事務局からのお知らせ
戦略的環境アセスメントとダム(秋田の鳥海ダムを例にとって)
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秋田の直轄ダム「鳥海(ちょうかい)ダム」に関連して、ダム事業の環境アセスについての情報を掲載します。
環環境アセスメントはアワセメントと揶揄されるように心もとないものですが、環境アセスメントの制度そのものは次第に整備されてきました。
ダム事業の関係ではまず、1978年に「建設省所管事業に係わる環境影響評価に関する当面の措置方針について」(1978年建設省事務次官通達)が出て、いわゆる通達アセスがはじまりした。
1984年には「環境影響評価の実施について」が閣議決定され、通達アセスから閣議アセスになりました(公布日1985年10月)。
さらに、1997年6月に「環境影響評価法」が成立して、環境影響評価法によるアセスがはじまりました(1997年12月から施行)。
次に、欧米では実施されている戦略的環境アセスを導入するため、環境影響評価法が2011年4月に改正されました(2013年4月から施行)。
戦略的環境アセスは「計画段階配慮」という表現になりましたが、事業計画の内容が固まる前の早い段階(位置や規模等の検討段階)、すなわち、事業実施段階に至るまでの意思形成過程の段階(戦略的な段階)で行う環境アセスメントです。
環境の観点から代替案との比較を行いながら、環境への影響が少ない事業となるよう検討を行い、その結果を公表することを義務づけたものです。
このように制度が整備されてきたのですが、どの段階のアセスを適用したかはダムによって異なっています。
八ッ場ダムを例にとると、はるか昔、1985年12月に建設省の通達に基づく環境アセスメントを行っただけです。1985年12月は上記の閣議アセスがすでに動き出していましたが、アセスの着手時にはまだなかったということでしょうか、八ッ場ダムは通達アセスで終わらせています。そして、環境影響評価法の施行時にはダム基本計画がすでに策定(1986年)されていたという理由で、環境影響評価法に基づくアセスをパスしています。
八ッ場ダムのように最近になって動き出している事業が30年も前の、しかも初期段階のアセス制度(通達アセス)による環境アセスだけで終わりというのは無茶な話だと思います。
ただし、八ッ場ダム事業は事業費がふんだんにあるので、環境調査に多額の予算を付けて、調査会社にものすごいボリュームの仕事を発注し続けています。
一方、秋田の鳥海ダムはダム検証が始まるまでは半分寝ているようなダムで、ダム検証で動き出したような感じのダムです。2013年8月にダム検証のゴーサインが出ました。
総貯水容量2760万㎥の多目的ダムの計画です。
現在、環境影響評価が行われ、4月9日まで方法書についてのパブコメが行われました。
鳥海ダムはこれから環境アセスを行うのですから、最新の制度を適用しなければならないのであって、上記の戦略的環境アセスを実施しなければならないはずです。
ところが、すでに河川整備計画が策定されている場合は、それを戦略的環境アセスの結果を見なすということで、このアセスをパスしてしまいました。
2006年3月末に策定された子吉川水系河川整備計画は治水面で鳥海ダムを位置づけただけであって、環境面の検討は何もしていません。
それを戦略的環境アセスとみなすということですから、こちらも無茶苦茶です。
地元・由利本荘市の「鳥海ダムと市民生活を考える会」が4月9日、パブコメでこの問題を追及する意見書を提出しました。
水源連も意見書を提出しました。子吉川水系鳥海ダム建設事業に係る環境影響評価方法書に関する意見書(嶋津)
このように八ッ場ダムも鳥海ダムも、環境アセスにおいてまったく理に合わない話が罷り通っているのです。
「今後の水資源政策のあり方について」答申案へのパブコメ個別意見と水資源開発分科会の議事録
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また、3月13日の 水資源開発分科会の議事録も国交省HPに掲載されました。http://www.mlit.go.jp/common/001084742.pdf
【藤山水資源部長】 どうも長い間のご審議ありがとうございました。私が何か言うと、
国交省の国土審議会第14回 水資源開発分科会「今後の水資源政策のあり方について」の審議の実態と最終答申
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3月13日は答申案へのパブリックコメントを行った結果を踏まえて、答申をどうするかを議論する会議でしたが、まことに腹立たしい会議でした。
国土審議会第14回 水資源開発分科会 配付資料
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/water02_sg_000048.html
「水災害分野における気候変動適応策のあり方について」の中間とりまとめ等に関する抗議及び要請
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国土交通省の社会資本整備審議会「河川分科会気候変動に適応した治水対策検討小委員会」はパブリックコメントを行うことなく、2月27日に「水災害分野における気候変動適応策のあり方について~災害リスク情報と危機感を共有し、減災に取り組む社会へ~中間とりまとめ」http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_000870.htmlを決定し、公表しました。このように国民の意見を無視するやり方は、看過できませんので、水源連は下記の抗議及び要請文を各委員に送付しました。
2015年3月18日
社会資本整備審議会河川分科会
気候変動に適応した治水対策検討小委員会
委員長 福 岡 捷 二 様
委員 各 位
水源開発問題全国連絡会
共同代表 嶋 津 暉 之
共同代表 遠 藤 保 男
「水災害分野における気候変動適応策のあり方について」
の中間とりまとめ等に関する抗議及び要請
日本の水政策、河川政策について日ごろから尽力されていることに敬意を表します。
私たちは、ダム建設等による治水政策や水源開発に伴う問題を明らかにし、その解決策の提言を行ってきている市民団体です。
貴委員会は本年2月27日に「水災害分野における気候変動適応策のあり方について~災害リスク情報と危機感を共有し、減災に取り組む社会へ~中間とりまとめ」を決定し、公表しました。
この「中間とりまとめ」の作成・決定に当たってパブリックコメントを実施せず、国民の意見を反映する手順を踏まなかったことは遺憾です。
つきましては、国民の意見を「最終とりまとめ」(答申)案の作成に反映できるよう、今回の「中間とりまとめ」についてパブリックコメントを早急に実施することを要請します。
更に、「最終とりまとめ」(答申)案が作成された段階において再度、パブリックコメントを実施し、国民の意見が答申に十分に反映されようにすることを要請します。
なお、パブリックコメントの実施、国民意見の反映は下記のとおり、「審議会等の設置に関する指針」などに定められていることを申し添えておきます。
1 「審議会等の設置に関する指針」(1999年4月27日閣議決定)第1項は、「国民や有識者の意見を聴くに当たっては、可能な限り、意見提出手続の活用、公聴会や聴聞の活用、関係団体の意見の聴取等によることとし、いたずらに審議会等を設置することを避けることとする。」としていることは、審議会等が設置される場合にも「意見提出手続の活用、公聴会や聴聞の活用、関係団体の意見の聴取等」の手続を重視する趣旨と解され、審議会等においてパブリックコメントや公聴会開催が実施されないまま、国の基本方針が決定されることは、上記指針の趣旨に反します。
2 「審議会等の運営に関する指針」(1999年4月27日閣議決定)の(3)、②によれば、「審議会等に対して、(中略)審議会等に関する苦情があったときは、各府省は、庶務担当当局としてこれらの整理等をした上で、その結果を適時に審議会等に報告するよう努めるものとする。」とされていますので、苦情等には適切に対応するべきです。
以上
「雨水の利用のための施設の設置に関する目標」と「雨水の利用の推進に関する基本方針」について
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国土交通省