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:「建設凍結」の設楽ダム 進む移転、悩む住民 争点とする候補者少なく(毎日新聞 2012年12月13日 中部夕刊)

2012年12月13日
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12年末・この国を選ぶ:「建設凍結」の設楽ダム 進む移転、悩む住民 争点とする候補者少なく
(毎日新聞 2012年12月13日 中部夕刊)
http://senkyo.mainichi.jp/news/20121213ddh041010003000c.html
「コンクリートから人へ」のマニフェストを掲げた民主党政権の下、建設計画が事実上凍結された愛知県設楽町の設楽ダムの水没予定地で、集落の住民の移転が進んでいる。
地元自治体などが事業の必要性や緊急性を検証する会議は1年中断し、国は事業をどうするかの結論を出していない。衆院選でもダム問題を訴える候補者は少なく、先行きが見えない中、住民たちは複雑な思いを抱きながら、次々に住み慣れた古里を後にしている。【清藤天】
「出て行くのだから生活再建だけはしっかりやってほしい」。約50戸あった同町八橋地区では、空き家や家屋の取り壊し跡が増えて寂しい光景が広がり、住民の男性(80)は切実な願いを口にする。
町外の集団移転地に今年移り住んだ70代の男性は「移転先は夏は暑いし、地域の習慣も分からない。本当は山の暮らしが良かったが、犠牲になるつもりで町を出た。ダムができなきゃ、追い出され損だ」と嘆いた。
国は10、11年度、住民移転を含む関連予算を20億?30億円台で用意し、対象の124世帯のうち45世帯と移転契約を結んだ。12年度は約100億円に増額し、今年11月末までに新たに43世帯が契約した。
県や中部地方整備局、地元自治体が10年11月に発足させた会議「検証の場」は、できるだけ早く結論を出すとしたが、昨年12月の第4回以降は開かれておらず事実上、中断している。
衆院選では、設楽町やダム下流の市町村がある愛知14、15区の候補者計10人のうち、選挙公報でダムの是非に触れたのは、事業中止を訴える共産新人2人だけだ。
共産以外の候補者たちは「他に大きな争点がある」「公共工事でも、先に必要なものがある」と、ダムを争点としない理由を説明する。ある陣営の幹部は「候補者が理解しきれていないものは語れない」と明かした。
ダム問題が争点とならない現状に、反対運動を続ける「設楽ダムの建設中止を求める会」副代表の伊奈紘(ひろし)さん(67)は「移転で人が減れば町も衰退する。
民主党政権の誕生はダムを止める大きなチャンスだったのだが、次はどうなるか不安だ」と話す。これに対し、建設推進の立場の町幹部は「建設に『ゴー』と言ってくれればいいが、キャスチングボートをどの党が握るか分からない」と、選挙の行方を注視している。
◇設楽ダム
国が愛知県設楽町の豊川上流に1973年に建設を計画した。水道用水や農業用水のほか、洪水調節を目的とする特定多目的ダム。高さ129メートル、貯水容量9800万トン。09年2月に国と県、町が建設同意の協定書に調印した。総事業費は約2070億円。

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