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城原川ダムの情報

記録的大雨で佐賀県内緊迫 ポンプ場が洪水被害軽減に効果 城原川ダムは必要か

2021年9月16日
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今年8月中旬の記録的豪雨で、佐賀県内の筑後川最下流部で、佐賀導水路の4カ所のポンプ場が被害軽減の役割を果たしたという記事を掲載します。

この記事は触れていませんが、佐賀導水路の地図にある城原川(じょうばるがわ)に国土交通省が城原川ダムの建設を進めようとしています。

総貯水容量約355万㎥の流水型ダムです。完成予定は2031年度以降です。、

(城原川ダム事業説明 資料-4 https://www.city.kanzaki.saga.jp/site_files/file/2019/201912/p1ds1jtiaa1eredh595co9n8pd8.pdf

城原川ダムの総事業費は新規事業採択時で約485億円とされています。https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/shouiinkai/r-jigyouhyouka/dai09kai/pdf/05_shiryou.pdf

治水効果が明確ではない城原川ダムはやめて、排水ポンプ場の増設などに力を注ぐべきだと思います。

 

 記録的大雨で佐賀県内緊迫 ポンプ場が洪水被害軽減に効果

(西日本新聞2021/9/15 11:30)  https://www.nishinippon.co. jp/item/n/800807/

佐賀導水路の地図

武雄市内の県営ダムの地図

8月の記録的大雨では、武雄市内の県営ダム3カ所で緊急放流の可能性があった。また嘉瀬川と城原川、筑後川を導水路で結んで洪水調節を行う「佐賀導水路」では、4カ所のポンプ場が排水の停止と再開を繰り返した。いずれも被害軽減の役割を果たした。かつてない長時間の大雨に緊迫した当時の状況を振り返る。

■県営ダム

六角川へと流れる矢筈(やはず)ダム(武雄市西川登町)は14日未明から雨が強くなり、ダム内の水位は上昇した。同ダムは常時満水位が100・60メートル、サーチャージ水位(洪水時最高水位)が104・30メートル。サーチャージ水位を越えると緊急放流で下流の水量が増える。

県は気象庁が発表する予想降水量などを参考に水位の上昇を予測。午前3時20分、地元の武雄市などに緊急放流の可能性があることを連絡した。市は防災無線などで住民に身を守る行動を呼び掛けた。

雨は明け方になるにつれ激しくなり、緊急放流が現実味を帯びた。午前7時時点の水位は104・21メートル。越流まであと9センチと迫った。ここで雨がいったん弱まったこともあり、なんとか緊急放流は回避できた。

松浦川水系の狩立・日ノ峯ダム(同市山内町)と、本部ダム(同市若木町)も緊急放流の可能性があった。狩立・日ノ峯ダムの午後6時時点の水位は114・20メートル。サーチャージ水位まであと30センチだった。

県河川砂防課は「水害に備え事前放流で水位を下げていた効果が出た」と話す。県営ダムは昨年から、出水期の6~9月は常時満水位より下げている。雨の降り始め時点で、矢筈ダムは常時満水位より1・3メートル、狩立・日ノ峯ダムは1・4メートル下げていた。

県営13ダムはこれまで緊急放流をしたことはない。同課の担当者は「大雨特別警報が出てもどれくらい雨が降るかは予測しづらい。今回は緊急放流にならなくて良かった」と振り返る。

■佐賀導水路

佐賀導水路は複数の河川を水路で結び、渇水時に水を融通し合う「流況調整河川」と呼ばれる全国でも珍しい事業だ。さらに洪水対策の目的もある。1979年に建設に着手し、2009年に全体が完成した。

嘉瀬川から城原川、筑後川まで東西約23キロを導水路で結び、途中にポンプ場を設置。佐賀市には計画貯留量220万立方メートルの巨瀬川調整池を造った。国土交通省佐賀河川事務所の担当者は「小さな川の合流部は大雨になると水がはけなくなる。より上流部で大きな川に排水して、水位を下げることであふれるのを防ぐ」と事業内容を説明する。

今回の大雨では、8月14日午前3時40分に城原川の日出来橋地点(神埼市)で氾濫危険水位4・32メートルに達した。城原川に流れ込む水を少なくするため、中地江川、馬場川、三本松川(いずれも神埼市)、井柳川(吉野ケ里町)のポンプ場の排水を停止。城原川の水位の変化に合わせて同日午後3時すぎまで停止と再開を3回(井柳川ポンプ場は2回)繰り返した。ポンプを止めると支流の水量が多くなる恐れがある。神埼市と吉野ケ里町によると、停止の影響はなかったという。

今回、城原川の日出来橋地点の水位は観測史上最高だった09年7月の4・92メートルに迫る4・91メートルまで上昇。巨瀬川調整池は初めて計画貯留量を超えた。

佐賀導水路は大半が地下にある最大直径3メートルの管でつながっている。同事務所は「地表にないので周りに影響されずに排水できる」と長所をPR。洪水被害軽減の効果があったとみている。 (北島剛)

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