鬼怒川水害と行政(国交省)の責任
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それぞれ、次のように行政(国交省)の責任が問われることがあります。
・堤防高が周辺より一段と低く、堤防幅も狭くて決壊の危険性がある三坂地区付近をなぜ長年放置してきたのか。
・国交省は2014年10月の鬼怒川直轄河川改修事業の計画で三坂地区をなぜ、今後20~30年間に行う改修の対象にとどめ、今後7年間の河川改修の対象に入れなかったのか。国交省は三坂地区の破堤の危険性、対策の緊急的必要性を認識していなかったのではないか。
〇鬼怒川25km付近の越水(若宮戸地区)
・河川区域をなぜ自然堤防の範囲まで広げようとしなかったのか。
・国交省は2014年10月の鬼怒川直轄河川改修事業の計画で若宮戸地区をなぜ河川改修の対象にしなかったのか。国交省は若宮戸地区の自然堤防を堤防と同様に評価し、同地区の危険性を認識していなかったのではないか。
〇八間堀川の二次的氾濫
・9月10日午後1時の八間堀川排水機場の運転停止判断は妥当なのか。
・少なくとも、鬼怒川の水位はその後、下がり続けているのであるから、この機場の運転を早めに再開していれば、八間堀川、新八間堀川の氾濫を小さくできたのではないか。
鬼怒川水害と行政の責任
鬼怒川水害における上流4ダムの治水効果
常総市での講演についての記事も掲載します。
「水害は行政の不手際」 常総・被害者の会で専門家の嶋津さん講演
越水した若宮戸地区は「自然堤防が堤防代わりに扱われ、河川改修の対象にもなっていなかった」と断じた。
「被害者の会」集会に200人 常総水害「賠償を」アピール
茨城水害 「行政に不手際」 「被害者の会」集会で専門家が指摘
(しんぶん赤旗 2015年12月24日)
常総市
20日、茨城県常総市で開かれた「常総市水害・被害者の会」の集会では、元東京都環境科学研究所職員で水問題研究家の嶋津暉之氏が講演し、国土交通省の資料などをもとにした科学的知見から、国や自治体の対応について「今回の水害では行政の不手際があった」 と述べました。
嶋津氏は、9月に発生した関東・東北豪雨で大洪水を起こした鬼怒川の堤防整備率は平均約43%だが、下流の茨城県内では約17%とはるかに低かったと指摘。そのうえで、大きな被害が出た三つの発生現場の問題点を詳細に報告しました。
具体的には、①堤防が大規模に決壊した三坂地区については、堤防の高さが周辺より低く、幅も狭くて決壊の危険性があったにもかかわらず、補強工事が20~30年内と後回しにされていた②堤防を越えて水があふれ出した若宮戸地区については、自然堤防まで河川区域を広げず、河川改修の対象にしていなかったこと③二次的氾濫が発生した鬼怒川支流の八間堀川について、鬼怒川氾濫直前の9月10日午後1時の排水機場の運転停止の判断が妥当だったか疑問があり、運転を速やかに再開すべきではなかったか―と話しました。
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