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石木ダムの情報

「八ツ場ダム問題と全国のダム問題」の報告

2月4日に「八ツ場あしたの会」の総会があり、嶋津の方から「八ツ場ダム問題と全国のダム問題」を報告しました。

報告の要点を下記に記しますので、長文ですが、お読みいただきたいと存じます。

当日使ったスライドは八ツ場ダム問題と全国のダム問題20230204 -4をご覧ください。

スライドとの対応をスライド番号№で示しましたので、詳しい内容はスライドを見ていただきたいと思います。

今回の報告「八ツ場ダム問題と全国のダム問題」は次の5点で構成されています。

Ⅰ これからの八ツ場ダムで危惧されること

Ⅱ 利根川の治水対策として、八ツ場ダムは意味があるのか。むしろ、有害な存在になるのではないか。

Ⅲ 水道等の需要が一層縮小していく時代において八ツ場ダムは利水面でも無用の存在である。

Ⅳ ダム問題の経過

Ⅴ 国交省の「流域治水の推進」(2021年度から)のまやかし

 

八ツ場ダム問題と全国のダム問題

Ⅰ これからの八ツ場ダムで危惧されること(スライド№2~5)

1 吾妻渓谷の変貌(スライド№3)

2 八ツ場ダム湖の浮遊性藻類の増殖による水質悪化(スライド№3)

3 夏期には貯水位が大きく下がり、観光地としての魅力が乏しくなる八ツ場ダム湖(スライド№4)

写真1 国交省のフォトモンタージュ(打越代替地から見た八ツ場ダム湖)

写真2 2022年7月の八ツ場ダム貯水池の横壁地区の岸壁(湖岸の岩肌が28m以上も剥き出し)

4 八ツ場ダムは堆砂が急速に進行し、長野原町中心部で氾濫の危険性をつくり出す。(スライド№5)

5 ダム湖周辺での地すべり発生の危険性(スライド№5)

 

Ⅱ 利根川の治水対策として、八ツ場ダムは意味があるのか。むしろ、有害な存在になるのではないか。(スライド№6~19)

1 八ツ場ダムの緊急放流の危険性(スライド№7~8)

2019年10月の台風19号で、八ツ場ダムが本格運用されていれば、緊急放流を行う事態になっていました。

2 ダムの緊急放流の恐さ(スライド№9~13)

ダムは計画を超えた洪水に対しては洪水調節機能を喪失し、流入洪水をそのまま放流します(緊急放流)。

ダム下流の河道はダムの洪水調節効果を前提とした流下能力しか確保しない計画になっているので、ダムが洪水調節機能を失えば、氾濫の危険性が高まります。

しかも、ダムは洪水調節機能を失うと、放流量を急激に増やすため、ダム下流の住民に対して避難する時間をも奪ってしまいます。

3 ダムの効果が小さかった2015年9月の鬼怒川水害(スライド№14~18)

4 治水対策としての八ツ場ダムの問題点(スライド№19)

ダムの治水効果は下流へ行くほど、減衰していくので、八ツ場ダムの治水効果は利根川の中下流部ではかなり減衰すると考えられ、八ツ場ダムは利根川の治水対策としてほとんど意味を持ちません。

地球温暖化に伴って短時間強雨の頻度が増す中、八ツ場ダムに近い距離にあるダム下流の吾妻川では、むしろ、八ツ場ダムの緊急放流による氾濫を恐れなければなりません。

 

Ⅲ 水道等の水需要が一層縮小していく時代において八ツ場ダムは利水面でも無用の存在である。(スライド№20~25)

1 八ツ場ダムの利水予定者と参画量(スライド№21)

2 水道用水の需要は縮小の一途(スライド№22~23)

全国の水道の水需要は2000年代になってからは確実な減少傾向となり、その傾向は今後も続いていきます。(減少要因:人口減、節水機器の普及、漏水の減少等)

3 群馬県の例「前橋市等の自己水源(地下水)の削減と水道料金の値上げ」(スライド№24)

4 石木ダム建設の主目的「佐世保市水道の水源確保」の虚構(スライド№25)

 

Ⅳ ダム問題の経過(スライド№26~45)

1 ダムの建設基数の経過(スライド№27)

2 ダム事業見直しの経過(スライド№28~33)

○1996年からダム事業が徐々に中止

○田中康夫・長野県知事の脱ダム宣言

○淀川水系流域委員会の提言(2005年1月)

3 2009年9月からのダム見直しの結(スライド№34~39)

2009年9月に発足した民主党政権は早速、ダム見直しを明言したものの、私たちの期待を裏切る結果になりました。

4 八ツ場ダムの検証結果 事業継続  2011年12月 (スライド№40~41)

八ツ場ダム事業推進の真の目的は約6500億円という超巨額の公費を投入することにあった。

5 ダムの検証状況 (2018年10月1日現在)(スライド№42~44)

中止ダムのほとんどはダム事業者の意向によって中止になったのであって、適切な検証が行われた結果によるものではありませんでした。

6 中止になったダムの建設再開を求める動き(スライド№45)

 

Ⅴ 国交省の「流域治水の推進」(2021年度から)のまやかし(スライド№46~54)

1 国交省の「流域治水の推進」のまやかし(スライド№47)

流域治水には治水対策としてありうるものがほとんど盛り込まれています。治水ダムの建設・再生、遊水地整備もしっかり入っており、「流域の推進」が従前のダム事業推進の隠れ蓑にもなっています。球磨川がその典型例です。

2 球磨川流域治水プロジェクト(スライド№48~49)

本プロジェクトは流水型ダム(川辺川ダム)の整備、市房ダム再開発、遊水池整備などに、約4336億円という凄まじい超巨額の公費を球磨川に投じていくことになっています。

また、川辺川ダムはすでに約2200億円の事業費が使われていますので、現段階の川辺川ダムの総事業費は約4900億円にもなる見通しです。

このように、球磨川では2020年7月大水害への対応が必要ということで、球磨川流域治水プロジェクトの名のもとに、凄まじい規模の公費が投じられようとしています。

3 流水型川辺川ダムへの疑問(1)2020年7月球磨川豪雨の再来に対応できない川辺川ダム(スライド№50~51)

川辺川ダムがあっても、2020年7月球磨川水害の死者を救うことができませんでした。球磨川流域の死者50人の9割は球磨村と人吉市の住民で、支流の氾濫によるものでしたから、川辺川ダムがあっても命を守ることができませんでした。

4 流水型川辺川ダムへの疑問(2)自然に優しくない流水型川辺川ダム(スライド№52~54)

「自然にやさしい」を名目にして、川辺川ダムは流水型ダム(穴あきダム)で計画されています。既設の流水型ダム5基の実態を見ると、「自然にやさしい」という話はダム推進のためのうたい文句にすぎず、川の自然に多大な影響を与える存在になっています。

 

5 国の流域治水関連法と流域治水プロジェクト(スライド№55)

国交省は2021年5月に「流域治水関連法」をつくり、全国の河川で「流域治水プロジェクト」を進めつつあります。このプロジェクトは施策がとにかく盛沢山で、ダム建設、遊水池整備、霞堤の保全、堤防整備、雨水貯留施設の整備など、治水に関して考えられるものは何でも入っているというもので、実際にどこまで実現性があり、有効に機能するものであるかは分かりません。それは、基本的には従前の河川・ダム事業を「流域治水プロジェクト」の名のもとに続け、河川予算を獲得していくものであって、そこには「脱ダム」の精神が見られません。

その典型例が「球磨川流域治水プロジェクト」です。このプロジェクトは流水型川辺川ダムの建設等に球磨川に超巨額の公費を投入することを目的にしています。そのプロジェクトで流域の人々の安全が確保されるかというと、実際はそうではなく、更に球磨川の自然も大きな影響を受けるものになっています。

 

 

最高裁、人権侵害認めず 石木ダム工事継続差止訴訟

2022年9月21日
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2022年9月16日付で、最高裁は石木ダム工事継続差止訴訟上告審で「上告・上告受理申立 却下」を決定しました。

人権侵害・憲法違反を認めない、いわゆる「三行(みくだり)決定」です。

最高裁がこれほど酷い石木ダム事業の実態を直視できずに、人権擁護の立場に立てないのは何故か? 深刻な問題です。

「最高裁決定」とマスコミ報道を下記に掲載しましたので、参照願います。
2022年9月16日 決定

石木ダム 必要性で平行線 大石知事4度目の面会 住民側、利水の議論提案

2022年9月10日
カテゴリー:

9月7日の夜、石木ダム水没予定地の反対住民約20人と大石賢吾・長崎県知事の4度目の話し合いが行われました。その記事、ニュースを掲載します。

大石知事は「住民の心にひっかかっているものをひもときたいが、どこまで解消できるかは難しい」と述べていますが、必要性が皆無の石木ダムを中止することしか、解消の道はありません。

話し合いは今後も続けられる見込みで、住民側は、次回は利水について議論するよう提案しています。

9月7日午後には「石木川の清流とホタルを守る市民の会」が県への申し入れを行いました。そのニュースも掲載します。

 

石木ダム 必要性で平行線 大石知事4度目の面会 住民側、利水の議論提案

(長崎新聞2022/09/08)https://nordot.app/940421464862310400?c=39546741839462401

知事(右奥)にダム建設への不満を訴える住民=川棚町東部地区コミュニティーセンター

大石賢吾知事は7日、長崎県と佐世保市が石木ダム建設を計画している東彼川棚町を訪れ、水没予定地で暮らす反対住民約20人と意見を交わした。「ダムは必要」とする大石知事と、「必要ない」と主張する住民側の意見は、約2時間半にわたって平行線をたどった。
両者の面会は、初めて対面で話し合った8月10日以来4度目。前回、住民側から出された治水、利水両面での質問に対し、大石知事らが県の主張を繰り返したが、住民側は「ダムありきの回答だ」と反発。知事が県民の安全を守る行政の責務として「ダムは必要だと考えている」と答えると、岩下和雄さん(75)は「本当に必要か、これから話し合うんじゃないのか。最初から必要と言うのなら、すぐにでも行政代執行すればいい」と突き放した。
若い男性参加者は、これまでの強制測量や強制収用を挙げ、知事に「県の解決手法は何十年にわたって強権的で、問題を長引かせてきた。今までと同じような手法では全く解決しない。それを踏まえてこの問題と向き合ってもらいたい」と注文をつけた。
住民側は、資材価格の高騰などで当初の予定から建設費が膨らみ、ダムの目的の一つである佐世保市の水道料金も上がるはずだと主張。次回は利水について議論するよう提案した。
終了後、石丸勇さん(73)は「知事は何も勉強せずに必要と言っている。パフォーマンスとしか思えない」とばっさり。知事は「皆さんの心にひっかかっているものを丁寧に解いて、必要性についての疑問に明確に答えていきたい」と述べた。

 

 石木ダム建設巡り話し合い 住民と知事、またも平行線 /長崎

(毎日新聞 2022/9/9) https://mainichi.jp/articles/20220909/ddl/k42/040/387000c

県が川棚町に建設を進める石木ダムを巡り、大石賢吾知事とダム建設に反対する水没予定地に暮らす13世帯の住民の話し合いが7日夜、同町東部地区コミュニティーセンターであった。

治水、利水両面からダムは必要とする基本姿勢を示す大石知事に対し、住民はダム建設を前提とした話し合いに意味はないと反発。やり取りは平行線をたどったが、今後も話し合いの場を持つことでは一致した。

8月10日に面会した際に出た住民の意見、疑問に答えるために開き、約20人が参加した。

県と住民が交わした覚書を守らずに工事を進めている▽ダム検証の審議の場で住民の意見を聞かない――などの住民の意見に対し、大石知事は「(ダム建設に理解を得た水没予定地住民の)8割の方々の思いを受け止める必要がある」「審議の構成は関係自治体である県、佐世保市、川棚町、波佐見町の4者が対象」と回答した。

また「渇水、洪水から県民の安全、安心を確保するのが行政の務め。工事中断はできない」としたことから住民は反発。「ダムありきの回答ばかり」と批判が噴出した。

面会後、大石知事は「住民の心にひっかかっているものをひもときたいが、どこまで解消できるかは難しい」と語った。【綿貫洋】

 

【長崎】石木ダム 大石知事と反対住民が意見交換

(長崎文化放送2022年09月08日) https://www.ncctv.co.jp/news/105825.html

(映像)

長崎県と佐世保市が東彼・川棚町に計画する石木ダムの建設をめぐり大石知事は7日夜、ダムの水没予定地で暮らす「反対住民」と対面で2度目の話し合いをしました。

大石知事と「反対住民」の面会は3月以降4回目で、対面での話し合いは8月10日以来2度目です。

今回は、前回の話し合いで住民側から出た意見や質問に知事が回答する形で行われましたが、住民側は知事の「ダムありき」の姿勢に反発しました。

反対住民からは「50年以上反対しているんだから我々は引き下がれない」「私たちの意見を聞いて心が動いたらもしかしたらダムを中止にするかもしれませんとか一言くらい言ったらどうですか」「実現可能な解決策があると思うんです。そこを知事の判断で今後この問題を解決に向けて進めてもらいたい」などの意見が出ました。

大石知事は「しっかりダムの必要性について納得なのか、しょうがないかと思っていただけるのか、ぜひ必要だと思っていただけるのか、ダムを完成させるということについてご理解を頂けるのがやはり最後の着地点」と話しました。

知事は「反対住民」との話し合いは継続したいとしています。

 

【長崎県】石木ダム 大石 知事と地元住民2度目の意見交換

(テレビ長崎2022年9月8日 午後0:05)https://www.fnn.jp/articles/-/414345

長崎県川棚町の石木ダム建設をめぐり、大石 知事は7日夜、2度目となる反対住民との意見交換にのぞみました。

7日、川棚町で開かれた石木ダムをめぐる意見交換です。

「ダムの必要性」を前面に出す大石 知事に、出席した地元住民約20人が強く反発しました。

ダム予定地の住民 岩下 和雄 さん 「(行政)代執行も、ダムの必要性もあるとなると話し合いをする必要がなくなる」

住民側は川棚川の改修工事の「治水効果」やダム予算が大幅に膨れ上がる恐れなどを質した一方、根拠が明確ではない過去の説明資料を示しました。

行政への不信感は根強く、知事に「行政代執行」か「話し合いの継続」か選択を迫る場面もありました。

大石 賢吾 知事 「ダムを完成させることを理解してもらうことが最後の着地点だと思う」

大石 知事は話し合いによる解決を目指していますが、住民側との意見の対立は決定的です。

映像)

 

石木ダムをめぐり 大石知事と反対住民が面会
(NHK長崎放送局2022年9月8日)https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20220908/5030015930.html?fbclid=IwAR2o8UCg1eEyCgGB4SP6viEta1zaCIL8h05x3yvOqMRspPBwad0sdCDQrZs

川棚町で建設が進む石木ダムをめぐって、長崎県の大石知事と建設に反対する地元住民が7日、面会しました。

川棚町で建設が進む石木ダムをめぐっては、県は、建設に必要なすべての用地の収用を終え、家屋の撤去などを伴う行政代執行の手続きに入れるようになった一方、地元住民などによる反対運動が続いています。

こうした中、7日、町内のコミュニティセンターで長崎県の大石知事とダム建設に反対する地元住民が4度目の面会を行いました。

はじめに大石知事は、先月の面会の際に住民側から寄せられたダム建設の経緯や、住民に対してのこれまでの県の対応などに関する意見に回答し、この中では石木ダムの必要性や、県としてダムの早期完成を目指す考えを改めて説明しました。

一方、住民側からは再び利水や治水の面からダムの必要性に対して疑問の声が上がったほか「最初から『ダムが必要だ』というのなら話し合いをする必要はないのではないか」とか「話し合いを続けていきたいのなら、知事が第三者の立場にならないといけない」などの意見が相次ぎました。

これに対して大石知事は「話し合いは継続させてもらいたいが、いただいた意見をしっかり踏まえてどういった形で話し合いができるか相談させてほしい」と述べ、今後も住民との面会を継続していく考えを示しました。

(映像)

 

【長崎】石木ダム建設で話し合い 反対住民から知事に厳しい声

(NIB長崎国際テレビニュース2022/9/8(木)12:14) https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/nib/region/nib-news106id8jl0q5xlyir3sg-html

川棚町で進められる石木ダム建設について大石知事と反対住民との2回目の話し合いが7日行われた。
話し合いでは、先月の1回目で出た反対住民からの意見や質問に大石知事が回答。これに対し、住民側は「知事の回答は建設を前提としている」と反発し、「ダムの必要性を議論しないのであれば、話し合いは続けられない」という厳しい声が上がった。

大石知事は「行政の立場として必要ということを言っている何とか話し合いを継続していきながら形を作っていくことがまずは必要」と説明した。

話し合いは今後も続く見込みで、住民側は、次回は利水について議論するよう提案している。

 

石木ダムは必要?市民団体が公開討論会を求め申し入れ【長崎県】

(テレビ長崎2022年9月7日 水曜 午後6:27)  https://www.fnn.jp/articles/-/414145

(映像)

長崎県と佐世保市が建設を進める東彼・川棚町の石木ダムについて、建設に反対する市民団体が、ダムの必要性を問う公開討論会の開催などを大石 知事に申し入れました。

申し入れしたのは、石木ダムの建設に反対する住民の支援や、石木川周辺の環境保全などに取り組む市民団体です。

県と佐世保市が進める東彼・川棚町の石木ダムは、川棚川の洪水対策や佐世保市の水源確保などを目的としています。

大石 知事は8月、建設に反対する住民と面会し意見を交わしていますが、ダムの早期完成を目指す方針は変わっていません。

一方、市民団体は2021年と2020年、長崎市内でのべ千人あまりにアンケート調査を行っていて、その結果9割以上の人が「ダムは不要」と答えたということです。

市民団体は7日、大石 知事と県民などが改めてダムの必要性について意見を交わす場を設けることなどを求めました。

石木川の清流とホタルを守る市民の会 西中 須盈 代表世話人 「人口も減って水の需要もずっと減っている。そういうことを考えると、どうしても納得いかない。なぜここまで強引に県が進めるのか」

大石 知事は、これまでに建設反対の住民からも公開討論会開催の提案を受けていますが、実施については明言を避けています。

知事は、7日夜も川棚町で住民と面会する予定です。

 

 

 

石木ダム事業で反対住民と大石知事が初めての話し合い

2022年8月12日
カテゴリー:

8月10日、長崎県の大石賢吾知事は、石木ダム建設を計画している東彼・川棚町を訪れ、水没予定地で暮らす反対住民約20人と意見を交わしました。その記事、ニュースを掲載します。

長崎放送のニュースが意見交換の様子を伝えていますので、動画も是非、ご覧ください。

しかし、石木ダム建設工事の関連工事が始まったので、反対住民が座り込みを8月17日に再開しました。そのニュース記事も末尾に掲載します。

大石知事は石木ダム建設工事を中断して話し合いをすることがなぜできないのでしょうか。

 

石木ダム事業で反対住民と大石知事が初めての話し合い

(長崎放送2022年8月11日(木) 12:44)https://newsdig.tbs.co.jp/articles/nbc/121376?display=1

(動画)

県と佐世保市が東彼・川棚町に計画している石木ダムをめぐり、事業に反対する住民と大石知事が10日、初めて事業について本格的な話し合いをしました。
大石知事からの要望で開かれた話し合いには、ダム建設に反対する住民およそ20人が参加しました。

知事と住民が事業について本格的に話し合うのは2014年7月以来8年ぶりで、住民らは佐世保市の水の需要予測を示すなどしてダムの必要性について議論を求めました。

(反対住民)「これを見てですよ、佐世保市が本当に水が要るかというのが考えられんでしょう?」
(反対住民)「石木ダムは本当に必要かどうかということを議論ばせんばでしょう、まず」
(大石知事)「必要性についての説明が必要だということは全くその通りだと思います。我々も隠れてやるつもりは全くありませんので」

ダムについて大石知事は住民の理解を得たうえで建設を進めたいとして、住民と面会したのはきのうで3回目となりました。

(反対住民)「知事と直接言い合うというのは今までなかったですよね、やっぱり納得いくまで話し合いを続けていきたいと思います」

住民を強制的に立ち退かせる行政代執行も可能な立場の大石知事ですが、当面、住民との話し合いを重ねる方針です。

 

大石知事、住民と対話継続を確認 石木ダム3回目訪問 工事中断には難色

(長崎新聞2022/8/11 10:30 )https://nordot.app/930271862148071424?c=174761113988793844

大石知事(手前)の説明を聞く反対住民ら=東彼川棚町東部地区コミュニティーセンター

長崎県の大石賢吾知事は10日、県と佐世保市が石木ダム建設を計画している東彼川棚町を訪れ、水没予定地で暮らす反対住民約20人と意見を交わした。両者はできるだけ早く次の対話の機会を設けることを確認したが、住民が求める工事中断について、知事は「県民の安心安全を守るのが行政の責任」として難色を示した。
両者の面会は4月以来3回目。知事は自然災害への備えや、地権者の8割が既に移転している現状を理由に、早期完成への理解を求めた。これに対し住民の岩下和雄さん(75)は「私たちの立場に県が立つことが必要。押さえつけるのではなく、ダムの必要性について納得いく話し合いを続けて」と要望。家屋などを強制撤去する行政代執行について、知事は「(ダムを)無理やりつくるのではなく、しっかり理解を得た上で進めたい」と述べた。
住民は、建設反対で同調する佐世保の市民団体との意見交換も求めたが、知事は「(工事差し止め)訴訟が継続中なので控えたい」とした。住民は県との公開討論会も提案したが、知事は明言を避けた。住民の岩下すみ子さん(73)は1982年の強制測量時に機動隊が出動した写真を知事に見せ、「私たちはこの地で住み続けたい」と建設中止を求めた。
終了後、知事は「意見の食い違いがあった。丁寧に対応し一つ一つ解決したい」と話した。

 

【長崎県】石木ダム 知事と地元住民の面会は平行線

(テレビ長崎2022年8月11日 木曜 午後0:20)https://www.fnn.jp/articles/-/401943

(動画)

東彼・川棚町の石木ダムをめぐり、大石 知事は10日、建設反対の住民と面会しました。
住民側は工事の中断を求めましたが、大石 知事は難色を示しています。

大石知事と石木ダム建設に反対する住民は10日夕方、川棚町で約2時間にわたり意見交換しました。

県民の安心・安全を守る責任があるとしてダムの早期完成を目指したいとあいさつした知事に対して、住民は工事の中断を迫りました。

石木ダム建設絶対反対同盟 岩下 和雄 さん 「話し合いを続けていきましょう。工事はしませんのでと言ってくれたら私たちも座り込みに出ていく必要がない」

大石 賢吾 知事 「しっかりと検討はしたいがこの場で約束はできない」

住民側は水需要予測を含めてダムの必要性に疑問があるとして公開討論会も提案しましたが、知事は明言を避けました。

その上で住民側は16日まで工事現場での座り込みを見送るとしていて、県側の対応が注目されています。

 

「石木ダム工事中断」を要請 反対派住民が知事に

(西日本新聞2022/8/12 11:30) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/971534/

石木ダム建設を巡って反対派住民と意見交換する大石賢吾知事(中央)

長崎県と佐世保市が川棚町川原地区で進める石木ダム建設事業を巡り、大石賢吾知事は10日夜、同町を訪れ、今も建設予定地に住む13世帯の反対派住民と面会し、意見交換した。住民らは県との協議継続と、その間の建設工事を中断するよう改めて要請。知事は終了後の取材に、協議は続けるものの、工事中断には応じない考えを示した。

冒頭、知事は「一刻も早くこの問題を解決したい。皆さまのお気持ちを聞かせてほしい」とあいさつした。その後の意見交換では、住民から「ダムの必要性を住民にも分かりやすく説明する機会を設けてほしい」「話し合いはパフォーマンスではないか」などという怒号が飛ぶ一方、「(建設予定地で毎日行っている)座り込みを一時中断して様子を見たい」との声も出た。

約2時間にわたった面会後、住民の岩下すみ子さん(73)は「話せただけでもよかった。今後の話し合いの中で、(ダム建設)中止に持っていきたい」。大石知事は「皆さまのふるさとへの思いを聞けたのと同時に、多くの宿題をもらった。近いうちに次の話し合いの機会を設けて、対応していきたい」と述べた。 (才木希)

 

石木ダム 知事が反対住民と対話 「県は強行策ばかり」批判噴出 /長崎

(毎日新聞 2022/8/12) https://mainichi.jp/articles/20220812/ddl/k42/040/257000c

大石知事(左)に県への不信感をあらわにする住民

県が川棚町に建設を進める石木ダムを巡り大石賢吾知事は10日夜、同町を訪れ、建設に反対する水没予定地に暮らす13世帯の住民約20人と約2時間対話した。住民からは半世紀に及ぶ県への不信感が噴出し、県が防戦に回るやり取りとなった。

大石知事が現地を訪れ反対住民と会うのは3回目だが、本格的な意見交換は初めて。知事は冒頭「住み慣れた故郷を思う気持ちから事業に協力できないお考えは十分理解している」としながらも「渇水、洪水という自然災害から県民の安全を守ることは行政に課せられた責任」と述べた。

住民はダム建設着手について県と住民間で交わした覚書(1972年)がほごにされたこと、82年の機動隊を使った強制測量など、県の行動を列挙。岩下和雄さん(75)は「県は住民をいじめる強行策ばかり。強行手段は伝統なのか」と怒りをあらわにした。住民は建設現場に連日座り込んでおり「行政代執行するならやればいい。座り込む必要がなくなる」という声や「工事の排水が田んぼにつながる用水路に流れ込んでいる。嫌がらせではないか」などの意見が相次いだ。

知事「丁寧に対応」

大石知事は「心苦しく思っており丁寧に対応していきたい」「今後も話し合いを続けていきたい」と守勢を強いられた。対話を終えた知事は「厳しい意見もあったが、話し合いを続けたいと言ってもらえたことがありがたかった。誠意を持って理解を得られるよう進めていきたい」と語った。【綿貫洋】

〔長崎版〕

 

【長崎】大石知事と石木ダム反対住民3回目話し合い

(長崎文化放送2022年08月11日) https://www.ncctv.co.jp/news/104802.html

(動画)

長崎県と佐世保市が東彼・川棚町で進める石木ダム建設事業について大石知事は10日夜、水没予定地で暮らす「反対住民」と意見を交わしました。

反対住民と大石知事の面会は3月以降3回目です。知事は13世帯約20人にダムの「早期完成」への理解を求めました。

これに対し反対住民は「工事の中断」を要望、「私たちが納得できる話をしてほしい」と訴えました。

住民の岩下すみ子さん(73)は「本当にもううんざりです。この問題を早く片付けて石木ダムの建設がいらないということがはっきりしている訳です。中止してほしいと思います」と話しました。

大石知事は「我々のなぜ、続けなきゃいけないかという考えもしっかりともう一度改めて説明しなくてはいけないと思いますし、どういった形で折り合いをつけられるかというのは今後取り組んでいきたいと思います」と話しました。知事は反対住民との話し合いは続けたいとしています。

 

石木ダム反対の住民と意見交換 川棚で知事

(読売新聞2022/8/12 05:00) https://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20220811-OYTNT50109/

県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダムについて、大石知事は10日、建設に反対する地元住民と同町内で意見交換した。

住民約20人が出席し、「話し合いの間は絶対に工事を強行しないと約束してほしい」「住民の同意を得られない場合は行政代執行してでも造るのか」などと要望、質問した。

大石知事は「皆さんと話し合いを続け、どうやったら折り合いをつけられるかしっかりと検討したい」「行政代執行は最終的な手段。私は皆さんの理解を得た上で解決を目指したい」と回答。「いただいた指摘は、しっかりと県庁内で精査する」と述べた。

県は2025年度の完成を目指しているが、事業用地には今も13世帯が暮らしている。大石知事は3月にダムの予定地で反対派の住民と面会し、4月に反対派の住民と現地を視察。7月には佐世保市と川棚町で建設を求める団体と意見交換した。

 

川棚町の石木ダム建設工事 住民による座り込み再開

(テレビ長崎2022年8月17日 水曜 午後7:32 )https://www.fnn.jp/articles/-/404611

(映像)

東彼・川棚町の石木ダムをめぐり、建設に反対する地元住民は、知事に工事の中断を求めました。
ただ知事は要望に応じておらず、住民による座り込みが「再開」しました。

東彼・川棚町の石木ダム建設予定地です。

午前8時前から重機が運び込まれ、関連工事が始まりました。

これに対し建設に反対する住民やその支援者たちは、抗議の意思を示すため座り込みを「再開」しました。

福岡の支援者「無理やり、強引に進めるやり方そのものを変えていかないといけない。お金の無駄遣いです」

石木ダムの建設工事をめぐり大石 知事は先週地元住民と意見交換し、今後も話し合いを続ける方針を示しました。

一方、住民側が話し合いの条件として求めた「工事中断」には応じておらず、今後の話し合いの予定も明らかになっていません。

地元住民 「どこも行くところない。ここが一番、いいもんね。川原が一番、よかもんね。どこさ出ていくね、今さら」

ダム建設をめぐる県と住民側の溝は埋まっていません。

石木ダム問題に対する1万人の声を「手紙」で長崎県議会に届けよう!

2022年8月10日
カテゴリー:

ダム予定地の人たちの生活を奪い、かけがえのない自然を喪失させる「石木ダム」、利水治水の両面で必要性がない「石木ダム」の建設を中止させるために、

「石木ダム問題に対する1万人の声を「手紙」で長崎県議会に届けよう!」の活動が始まりました。

https://rescuex.jp/project/12232 をお読みください。

「石木ダム問題を知る会」の呼びかけページから一部を転載します。

あなたの声を県知事・県議会に届けよう!

手紙でダム建設を止めたい

「手紙」を届ける理由

「直接的」かつ「継続的」に声を届けたい

これまで「石木川まもり隊」や「#いしきをかえよう実行委員会」など、さまざまな活動団体が啓発活動や署名活動を行ってきましたが、今もなお解決されていません。

そこで、今回のプロジェクトではよりダイレクトに声が届くよう、「意思決定者に直接送付」する“手紙”という手段にこだわりました。

また一瞬のムーブメントで終わらせないことも重要です。そのため皆さんの声を「継続的」に送り続けます。

プロジェクトで集まった手紙を運営スタッフが発送のスケジュールを組み、県知事と県議会議員の事務所に「直接」そして「継続的」に送ります。

いただいたメッセージは、マスコミにも届け、メディアを巻き込んでこの問題をひろめていきます。

あなたの声が現地・こうばるの方々の支えになる

集まったメッセージを冊子にして、ダム建設予定地で反対運動を続ける13世帯の方々にもお送りします。

40年という月日が経ち住民の方の高齢化や長期化による疲弊や苦悩が増す中、あなたの声がこうばるの方々を支える大きな力になります。

ダム建設を止めるための鍵は、一人でも多くの「民意」が集まること。あなたの声が手紙となり届くことが何よりも大切です。

40年にわたるこの問題を終わらせるため、私たちの仲間になっていただけないでしょうか。

 

目指すは1万人の声を届けること

私たちのプロジェクトのゴールは、1万人の声をお手紙にして、一方的に進む石木ダム建設を止めることです。

その最初の一歩として、このクラウドファンディングを通して200人の声を集めます。

今後、上映会の定期開催、意見広告などを通して、この活動を広め、1万人の声を県議会議員に届けます。

 

【このプロジェクトに協力いただいた企業・団体】

・株式会社ボーダレス・ジャパン

・パタゴニア 日本支社

・石木川守り隊

・#いしきをかえよう実行委員会

 

詳しくは、https://rescuex.jp/project/12232 をお読みください。

 

 

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