報道
路木ダム:問題点など解説 反対運動市民らが「森と川と海を守りたい」出版 /熊本
路木ダム:問題点など解説 反対運動市民らが「森と川と海を守りたい」出版 /熊本
(毎日新聞熊本版 2014年12月27日)http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20141227ddlk43040480000c.html
熊本地裁が今年2月の判決で「建設計画は違法」と判断した天草市の県営路木ダムについて、架空の洪水被害など建設根拠の問題点や、路木ダムが自然環境に与える影響などをまとめたブックレット「森と川と海を守りたい 住民があばく
路木ダムの嘘(うそ)」(花伝社)が出版された。
執筆したのは運動に関わった市民ら。県が建設根拠とした「82年7月の洪水被害」がダムのある路木川ではなく、実は市内の別水系で発生したものであることなど、ダム建設の目的である治水、利水両面で問題があることの他、判決にいたるまでのダム反対市民運動の経緯▽路木川が流れ込み、真珠養殖などが盛んな羊角湾がダムによって受ける影響??などについて解説している。
編著者の一人で「天草・路木ダムの再検証を求める全国連絡会」代表の笠井洋子さん(同市)は「6年間にわたる反対運動の中で明らかになった真実や、住民の粘り強い調査・闘いをまとめました。思いを読み取ってもらえたら」と話している。
A5判で85ページ。税抜き800円。問い合わせは笠井さん0969・46・1130。
路木ダム事業の差し止めと事業費返還を求めた住民訴訟は現在、福岡高裁で控訴審が続いている。【笠井光俊】
増田川ダム建設:中止へ 県方針、安中・高崎市が了承 /群馬
群馬県営の増田川ダムが検証の結果、中止になる見込みです。代替案との費用比較を行った結果によるものですが、このような費用比較で中止の判断がされる例はあまり多くありません。群馬県には倉渕ダムの計画もありますが、これも中止の方向です。群馬県の場合は直轄の八ッ場ダムという巨額のダム事業があるので、土建業界から県営ダム推進の力があまり働いていないことも中止の一要因かもしれません。
増田川ダム事業中止へ 群馬県が安中市と高崎市に提示
増田川ダム建設:中止へ 県方針、安中・高崎市が了承 /群馬
熊本県・荒瀬ダム撤去をダムネーションのプロデューサーが視察しました
カテゴリー:
(ひと)マット・シュテッカーさん 「ダム撤去映画」をつくった米国人生物学者来日。国内初の大規模撤去工事を進める熊本県の荒瀬ダムを視察し、地元住民とも交流した。「川の再生は、地域の文化や生活の復元にもつながる。世界の人をこの活動に招待したい」と語った。
熊本県・荒瀬ダムの撤去がすすんでいます
カテゴリー:
大分市の水道水カビ臭問題 市民根強い不安
カテゴリー:
大分市の水道水カビ臭問題 市民根強い不安
http://www.oita-press.co.jp/1010000000/2014/11/28/132245854
「水道水がカビ臭い」「飲んでも大丈夫か」―。10月9日、市水道局に古国府、えのくま両浄水場の配水地域の住民から問い合わせが相次いだ。調べると普段検出されないカビ臭の原因物質「2―メチルイソボルネオール」が見つかった。原因物質を生み出す植物プランクトン「フォルミジウム」が芹川ダムで大量発生していることも分かった。湖や河川の水質改善が進まない大都市圏では以前から悩まされている問題だ。 ◆ ◆ ◆ 県はダムの放水量を半減し、市水道局は川の水に混ぜて物質を吸着する粉状活性炭の量を通常の20倍以上に増やしたが追いつかず、11月に入って原因物質の測定値は大きく上昇した。24日までに国が定めた水道水の水質基準(1リットル当たり10ナノグラム)を計9日間超過。10日にはえのくま浄水場で最多の32ナノグラムを記録した。14日以降は両浄水場とも水質基準を下回っているが、多くの人が臭いを感じるという5ナノグラム以上を検出したのは計38日に及んだ。 両浄水場の近くで多くの苦情が寄せられた南大分地域。1歳の子どもを持つ市内畑中の主婦(34)は「不快な臭いがいつまで続くのか不安だった。妊娠中なので『健康に影響ない』と言われても疑いたくなった」と話す。田中町の女性(76)も「歯の治療で口をすすいだ時に臭った。普段から飲用はしていないが気になる」と心配顔だ。畑中の理容店主(42)は「蒸しタオル用のスチーマーが臭って困った。タオルを洗濯する時に香料が入った柔軟剤を増やして対応した」と苦り切った。 ◆ ◆ ◆ 問題を受けて県は環境コンサルタント会社に委託してプランクトン発生の原因調査を始めた。芹川ダム湖では数年前から水質悪化を示すアオコの発生を確認。以前から湖水を循環させて生物が大量発生しないよう水温を下げる装置の導入などを検討しており、「来春までにできる限りの対策を図る」という。市水道局も既存の脱臭設備を最大限に生かす活用方法を研究している。同管理部の上原正寛次長は「水質監視も強化して早めに対策を打てるようにしたい」と話す。 カビ臭は沈静化しても、水温が上昇する来春以降に再びプランクトンが発生する可能性がある。今も住民の不安は根強い。同じ問題に対応する全国各地の自治体と連携を図り、より効果的な対策が求められている。
処理装置導入、コストの壁
日本水道協会水質課(東京都)によると、カビ臭は1953年に神戸市の浄水場で初めて発生。高度経済成長と共に水道水源の汚れが進み、日本各地で同様の事態が起きた。86年、東北学院大学(宮城県)のチームが原因物質の毒性を研究。魚のアカヒレ7匹を1リットル当たり100万ナノグラムの物質が入った水で飼育し、48時間後にすべて生きていたことを報告している。「原因物質による健康被害の報告は世界規模でみても出ていない」(同協会)という。 関東や関西など水源の水質が良くない地域では活性炭に加えて「オゾン処理装置」を導入。トリハロメタンなど有害物質も含めた除去に効果を上げている。73年、兵庫県尼崎市の神崎浄水場は国内初のオゾン装置を導入。2年前に取水先の淀川から40ナノグラム程度の原因物質が検出されたものの処理後の水道水からは検出されなかった。 ただネックは導入費用。尼崎市水道局によると、98年に活性炭を含めた設備更新をした際の費用は約52億円だった。年間115億円ほどの収入で運営する大分市の水道事業では導入が難しいのが現状だ。