石木ダムの情報
石木ダム事業認定執行停止申立、却下!?
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3月30日、長崎地方裁判所が県側の主張を認め、申立を却下
この申立は、「事業認定の効力は,基本事件の本案判決が確定するまでこれを停止する。」の決定を求める申立でした。
事業認定執行停止申立は、事業認定がなされればそれに地権者が従わない限り行政代執行に至ることが確実であることを踏まえ、これに続く収用委員会による収用裁決・明渡裁決にストップをかけ、住居取壊し等の行政代執行を未然に食止めるための申立でした。
事業認定取消し訴訟係争中に無駄な石木ダム事業によって13世帯の皆さんが個々の生活と地域社会が破壊されることを未然に防ぐことを目的に据えた法的手段です。
この申立を裁判所は2017年3月30日に、「却下」しました。
極めて不当なことです。
この申立において長崎県がこんな反論(下に引用)をしていると決定書に記載されています。さらに裁判所は、石木ダムの必要性に何ら言及することなく、長崎県のこの反論を全面的に採用して却下を決定しています。
「損害の重大性について」
申立人らは,川原地区の地元住民が,川原地区で,人と人とのつながりの中で,土地の自然と恵みを享受しながら生活をし,その生活を続ける権利ないし価値を損害として主張する。しかし,土地収用法により土地を収用され,そこでの生活を営むことができなくなる不利益を直ちに人格権の侵害による損害であるというのは,土地収用法自体を否定するに等しく,上記の不利益は私有財産である土地を失うという財産的損害と評価されるにとどまる。そして,そのような損害は同法の規定に従い填補されることとなり,社会通念上,金銭賠償によって填補され得る性質のものである。」
この申立で、
①これが長崎県の基本的姿勢であること、②まったく不要な石木ダム事業遂行のために土地収用法を適用していること自体が13世帯皆さんの人格権侵害であること、③長崎県に「人格権権侵害を直ちに止めさせる」取組みが不可欠であること。
が明白になりました。
マスコミ報道
2017年3月6日 2つの裁判と工事差止本訴提訴の報告(石木ダム)
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この日、朝11時から長崎地裁で事業認定取消訴訟の第5回口頭弁論が、午後3時からは佐世保支部で妨害禁止仮処分申立の第3回審尋が開かれました。併せて、弁護団は608名の原告による工事差止訴訟(仮処分申立をしていたので、本訴とも呼ぶ)を午後3時に佐世保支部に提訴しました。
2つの裁判所前で門前集会をもち、仮処分審尋終了後16時から佐世保市中部地区公民館研修室にて報告集会を持ちました。
1. 事業認定取消訴訟の第5回口頭弁論 長崎地方裁判所
1月16日の第4回口頭弁論で被告側から出されていた反論への私たちから反論を展開するのが目的の口頭弁論でした。弁護団は事前に準備書面5(利水)とその補足資料、及び、準備書面(治水)を裁判所に提出していました。高橋謙一弁護士が利水問題について、田篭亮博弁護士が治水問題について、各要旨を口頭で説明しました。
1) 準備書面要旨 箇条書きにします。
(1) 利水(高橋謙一弁護士)
- 現行保有水源から慣行水利権を除外していることの不合理性
- 被告の言い分は、「平成19 年に本件慣行水利権では取水ができなかったので、量的に不安定である。だから除外した」の一言に尽きる。
- 平成19年の渇水期には本件慣行水利権水源、「安定水源」としている許可水利権水源においても100 パーセントの取水はできていなかった。本件慣行水利権だけを除外することは明らかに不合理。
- 現在、平成19年渇水時と同じ降雨状況、水量状況であっても、当時よりも水需要が減少しているので、佐世保市では水不足は生じてない。「10年に一回程度の渇水」にも対応できる。
- 「万が一起こった場合に対応する必要がある」ということは、起こりそうもないことに対応するために石木ダムを建設する(から事業認定した)というのであれば、まさしく不合理というしかない。
- 被告らは、まず、「石木ダムを作る」という命題をア・プリオリに、つまり絶対動かさないものとして、立てている。そのために屁理屈を並び立て、最後には、「(石木ダムを)作ればみんなが(水道水を今より多く)使うのだから作ってもよい」という本末転倒の主張さえしている。石木ダムが不要であることは明らか。
- マトメ:少なくとも、地権者の意思を踏みにじってまで行う正当性が全くない違法かつ無効な事業であることは明白。
(2) 治水(田篭亮博弁護士)
- 長崎県がダムを造るために恣意的に数字等を操作している。
- 計画規模はもともと1/30であったものが、石木ダム事業の話がでてきた昭和50年に突如1/100に変更されている。本明川ダムも同様であった。長崎県の恣意性は明らか。
- 該当するパターンで雨量が突出しているのは3時間ではなく、1時間。従って、1時間に突出して集中して降る確率がどの程度あるか(降雨強度)を検討すべきなのは明らか。長崎県がこれをしていない。
- 仮に100年に1度の雨が降れば、山道橋まで流れてくる前に上流で水があふれることを考慮していない。
- 石木ダムがなくても100年に1度の雨がふっても現実に流せる。余裕のために地権者らの住み慣れた土地・家を奪おうとしている。実際には、余裕高が足りないのはわずかな区間でしかないので、堤防の嵩上げや、掘削工事で対応が可能。石木ダムがなくとも、わずかな工事で対応可能。
- マトメ:長崎県は、数字を恣意的に操作してダムの必要性を作り上げてきた。必要ないものは必要ない。
(3) 次回・次々回期日
- 次回 5/22 14:00 被告の反論
- 次々回 7/31 14:00
2) 裁判所に提出された書面などの掲載
-
原告提出書類
準備書面等
証拠説明書
2. 妨害禁止仮処分申立の第3回審尋 長崎地裁佐世保支部
仮処分申立の審尋は非公開であるため、傍聴が出来ません。よって、簡単に記します。
1) 裁判所に提出された書面
-
債権者(原告)長崎県
債務者(被告)当方
2) 審尋内容
債務者(当方)の主張書面陳述
- 債務者(被告)の疎明が出来ていない(申立てられた人がその人であることであることの疎明がされていない。)
- 写真やDVDに写っている人物が債権者(原告)のいう人物としても、妨害行為をしている状況とは疎明できていない。
- すべて疎明されたとしても、債務者らの行為は客観的に合理的な事業の必要性の説明を求める正当な要請行動である以上、憲法の保障する表現の自由(憲法21条1項)の範囲内の行為として許容されるため、債権者の請求はいずれも理由がない。
- 債権者が疎明資料として提出する写真及びDVD(甲12,甲17,甲18)を見ても,①債権者らが本件土地を通行しようとしたこと,及び②その通行を債務者らが実力を用いて継続して妨害したことの疎明はなされていないと言わざるをえない。
- 公権力である長崎県が、その事業の必要性について客観的合理的な説明を求める県民の行動をことさらに歪曲化あるいは矮小化して「妨害行為」と称して仮処分の申立てを行ったものである。
- その必要性について客観的合理的な説明がなされないまま工事が強行されることにつき、反対の意思表示を行うものであり、なによりも、事業者たる県に対してダムの必要性について客観的合理的な説明をするよう求める説明要求行動である。
- 自ら意思を表明して石木ダム事業という多額の税金を投入した県民市民の生活に大きな影響をもたらす事業の存続を左右する問題に関し、県政市政に影響力を持たせようとする点で、表現の自由の中でも参政権的側面を持つ民主主義の根幹にかかわる表現の自由の核心部分に含まれる権利である。
- 債権者は本件において複数の写真等の証拠は提出しているが、表現の自由で保護される範囲を超えて通行の妨害行為があったことの的確な疎明はなされていない。
- 債権者の主張は、要するに「自分が推進する事業に反対する輩は、絶対に認めない」という唯我独尊の偏見に満ちたものでしかない。さらに言えば、本件仮処分申請により、一般の市民を裁判にひき釣り込み、「恫喝」をすることにより、県民の行政に対する批判を封じようとする意思も見え隠れする。
- したがって、少なくとも、かかる偏見に基づく根拠のない主張にだけでは、債務者らの憲法上もっとも重要な人権の一つである表現の自由を制約することは許されない。
- 仮にその行動をしているとして、それが、いかなる事実をもとに、妨害の意思に基づく妨害行為であるか、について、各人・各行為一つ一つを、丁寧かつ慎重に判断していただく必要がある。
- 債務者の特定、通行妨害行為の有無・評価、表現の自由の範囲を逸脱するかを厳密に判断しなければならない。しかし、そもそも本件においては債権者の提出する疎明資料では的確な疎明が行われておらず認められない。よって、債権者の請求は却下されるべきである。
(債務者1人1人についての写真・DVD 映像による「各債務者の行為に対する認否」については個人情報保護のため削除しました。遠藤)
3)次回 反論予定
- 債権者(原告)→債務者第5主張書面に対する反論予定(提出まで1月)。
- 債務者(被告)→債権者の主張を見て反論を予定する。
4) 次回までの宿題
- 債務者 3月31日限り、債務者の反論書面
- 債権者 4月14日限り、これへの反論を含めて反論
5) 次回期日
4月24日午後2時30分~ 債権者、債務者双方の反論
3. 工事差止訴訟
(3月6日にマスコミ関係者に配付された簡易な説明書と同じです。)
3月6日15時、長崎地方裁判所佐世保支部に「石木ダム建設工事並びに県道等付替道路工事続行差止請求」を提出しました。
この問題については、2016(平成28)年2月2日に長崎地裁佐世保支部に申立てた「石木ダム建設工事並びに県道等付替道路工事続行禁止仮処分命令申立」が2016年12月20日に却下され、福岡高裁に12月28日に即時抗告した経緯があります。
申立に対する却下理由について熟慮を重ねた結果、「石木ダム建設工事並びに県道等付替道路工事」にかかる影響は長崎地裁佐世保支部の却下理由を遙かに超えるものであることから、以下に記す視点に立って、仮処分却下即時抗告に替えて、本訴に踏み切りました。
- 工事差止仮処分申立却下理由として、①緊急性を第一義にする、②行政訴訟法44条から、石木ダムの必要性など、事業認定の不当性・違法性に関わることは考慮しない、③税金の使われ方や自然破壊なども考慮しない、など多くの限界が示された。
- 上記3点についてじっくり迫る。
- 本訴係争中に工事案件が強行される場合は、即座に工事差止仮処分を申立てる。
この訴訟で明らかにすることは、
- 石木ダム事業は治水・利水両面でまったく必要性がないこと
- 不要な石木ダム事業が遂行されることで、生活基盤と地域社会が奪い取られるという13世帯皆さんの人権が破壊されること。
- 不要な石木ダム事業が遂行されることで、貴重な自然環境が破壊されること。
- 不要な石木ダム事業が遂行されることで、税金や水道料金を支払っている私たち主権者自身がその加害者になってしまうこと。
- 不要な石木ダム事業が遂行されることで、税金や水道料金を支払っている私たち主権者自身が必要とすることに回る財源が減少し、不利益を被ること。
などです。
これからも差止訴訟の原告を募ります。原告になって自分が被る不利益を相互に共有し、石木ダム中止を主張する当事者に名乗りを上げてください。原告募集については近々別掲します。
参考:原告608名の内訳
- 事業地内居住者 42
- 非居住の地権者 139(川棚町民25,佐世保市民38,他の長崎県民42,県外民34)
- 非地権者・川棚町民 95
- 非地権者・佐世保市民 90
- 非地権者・2地区外長崎県民 151
- 非地権者・県外民 91
原告側からの裁判所への提出書類
訴状 シオリ付き
別紙 工事目録
4 マスコミ報道
石木ダムで新たに工事差し止め求め提訴
(テレビ長崎2017年3月6日) 18:29http://www.ktn.co.jp/news/20170306117919/
東彼・川棚町に計画されている石木ダムをめぐり、建設に反対する地権者らが、新たに工事の中止を求め、6日 長崎地裁佐世保支部に提訴しました。
石木ダム建設工事の差し止めを求めて新たに提訴したのは、建設に反対する地権者など608人で、6日午後、長崎地裁佐世保支部に訴状を提出しました。
反対地権者らは、工事差し止めの「仮処分」を求めて訴訟を起こしていましたが、去年12月、長崎地裁は「緊急性がない」として、これを却下。
このため、今回新たに、緊急性を争わない本訴訟として「ダム事業の治水・利水面での必要性や、地権者の身体の安全など人格権の侵害」を争点に、工事の差し止めを求めて提訴しました。
原告代理人 平山博久弁護士「仮処分の手続きというのは、どうしても緊急性、迅速性が要求されます。きちんと腰を据えて、権利侵害があるのかないのか、公開の法廷でやるべきだろうと、より多くの人達が立ち上がっているんだということを裁判所に見てほしいと、新たに本訴という形で起こしています」
原告団は、福岡高裁に抗告していた工事差し止めの仮処分請求については、取り下げることにしています。
工事差し止め求め提訴 石木ダム反対地権者ら
(読売新聞長崎版2017年03月07日)
http://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20170306-OYTNT50038.html
県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、反対地権者ら608人が6日、県と市を相手取り、工事の差し止めを求める訴訟を長崎地裁佐世保支部に起こした。
昨年12月には、工事差し止めを求める仮処分の申し立てが却下されたが、新たな訴訟を通じ、権利侵害について県と市の考えを問うとしている。
訴状によると、「ダムは利水、治水において必要性はなく、県などは必要性に関してでたらめな予測をしている」と指摘。「人格権などを侵害しており、工事は禁止されなくてはいけない」などと主張している。
地権者側は2016年2月、工事差し止めを求めて同支部に仮処分を申し立て、同12月、「工事を禁止する緊急の必要性があるとは認められない」として却下された。
仮処分では審尋が非公開で行われたため、今回、公開の法廷で権利侵害を訴えることとし、福岡高裁への仮処分の抗告は取り下げるという。
県と市の担当者は「訴状が届いていないのでコメントは差し控えたい」としている。
同事業の関連では、地権者側が15年11月、国を相手に事業認定の取り消しを求めて長崎地裁に提訴し、同12月に事業認定の執行停止を同地裁に申し立てた。県も現在、反対地権者ら19人に対し、県道付け替え工事の妨害行為禁止の仮処分を申し立てている。
朝日新聞2017/3/7
長崎新聞2017/3/7
石木ダムで新たに工事差し止め求め提訴(3月6日)
石木ダム反対の地権者など600人あまりが長崎県と佐世保市を相手に建設の差し止めを求める訴えを3月6日、長崎地方裁判所佐世保支部に起こしました。そのニュースと記事を掲載します。
石木ダム建設差し止めで提訴
(NHK 2017年03月06日 19時56分)http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5033329711.html?t=1488802785068
川棚町に建設が計画されている石木ダムについて、反対する地権者など600人あまりが長崎県と佐世保市を相手に建設の差し止めを求める訴えを3月6日、長崎地方裁判所佐世保支部に起こしました。
訴えを起こしたのは、川棚町の建設予定地に住む人たちや土地の所有者、それに県外の支援者などを含めあわせて608人です。
訴えによりますと、石木ダムについて、県などが事業の根拠としている生活用水や工場用水などの水需要の見積もりや治水対策の必要性や公共性、それに緊急性には根拠がなく、事業手続きで住民の書面による同意も得られていないなどとしています。
そのうえで、ダム建設によって自然環境や社会生活が失われ、人格権などが侵害されるとして、ダム本体の建設や建設によって水没する県道に代わる新しい道路の建設工事の差し止めを求めています。
訴状を提出した弁護団の平山博久弁護士は、「じっくりと腰を据えて石木ダムの工事によって地権者がどのような損害を被るのか訴えていきたい」と話していました。
地権者らは去年、県と佐世保市を相手に工事をしないよう求める仮処分を申し立て、長崎地裁佐世保支部で却下されて現在、福岡高等裁判所に抗告していますが、今回の提訴に伴って抗告を取り下げることにしています。
石木ダムで新たに工事差し止め求め提訴
(テレビ長崎2017年3月6日) 18:29http://www.ktn.co.jp/news/20170306117919/
東彼・川棚町に計画されている石木ダムをめぐり、建設に反対する地権者らが、新たに工事の中止を求め、6日 長崎地裁佐世保支部に提訴しました。
石木ダム建設工事の差し止めを求めて新たに提訴したのは、建設に反対する地権者など608人で、6日午後、長崎地裁佐世保支部に訴状を提出しました。
反対地権者らは、工事差し止めの「仮処分」を求めて訴訟を起こしていましたが、去年12月、長崎地裁は「緊急性がない」として、これを却下。
このため、今回新たに、緊急性を争わない本訴訟として「ダム事業の治水・利水面での必要性や、地権者の身体の安全など人格権の侵害」を争点に、工事の差し止めを求めて提訴しました。
原告代理人 平山博久弁護士「仮処分の手続きというのは、どうしても緊急性、迅速性が要求されます。きちんと腰を据えて、権利侵害があるのかないのか、公開の法廷でやるべきだろうと、より多くの人達が立ち上がっているんだということを裁判所に見てほしいと、新たに本訴という形で起こしています」
原告団は、福岡高裁に抗告していた工事差し止めの仮処分請求については、取り下げることにしています。
工事差し止め求め提訴 石木ダム反対地権者ら
(読売新聞長崎版2017年03月07日)http://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20170306-OYTNT50038.html
県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、反対地権者ら608人が6日、県と市を相手取り、工事の差し止めを求める訴訟を長崎地裁佐世保支部に起こした。
昨年12月には、工事差し止めを求める仮処分の申し立てが却下されたが、新たな訴訟を通じ、権利侵害について県と市の考えを問うとしている。
訴状によると、「ダムは利水、治水において必要性はなく、県などは必要性に関してでたらめな予測をしている」と指摘。「人格権などを侵害しており、工事は禁止されなくてはいけない」などと主張している。
地権者側は2016年2月、工事差し止めを求めて同支部に仮処分を申し立て、同12月、「工事を禁止する緊急の必要性があるとは認められない」として却下された。
仮処分では審尋が非公開で行われたため、今回、公開の法廷で権利侵害を訴えることとし、福岡高裁への仮処分の抗告は取り下げるという。
県と市の担当者は「訴状が届いていないのでコメントは差し控えたい」としている。
同事業の関連では、地権者側が15年11月、国を相手に事業認定の取り消しを求めて長崎地裁に提訴し、同12月に事業認定の執行停止を同地裁に申し立てた。県も現在、反対地権者ら19人に対し、県道付け替え工事の妨害行為禁止の仮処分を申し立てている。
石木ダム反対町民の会結成
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県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設問題を巡り、町民有志が「石木ダム建設に反対する川棚町民の会」を結成した。
今後、町内の地区別学習会やビラ配りなどを通じ、町民の関心を高めていきたい考え。同会が開く初めての学習会が21日夜、中組地区を対象に町中央公民館で開かれた。
学習会には町内外から約50人が参加した。反対地権者や支援者らがダム事業の概要や問題点、佐世保市の水事情などについて説明。
「机上の空論の計画で(古里を)立ち退きたくない」などと訴え、「(地権者だけでなく)自分たちの問題として一緒に考えてほしい」と呼び掛けた。
参加者と意見交換もあった。中組郷総代の琴尾俊昭さん(72)は「町長選でも町議会でも石木ダムが話題にならず、町内で問題がタブー視されている」と指摘。
「県と佐世保市が造るとしても地元が蚊帳の外では話にならない。町民も声を上げ、県市はその声に耳を傾けるべき」と主張した。
同会は昨年11月に結成。メンバーの一人で地権者の炭谷猛さん(66)は「学習会が町民目線で意思表示をしていく一つのきっかけになれば。町民にもっとダム問題へ理解を広げていきたい」と話した。
現在決まっている学習会の予定は▽栄町・下百津地区(2月25日午後6時半)▽平島・宿地区(3月25日午後6時半)。場所はいずれも同公民館で地区外の人も参加可。
4月1日に建設予定地の見学会を予定している。問い合わせは炭谷さん(電090・4519・2528)。
(写真)石木ダム建設事業の問題点などについて意見を交わした学習会=川棚町中組郷、町中央公民館
石木ダム反対町民の会集会
(NHK 2017年01月22日 12時29分) http://www.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5033010311.html?t=1485063910644
長崎県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダムに反対する人たちが、 広く町の人たちにダム建設問題について考えてもらおうと、21日、学習会を 開きました。
学習会は、石木ダムの建設予定地に住む人やそれ以外の町民も加わって去年11月に 結成された「石木ダム建設に反対する川棚町民の会」が初めて開き、21日は、 およそ40人が集まりました。
学習会では県がダム建設の理由としている洪水対策や水源の確保について予定地に 住む人や佐世保市の市民が、「県が想定している雨量は過大で現実的ではなく川に 排水ポンプを設置するのが適切な洪水対策だ」とか、「人口減少とともに水の需要が 急激に減るため、ダム建設はむだだ」などと説明していました。
学習会を主催した町民の会の炭谷猛代表代行は、「これまで町民が石木ダムについて 考える機会がなかった。
毎月、各地区ごとに学習会を開いていきたい」と話していま した。
石木ダムの目的について県は「治水対策にはダムが最適な方法だ」とし、佐世保市も 「将来の企業誘致を考えれば新たな水源が必要だ」と主張していて、ダムの必要性を めぐる意見の食い違いが、鮮明になっています。
第4回石木ダム事業認定取消訴訟裁判の報告
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1月16日、被告側から第3(利水)、第4(治水)準備書面。3月6日の次回裁判で反論!。
予定の14時ちょうどに裁判官3人が入廷、全員一礼の後、裁判長がマイクを通さずに小声で何か言い出しました。傍聴席から「声が小さくて聞こえません。」との声。裁判長は「すみませんでした」とマイクを自分の方に向けて話しなおしました。原告・被告両方から提出された書類の確認です。
原告側が提出した書類は、12月22日の現地視察で13世帯の皆さんが裁判官に話した内容や関係写真などです。
被告側が前回期日以降に提出した書類は、①準備書面2通(利水面・治水面),利水に関する証拠と、②執行停止に関する意見書2通です。
被告側の準備書面2通(利水面・治水面)は当方が前回期日に提出した準備書面への反論です。本来であれば裁判は口頭弁論を交わすことで進行することになっているので、被告は前回期日で当方が行ったように口頭でその説明をするのが当然なのですが、書類が提出されていることを確認しただけで終わってしまいました。私たち原告と傍聴者には何が何だかさっぱり分からない法廷でした。ただ分かったことは、次回期日が3月6日11時から、次々回期日が5月22日14時からと予定を決めたことでした。
石木ダム建設差し止め本訴を準備
裁判終了後に、長崎県図書館建屋にある会議室で報告集会が開かれました。長崎市民の田代圭介さんの司会で進行しました。
平山弁護士が訴訟進行とその解説を、高橋氏弁護士が石木ダム工事差止得仮処分申立が却下された件で今後の対応について、話しました。それらを受けて、参加者全員で質疑応答、意見交換を持ちました。
当面の裁判闘争について、以下のことを確認しました。。
1,被告から提出された準備書面2通に対する当方の反論を次回3月6日までに出す。
2,石木ダム関連工事すべてにストップをかけるには即時抗告だけでは不十分なので、本訴を提起する。
3,工事差止本訴の原告募集を早急に行う。
これからの裁判闘争は、①石木ダムが不要であること、②その不要な石木ダム事業は13世帯皆さんの人権を破壊すること、③さらに、佐世保市民、長崎県民、全国民に無駄な負担を強いること、を明らかにします。
全国の皆さんに、石木ダム事業中止に向けた司法を含めた闘いに協力を御願いしていくことになります。
被告が提出した準備書面2通(利水面・治水面)の骨子
利水は、
- 慣行水利権に基づく佐世保水道水源はその水利権水量が10年に1回の渇水である2007年渇水で水利権水量を取水できなかったので、認可水源として申請することができない。
- 水需要予測は事業者の裁量に委ねられている。
- 水需要予測と現実との乖離は、事業認定はその時点を基本としているのでその後の経過は問題にならない。
- 平成24年予測は合理的なものである。⑤原告ら第1準備書面及び第4準備書面における主張は,いずれも失当であり,佐世保市に裁量の逸脱又は濫用があったとは認められないことから,原告らの請求は,速やかに棄却されるべきである。
等としています。
治水は、
- 長崎県評価指標は技術基準等の全国的な基準に沿って,過去の災害の履歴及び県内河川のバランスも確認し,平成11年に定められたものであり,その評価指標に沿って川棚川水系河川整備基本方針・河川整備計画の計画規模を1/1 0 0と設定しており,原告らの主張に理由がない。
- 基本高水の決定については、計画規模と実績降雨(群)から対象降雨を選定し,対象降雨を流量に変換してハイドログラフを作成する、という手順によるものであり,対象降雨の規模は,一般的には降雨量の年超過確率で評価することとされている。
- 原告らは,技術基準や中小河川の手引き等とは異なる独自の手法を用いて,基本高水流量の発生確率を検討しなければならないと主張するもので,理由がない。
- ③原告らが挙げる堤防嵩上げ工事, f可道掘削工事による方法のみで,基本高水流量である14 0 0立方メートル/秒を安全に流下させることはできないため,石木ダムが必要である。
などとしています。
利水・治水二つの準備書面に書かれている主張は、いずれも科学的根拠のない、かつマニュアル的な文書を理解できていないまったく恣意的な代物です。私たちは、丁寧な反論を用意し、3月6日の次回期日には被告の主張を徹底的に叩くことになります。