「社会的共通資本としての森」経済学者・故宇沢弘文氏 晩年の思い込め 編集本
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「森林環境と人間社会による森の利用は,濃密な相互作用を経て,各地域固有の文化とコモンズを形成してきた.森林資源の略奪を批判し,森林は自然環境を持続させ,社会と文化に安定をもたらし,社会的共通資本のネットワークの重要な一環であることを多面的に考察」したものです。
経済学者・故宇沢弘文氏 晩年の思い込め 編集本 (東京新聞 2015年5月5日)
昨年9月に亡くなった経済学者の宇沢弘文氏が、最晩年に編集した「社会的共通資本としての森」(東京大学出版会)が先月出版された。ノーベル経済学賞候補として名前が挙がり、環境問題でも積極的に発言した宇沢氏。森が育むさまざまな価値が、公正に配分される社会の実現を目指して同書を編んだ。
Social Common Capital 社会的共通資本としての森
宇沢 弘文 編, 関 良基 編
発売日:2015年04月上旬, 判型:A5, 344頁,税込5832円/本体5400円
内容紹介
森林環境と人間社会による森の利用は,濃密な相互作用を経て,各地域固有の文化とコモンズを形成してきた.森林資源の略奪を批判し,森林は自然環境を持続させ,社会と文化に安定をもたらし,社会的共通資本のネットワークの重要な一環であることを多面的に考察する.
主要目次
はしがき プレビュー(宇沢弘文・関 良基)
序 章 社会的共通資本と森林コモンズの経済理論(宇沢弘文)
第I部 森は緑のダム
第1章 森林の保水力と緑のダム機能(蔵治光一郎・五名美江)
第2章 森林回復による治水機能の向上はダムに優る(関 良基)
第3章 横川山の入会の変遷と「流域コモンズ」の可能性(保屋野初子)
第II部 森を育む思想と文化 第4章 コモンズとしての森林――学校林の歴史に宿るエコロジー思想(三俣学)
第5章 地域と森林の時間軸・空間軸――流域圏と農山村の遺産(山本美穂)
第6章 平和の森――先住民族プナンのイニシアティブ(金沢謙太郎)
第7章 イノシシと日本人の関係史――自然領域と人間領域の適正な配分(小寺祐二)
第III部 森を支える制度 第8章 制度資本としてのコモンズ――政令指定都市の中の森林・林業を事例として(池田寛二)
第9章 自然災害リスク管理と保安林制度のあり方――オーストリア・チロル州の保安林改良事業と野渓監護事業を中心に(古井戸宏通)
第10章 林業労働者のキャリア形成支援と「緑の雇用」制度(興梠克久)
終 章 森林を社会的共通資本とするために(関良基)
あとがき(関 良基)
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