国土交通省は18日、「高規格堤防の効率的な整備に関する検討会」の第1回会合を開催した。「スーパー堤防」とも呼ばれる高規格堤防整備の効率化に向け、事業化に向けた手続きの改善、コスト縮減や工期短縮といった課題改善を図っていく。

高規格堤防とは土でできた緩やかな勾配を持つ堤防。堤防の高さの30倍程度の幅があり、防災機能強化以外に堤防の上を利用した街づくりも可能という利点がある。しかし2010年の民主党政権下での事業仕分けによりいったん廃止が決定。その後に検討会が開かれ、従来計画の約873㎞を、ゼロメートル地帯を中心とした約120㎞に縮小し整備を進めることとなった。

現状の課題として、デベロッパーなど民間事業者が高規格堤防整備に合わせて街づくりを行うメリットがあまり感じられない、民間事業者が共同で事業を実施したいと思っても基本協定締結までに1年かかり、断念するといったケースが挙げられた。このため税制をはじめとしたでのインセンティブ導入や、高規格堤防の予定区域の明示による公募や事業調整の仕組みづくりと打った手続きの改善を検討する。

また工期短縮や費用縮減へ、新技術活用や盛り土と上面整備の一体施工といった対応も示された。国交省では投資効率性の確認手法についても検討をしていく方針。

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