州北部豪雨水害を受けた治水対策として早期建設を訴えた。一方で蒲島知事、幸山市長ともに、国に対しコスト縮減や環境対策、流域住民への十分な説明を求めた。
幸山市長は衆院選期間中の決定に「少し意外だったが、今の政権が進めてきたことなので、その責任を果たすという意味にも取れる」と印象を語った。一方で事業の必要性が検証された2年間を振り返り「政治に振り回された感がある」と述べた。
事業に対しては環境への影響などを懸念し反対も根強い。河川改修などを求めてきた「立野ダムによらない自然と生活を守る会」の中島康代表は「住民無視の一方的な決定」と話した。【取違剛、松田栄二郎】
立野ダム本体工事可能に 国交相、事業継続決定(熊本日日新聞2012年12月07日)http://kumanichi.com/news/local/main/20121207002.shtml
(写真)立野ダム建設予定地を白川上流側より望む=10月、南阿蘇村、左は大津町
羽田雄一郎国土交通相は6日、民主政権のダム事業見直し対象になっていた立野ダム建設事業(南阿蘇村、大津町)について、事業主体の同省九州地方整備局(九地整)が「ダム案が最も有利」とした検証結果を妥当として、事業の継続を決定した。
同ダム建設を容認した国交相の最終判断を受け、同事業は、約2年間凍結されていた本体工事の着手が可能になる。
同ダムをめぐっては、九地整が河道掘削や遊水地など治水策の代替5案をコスト、安全度などで評価・比較し、「ダム案が最も有利」とする検討結果をことし9月に提示。
外部の事業評価監視委員会も、流域7市町村の意向や「ダム案に異存はない」とした蒲島郁夫知事の意見を踏まえ、九地整の「継続」方針を了承していた。
国交相は、国の有識者会議の意見も参考にした上で、「総合評価でダム案が優位であり、事業継続は妥当。検証手続きも国の基準に沿って適切だった」と結論づけた。
同ダム事業には、環境への影響などから見直しを求める意見も強く、九地整が「ダム案が有利」とする検討結果を示した地元公聴会でも、市民団体などから反対、疑問の声が相次いだ。
立野ダムは白川に建設する洪水調整専用の穴あきダムで、1983年に事業着手。総事業費917億円で、残事業は491億円。(渡辺哲也)
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