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最上小国川ダムの情報

山形県知事に「私たちの思い」をつけて再度の抗議と要請  (最上小国川ダム)

第2回協議(4月12日)における小国川漁協の提案を受け入れてください!

私たちが凍結を求めていた「最上小国川流域の治水対策に関する協議」が4月12日に再開されてしまいました。
1回目は非公開でしたが、2回目は小国川漁協の申し入れで公開になりました。

2回目の協議においても県は最上小国川ダムの有意性を延べるだけで小国川漁協の求めるダムなし治水については否定する説明に終始しました。小国川漁協の皆さんは「ダムなし治水を検討するために有識者を委員として招聘すること」を提案しましたが、「議論が振り出しに戻る」との理由で拒否されてしまいました。代替案としての「有識者を交えたシンポジウムの開催」すら受け入れられませんでした。こともあろうに後日の知事会見で知事自らがこれら二つの小国川漁協提案を拒否しました。

これでは協議開始前日のプレスリリースに記載されている「最上小国川流域の治水対策の推進と内水面漁業振興等を図るため」から「最上小国川ダム事業を速やかに進めるため」に協議の目的がすり替えられています。実際、提出に先立って渡された4月3日提出公開質問書への回答の最後に「最上小国川ダム事業が円滑に執行できるよう所要の手続きを進めてまいります。」と記されているのです。これは小国川漁協との約束を反故にするもので明白な裏切り行為です。

水源連は「最上小国川の清流を守る会」と連名で抗議すると共に、小国川漁協がこれまで提案してきた「ダムなし治水」が真摯に検討できるように同漁協の提案を受け入れるよう要請を提出しました。
今回の要請書は要請事項に加えて、私たちの思いをしっかりしたためた文からなっています。
提出にあたって対応した山形県職員は県土整備部河川課長と農林水産部水産振興課長でした。
最上小国川ダムに依存しない治水こそが 小国川のすばらしさを活かした温泉街造りへの道であること、そして漁業振興への道であることを丁寧に説明すると共に、小国川漁協からの二つに提案を受け入れることなくして「最上小国川流域の治水対策の推進と内水面漁業振興等を図るため」は空文句にすぎないことを訴えました。
4月3日提出公開質問書への回答についての当方の見解表明は後日としますが、この質問4への回答が「これまで地域の代表や学識経験者への意見聴取、パブリックコメントや住民説明会などで十分に御意見をお聞きしてまいりました。これらを踏まえながら、今後も地域のことをいちばん知っているもの同士がしっかりと話し合うことが大切だと考えています。」となっていたことから、一番川のことを知っている小国川漁協から「『ダムにたよらない治水』について提言・助言を得るべく有識者を食えて欲しい」という提言を断ることは、漁協の孤立化を図るだけで、新たな犠牲者が出かけないことを指摘しました。

河床の直ぐ上に放流口を持つダムとして砂防ダムがあります。川辺川ダム予定地上流域でおきた集中豪雨による山腹崩壊で、砂防ダム上流域にシルトと土砂がうずたかく堆積し、その後の雨で流出しきるまでの3年間、下流域は白濁水に悩まされました。アユは泥臭くて売り物にならなかったのです。その当時の状況を視察した報告がありますので、御覧下さい。
2006年10月28日朴木ダム樅の木ダム見学会の報告  pdf 4.4mb

文書等

20140年4月17日 4月3日提出公開質問書への山形県回答 pdf 882kb
2014年4月3日公開質問書 回答つき   pdf  32pb
2014年4月17日 山形県知事への抗議と要請  pdf 41kb
2014年4月17日 山形県知事への抗議と要請 思い  pdf  192kb

新聞報道

20140413 山形新聞 漁協側懸念に県回答 漁業振興策も提案 最上小国川ダム、治水対策の協議再開
20140413 毎日新聞 最上小国川ダム 県 疑問点など説明
20140414 朝日 小国川ダム問題漁協の有識者案認められず
0140415 朝日 小国川ダム「不明点は説明」
20140418朝日
20140418山形新聞

 

山形県に公開質問書提出 (最上小国川ダム)

2月18日提出の「抗議と要請」に対する県回答への反論としての「公開質問書」を「最上小国川の清流を守る会」の草島さんと共に山形県に提出してきました。担当部署で受け取る、ということになっていたのでそちらへ行って話しをしたところ、回答として送られてきた文書そのものは知事が見ていないことが明確になったので、今回は知事室をたずね、総務部秘書広報課長玉木氏に手渡しました。

提出に先立ち、記者会見を持ちました。

 

漁業権更新時にダム事業への協力を取引材料とするような山形県のやり方は絶対に許せません。

水源連としても、山形県への抗議とダムなし治水の実現を求め、現地の皆さんと連帯して、この問題にしっかりと取り組んでいきたいと思います。(遠藤保男)

 2014年4月3日 山形県知事への公開質問書   pdf 28kb

参考:20140319「抗議と要請j に対する回答について(回答) pdf  898kb

新聞報道

毎日新聞山形版 2014年04月04日

最上小国川ダム:回答「不誠実」、知事に質問書 反対の市民団体 /山形

 県が建設計画を進める穴あきダム「最上小国川ダム」(最上町)に反対する市民団体「最上小国川の清流を守る会」などは3日、吉村美栄子知事あてに公開質問書を提出した。

 同会は、吉村知事に宛てて2月18日に提出した要請書に対し、県側が河川課、水産課両課長名で3月19日に回答を示したことを「不誠実」として、吉村知事に再回答を求めた。

 要請書では、県と小国川漁協の交渉経過と沼沢勝善組合長の死亡原因を調べる第三者調査委員会の設置▽第三者委の調査中におけるダム協議凍結▽県民討論集会の開催▽ダム事業の今年度予算凍結−−の4項目を求めた。県側は「実施する予定はない」などと回答した。

 守る会共同代表の草島進一県議は「知事に要請したのに課長名で答えるのはおかしい」と話している。【安藤龍朗】

 

2014年04月04日 読売新聞山形版

県との協議を終え、取材に応じる高橋組合長(舟形町舟形の小国川漁協で)

 県が進める最上小国川ダム(最上町)の建設計画を巡り、流域の漁業権を持つ小国川漁協(舟形町)が反対している問題で、県幹部と同漁協の高橋光明組合長らが3日、舟形町で今後の日程などを協議した。沼沢勝善前組合長が2月に急死し、先月15日に漁協の新体制が発足してから、双方の幹部が顔を合わせるのは今回が初めて。今後の漁協側の対応に注目が集まる。

 会談は非公開で約45分間行われた。県側は県土整備部の吉田郁夫整備推進監、農林水産部の阿部清技術戦略監ら8人、漁協側は高橋組合長ら5人が出席した。

 複数の出席者によると、県側は流域の治水対策や漁業振興策を漁協などと話し合うため、1月に再開した協議の2回目の会合を12日か15日に開くことを提案。漁協側は協議の継続に同意したが、日程については「理事会で協議する必要がある」と即答を避けた。

 また、次回以降の会合を公開の場で行うよう漁協側が求めると、県は検討すると回答したという。

 ダム問題を巡っては、1月28日に県と漁協側の協議が8年ぶりに再開されたが、漁協のダム反対運動の先頭に立って、組合長を約17年間務めていた沼沢氏が2月10日に急死。その後、高橋組合長が、ダム反対の急先鋒せんぽうの理事を投票で破って就任したことから、関係者の間では「新組合長はダム容認に転じるのでは」との見方も出ている。

 高橋組合長は3日の協議終了後、自らのスタンスについて、「私はダム容認派ではない。漁協はずっと(ダムによらない)河川改修を求めてきた。そこは一貫していきたい」と語った。一方で「(県の説明に納得すれば)理事会で意見を聞き、必要となれば総代会にかける可能性はある」と対応に含みを持たせた。

 県は今年度予算に同ダムの本体工事費など約2億4500万円を計上。漁協の総代会が開かれる6月までに同意を得て入札などの手続きに入り、県議会9月定例会に契約承認の議案を提出したい考えだ。佐藤義治河川課長は「今後も漁協に対して丁寧に説明し、できるだけ早く治水対策を進めたい」と話している。

この問題に関連し、ダム事業の見直しを求める全国組織「水源開発問題全国連絡会」(横浜市)などは3日、吉村知事宛てに公開質問書を提出した。最上小国川ダムの流域の治水対策や内水面漁業の振興を議論する「県民討論集会」の開催などを求めている。

 山形新聞 2014年04月04日

県と小国川漁協、協議の早期再開を確認

県との面談後、報道陣の質問に答える高橋光明組合長(右)=舟形町・小国川漁協<br />

県との面談後、報道陣の質問に答える高橋光明組合長(右)=舟形町・小国川漁協

 県が最上町に建設を予定している最上小国川ダムに絡み、県と小国川漁協(舟形町、高橋光明組合長)の非公式面談が3日、舟形町中央公民館で行われた。前組合長の急死に伴い中断している両者の治水対策協議について、早期に再開する方針を確認。県が今月中旬の再開を打診したが、漁協は「理事会に諮って決めたい」と回答を保留した。非公開で行われた面談後、高橋組合長らが明らかにした。協議再開の日程については、12日か15日と打診を受けたという。

就任後、初めて県との面談の席に着いた高橋組合長は「協議のたたき台となる資料を事前に提示してほしいと話した」と説明。今後の協議を公開の場で行うことも求めたという。その上で「理事会や総代の意見を集約して対応するとの(漁協の)基本的な方針は変わらない」と話した。

県と漁協の協議は1月28日、8年ぶりに再開したが、2月10日に前組合長が急死。先月15日、後任に高橋組合長が選出されたものの、2度目の協議開催のめどは立っていなかった。

毎日新聞山形版 2014年04月04日

県が建設計画を進める穴あきダム「最上小国川ダム」(最上町)について、県と流域の町や住民、漁協の関係者らが話し合う協議の再開に向けて、県の県土整備部と農林水産部の幹部が3日、小国川漁協(舟形町)を訪れた。県河川課によると、両者は協議の再開で合意した。

 先月、同漁協の理事会で、高橋光明新組合長が選出されたことを受け、改めて協議の在り方などについて話し合うため県側が訪問した。今後、県が関係する自治体と協議日程などの調整を進める。【前田洋平】

 

山形県、居直りのゼロ回答 (最上小国川ダム)

山形県ゼロ回答

去る2月18日に「最上小国川の清流を守る会」と「水源開発問題全国連絡会」が連名で山形県知事に提出した「抗議と要請」に対する山形県からの回答が、3月19日付けで出されました。回答は知事名ではなく、農林水産部水産課長、県土整備部河川課長 としてありました。役職としての公印が押印されていました。

回答内容は添付のように、ゼロ回答です。
小国川漁協の沼沢組合長を自死に至らしめた責任を微塵にも認めない「居直り」です。

山形県回答は

  1. 沼沢組合長を自死に至らしめた山形県と小国川漁協との折衝の経過の実態調査「拒否」
  2. 最上小国川建設を大前提とした「協議」の継続
  3. 「ダムに依らない治水」の本質的な議論ができる県民討論集会開催「拒否」
  4. ダム事業の26年度の予算の凍結「拒否」

でした。

水源連は、「最上小国川の清流を守る会」のみなさん、「小国川漁業協同組合」のみなさんと共に、2月18日に提出した「抗議と要請」(pdf 20kb)の実現に向けてしっかりと取り組みます。
全国の皆さんからのご支援をよろしくお願い致します。

20140319 山形県回答  pdf 898kb

この問題の水源連HP 参照ページ
山形県知事に「抗議と要請」提出(最上小国川ダム問題)

 

 

山形県知事に「抗議と要請」提出(最上小国川ダム問題)

2月18日、約20名が山形県庁で「抗議と要請」提出・記者会見

去る2月10日、アユで知られる最上小国川を守り抜くことに精魂を傾けてきた沼沢勝善 小国川漁協組合長が自死されました。
「最上小国川の清流を守る会」と「水源開発問題全国連絡会」は、この問題の本質は「ダム無し治水」を訴える
 小国川漁協に対する、その漁業権更新拒否をちらつかせながらの山形県の最上小国川ダム建設への同意強要にあると捉え、2月18日午後に山形県知事への「抗議と要請」を行いました。その事前に記者会見を持ちました。
 記者へ説明する「最上小国川の清流を守る会」の高桑順一氏

「最上小国川の清流を守る会」の共同代表・高桑順一氏は、知事に提出する「抗議と要請」について説明し、山形県の小国川漁協への対応を批判すると共に、「ダム無し治水」の重要性を説明しました。

”山形県による「最上小国川ダム事業への協力」を漁業権更新の条件にするようなやり方は、持続的漁業を目的とした漁業法の精神を否定する違法行為である。

”球磨川・川辺川、肱川、最上小国川など漁協・漁民そして流域住民が川を守ってきた。ダムによる治水は弊害こそあれ、想定洪水にしか効果はない。とりわけ穴あきダムの効果は限定されている。最上小国川のようなアユがたくさん棲息するような状況の中で穴あきダムが弊害をもたらさない等という科学的知見はない。沼沢さん達が言う『ダムなしの治水』を真摯に検討するべきである”と遠藤は説明しました。

記者会見終了後に全員で土整備部河川課に行き、知事宛の「抗議と要請」を河川課長・佐藤義治氏と農林水産部水産課長・五十嵐和昌氏に手渡しました。
知事に届けること・可及的速やかに回答を出すこと、など念を押して要請行動を終えました。

山形県のこのようなやり方を許せば、日本中の川は時の行政の思うがままに扱われて破壊されてしまいます。沼沢組合長の遺志を継ぎ、「ダムなし治水」の実現をこの小国川から目指しましょう。

2014年2月18日抗議と要請  pdf 20kb

参考
小国川漁協が提案する「ダムなし」治水対策案

マスコミ報道

 

漁協なお反対姿勢、山形県と初の協議 最上小国川ダム(2014年01月28日)

2014年1月29日
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1月28日に最上小国川ダム反対の小国川漁協と山形県との初協議が行われました。下記の記事のとおりです。

漁協の沼沢勝善組合長は話し合い後、「説明は受けたが、引き続きダムによらない治水対策を求めたい」と従来の姿勢に変わりないことを強調しました。

漁協なお反対姿勢、山形県と初の協議 最上小国川ダム(河北新報 2014年01月29日) http://www.kahoku.co.jp/news/2014/01/20140129t51004.htm

山形県が最上町に計画する最上小国川ダムをめぐり、県と建設に反対する小国川漁協(山形県舟形町)との初協議が28日、新庄市の県最上総合支庁であった。
漁協の沼沢勝善組合長は話し合い後、「説明は受けたが、引き続きダムによらない治水対策を求めたい」と従来の姿勢に変わりないことを強調した。
協議は非公開で行われた。終了後の記者会見によると、県がダムの概要と治水対策を説明し、漁協などが意見を述べた。
沼沢会長は歩み寄りの余地について「漁場環境悪化への不安が解消されれば、そうなるかもしれない」と意見交換を続ける意向を示した。
県土整備部の岡邦彦部長は「県の義務と責任で建設を進めたいとあらためて説明した。協議を重ね、不安を解消したい」と話した。
協議は、県が昨年末の漁業権更新の条件として提示した。県と漁協のほか、治水対象の最上町赤倉温泉地区の住民ら計20人が出席し、計3回を予定している。
最上小国川ダムは、地元の要望を受けた県が2006年、流水型の「穴あきダム」として建設を決定した。09年の政権交代で見直し対象となったが、11年に事業継続となった。
用地測量や工事用道路の整備を進め、本体工事は漁協の同意を得て14年度に着工したい考え。総事業費は70億円。

小国川漁協 ダム反対姿勢( 読売新聞山形版 2014年1月29日 )http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news/20140128-OYT8T01401.htm

(写真)会合の冒頭であいさつする悪七座長
県が最上町で進める最上小国川ダムの建設計画で、流域の治水対策を巡る県と漁業権を持つ小国川漁協(舟形町)などとの協議の初会合が28日、新庄市の県最上総合支庁で開かれた。
ダム建設への理解を求める県に対し、漁協側は改めて反対の姿勢を示した。漁協が2006年11月にダム建設反対を決議して以降、県と正式な協議を行うのは今回が初めて。
会合には、流域の関係者として、同漁協の沼沢勝善組合長ら幹部のほか、最上小国川流域産地協議会の悪七幸喜会長、高橋重美・最上町長、奥山知雄・舟形町長、同町赤倉地区の住民代表らが参加。県からは岡邦彦・県土整備部長、若松正俊・農林水産部長らが出席した。
会合は非公開で行われたが、座長の悪七会長らの説明によると、県側は、普段は水をためない「穴あきダム」計画を採用するに至った検討の経過や、流域の洪水被害の状況などを説明。
河川改修と遊水地を組み合わせるなどした5つの治水対策は、完成まで63~91年かかり、費用は158億~191億円に上るため、現行のダム計画(工期5年、費用132億円)の方が優れていることを強調した。
また、県は配布した資料の中で、漁協側が昨年の県との水面下の折衝で提示してきた4つの河川改修案に言及。いずれも完成まで76~85年かかり、費用も167億~180億円になるとの試算結果を示した。
これに対して、漁協側は河川環境保護などの面からダム建設に反対を表明。
現行計画について「耐用の限界が到来し、撤去する時期が必ず来る。それでもコストが一番少ないのか」「満水状態の時に洪水が発生すれば、計画流量以上の洪水が発生する可能性がある」など5項目の疑問点を指摘し、代替案の検討を改めて求めた。
地元からは、高橋町長らが「一刻も早くダムを建設し、安全安心を確保してほしい」などと訴えた。
会合後、記者会見した沼沢組合長は「今後も話し合いには参加するが、ダムによらない治水対策を求めていく。私たちは川を守りたいし、漁場環境は悪化させたくないし、自然は壊したくない」と強調した。
ただ、歩み寄りの可能性を問われると、「(県の説明に)納得すればという前提はあるが、組合の総代会に諮る可能性が全くないとは言えない」と述べ、今後の対応に含みを持たせた。

次回会合は来月下旬以降に開催される予定。

漁協「最上小国川ダム建設排除せず」 環境保持など条件(山形新聞 2014年01月29日) http://yamagata-np.jp/news/201401/29/kj_2014012900642.php(写真)最上小国川の治水対策について県、小国川漁協が意見を交わした=新庄市・県最上総合支庁

最上町の赤倉温泉上流に建設予定の最上小国川ダムに関する県と小国川漁協(舟形町)との協議が28日、新庄市の県最上総合支庁で行われた。

漁協側は漁場環境悪化の不安が払拭(ふっしょく)された場合、ダム建設を排除しないとの考えを示した。建設の是非について総代会などの場で組合員の意思確認を再度行うことも視野に県側との協議を継続する。協議は3回程度行われる予定で、次回は2月下旬の開催を見込んでいる。

非公開で行われた協議終了後の記者会見で、同漁協の沼沢勝善組合長は「ダムに頼らない治水対策を進めるべきだという基本姿勢は変わることはない」と強調した。

その上で「清流を維持できるか、漁場としての価値を保てるかなど、ダム建設で生じる不安要素が解決し、(漁協)執行部が納得いく説明があれば、ダム案について組合員に諮ることも考えなくてはならない」と述べ、歩み寄る姿勢も見せた。

協議の中で県側は、2009年の政権交代に伴いダム建設事業が検証対象とされ、有識者の提言や住民説明会で審議を重ねた結果、11年2月に「平常時は水をためない流水型ダム(穴あきダム)案が最良」との対応方針を決定した経緯を説明。

ほかの治水対策と比べて短期間の工事でコストを抑えられる点、環境への影響が少ないことなどを強調した。

岡邦彦県土整備部長は会見で「県の責任と義務で事業を行いたいと説明した。歩み寄りのために、漁協が抱える不安点について分かりやすく丁寧に説明し、理解を得たい」と語った。

06年以来となる協議には県側から岡部長、若松正俊農林水産部長ら、漁協側は沼沢組合長らが出席。関係者として最上町の高橋重美町長、菅俊郎町議会議長、舟形町の奥山知雄町長、信夫正雄町議会議長、赤倉地区の代表が加わり、それぞれの立場で意見を述べた。

終了後、高橋最上町長は「流域住民の安全を確保するため、一刻も早いダム整備を求めた」、奥山舟形町長は「信頼関係を深めて有意義な協議を進めることが大切と考える」と語った。

同漁協は流域のアユへの影響などを懸念し、一貫してダム建設に反対を主張。06年11月には総代会で「穴あきダムによらない治水を進める決議」をして意思を確認した。県は漁協の同意を工事の本格的着手の原則と位置付けている。

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