水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

ホーム > ニュース > 各地ダムの情報

ニュース

各地ダムの情報

西予・野村 濁流おびえ数時間 愛媛県内豪雨災害 あっという間 水が (野村ダムの放流)(広島の野呂川ダム)

2018年7月8日
カテゴリー:

愛媛県肱川では国土交通省の野村ダムが放流量を増やしたあと、下流の流域で浸水する地域が相次ぎ、自宅付近や車で移動していた5人が死亡しました。
このことを詳しく伝える愛媛新聞の記事を掲載します。なお、野村ダムは総貯水容量1,600万㎥、洪水調節容量350万㎥、集水面積168㎢のダムです。

広島県の野呂川ダムでも満水になり、下流域の住民に対し、大至急避難するよう、呼びかける危機的な状況が起きました。
広島県の野呂川ダムについての記事も掲載します。なお、野呂川ダムは総貯水容量170万㎥、洪水調節容量105万㎥、集水面積13㎢のダムです。


西予・野村 濁流おびえ数時間 愛媛県内豪雨災害 あっという間 水が

(愛媛新聞2018年7月8日(日))https://www.ehime-np.co.jp/article/news201807080013

愛媛県西予市では野村ダムが放流量を増やした7日早朝から午前にかけ、下流の宇和川(肱川)流域で浸水する地域が相次ぎ、旧野村町中心部では自宅付近や車で移動していた5人が死亡。十数人が増水の速さに逃げ遅れ2階建ての屋根に上がり、濁流の恐怖におびえながら数時間救助を待った。
野村中学校に避難した女性(56)は、被害の激しかった東岸に住んでおり、午前6時10分ごろ川を確認したときには切迫感は感じなかったという。「ダム放流が始まる」との消防団の呼び掛けがあり、車で避難しようと準備していると一気に水が住宅街に流れ込み、車が流され始めた。
車での避難を諦めて夫(55)と里帰り中の娘(25)と急いで屋根に上がると、水位が2階天井近くに。「どこまで水位が上がるか分からず、生きた心地がしなかった」と振り返り「前日夜まで、こんな大災害になるとは思わなかった。避難指示や放流をもっと早く知らせてほしかった」と話した。
介護施設職員の女性(64)は、商店街付近の親族に声を掛け高台へ避難。「家や車が川に流されて橋脚にぶつかるのを見て、人が中にいなければいいと祈っていた。現実感がなかった」と振り返った。
野村ダムでは記録的降雨でダムが満水になり、7日午前6時20分にダムに入ってくる水量と同量の水を下流に放流する操作を開始。野村地区の男性(75)は「避難が間に合わなかった。もう少し段階を踏んで放流できなかったものか」。さらに下流に住む自営業男性(74)は「午前6時半ごろは水位に余裕があったが、30分後には冠水していた。代々100年以上ここで店をやっており1943年の大水害でも道路は冠水したと聞いていたが、今回は店の中まで漬かった」と驚いていた。
【宇和島・吉田 ごう音 声かき消す】
会話や防災無線もかき消すごう音―。7日明け方から、宇和島市を猛烈な雨が襲った。またたく間に川の水かさは増し、吉田地域を中心に土砂崩れや床上浸水などが発生。住民は体験したことのない甚大な被害に不安な一日を過ごした。
搬送された同市吉田町立間の男性の近所の男性(77)によると、男性は裏のミカン山から落ちてきたモノラックを取り除こうとしていて土砂にのみこまれた。男性の妻の助けを呼ぶ声を聞き、近所の男性らが駆け付けたが、次々と襲い来る水や泥に阻まれ救助は難航した。
近所の男性方も流木でふさがれ「外に出ようにも身動きがとれない。今朝の雨はすごく、あっという間に水が来た。こんなことは初めて」と不安をにじませた。
宇和島消防署や宇和島署は、宇和島海上保安部の巡視船や警察船も利用し救助に向かった。要請に対応が追いつかないとして、市を通じて自衛隊の派遣を要請。負傷者の搬送や行方不明者の捜索は終日続いた。
市中心部と吉田地域を結ぶ国道56号は、冠水や土砂流入で通行止めに。同市吉田町沖村では主婦の女性(67)がぼうぜんとしてた。女性によると、午前8時ごろから冠水。勢いは増し、最大1メートル以上の水が押し寄せた。1階は畳も浮き上がった。女性は「この土地に来て約50年だが、こんなひどい水害は初めて。大事にしてきた家具などが台無しになった」と肩を落とした。
吉田地域は広範囲で断水や停電が発生し、片付けや情報収集もできない状況。地域のスーパーも臨時休業し、女性(66)は、品薄のコンビニでなんとかおにぎり3個を買った。「市職員らも来てくれない。夜が過ごせるか心配」と不安を打ち明けた。
同地域中心部で午前9時ごろに1メートルに達したという水は夕方には引き、泥が残されていた。市立吉田病院(吉田町北小路)は自家発電などでしのいでいる状態といい、病院勤務の男性は「今日明日はなんとかしのげるが月曜以降もこの状態だと苦しい」と苦悶(くもん)の表情を浮かべた。

(写真)宇和川の氾濫で市街地に濁流が流れ込み、建物などを押し流す=7日午前8時50分ごろ、西予市野村町野村(2階建て住宅の屋根に避難した女性が撮影)村(2階建て住宅の屋根に避難した女性が撮影)

(写真)大雨で床上浸水した家屋。畳が浮き上がり家財道具が散乱していた=7日午後4時20分ごろ、宇和島市吉田町沖村

 

増水の川にダムから放流 歴史的大雨は治水能力を超えた
(ウェザーニュース2018/7/8(日) 15:39配信 ) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180708-00004259-weather-soci

ダムが調整できる量を上回る事態に
西日本の広いエリアで記録的な大雨となり、多くの川で氾濫危険水位を超過、一部では氾濫も発生しました。そんな中、川が増水している状況にも関わらず、7日(土)には京都府桂川上流の日吉ダムや広島県野呂川の野呂川ダムでは放流が行われ、下流の水位が上昇しました。

よく知られているダムの役割としては、水源としての貯水がありますが、それ以上に大きな役割としては治水があります。川に流れる水の量を調整し、洪水の発生を防ぐことです。

ダムだけで全ての洪水を防げるわけではない
今回は記録的な大雨で、ダムが調整できる量を上回る事態となりました。野呂川ダムでは7日(土)5時前にただし書き操作開始水位(※)を超えたため放流を開始。下流で浸水被害が発生しました。

想定以上の水位になることで、ダムそのものが決壊することを防ぐための措置で、行う場合は下流住民への周知などを含めた確認実施後と決められています。

ダムだけで全ての洪水を防げるわけではありませんので、こうした事態もありうるということは、知っておくと良さそうです。

(※)ただし書き操作開始水位とは…
洪水調節容量の8割程度に相当する水位であり、洪水調節を行うダムにおいて想定された計画洪水量を超える洪水が発生し、このままではダム水位がサーチャージ水位(洪水時にダムが洪水調節をして貯留する際の最高水位)を越えると予想されるときに行われるダム操作を開始する基準となる水位のことです。

石木ダム 事業認定取り消し訴訟 必要性、公共性どう判断 長崎地裁で9日判決 /長崎

2018年7月8日
カテゴリー:

明日(7月9日)午後3時に長崎地裁で石木ダム事業認定取り消し訴訟の判決言い渡しがあります。その記事を掲載します。
良い判決が出ることを願うばかりです。

石木ダム事業認定取り消し訴訟 9日判決 必要性どう判断 治水、利水で対立
(長崎新聞 2018/7/8(日) 11:14配信) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180708-00000004-nagasaki-l42

長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、反対地権者ら計110人(提訴時)が国に事業認定取り消しを求めた行政訴訟の判決が9日、長崎地裁で言い渡される。ダムは必要か否か-。県、同市と反対地権者の間で平行線をたどってきた論争に、司法はどう判断を示すのか。争点を整理した。
◇    ◇
県と同市は、石木ダム建設の目的を、川棚川の治水と同市の利水だと主張。被告の国は公益性を認め、土地収用法に基づく事業認定を告示した。これに対し、建設予定地に住む13世帯の反対地権者らはいずれの点からもダムを建設する必要性がなく、13世帯の土地を強制収用するほどの公共性も欠くと訴えている。
利水面での争点は、同市が2012年に立てた水需要予測(12年予測)と保有水源の妥当性だ。予測では、24年度の1日当たりの取水量は11万7千立方メートル。保有水源は7万7千立方メートルしかなく、不足分4万立方メートルを石木ダムで補う必要があるとしている。
一方、原告側は「同市が水需要予測を過大に、保有水源を過小に評価している」と批判。原告側によると、人口減などで同市の給水量は右肩下がりで、現在は1日当たり8万立方メートル以下まで減少した。にもかかわらず急増と予測しているのは不合理で、佐世保重工業(SSK)の水需要増大や観光客の増加を見込む同市の説明にも根拠がないと指摘する。
保有水源7万7千立方メートルにも疑問符を付ける。同市は慣行水利権で得られる2万2500立方メートルを、河川法の許可がない「不安定水源」とし保有水源から除外。河川法の成立前から継続利用していた水源からの取水を認める慣行水利権について、原告側は「不安定とは言えず、除外する合理性はない」と主張する。
一方の被告側は、12年予測は合理的で、その手法を適切と認めた国の判断は間違っていないと強調。慣行水利権についても権利内容が不明確で、安定取水ができないため保有水源に含めないのは適当としている。
治水面の争点は、県が策定した川棚川の治水計画の▽計画規模▽基本高水▽治水代替案-の是非だ。県の計画は、100年に1度の大雨で想定される河川への最大流量(毎秒1400立方メートル)にも対応できる治水を目指す。そのために石木ダムによる洪水調節が必要という。この「100年に1度」が計画規模、「毎秒1400立方メートル」が基本高水に当たる。
原告側は、県が計画規模を決める際に用いた評価指標が全国的な基準とかけ離れ、評価指標の一つである氾濫面積の算出に川棚川の拡幅工事が施される前の古い河道データを採用しているとして問題視。基本高水も突出した降雨パターンを基に算出し、過大だと指摘する。仮にそうした事態が発生しても、河道改修をしてさえおけば治水の対応はできる、との見解だ。
これに対し、被告側は計画規模と基本高水はいずれも基準に沿い、適正だと反論。他の治水代替案と比較しても、経済性など総合的にダム建設案が優位と結論づけている。
訴訟について、原告団の一人で、地権者の岩下和雄さん(71)は「結局裁判でも納得できる反論は出ず、ダムが不要だとはっきりした」と話す。一方で、原告弁護団長の馬奈木昭雄弁護士(76)は行政訴訟の性格上、裁判所が「行政の広範な裁量」を理由に原告の主張を退ける可能性を懸念し、「そうなれば、行政は目的のために都合のいい数字を使っていいことになる」と強調する。
事業認定した国土交通省九州地方整備局は「法廷で述べてきた主張が認められることを祈る」としている。

◎石木ダム建設事業
県と佐世保市が東彼川棚町岩屋郷の石木川一帯に計画。総貯水容量548万立方メートル。総事業費285億円。1972年に県が予備調査に着手し、75年に国が事業採択。2013年に国が土地収用法に基づく事業認定を告示した。県は16年5月までに、反対地権者13世帯の宅地を含む未買収地約12万6千平方メートルの明け渡し裁決を県収用委員会に申請。うち約5500平方メートルが裁決された。反対地権者らは事業認定取り消しを求め、15年11月に提訴した。

石木ダム 事業認定取り消し訴訟 必要性、公共性どう判断 長崎地裁で9日判決 /長崎
(毎日新聞長崎版2018年7月7日)https://mainichi.jp/articles/20180707/ddl/k42/040/229000c

県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム事業で、水没予定地内に暮らす反対地権者らが、国を相手取り事業認定の取り消しを求めた訴訟の判決が9日、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)で言い渡される。認定が取り消されれば、ダム事業に影響を与えるのは必至で、裁判所の判断に注目が集まる。【浅野孝仁】
石木ダム事業は、佐世保市の水道水供給(利水)や、川棚川流域の洪水防止(治水)を目的に計画された。県と佐世保市は石木ダム建設の事業用地を取得するため2009年11月、土地収用法に基づき国土交通省九州地方整備局に事業認定を申請。申請は13年9月に認められ、用地の強制収用が可能になった。
県は、関連する道路分を含む事業用地79万3000平方メートルのうち約80%の買収を終えている。また、反対地権者らが所有する田畑や宅地など約12万6000平方メートル分について県収用委員会に収用の裁決を申請。これまでに田畑約5470平方メートルを収用し、残りも収用委の決定を待つ。地権者らは15年11月、収用に待ったをかけようと、事業認定の取り消しを求めて提訴した。
訴訟で原告側は、佐世保市の水需要予測が過大とし、右肩上がりの需要予測を「根拠がない」と指摘。石木ダムがなくても水源は確保されていると主張した。また治水面では、1975年の河川状況に基づいた不適正な計画で、想定される1時間あたりの降雨確率は500~1000年に一度で、現実に発生する可能性が低いとした。その上で、住民の生活を奪って工事することは許されず、公共性、必要性がない事業は土地収用法に違反すると訴える。
これに対し国側は、水需要の予測や治水計画について、いずれも国の基準や手引きに従っているなどと反論。ダム建設以外の手法では事業費が高くなるとして、「ダムを建設することで得られる利益は、建設により失われる権利よりも大きく、行政には広範な裁量権が認められている」と正当性を主張する。
石木ダム予定地では、県道付け替え道路工事が進んでおり、地権者らは連日、工事現場で座り込みなどの抗議活動を続ける。地権者の一人、岩下和雄さん(71)は「必要のないダムのために古里が湖底に沈むことは許さない」と判決に期待する。一方、県河川課の浦瀬俊郎課長は「判決いかんに関わらず、ダムは治水・利水ともに必要だと思っている」としている。
〔長崎版〕

長崎)石木ダム訴訟、9日に判決 利水・治水双方が争点
(朝日新聞長崎版2018年7月8日)

石木ダムの治水利水効果疑問視 佐世保で講演会(6月30日)

2018年7月2日
カテゴリー:

6月30日(土)に石木ダム問題に関する講演会が佐世保市の市民文化ホールで開かれました。
講演会のタイトルは「どうなる!石木ダム訴訟 どうする!石木ダム 子や孫に残すのは豊かな自然? それとも大きな借金?」です。
今本博健先生(京都大学名誉教授)が「川棚川の治水に石木ダムは不要である」の講演、
嶋津が「佐世保市民にとって石木ダムは無用の長物」の講演を行いました。
そして、馬奈木昭雄先生(石木ダム対策弁護団長)が「石木ダム裁判 今後のたたかいの展望」を報告しました。
講演会の様子は長崎新聞の記事のとおりです。
利水面に関する嶋津の講演に使った配布資料とスライドを水源連ホームページに掲載しましたので、ご覧いただければと思います。
https://suigenren.jp/news/2018/07/02/10810/
「石木ダム問題の講演会「佐世保市民にとって石木ダムは無用の長物」の資料とスライド(6月30日)」

石木ダムの治水利水効果疑問視 佐世保で講演会
(長崎新聞2018年7月1

(写真)治水効果なとを検証した石木タムを考える講演会=佐世保市平瀬町、市民文化ホール


県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石本ダム建設問題を考える講演会が30日、佐世保市で開かれ、
識者はダム建設の治水、利水両面の効果を疑問視し、「必夢性はない」と指摘した。
反対地権者が国に事業認定取り消しを求めた行政訴訟の長崎地裁判決(7月9日)を前に、
建設反対の市民らでつくる実行委(松本美智恵委員長)が企画。市民ら約300人(主催者発表)が出席した。
講演会では、河川工学が専門の今本博健・京都大名誉教授がダムの治水効果を検証。
川棚川に対するダムの計画規模は過大とし、「非常に疑問がある」と述べた。
一方、利水効果は、全国のダム反対運動ネットワーク組織、水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之共同代表が解説。
人口減少などで水需要が減っているほか、市内の保有水源を過小評価していると指摘し、「石本ダムは無用の長物だ」と強調した。
石本ダム対策弁護団の馬奈木昭雄団長も登壇し、訴訟の経過などを報告した。 (田下寛明)

石木ダム 考える講演会 専門家や訴訟弁護士ら参加 30日、佐世保市民文化ホール
(毎日新聞長崎版2018年6月21日)https://mainichi.jp/articles/20180621/ddl/k42/040/259000c

県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム事業を考える講演会が30日午後2時、同市民文化ホールで開催される。タイトルは「どうなる!石木ダム訴訟 どうする!石木ダム」で、ダムに詳しい専門家や石木ダム訴訟の弁護士らが参加する。
「石木ダム訴訟を支援する講演会」実行委員会の主催。今本博健・京都大学名誉教授(河川工学・防災工学)と、嶋津暉之(てるゆき)・水源開発問題全国連絡会共同代表がそれぞれ治水、利水の観点から石木ダムを検証し、解説する。
石木ダム事業に反対する地権者ら109人が国を相手取って事業認定取り消しを求めた訴訟の判決が7月9日に迫っており、原告弁護団の馬奈木昭雄団長が裁判経過や争点などを説明する。
実行委の松本美智恵委員長は「石木ダム裁判は地権者だけでなく県民、佐世保市民の問題なので広く関心を持ってもらいたい」と話している。入場無料。問い合わせは松本さん(090・6171・5810)【綿貫洋】)

 

石木ダム問題の講演会「佐世保市民にとって石木ダムは無用の長物」の資料とスライド(6月30日)

2018年7月2日
カテゴリー:

6月30日(土)に石木ダム問題に関する講演会が佐世保市の市民文化ホールで開かれました。
講演会のタイトルは「どうなる!石木ダム訴訟 どうする!石木ダム 子や孫に残すのは豊かな自然? それとも大きな借金?」です。

今本博健先生(京都大学名誉教授)が「川棚川の治水に石木ダムは不要である」の講演、

嶋津が「佐世保市民にとって石木ダムは無用の長物」の講演を行いました。

そして、馬奈木昭雄先生(石木ダム対策弁護団長)が「石木ダム裁判 今後のたたかいの展望」を報告しました。

利水に関する「佐世保市民にとって石木ダムは無用の長物」では、次の6点を柱にして講演しました。

① 人口が減少し続け、水需要が縮小して、水余りが一層進行していく縮小社会時代において石木ダムの新規水源が必要であるはずがない。

② 石木ダムの必要性は、水需要の実績を無視した架空予測と、保有水源の恣意的な過小評価によって捏造されたものである。

③ 当局は渇水が来たらその影響は計り知れないと、市民の不安をあおるような宣伝をしているが、実際には水需要の確実な減少で佐世保市は今や渇水に強い都市に変わっている。

④ 当局は、既設ダムの老朽化対策でダムを長期間、空にしなければならず、その代替水源として石木ダムが必要だと宣伝しているが、実際には貯水したままで老朽化対策が可能であり、この話は石木ダム建設推進のため、市が考え出した苦しまぎれの口実にすぎない。

⑤ 石木ダムおよび関連水道施設の佐世保市負担額は、施設整備で339億円、完成後の維持管理等で294億円、計633億円にもなり、佐世保市の現世帯数で割ると、1世帯あたり負担額は約60万円にもなる。今後は世帯数が小さくなっていくので、1世帯あたりの負担額はもっと大きな値になる。そして、今後、石木ダム等の事業費増額が必至であるから、この負担額はさらに大きなものになる。

⑥ 必要性が欠如した石木ダム事業によって現世代だけではなく、後世の世代にも巨額の費用負担を強いる愚行を続けてはならない。

この講演の配布資料は佐世保市民にとって石木ダムは無用の長物 配付資料  2.05MB

使用したスライドは佐世保市民にとって石木ダムは無用の長物 スライド  7.53MB

をご覧ください。

 

7月9日の事業認定取消訴訟判決を迎えるにあたって 2版

2018年7月2日
カテゴリー:

石木ダム事業認定取消訴訟判決にあたっての行動予定と、お誘い

1.    はじめに

79日午後3時、石木ダム事業認定取消訴訟判決です。
事業認定取消判決を確信します。しかし被告が控訴すれば石木ダムはまだ止まりません。
勝訴でも敗訴でも、長崎県と佐世保市、そして九州地方整備局には石木ダムは不要であることをしっかり説明して、石木ダム中止を決断させる働きかけが必要です。

 110名の原告が 20151130日に長崎地方裁判所に石木ダム事業認定の取消を求める訴訟を起しました。2016425日に第1回の口頭弁論、以来2年近くを経た 2018320日の第13回口頭弁論で裁判長は「これを以って結審とし、判決は79日午後3時」 と言い渡しました。

この石木ダム事業認定取消訴訟の中で、原告団・弁護団・支援者が一体となって、石木ダムの治水・利水目的が「石木ダムありき」のために作り上げたものであり、合理性は全くないことを立証してきました。 これまでの訴訟の進行から、判決「事業認定を取消す」を私たちは確信しています。

判決を迎えるにあたり、当日と翌日の行動、718日の東京行動が企画されています。
「判決如何にかかわらず、石木ダムは不要であるから、石木ダム中止を勝ち取る」が基本です。
下記の行動へ皆様ふるっての参加、よろしくお願いいたします。
そして、石木ダム中止に向けての闘いに心からの連帯を示しあいたいと思います。

2.    79日当日と翌10日の行動

 判決に多くの皆様が関心を持たれていることを示しましょう。
そして、長崎県・佐世保市・九州地方整備局には石木ダム事業は不要であることを認識して、石木ダム中止を判断するよう、直接訴えましょう。

裁判所への一言葉書をお持ちの方で未投函の方、忘れずによろしくお願いいたします。

     9          

  • 13:1514:10 事前決起集会 Ÿ  長崎市立図書館多目的ホール
  • 1450 長崎地方裁判所前 門前に整列
  • 1500 判決  長崎地方裁判所
  • 1600 長崎県県庁へ申入れ
  • 1800 報告集会 Ÿ  松藤プラザ「えきまえ」いきいきひろば3階11号室(長崎市大黒町3-1交通会館ビル3階)

     10

  • 1000 佐世保市へ申入れ
  • 15:00 九州地方整備局へ申入れ

 3.    判決後の東京行動 20187月18

 石木ダム事業認定の総元締めである国土交通省、石木ダム事業費の一部を補助している国土交通省と厚生労働省に対して、石木ダムの必要性は全くないことを説明し、石木ダム事業中止に向けて舵を切り替えるよう訴えます。併せて、報告と連帯を目的に院内集会を持ちます。

     718日 

20180718東京行動案内

 一日の予定

☆ 申入れ行動  場所は、衆院第2議員会館 第1会議室
定員81名、予備椅子を含めると125 名です。
 下記時間配分で、3部署担当者に申入れる。

Ÿ  13             国交省 土地収用管理室
Ÿ  14             国交省 治水課・補助ダム担当
Ÿ  14 時半         厚生労働省水道課・補助事業担当

 16   院内集会 衆院第2議員会館 第1会議室Ÿ  (4 院内集会 をご参照ください。)

☆ 18   懇親会

    国交省 土地収用管理室への申入れ。

事業認定庁が認定根拠としている石木ダム事業の必要性は全く実態のないもので、精査すれば治水・利水両面とも全く必要性がないことを説明し、以下のことを話し合います。

☆ 事業認定に至る手続きの諸問題
 事業認定申請提出が強制収用・行政代執行に直結している事実。

認定庁は事業の必要性について起業者の主張をそのまま認めるだけで、自らの検証がなされていない。そもそも認定庁は第三者機関ではない。

⇒ 公開の下での、地権者・関係者と起業者とによる徹底した話合いがなされていない。
⇒ 土地収用法に基づいて提出された意見、公聴会で出された意見と質問が全く反映されずに、事業認定が告知されている。

 ・ 公共用地分科会での審理が非公開。議事録は重要箇所すべてが黒塗

☆ 行政不服審査法に基づく審査請求への対応。

審査請求提出から6年半経過しても審査結果が提示されていない。

Ÿ  (この法律の趣旨)
第一条 この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、・・・・簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。

Ÿ  実際の運用は、「国民の権利利益の救済」に置かれていない。すべてがすべて、管轄部署のやり方が固執されている。現地調査、現地に赴いての関係者からの聞取りすら行う姿勢を持ち合わせていない。

Ÿ  「起業者と審査請求者たちとの、公開の下での徹底した話合いによる解決」を提案したが、前例がないという理由でかたくなに拒否する。

Ÿ  このようなことをすることなく、4年半経過後も判断が示されていない。

☆ 当方が勝訴の場合は、国交省として控訴放棄の方針を確立するよう要請

☆ 行政不服審査請求に対しては、事業認定取消とするよう要請

☆ 敗訴の場合は、事業には必要性がないことを認めて、行政不服審査請求も絡めて、国交省が事業認定を取消すよう要請

     国交省 治水課・補助ダム担当 及び 厚生労働省水道課・補助事業担当への申入れ

石木ダム事業の必要性は全く実態がないもので、精査すれば、治水・利水両面とも全く必要性がなく、補助事業採択は取消しが相当であることを説明し、以下について話合います。

 補助事業採択・再評価に関わる手続きの諸問題

当該事業の必要性等が検証されているか。
採択要件とその根拠
市民参加と説明責任履行
実現性                    土地収用法適用を前提にしているのか
当該事業の再評価実施要件。

 補助金適正化法との関係

同法(事情変更による決定の取消等)第10条を受ける同法施行令
(事情変更による決定の取消ができる場合)
第5条 法第10条第2項に規定する政令で定める特に必要な場合は、補助事業者等又は間接補助事業者等が補助事業等又は間接補助事業等を遂行するため必要な土地その他の手段を使用することができないこと、補助事業等又は間接補助事業等に要する経費のうち補助金等又は間接補助金等によってまかなわれる部分以外の部分を負担することができないことその他の理由により補助事業等又は間接補助事業等を遂行することができない場合(補助事業者等又は間接補助事業者等の責に帰すべき事情による場合を除く。)とする。
石木ダムは「必要な土地その他の手段を使用することができない」から取消を!

当方が勝訴の場合は、不要な事業であることに加え、予定地の土地確保は不可能であると認識して、補助事業指定を取消すよう要請する。当方敗訴の場合も、土地確保は不合理であるとして補助事業指定の取消を要請する。

4  院内集会(718日 16時~18時)

 石木ダム中止運動の本質を共有し、実現に向けてお互いの連帯を強めましょう。

    会場 衆議院第2議員会館 第1会議室 

    目的

石木ダム中止運動の本質を共有し、実現に向けてお互いの連帯を強める。
国会議員と石木ダム問題の共有をはかる。
 石木ダム事業に関係する、国の行政、関係部署の監視。
 現地視察・現地調査とそれに基づく起業者(長崎県・佐世保市)との意見交換
 石木ダム事業に象徴される公共事業強行推進への対応策

    進行骨子

1. 報告の部

こうばるから皆様へ
当日の要請行動報告
訴訟経過報告                        平山博久弁護団事務局長
馬奈木昭雄弁護団長講演(判決内容とその意義、これからの方針)

一息?

2.  報告を受けて 意見交換・決意表明

原告団・弁護団と国会議員との意見交換
原告団事務局(現地支援者として)から
参加者からの支援・応援

3. 集会宣言

 5.    当日も含めたこの件の連絡先

公共事業改革市民会議事務局  遠藤保男
mizumondai@xvh.biglobe.ne.jp
電話・FAX 045-877-4970
携帯 090-8682-8610                                                      

↑ このページの先頭へ戻る