「石木ダム反対」バス運行
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県と佐世保市が東彼川棚町に計画している石木ダム建設事業に反対する団体などが今月から、同ダム工事に疑問を投げかける内容のイラストやメッセージを路線バスに”ラッピング”し両市町などに走らせている。
町民からは、PR効果について期待の声が上がる一方で、懐疑的な意見もある。
同事業に反対する市民団体「石木川まもり隊」(松本美智恵代表)と、反対運動を支援する米アウトドア衣料品ブランド「パタゴニア」日本支社(神奈川県鎌倉市)が、デザインや文案を協議。
広告製作や掲載費用計約150万円は同社が全額助成し、西肥バス(佐世保市)と来年4月までの予定で契約した。
車体全面に「いのち育む清流を未来へ」「ダムはほんとうに必要か皆で考えましょう」などのメッセージとともに、反対地権者らの似顔絵やダム建設予定地の自然風景をイメージしたイラストが描かれている。
同町の川棚バスセンターで、車体を見た女性会社員(45)=中組郷=は「ダム建設には反対。必要論一辺倒だったところに一石を投じてほしい」と歓迎。しかし、同事業を支持する飲食店経営の男性(46)=下組郷=は「町の経済のためにも、早く工事が始まってほしい。バス1台走らせても、効果はないのでは」と話した。
同事業推進を求める「石木ダム建設促進佐世保市民の会」(嬉野憲二会長)は、ラッピングバスを使ったPRを20年以上継続している。佐世保市営バスと西肥バス1台ずつで掲載費用は年間計約73万円。車体の両側面を使い「佐世保市の慢性的な水不足を解消するには石木ダム建設しかありません」などと必要性を訴えている。
ダム建設反対、推進-。対立する主張を発信するラッピングバス。西肥バスによると、同社の2台は同じ嬉野車庫(佐賀県嬉野市)に駐在している。
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