報道
石木ダム建設反対の市民団体 衆院選立候補予定者へのダムに関するアンケート結果を公表
長崎県内の市民団体が衆院選の立候補予定者に実施した石木ダムに関するアンケートの結果を発表しました。
そのニュースを掲載します。
アンケートの結果は石木川まもり隊のブログに掲載されていますので、下記のURLでご覧ください。
石木川まもり隊「衆院選2021 立候補予定者への石木ダムアンケート」 http://ishikigawa.jp/blog/cat15/7596/
石木ダム建設反対の市民団体 衆院選立候補予定者へのダムに関するアンケート結果を公表【長崎県】
(テレビ長崎 2021年10月11日 月曜 午後7:55) https://www.fnn.jp/articles/-/252169
長崎県内の市民団体が衆院選の立候補予定者に実施した石木ダムに関するアンケートの結果を発表しました。市民団体は、国政の場でも問題意識を持って、取り上げて欲しいと求めています。
アンケートをしたのは東彼杵郡川棚町で進む石木ダムの建設に反対する7つの市民団体です。次の衆院選に立候補を予定している人のうち7人から回答を得ました。
住民を強制的に立ち退かせる「行政代執行」への賛否や、川棚川の水害対策として優先すべきことなどを尋ねています。
石木川まもり隊 代表 「事業の財源を負担するのは長崎県民全体だし、みんなで考えるために、この選挙の場を利用したいと」
市民団体は、投票の判断材料にしてほしいと考えていて、調査結果を石木川まもり隊のホームページで12日にも公開する予定です。
【長崎】衆院選立候補予定者に石木ダムアンケート
(長崎文化放送2021/10/11(月) 19:25)https://news.yahoo.co.jp/articles/dc033ef892c7625b98f2579daf83297eec433316
長崎県と佐世保市が川棚町に建設を進める石木ダム事業をめぐり、反対する市民団体が衆院選立候補予定者にダムに関するアンケート調査を実施しました。
石木川まもり隊の松本美智恵さんは「候補者の方にしっかり(事業の是非について)意思表示してもらいたいのと同時に県民に訴えることによって県民の意識を盛り上げてほしい」と話しました。
「石木川まもり隊」など7団体は、県内4選挙区の立候補予定者11人に対し、石木ダムに関する12問のアンケートを郵送し7人が回答しました。
「行政代執行による土地の強制収用」については6人が「反対」、1人が「無回答」。川棚川水系の水害対策として優先すべき対策は1人が「石木ダム建設」、3人が「堤防の整備」と「河道の掘削」などと答えました。
詳細は「石木川まもり隊」のホームページで公表します。
流水ダム想定、方針まとまる 国交省、球磨川治水で 河川整備基本方針の審議終了
10月11日、国土交通省の社会資本整備審議会小委員会が開かれ、昨年7月の熊本豪雨で氾濫した球磨川水系の長期的な治水対策を定めた新たな河川整備基本方針案をまとめました。その記事をお送りします。
小委員会の審議はこれで終了です。河川整備基本方針は長期的な目標値を定めるものですので、ダム名は書かれませんが、流水型川辺川ダムの建設を前提とした河川整備基本方針が策定されることになりました。
この後は、基本方針をベースにした球磨川水系河川整備計画が策定されます。国交省はこの計画に流水型川辺川ダムの建設を明記することを考えています。
球磨川水系河川整備計画策定のための球磨川水系学識者懇談会は8月 4日に第1回の会議が開かれています。
国交省は約20年間凍結されてきた川辺川ダムの建設を推進するため、急ピッチの動きを示しています。
しかし、昨年7月の熊本豪雨の死者の多くは支川の氾濫で亡くなったのであって、川辺川ダムが仮にあっても、その命を救うことができなかったという調査結果が市民側から出されています。
川辺川ダム反対の声をもっともっと大きくしていきたいものです。
流水ダム想定、方針まとまる 国交省、球磨川治水で
(熊本日日新聞2021/10/12(火) 6:39) https://news.yahoo.co.jp/articles/f0c27ca7c2ddc9e772f9f53aec7831fd1cd9b588
国土交通省の社会資本整備審議会小委員会にオンラインで参加する蒲島郁夫知事(手前から2人目)=11日、県庁
国土交通省の社会資本整備審議会小委員会は11日、昨年7月の熊本豪雨で氾濫した球磨川水系の長期的な治水対策を定めた新たな河川整備基本方針案をまとめた。今年7月に始まった小委の議論は4回で終了。基本方針案は支流・川辺川での流水型ダム建設も想定している。
球磨川水系の基本方針は2007年に策定されているが、温暖化に伴う降水量の増加を踏まえ再検討。新たな基本方針案では、洪水の想定最大流量「基本高水ピーク流量」を基準地点の人吉(人吉市)で毎秒7千トンから8200トンに、下流の横石(八代市)では9900トンを1万1500トンにそれぞれ引き上げた。
ただ、昨年7月と同規模の豪雨が降った場合、試算では流水型ダムなどの洪水調節施設が機能しても、多くの区間で安全に水を流せる水位を超える。
そのため、基本方針案は想定を超す洪水に対し、避難などのソフト対策も含め、流域全体で被害の最小化を目指すとした。具体的には、下流の堤防で湾曲部の安全を確保し、自治体による土地利用の規制などを進める。流木や過剰な土砂の流出の抑制、水田に雨水をためる「田んぼダム」の普及も進める。
基本方針案は大きな変更はないとみられ、河川分科会の審議を経て、年内にも決定する見通し。このまま具体的な河川整備計画が策定されれば、流水型ダムなどの治水対策は河川法上の決定となる。小委メンバーの蒲島郁夫知事は「命と清流を守る緑の流域治水の理念をしっかり盛り込んでもらった」と小委の議論を評価した。(隅川俊彦)
球磨川治水、変更案を了承…流水型ダムなど計画策定手続きへ
(読売新聞2021/10/12 07:00)https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20211012-OYTNT50024/
昨年7月の九州豪雨で氾濫した球磨川について、長期的な治水の基本方針を話し合う国土交通省の検討小委員会は11日、ダムなどの洪水調節施設の整備に関する方針変更案を了承した。同省は今後、支流・川辺川に建設する流水型ダムの規模や遊水地の場所などを定める河川整備計画の策定手続きを進める。
変更案では、熊本県人吉市の大雨時の想定最大流量を従来の毎秒7000トンから8200トンに引き上げた。このうち4200トンを流水型ダムや遊水地などで受け止め、残り4000トンを川に流すとした。
ただ、同省は、昨年と同規模の豪雨が発生した場合、同市下流では安全に流せる「計画高水位」を上回るとの検証結果も示している。変更案には利水ダムの活用、住居移転、避難体制の強化など様々な対策を講じる「流域治水」によって被害軽減を図る方針が盛り込まれ、オンラインでの会議に出席した蒲島郁夫知事も理解を示した。
熊本豪雨で氾濫の球磨川巡り「流域治水」申し合わせ 河川整備基本方針の審議終了
(西日本新聞2021/10/12 6:00)https://www.nishinippon.co.jp/item/n/814574/
球磨川が氾濫し、多くの民家などが被害を受けた熊本県人吉市=2020年7月4日(本社ヘリから、撮影・帖地洸平)
昨年7月の熊本豪雨で氾濫した熊本県・球磨川水系の治水を巡り、国土交通省の社会資本整備審議会の小委員会は11日、オンライン会合を開き、長期目標となる「河川整備基本方針」の変更案の審議を終えた。
国交省はこれまで、洪水時に想定される最大流量「基本高水」を同県人吉市の基準地点で現行の毎秒7000トンから8200トンに、八代市の基準地点で同9900トンから1万1500トンに引き上げる案を提示。八代市の数値は熊本豪雨時の推計最大流量1万2600トンを下回っていたが、会合で委員から異論は出ず、流域全体で被害軽減させる「流域治水」を進めて対応する方針を申し合わせた。
今後は同審議会の河川分科会の審議を経て、国交省が新たな河川整備基本方針に変更し、具体的な治水対策を盛り込む「河川整備計画」の議論を進める。 (御厨尚陽)
国の堤防整備は「不合理な計画」 茨城・常総水害訴訟で住民側 常総水害を語り継ぐ 住民が記録誌
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2015年9月の関東・東北豪雨で鬼怒川の大氾濫が起きてから、6年過ぎました。
国の管理に不備があったためとして、茨城県常総市の被災住民らが国に損害賠償を求めた訴訟の第7回口頭弁論が9月27日に水戸地裁でありました。
続いて、10月8日に損害賠償を求めた訴訟の本人尋問がありました。長時間の本人尋問でした。午前と午後、原告の方それぞれが被害の実態、心情をきちんと伝えていたと思いました。
本人尋問は10月29日と11月12日にも行われる予定です。そして、来年2月25日に結審になります。
9月27日と10月8日の裁判の記事を掲載します。
また、「常総市水害・被害者の会」のメンバーらが市民の体験をまとめた記録誌を発刊しました。
少し前の記事になりますが、その発刊の記事、原告団代表の声を伝える記事も掲載します。
国の堤防整備は「不合理な計画」 茨城・常総水害訴訟で住民側
(茨城新聞2021年9月28日(火) )https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=16327519990522
2015年9月の関東・東北豪雨で鬼怒川の水害に遭ったのは国の河川管理に不備があったためとして、茨城県常総市の被災住民らが国に損害賠償を求めた訴訟の第7回口頭弁論が27日、水戸地裁(阿部雅彦裁判長)で開かれた。住民側は、国が実施した堤防整備は危険性の高い場所を後回しにした「不合理な計画だった」と主張した。
国土交通省の資料などによると、常総水害では常総市三坂町の鬼怒川左岸21キロ地点で堤防が決壊した。口頭弁論で住民側は、鬼怒川の堤防改修計画は、この21キロ地点以外の場所を先に整備していたと指摘。越水まで余裕があった地点を改修していたとして「危険な所を危険なまま後回しにしていた」と主張した。
住民側は、国が整備の順序を決める際に利用した評価方法は、安全度の評価には役に立たないとして、「国の評価は安全度(の検討)が過小」と述べた。
次回口頭弁論は10月8日の予定。
常総水害6年
粘り強く、声上げて 被災者の体験、苦難を記録誌に 支援制度改善の取り組みも /茨城
(毎日新聞茨城版 2021/9/20)https://mainichi.jp/articles/20210920/ddl/k08/040/101000c
関東・東北豪雨での鬼怒川の氾濫から今月で6年を迎えたのを機に、「常総市水害・被害者の会」のメンバーらが市民の体験をまとめた記録誌を発刊した。被災の状況や市民による生活再建の取り組みが記されている。同会の共同代表世話人の染谷修司さん(77)は「記憶は薄れるもので記録する必要がある。常総の経験を今後の災害で生かしてもらえれば」と話している。【宮田哲】
記録誌は「常総市大水害の体験を語り継ぐ 被害者主人公の活動―6年の軌跡」。同会のメンバーらが編集委員となり、被災者から聞き取った文章や関係者の寄稿をまとめた。
収められた市民の体験は生々しい。家が水没する中で「自衛隊のボートで救出された」などの氾濫時の様子。「清酒1万5000本が泥水の被害を受けた」(酒蔵)「収穫した米3000袋が水につかった」(農家)など、被災後に直面した苦難もつづられている。
国の河川管理の不備を問う訴訟の原告となっている赤羽武義さん(81)の裁判での意見陳述書も収録した。水害5カ月後に亡くなった妻芳子さん(当時75歳)は、生活環境の激変などによる「災害関連死」と認定されており、大きな喪失感の中、心の中で妻と会話しながら暮らす日々が記されている。
常総水害6年 鬼怒川氾濫は「人災」 河川管理、国の非問う 帰郷、原告団共同代表に /茨城
(毎日新聞茨城版 2021/9/19)https://mainichi.jp/articles/20210919/ddl/k08/040/064000c
大規模越水が起きた若宮戸地区で、砂丘林が掘削された現場に立つ片倉一美さん。かつては中央奥の砂丘林が片倉さんの立っている場所にまで続いていた=茨城県常総市で
2015年9月の関東・東北豪雨での鬼怒川の氾濫から、今月で6年を迎えた。常総市の片倉一美さん(68)は、この間に会社員人生を終え、氾濫は国の河川管理に不備があったためとする訴訟の原告団共同代表となった。あらゆることを取り仕切る多忙な日々を送りながらも、「国の非を明らかにし、住民のための河川行政に変えたい」と奔走を続けている。【宮田哲】
8月下旬、同市若宮戸地区。片倉さんは、当時の越水現場に報道関係者らを案内した。川沿いに続く砂丘林は、その周辺だけ200メートルにわたり途切れ、ソーラーパネルの列が続いていた。
川から地区を守ってきた砂丘林が掘削されたのは14年。国は一帯を河川区域に指定していなかったため業者は許可を得ないまま掘削した。翌年の豪雨で掘削部分から濁流が押し寄せた。片倉さんは現場で「これで『国は責任がない』なんて言えるんでしょうか」と訴えた。
生まれも育ちも常総市だが、機械メーカーの社員時代は家族を地元に残し、単身赴任生活が続いた。豪雨当時も、定年後の再雇用で東京の本社勤務。常総市に戻ると、長男家族が住んでいた家は床上180センチまで浸水する大規模半壊、妻と両親が住む家も半壊の惨状だった。ぼうぜんとしながらも、「天災だから」というあきらめの気持ちも抱いていた。
その後次第に水害の原因に関心が生まれ、16年1月にあった被災者と各省庁との交渉に参加した。若宮戸がなぜ危険なまま放置されたのかを国土交通省に聞きたかったが、国交省側は法令に準じた河川管理だったという説明に終始。住民の財産や生命を守るという国の務めがないがしろにされているように思えた。「こんな姿勢で河川を管理されれば、またどこかで災害が起きる」
再雇用期間を終えて常総に戻ったのは18年春。当時進んでいた原告団結成の呼びかけに応じ、共同代表に就任した。弁護団との会議に加え、約30人の原告団メンバーらへの連絡、報道関係者への対応など多くの事務を引き受ける。専門用語の応酬になりがちな裁判内容を原告らに理解してもらうことにも心を砕く。
訴訟の次回期日は27日。国は改修計画について「河川管理の一般水準や社会通念に照らし、不合理な点はなかった」と主張する。ここ1年ほど新型コロナウイルスの影響で口頭弁論が開けずにいた。今後原告への本人尋問が行われ、来年2月に結審を迎える予定だ。
今、「より多くの皆さんに関心を持ってほしい。皆さんの意見が束になれば、大きな力になる」との願いを抱く。「この水害は人災。国はきちんと謝った上、河川管理への考え方を改めてほしい」
常総水害を語り継ぐ 被害から6年、住民が記録誌 教訓を共有したい
(朝日新聞2021年9月11日 10時30分)
防災意識の向上に注力する決意を語った常総水害、語り継ぐ 発生6年 市民が記録誌
(東京新聞2021年9月11日 07時37分)https://www.tokyo-np.co.jp/article/130254?rct=ibaraki
二〇一五年の関東・東北豪雨で鬼怒川の堤防が決壊し、流域の常総市に大きな被害をもたらした「常総水害」の発生から十日で六年。記憶の風化が懸念される中、常総水害・被害者の会のメンバーらが、記録誌「常総市大水害の体験を語り継ぐ 被害者主人公の活動〜6年の軌跡〜」を発行した。被害者の会共同代表世話人の染谷修司さん(77)は「記憶は薄れる。だから記録する必要がある」と力を込める。(林容史)
記録誌はA4判八十六ページ。市民から聞き取りした被害の実態や生活再建への取り組み、市民らが国に損害賠償を求めている常総水害訴訟の経緯などがつづられている。染谷さんら市民有志十二人がまとめた。発生から五年をめどに発行する予定だったが、作業の遅れで一年ずれ込んだ。
被災者の証言は生々しい。
花き生産販売の高橋敏明さん(67)は、ポトスなど観葉植物十万鉢や農機具などを失ったが、ボランティアの支援と家族の頑張りで再建に踏み出した。常総水害訴訟の原告団にも名を連ねる高橋さんは「被害額は五千万円を超え、再び営業を始めるために多額の借金をしなければならなかった。しかし、いまだ会社は赤字経営が続いている」と窮状を訴える。
赤羽武義さん(81)はヘリで救助された後、妻と避難所暮らしを強いられた。五カ月後、妻は亡くなった。市は赤羽さんの妻を災害関連死と認定したものの、赤羽さんは「持病はあったが、妻は水害の前まで元気だった。なぜ死んだのか、それだけを国に問いたい」と強調する。
記録誌に寄稿したNPO法人「茨城NPOセンター・コモンズ」の横田能洋代表理事(54)は「被災した人は一人だけで選択を迫られ、どうしたらいいかのか分からない。(記録誌には)そうした被災者の背中を押す体験が詰まっている」と評価する。
染谷さんは「二〇一九年の台風19号による那珂川、久慈川の氾濫など、県内では大きな被害が続いている。常総市民が体験したことを被災者の支援に生かしてほしい」と呼び掛ける。
記録誌は千部製作。希望者には一冊五百円で販売する。問い合わせは染谷さん=電090(8497)7029=へ。
<関東・東北水害> 2015年9月9日に上陸した台風18号や前線の影響で、関東・東北地方を中心に被害が出た豪雨災害。宮城、茨城、栃木3県で計8人が死亡し、常総市では13人が災害関連死と認定された。9月10日には鬼怒川の堤防が決壊し、常総市では約3分の1に当たる約40平方キロが浸水。住宅5163棟が全半壊した。逃げ遅れて屋根などから救助された住民は約1300人に及び、市内39カ所に最大6200人以上が避難した。
茨城・常総水害6年 被災の記憶、次代に 市民有志、冊子に生の声
(茨城新聞2021年9月10日(金) )https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=16311843067258
常総水害の被災者の声をまとめた冊子「被害者主人公の活動〜6年の軌跡〜」について説明する染谷修司さん(左)=常総市水海道橋本町
2015年9月の関東・東北豪雨で鬼怒川が氾濫した常総水害から10日で6年を迎えた。災害の教訓をいかに次世代へと継承するかが課題となる中、茨城県常総市民の有志が、被災者の声などをまとめた冊子「被害者主人公の活動〜6年の軌跡〜」を発行した。メンバーの染谷修司さん(77)は「常総市の体験を伝えることが今後の防災につながれば」と願う。
「妻が亡くなってからの毎日は、苦悩の連続だった」「ローンを組んで新築した家だったのに」-。冊子は、被災者から聞き取った当時の状況や、生活再建に向けた行政への要望などを、市民有志12人がまとめた。水害発生の原因分析も盛り込まれている。被災の記憶を語り継ぐとともに、過去の災害を知ることで広く防災意識の向上を図ってもらうのが狙いだ。
同市で花卉(かき)生産販売「フラワーセンター紫峰園」を経営する高橋敏明さん(67)は、鬼怒川から1キロほどにある16棟のビニールハウスが浸水した。被害額は5千万円を超え、「営業再開には多額の借金をしなければならなかった」と窮状を訴えた。染谷さんは「6年がたっても水害被害は終わっていない。市民だけでなく行政に携わる人にも読んでほしい」と呼び掛ける。
常総水害は同市上三坂地区の鬼怒川堤防が決壊、同市若宮戸地区では越水し、市域の約3分の1に当たる約40平方キロが浸水、5千棟以上が全半壊した。多くの市民が逃げ遅れ、災害関連死を含め15人が亡くなった。災害対策本部だった市役所も浸水して孤立した。
冊子に寄稿したNPO法人「茨城NPOセンター・コモンズ」の横田能洋代表理事(54)は、市内の外国人支援などに取り組む実績を踏まえ、「住宅再建などの被災者支援が足りなかったことが(市内の)人口流出につながった」と指摘する。現在は外国人が新たに移り住むなどして人口は戻りつつあるが、「外国人の地域交流という新たな課題も生まれている」と分析する。
冊子はA4判90ページ。常総水害の義援金の一部を活用し制作した。1冊500円。問い合わせは染谷さんまで。メールkinusoshu@outlook.jp
川崎市の2019年台風19号水害対応の違法性訴え 損賠訴訟口頭弁論 市側は棄却求める
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2019年10月の台風19号に伴う川崎市内の浸水被害について、中原、高津両区の住民ら72人が市に損害賠償を求める裁判の第一回口頭弁論が10月7日、横浜地裁川崎支部で開かれました。
第一回裁判の様子を伝える記事とニュースを掲載します。
現在、行われている水害裁判は、2015年9月の鬼怒川の氾濫(茨城県常総市の住民が被災)、2018年7月の西日本豪雨の肱川氾濫(野村ダム・鹿野川ダムの緊急放流で愛媛県野村町、大洲市の住民が被災)、同じく西日本豪雨の小田川氾濫(岡山県倉敷市真備町の住民が被災)などがあります。
台風19号浸水 被災住民の思い 「安心して暮らせる川崎を」 きょう裁判第1回口頭弁論
(東京新聞2021年10月7日 07時12分) https://www.tokyo-np.co.jp/article/135369
床上浸水した高さを示し、被害の説明をする船津さん=中原区で
二〇一九年十月の台風19号に伴う川崎市内の浸水被害を巡り、中原、高津両区の住民ら七十二人が市に損害賠償を求めている裁判の第一回口頭弁論が七日、横浜地裁川崎支部で開かれる。原告の被災住民らは「安心して暮らせる川崎を」と願っている。(竹谷直子)
二年前の十月十二日夜、原告の一人、船津了さん(69)=中原区=の家の前には茶色くにごった水が流れ、午後九時ごろには玄関に水が入り始めた。「だんだん水かさが増えて『何でこんなところまで水が来るんだ』と驚いた」
深夜零時ごろまで水かさは増し続け、最終的には床上二十センチほどまで浸水したという。車も水に漬かり廃車となった。「泥水だったので、近所では床下に泥がたまって、かびが生えてきたり、悪臭がしたりした人もいた」と周辺の惨状を話す。
市によると、増水した多摩川の泥水が、市が管理する排水樋管(ひかん)を通じて逆流するなどし、排水樋管周辺地域において浸水被害が発生した。市の検証報告書では「ゲート操作は手順にのっとったもの」とし「想定した以上に多摩川の水位が上昇したことに伴って発生したので、補償や賠償は難しい」と説明している。
原告側は、市は十分予見できたのに逆流を防ぐ排水樋管ゲートを閉めず、被害を拡大させた、としている。船津さんも「今までにない台風だと(事前に)気象庁が言っていた。逆流は想定できた」と訴える。「市が間違いを認めない限り、次に生かせない」
川崎市の2019年台風19号水害対応の違法性訴え 損賠訴訟口頭弁論 市側は棄却求める
(東京新聞2021年10月08日07時15分)https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/tokyo/region/tokyo-135601二〇一九年十月の台風19号で浸水被害に遭った川崎市中原、高津両区の住民ら七十二人が、治水対策に落ち度があったとして市に約二億七千万円の損害賠償を求める訴訟の第一回口頭弁論が七日、横浜地裁川崎支部であった。(竹谷直子)
訴状によると、増水した多摩川の泥水が下水道管を逆流して住宅地で浸水被害が拡大したのは、市が逆流を認識しながらも排水樋管(ひかん)ゲートの操作をしなかったためだと主張。川崎市の対応は違法性が重大としている。
市側は答弁書で「被告代表者として川崎市長と市上下水道管理者、両者を代表者とする訴状は不適法」などとして訴えの棄却を求めた。
次回の公判には訴えの内容に対する反論書面を準備するとした。
原告二人が意見陳述し、原告団長で地下一階地上三階建ての住宅が床上浸水した川崎晶子さん(47)=中原区=は「川崎市の判断の過ちが、たくさんの市民を傷つけたことに対して心からの謝罪を求めます」。新築の二階建て住宅が被害に遭った川田操さん(53)=同区=は「迫り来る浸水の恐怖、生活環境の復旧のための労苦、誇りにしていた仕事の休業といった精神的苦痛とともに家財なども失った」と訴えた。
原告側は七日付で、中原区の住民六人と一事業者が計約千三百七十五万円の損害賠償を求めて追加提訴したと明らかにした。
◆原告報告集会 怒りの声「被害の映像被告側は顔背けた」
七日の第一回口頭弁論の直後、横浜地裁川崎支部近くの川崎市教育文化会館(川崎区)で原告らの報告集会が開かれた。支援者ら約三十人が参加。棄却を求める市に対して怒りの声が上がった。
「長男を妊娠中に編んだ手編みの毛布が、泥だらけでぐちゃぐちゃになっていた」−と、法廷で涙ながらに意見陳述した原告団長の川崎晶子さん。「被害の状況を映像や画像で示したが、被告側はずっと目をつむって顔を背けていた。それが川崎市の態度なんだなと思った」と集会で報告した。
川岸卓哉弁護士は「市長は『自分に責任はない、現場のせいだ』という姿勢だったが、今回の公判で市長が代表者として反論すると認めた」と説明。西村隆雄弁護士は「市が作った検証報告書で訴状を構成している。それをどう否定するというのか」と話し「ゲートを閉めなかった公務員の過失、それが最大の争点」と強調した。浸水被害から二年を迎えるのを前に同日夕、中原区内で多摩川浸水被害のフォーラムも開かれた。(竹谷直子)
川崎浸水賠償訴訟 市は棄却求める 地裁初弁論 /神奈川
(毎日新聞 2021/10/8 神奈川版)https://mainichi.jp/articles/20211008/ddl/k14/040/153000c
2019年10月の台風19号による浸水被害が広がったのは川崎市が排水ゲートを閉めなかったからだとして中原、高津両区の住民らが市に約2億7000万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が7日、横浜地裁川崎支部(飯塚宏裁判長)であった。市側は争う姿勢を示し、請求の棄却を求めた。
住民側は、台風19号で多摩川が増水したのに、市が排水ゲートを閉めなかったため排水管を通じて水が逆流したと指摘。市の過失で市街地の浸水被害を拡大させたと主張した。市は検証委員会の報告書でゲートの操作について「手順通りに対応した。想定以上に水位が上昇した」と結論付けている。
住民側の代理人弁護士によると、7日付で中原区の住民6人と1事業者が計約1400万円の損害賠償を求めて追加提訴したという。【洪玟香】
台風浸水被害で集団訴訟 川崎市は訴え棄却求める
(Channel OPEN YOKOHAMA 2021/10/08)https://www.tvk-kaihouku.jp/news_wall/post-8875.php
(映像あり)
制作: tvk報道部
2019年、各地で被害をもたらした台風19号。その当時、川崎市の水門操作の判断ミスにより浸水被害を受けたとして、住民らが市に対し損害賠償などを求めた裁判が、7日から始まりました。
2019年の台風19号は、各地に記録的な大雨と強風をもたらし、神奈川県内各地で河川の氾濫や土砂崩れが発生。 死者は9人にのぼり、多くの被害を残しました。
中でも、川崎市では多摩川に面した5つの水門から川の水が逆流し、住宅などが浸水する被害が出ました。
記者
「住居への浸水など、大きな被害をもたらした台風19号から2年。水害にあった住民など72人が川崎市に対し、損害賠償を求める裁判が始まります」
今回川崎市を訴えたのは、中原区や高津区で浸水被害を受けた、住民67人と5つの事業者の計72人。
ことし1月に集団訴訟を起こすため原告団を結成し、3月に横浜地裁川崎支部に提訴していました。
訴えで原告団は、「多摩川が増水する中、市が水門を閉めなかったために起きた人災だった」などと主張。
市は当時「水門操作の判断は手順通りだった」とする検証報告をまとめていますが、原告らは市に対して、浸水被害の責任を認めることや、総額およそ2億7000万円の損害賠償などを求めています。
7日行われた第1回口頭弁論では、被害を受けた住民2人が証言台に立ち、「台風が到来するたびに、また水害が発生しないか不安と恐怖を抱え、今も心休まらない暮らしを送っている」などと訴えました。
一方で、川崎市側は訴えの棄却を求めています。
裁判後に行われた原告団の報告集会では、法廷にも立ったひとりが、市に求めることを改めて述べました。
原告・川田操さん
「やはり市には謝って、認めて償って、再発防止につなげてほしいと強く思う」裁判は11月30日に、第2回口頭弁論が予定されています。
第1回 球磨川水系学識者懇談会 議事録(8月 4日)
8月 4日に開かれた第1回 球磨川水系学識者懇談会の議事録が国土交通省九州地方整備局・八代河川国道河川事務所のHPに掲載されました。
この懇談会は球磨川水系河川整備計画についての諮問機関です。
上位計画である球磨川水系河川整備基本方針は現在、国土交通省の社会資本整備審議会小委員会で審議中で、9月29日(水)に基本方針案が示されました。既に掲載したとおりです。
おそらく、次の小委員会で終了となり、球磨川水系河川整備基本方針が策定されることになります。
河川整備基本方針は河川整備計画の上位計画ですので、流水型川辺川ダムは記述されませんが、実質的に流水型川辺川ダムを位置付けるものが策定されつつあります。
そして、球磨川水系河川整備基本方針に続いて、九州地方整備局が基本方針の範囲で球磨川水系河川整備計画を策定することになります。その諮問機関が上述の球磨川水系学識者懇談会です。
国土交通省はこの球磨川水系河川整備計画に流水型川辺川ダムを明記することを考えています。
球磨川水系河川整備計画の策定のスケジュールは下記の通りです。
関係住民の意見聴取の手続きもありますので、川辺川ダム反対の声をもっともっと大きくしていきたいものです。
第1回 球磨川水系学識者懇談会 令和 3年 8月 4日開催
http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/river/gakusiki_kondankai/index.html
第1回球磨川水系学識者懇談会 議事録
http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/site_files/file/bousai/gouukensho/gijiroku/211001giziroku.pdf
資料4 http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/site_files/file/bousai/gouukensho/gakusikikon/shiryou4.pdf