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ダム計画:淀川水系1850万立方メートルが余剰(毎日新聞関西版 2012年12月23日)

2012年12月23日
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「川上ダム計画が規模縮小など見直しを迫られるのは必至だ。」という記事です。川上ダムは水資源機構のダムですので、利水目的がなくなれば、水資源機構が進めることは制度面でできなくなり、計画の根本からの見直しが必要となります。今後の展開が楽しみです。

ダム計画:淀川水系1850万立方メートルが余剰(毎日新聞関西版 2012年12月23日)http://mainichi.jp/select/news/20121223k0000e040131000c.html

淀川水系のダムに水利権を持つ大阪府の企業団や京都府などが、水需要の減少によって4ダムで計1850万立方メートル以上の水が余っており、治水などに転用できると、国土交通省近畿地方整備局に伝えていたことが分かった。
水余りでダムを満杯にする必要がなければ、空いている容量を洪水時の水量調節などに活用できる可能性がある。必要性が再検証されている同水系の川上ダム(三重県伊賀市)の治水用の貯水量を、余剰水量は上回っている。
同ダム計画が規模縮小など見直しを迫られるのは必至だ。
国交省は10年9月、本体未着工のダムを対象に再検証を指示。近畿地整も川上ダムの代替措置を検討し、用途の転用が可能な既存ダムの水量を自治体などに質問した。
その結果、高山ダム(京都府)760万トン▽日吉ダム(同)320万トン▽青蓮寺ダム(三重県)670万トン▽比奈知ダム(同)140万トンが転用可能と判明した。
利水者ごとの水量は、大阪広域水道企業団(旧大阪府営水道)896万立方メートル▽大阪市769万立方メートル▽京都府189万立方メートル。兵庫県尼崎市は、未確定だが最大で35万立方メートル。
川上ダムは、大阪府や京都府などが受益に応じて整備費用を負担する。総貯水量は3100万立方メートル。
用途は、淀川下流域などの洪水調節容量(治水)が1440万立方メートル▽水道用水が350万立方メートル▽高山など他の淀川水系4ダムに堆積(たいせき)した土砂を除去する際に下げる水位の相当分を、代わりにためる代替貯水量830万立方メートル??を含む。
水位を下げるのは、水中の土砂を地上に露出させて作業効率を上げるため。水余りに伴いダムの水位を下げることができれば、代替貯水は不要となる。治水についても、余剰水量の活用を組み込んだ代替案などを、近畿地整が検討している。
近畿地整は「治水効果はさまざまな要因があって貯水量だけで評価できない。川上ダムの代替の可能性については今後広く意見を求めたい」と話している。
大阪府に対しては、川上ダムの位置から余剰水量の活用で治水を全ては代替できないと説明したという。一方、宮本博司・元近畿地整淀川河川事務所長は「4ダムの余剰水量は極めて多い。
他の要因で川上ダムの治水効果が高いとしても、規模は大幅に縮小できる可能性がある」と話す。
川上ダムは治水や利水などの多目的ダム。1993年に事業実施計画が認可されたが、本体工事には着手していない。
奈良県と兵庫県西宮市が水余りのため撤退して利水容量を3分の1以下に減らしたが、09年に代替貯水を用途に加えて規模は変えずに事業を続けている。【大島秀利】

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