工事差止訴訟控訴審 証人申請を受入れずに結審 石木ダム
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13世帯皆さんが生活の場を追われる所以はない!
2021年6月18日の福岡高等裁判所で開かれた、工事継続差止訴訟控訴審第4回期日の報告です
「不要な石木ダムのために13世帯住民が回復不可能な人格権侵害を受けるから、工事継続差し止めを求める」とした工事継続差止訴訟第一審の長崎地方裁判所判決(2020年3月24日)は、「本件事業等によって, その生命, 身体の安全が侵害されるおそれがあるとは認められず, その他の権利は, 差止請求の根拠となりえないから, その余の争点について判断するまでもなく, 本件差止請求は認められない。」とした棄却判決でした。
「ダム予定地と指定されたときから人格権侵害が始る」という私達の常識が裁判所に通らない!信じがたいことです。
控訴人側が提出した準備書面
ダム事業を完成させるには、そこの住民排除は必須です。そこで作り上げた生活すべての継続が断ち切られてしまいます。「人格権侵害!」と私達は直座に認識します。しかし、長崎県と佐世保市をはじめとして、事業認定処分をした九州地方整備局、全地権収用明渡を認めた長崎県収用委員会、行政不服審査請求を所管している国土交通大臣、長崎地方裁判所、福岡高等裁判所、最高裁判所は、「土地収用法で財産権の補償をしている。それ以上の利益侵害があるとしても、それらはダム事業地と決定した時点で、受任すべきことである」と判断しています。この判断自体が人格権侵害であることを認めさせる・・・・。 この問題と取組んだのが準備書面6(権利性)です。
ダム事業地住民の意見をまったく聞くことなしに、①佐世保市が石木ダムに水源開発を決めた、②長崎県が石木ダム事業に治水目的を加えた、それがことの始まりです。ダム事業予定地とされるや、そこの住民皆さんは自分たちの生活を守るためにダム対応に追われ、生活のすべてがダム問題に絡め取られてしまいます。平穏な生活がダム事業計画のために犠牲になってしまいます。しかし、こうばる13世帯住民は佐世保市民が持つ佐世保市長・佐世保市議会議員の選挙権を持っていないので、佐世保市政に参画する術を持ち合わせていません。佐世保市は、13世帯皆さんが持っている疑問を解消すべく説明責任を果たすことが先決です。
治水面は、長崎県が13世帯皆さんが持っている疑問を解消すべく説明責任を果たすことが先決です。利水面での問題点を整理し、控訴人側の考え方を記述したのが、準備書面7(利水面)です。
裁判所、今日で終結であると発言
終結に迎えた意見陳述
ア 検証等の申し出。
裁判所:証拠調べ(証人尋問) 必要性なし
2019年再評価でデタラメな需要予測をした佐世保市水道局長の尋問を要求しましたが、裁判所は不当にも却下しました。
イ 意見陳述
石丸勇控訴人 控訴審 意見陳述書 石丸勇 控訴人
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- 利水面でも治水面でも石木ダムは不要な事業であるにもかかわらず、「石木ダムが必要」と強弁する長崎園と佐世保市の実態
- 権力者の意のまま勝手に解釈した土地収用法適用は、憲法違反
- 半世紀以上に亘って地域住民を苦しめてきた回復不可能で重大な人権侵害
- 石木ダム建設計画は、長崎県が当初から県民と住民をだまし続けながら進めて来た事業
- 「予備調査の結果、建設の必要が生じたとき
は、改めて書面による同意を受けた後着手する」旨の「覚書」無視 - 土地収用法をかざし県警機動隊を引き連れての強制測量 「覚書」無視
- 「話し合いを進めるため」としての事業認定申請 「覚書」無視
- 「話合い」のはずが、13世帯の住居を含む全用地を強制収用 「覚書」無視
- 「予備調査の結果、建設の必要が生じたとき
- 行政代執行を掛けなければ石木ダム建設が出来ない状況まで追い込まれている長崎県
- 現場での抗議行動に対する、県職員や佐世保市職員による敵視行動(手荒い対応、罵声・ののしり など)
- 果ては裁判を受ける権利さえも奪おうとする裁判当日を狙った工事強行
- 反対抗議行動は、すべて、「覚書き無視」への正当防衛
- 長崎県は負のスパイラルに陥り抜け出せない状態
- 今のままでは流血の事態を招く。
- 裁判所におかれましては、最悪の事態を回避するためにも事情をご理解の上、原告側の主張をお聞き届けいただきますようお願いいたします。
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魚住昭三弁護士 控訴審 意見陳述書 魚住昭三弁護士
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- 日本国憲法はう立憲民主主義を宣言している。
- 住民に不利益を課しながらも公共事業が必要とされる場合,当事者として不利益を受ける住民に対しては、起業者から十分な資料に基づき客観的に合理的な説明を求めることができることが保障されなければならない。
- 「地方公共団体の長、その議会の議員・・・は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。」。
- 佐世保市とは全く関係のない別個の地方公共団体である川棚町石木郷川原の住民13家族約50人が、自らの意思に反してまで、立ち退きを迫られている。
- 石木ダム建設事業によって直接的に不利益を課されている川原の住民である控訴人等には、佐世保市議会議員、佐世保市長を選出するための選挙権それ自体が認められていない。
- 民主制の根本的過程が保障されていない場合、負担を負うべき住民の利益・権利を守るべき国家機関は、裁判所しかない。
- 本件控訴人らは、自らの利益・権利の侵害を訴えるための最後の機関である裁判所に頼るしかなかった。
- 将来世代の観点
- 共有財の最たるものである自らを包む自然環境、自らを培ってきた文化に支えられた平穏な生活の享受の可否という問題は、地球温暖化、環境破壊が進み、社会の持続可能性自体が問題となっている現代社会において、人間的発展の基盤に関わる重要な問題である。
- 控訴人らは、数世代先のことを考えて石木ダム建設事業を考えた場合、その守るべき利益の重大性を認識したからこそ、本件訴訟を提起した。
- まとめ
- 、石木ダム事業に人生をほんろうされている控訴人らが本件訴訟を提起するしかなかったことを理解していただき、判断を下していただきたい。
- 日本国憲法はう立憲民主主義を宣言している。
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