霞ヶ浦導水の情報
那珂川の漁協側、東京高裁に控訴 霞ケ浦導水訴訟
すでにお知らせしたように、那珂川流域の漁協が訴えた霞ケ浦導水事業の工事差止め訴訟に対して、7月17日、水戸地裁は請求棄却の不当判決を下しました。
漁協側はこの判決を覆すため、7月30日に東京高裁に控訴しました。遅くなりましたが、その記事を掲載します。
漁協側、東京高裁に控訴 霞ケ浦導水訴訟
(下野新聞7月31日 朝刊http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20150731/2037152
霞ケ浦導水事業をめぐる訴訟で、栃木、茨城両県の漁連・漁協5団体は30日、国が行う事業の那珂川取水口建設差し止めの請求を棄却した一審水戸地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。
茨城県の君島恭一(きみしまきょういち)那珂川漁業協同組合長らが水戸地裁に控訴状を提出した。代理人の丸山幸司(まるやまこうじ)弁護士は霞ケ浦から那珂川への送水による外来種・汚染物質侵入の危険性については「不十分な点を追加して、立証していきたい」とした。
君島組合長は取材に「被害が出れば那珂川は死の川になる」と、あらためて危機感を訴えた。
国土交通省関東地方整備局は「詳細は確認していないが、引き続き事業の正当性を主張していく」とした。
那珂川水系を漁場とする両県の漁協が、事業による漁業権侵害の恐れを訴えた訴訟で水戸地裁は17日、請求を棄却した。
霞ケ浦導水訴訟 漁協側が控訴
(東京新聞茨城版2015年7月31日)http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20150731/CK2015073102000170.html
霞ケ浦と那珂川、利根川を地下トンネルで結ぶ「霞ケ浦導水事業」をめぐり、那珂川流域の県内の四漁協と栃木県の漁連が国に工事差し止めを求めた訴訟で、原告側は三十日、請求を棄却した水戸地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。
原告の一つ、那珂川漁協の君島恭一組合長(82)は「判決は、那珂川に霞ケ浦の外来種が来るのを認めている印象。きれいな那珂川を残すため、控訴審では主張が通るようにしていく」と話した。
原告側代理人の弁護士は「どの漁協も控訴の意志を示してくれた。原告に求められる立証責任が大きい結果、漁業権が無視されることになり、全国的にも問題のある判決。立証すべき範囲を主張し、立証には魚類の研究者たちの協力も得たい」と述べた。
導水建設で、アユ漁が盛んな清流の那珂川に、霞ケ浦の水が流れ込むため、漁協側は生態系が壊され、漁業に被害を与えると主張。
判決は「漁業権侵害の具体的危険があるとまではいえない」としながらも、「運用次第で侵害の可能性がある。環境への影響が最小限に抑制されるよう努力が望まれる」と国に促した。 (宮本隆康)
霞ケ浦、漁協の差し止め請求棄却 導水訴訟で水戸地裁
茨城新聞がこの判決の問題と限界に触れた論説を書いています。
霞ケ浦導水差止請求事件 判決文の一部 20150717(121KB)をご覧ください。
判決文の全体は
霞ケ浦導水裁判の判決文20150717(22MB)をご覧ください。
論説 霞ケ浦導水事業判決 具体的成果、事業者に責任
(茨城新聞 2015年7月18日) )http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14371456324508霞ケ浦導水事業の工事差し止めを那珂川、涸沼流域の4漁協と栃木県の漁連が求めた訴訟の判決が17日あり、水戸地裁(日下部克通裁判長)は「漁業権侵害の具体的な危険があるとまではいえない」として漁協側の訴えを棄却した。
霞ケ浦導水訴訟で水戸地裁 漁協の差し止め請求棄却
(東京新聞茨城版2015年7月18日)http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20150718/CK2015071802000149.html?ref=rank
漁協の差し止め請求棄却 水浄化など公共性を認定 那珂川取水口差し止め訴訟
(下野新聞 2015年7月18日 朝刊)http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20150718/2024531
アユなど那珂川水系の水産資源に悪影響を及ぼす恐れがあるとして、栃木、茨城両県の漁連・漁協5団体が国に霞ケ浦導水事業の那珂川取水口建設差し止めを求めた訴訟の判決公判が17日、水戸地裁で開かれ、日下部(くさかべ)克通(かつゆき)裁判長は、漁協側の請求を棄却した。漁業権侵害の訴えについて「具体的危険があるとまでは言えない」などとして退けた上で、国側が主張した事業の公益性を認めた。漁協側は控訴する方針。
霞ケ浦導水事業 漁協の差し止め請求棄却 水戸地裁「公益性ある」
(産経新聞 2015.7.18)http://www.sankei.com/region/news/150718/rgn1507180017-n1.html
霞ケ浦導水事業:漁協の請求棄却…水戸地裁判決
(毎日新聞 2015年07月17日 19時47分)http://mainichi.jp/select/news/20150718k0000m040044000c.html
早期の計画見直し必至 霞ケ浦導水、5年半ぶり再開
霞ケ浦導水事業はダム検証の結果、昨年8月にゴーサインが出たことにより、今年度の予算は昨年度の4.2億円から11.9億円へと、大幅に増額されました。
しかし、那珂川水系の茨城・栃木の漁協が霞ケ浦導水事業に対して強い反対の姿勢を示しており、先行きは不透明です。
7月17日には漁協が工事の差し止めを求めた訴訟の判決が水戸地裁であります。
早期の計画見直し必至 霞ケ浦導水、5年半ぶり再開
(茨城新聞 2015年4月13日) http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14288505584490
霞ケ浦と那珂川を地下トンネルの水路で結ぶ霞ケ浦導水事業が本年度から再開される。国土交通省は地下トンネルの那珂導水路のうち未施工区間の設計を進める方針で、12日までに成立した国の本年度予算に事業費11億3900万円が盛り込まれた。
同事業は2009年秋に中断し、約5年半ぶりの再開となる。現計画は事業の完成を15年度としていることから、早期の計画見直しが必至。
中断している那珂川取水口工事については、地元漁業者らが工事の差し止めを求めた訴訟の判決が7月に予定されるなど、事業の先行きは依然として不透明なままだ。
同省関東地方整備局によると、本年度の設計は、那珂導水路のうち高浜機場(石岡市)-桜機場(水戸市)間の「石岡トンネル」の未施工区間について実施する予定。
09年10月、当時の民主党政権がダム事業を一時凍結し、同事業も継続について検証する対象とされたため、翌10年度以降は河川の水量や環境の調査が行われるだけだった。同事業の本年度予算は前年度当初と比べて約7億円増えた。
霞ケ浦導水は霞ケ浦と那珂川、利根川を総延長45・6キロの地下トンネルで結び、互いの水を行き来させて流量などを調整する事業。霞ケ浦などの水質浄化や本県と東京、埼玉、千葉の4都県への水道用水、工業用水の供給などが目的とされる。現時点の総事業費は約1900億円。
事業は1976年に調査が開始され、85年の着工から今年で30年を迎える。これまでに利根川と霞ケ浦を結ぶ利根導水路は完成したものの、那珂導水路は桜機場-那珂機場(水戸市)間の水戸トンネルなど一部が完成しただけで、進捗(しんちょく)率は約33%にとどまる。
未完成の那珂川取水口も訴訟の行方など、すぐに工事を再開できる状況にはない。今後の事業見通しについて、同整備局は「完成年度も含めて、あらためて事業計画の見直しを図っていく」と説明している。
同事業をめぐっては、本県と栃木県の漁協が那珂川流域や涸沼の生態系が破壊され、漁業権が侵害されるなどとして、建設差し止めを求める訴訟を水戸地裁に起こしており、7月に判決が言い渡される予定。
原告の一つ那珂川漁協の君島恭一組合長は本年度の事業再開について「何が何でも再開するという国のごり押しだ」と批判した。 (松下倫)
霞ケ浦導水の差止め判決を求める署名
アユ、シジミ、サケなど、豊かな水産資源を育む那珂川などに大きなダメージを与える霞ヶ浦導水事業が強行されようとしています。
那珂川の漁業を守らなければならないと、那珂川水系の8漁協が導水事業差止めの裁判を起こし、2014年12月19日に結審になりました。
判決は2015年7月17日(金)午後1時15分 水戸地方裁判所 301号法廷 です。
水戸地裁がまっとうな判決を行うように、漁協が導水工事の差止め判決を求める署名活動を進めています。
皆様も是非、この署名活動にご協力くださるよう、お願いします。
署名用紙と霞ケ浦導水事業の問題点は下記のとおりです。
送付先 那珂川漁業協同組合 〒311-4303 茨城県東茨城郡城里町石塚1684-1 丁EL 029-288-3034
署名の第一次集約は当面は2014年末を予定しています。
2014年11月29日の全国集会「霞ヶ浦導水事業はいらない」のビデオ
カテゴリー:
川原理子さんより
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開会挨拶 君島恭一さん(那珂川漁協組合長) http://youtu.be/ut29uMpxi0U
基調報告 導水事業と那珂川の漁業 二平 章さん(茨城大学地域総合研究所) http://youtu.be/DLcT98bhhFo
那珂川の漁業への影響 シジミ 浜田篤信さん(霞ケ浦生態研究所) http://youtu.be/OEHHZGlqLtg
アユとサケ 石嶋久男さん(魚類研究家) http://youtu.be/Z9dKyEaL8Jc
報 告
導水事業は何故いらないのか 導水事業の問題点 嶋津暉之さん(水源開発問題全国連絡会) http://youtu.be/-A2KDEcgps0
茨城県は水余り 神原禮二さん(茨城県の水問題を考える市民連絡会) http://youtu.be/FrALchCjovI
霞ヶ浦浄化の虚構 高村義親さん(茨城大学名誉教授) http://youtu.be/zJDq5OZonfU
アユ裁判の報告 谷萩陽一さん(弁護士) http://youtu.be/t02n3UahG6M
決議文採択 閉会の挨拶 全国集会実行委員長 荒井一美さん(霞ケ浦アカデミー) http://youtu.be/dep50H84SFA