長崎県、佐世保市、人格権侵害認めず (石木ダム)
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11月13日、工事差止訴訟第3回口頭弁論報告
長崎地方裁判所佐世保支部401号法廷で14時から石木ダム関連の工事差止訴訟第3回口頭弁論が開かれました。
第3回口頭弁論は事前に被告側が提出していた以下の書類の確認から始まりました。
それらは、前回法廷で原告側が提出した第1準備書面(利水上不要)第2準備書面(治水上不要)、第3準備書面(手続き=覚書違反)、第4準備書面(侵害される権利=人格権)に対する反論です。
以下、簡単に(勝手な)要約を記します。
県準備書面(1)は治水面の必要性を述べています。
石木ダム治水目的が依拠しているとしている川棚川水系河川整備基本方針と河川整備計画は河川管理者の広範な裁量権にゆだねられているとしています。
計画規模を1/100とした根拠の最大の争点は昭和50年代の川棚川の想定氾濫区域をもとにしていることにありますが、相変わらずそれでいいのだ、と言っています。当時の川棚川は全く手入れがされてなく、川底に土砂がうずたかく堆積していました。そのような手抜き河川の想定氾濫区域は広いのが当たり前です。整備基本方針や整備計画策定時のH17年ごろは一定程度手入れがされた状態になっていました。そのような状況の下でその後の治水計画の基本を策定するのですから、当時最新の想定氾濫区域を対象にするのが当然のことです。
そのほか、従前の主張の繰り返しです。
県準備書面(2)は、覚書についての長崎県の見解です。
「本件覚書本文を見る限り,郷の住民全員ないし郷の住民の多数の同意を得ることが石木ダム建設の条件とされているとは文言上どこにも読み取れない。移転対象世帯67世帯中54世帯は,既に石木ダム建設に同意して既にその所有していた土地・建物を被告長崎県に譲渡していることから,敢えて郷としての同意に言及するとすれば,総体としての同意は得られていると解される。」という趣旨になっています。
県準備書面(3)は、工事を差し止めなければならない理由がない、という趣旨の長崎県の見解です。
13世帯には財産権に対して正当な補償が保証されているから問題ない。現在居住する環境において,現在の生活をそのまま営んでいくという権利であり,これは良好な環境の中で生活を営む権利といういわゆる環境権にあたるものであると解される。そして,環境権については,そのような権利又は利誌が認められていると解すべき実定法上の明確な根拠はなく,また,少なくともその権利が認められるための要件も明らかではない。「無駄なことに税金が使われる」と言っているがそれは工事差止の根拠にはならない。などが趣旨になっています。さらに説明責任については、説明を尽くした、としています。
佐世保市準備書面1は、上記と同様、原告が言う差止には根拠がない、と主張しています。石木ダムの必要性は従前の繰り返し。
さらに、大阪空港事件の上告審判決における『差止請求のばあいの受忍限度は,損害賠償請求のばあいのそれよりも一段と厳格なものであるべきである。」との環裁判官反対意見まで引用しています。そして、事業認定がなされている事実自体,端的に原告らが主張するような違法な人格権侵害など生じていない(受忍限度を超えた違法な侵害など存在しない)ことを強く推認させる、などと言っています。
原告らの主張は畢寛,「居住継続利益が存在する以上,事業の差止が認められる」との理屈に他ならないと思われ,かかる主張は,土地収用法という法体系自体の否定と言わざるを得ない、「仮に収用となった場合においても,正当な補償が行われる」とまで居直っています。
石木ダムへの水源開発については、従前の繰り返しです。
これらの被告側準備書面については、コチラをクリックしてください。
原告側からの必要性以外の反論は1月22日 16時から、必要性に関する反論は事業認定取り消し訴訟の証人尋問を踏まえて行うこととし、2月19日 11時から、と決めました。
報告集会では被告側が提出した準備書面についての説明を意見が交わされました。その最後に、石木ダム建設絶対反対同盟の方が、「工事現場での県職員とのやり取りで「公共事業の在り方」なんかも話し合っている。私たちの本との気持ちが理解されるようになってきていると感じられる。」「石木ダムを中止するには知事の判断しかない」「知事との話し合いができるようになるといい。」「皆さんからのご支援を願いします」と話されました。
長崎県と佐世保市への抗議を!
人格権を全く顧みないあまりにひどい準備書面なので次回・次々回を待つまでもなく、長崎県と佐世保市への抗議をお願いします。。
抗議先は、
長崎県庁
知事 中村法道
〒850-8570 長崎市江戸町2-13
電話 095-824-1111(代表)
長崎県知事へ意見を!→ 知事への提案
佐世保市
市長 朝長則男
〒857-8585 長崎県佐世保市八幡町1番10号
電話 0956-24-1111 (代表)
佐世保市長へ意見を!→ 市長への手紙
マスコミへの投書
長崎新聞
報道本部「声」係
13字38行以内
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