水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

ホーム > ニュース > 石木ダムの情報 > 第六回事業認定取消訴訟開廷  石木ダム

ニュース

第六回事業認定取消訴訟開廷  石木ダム

2017年5月23日
カテゴリー:

裁判長交代、双方が裁判長に説明弁論

2017年5月22日14時から、長崎地方裁判所で6回目の事業認定取消訴訟法廷が開かれました。裁判長が異動で替わったため、原告側はこの訴訟の意義とこれまでの経過で明らかになった争点について説明、被告側はこれまで通りの説明を繰返していました。
原告の炭谷 猛氏が{無駄な石木ダムで何代も継がれてきている生活の地が奪われるのは如何しても理解が行かないので、是非、石木ダム事業認定取消の判決を!」と強く訴えました。弁護団の八木大和弁護士が利水面から、平山博久弁護士が治水面から、「起業者があげ、認定庁が追認している石木ダムの必要性はまったくデタラメ」であることを要領よく説明しました。馬奈木弁護団長は、「前任裁判長は当方からの石木ダム事業認定執行停止仮処分申立について『13世帯が被害を受けるとしても補償金で払われる』として却下、一方で諫早訴訟では『開門すると農業者に生活基盤に影響与える』として開門停止決定をくだすという、余りに行政権力に迎合した矛盾した判決・決定をだしている事実をあげ、本取消訴訟においては行政に追随しない判決を求める」と訴えました。

被告側も意見陳述を行いました。これまでの主張を繰り返すだけで、争点についての説明は希薄でした。何よりも気になったのは、失われる利益の説明で、13世帯皆さんが営々と築いてこられた現地での生活と地域社会、切っても切れはなすことのできない自然環境の取壊しについては一言も触れていないことです。事業認定申請書においても、事業認定理由にもこのことは一切触れられていません。「土地収用法を適用することで、金銭解決ができるから、1世帯の不利益はない」というのが起業者側の一貫した考え方なんです。

次回はこの期日一週間前に被告から出された反論への当方からの反論を提出し、弁論することになります。

この日の裁判所で双方が裁判所に提出した書面等は、下記をご覧ください。

第6回口頭弁論

当日の地裁前集会と終了後の報告集会

地裁前で「今日の裁判の意義は、裁判長が替わったので、裁判長にこの問題について説明し、まったく不要な石木ダムのために13世帯の皆さんの生活・地域社会・自然が破壊されることは許されないことを理解させたい」と弁護団が説明。岩下さんは、「現地こうばるでは長崎県が事前の説明もなく川を壊し始めている。『川をいじるのであれば文書を示せ』と抗議する私たちに県はそれを示すことができず、逆に私たちを排除するために警察官を呼んだが、その警官たちに『今日はもう止めにして、もう少し説明しなさい。」とたしなめられている。長崎県職員はその場は下がるが、警察が帰途につくやすぐに工事を再開している。」と現地の最新情報を報告しました。(下の写真、メガホンを手に報告しているには、岩下さん)

 

裁判終了後には長崎市立図書館隣のメモリアルホールに迎い、田代圭介氏の司会の下で報告集会を持ちました。

平山弁護士は、被告処分庁(九州地方裁判所)の弁論について、
「向こう側の言い分しか言っていない。言いっぱなし。すなわち、

①  設計指針などの 基準通りに行っている、②治水・利水とも事業者の広範な裁量権が許されている、③よって事業認定に違法性はない」というだけで、「治水については過去の水源を挙げたうえで必要性を語っていた。失われる権利で13世帯に触れていない」

と指摘しました。

馬奈木弁護団長は、「前任裁判長が事業認定執行停止仮処分で、『13世帯の皆さんが不利益を被るとしても金銭で補償される』(ので問題なし)、としながら、諫早裁判では、『開門調査は農業者の生活基盤に影響与えるから(確定判決に関わらず)開門調査をしてはならない』と判決している。前任裁判長は、1年半前『国は負けても控訴しない。確定する』と言っていた。国は確定判決に従う気はなかった(=長崎地裁判決で国が敗訴しても良い)。それに裁判所が一枚かんだのが諫早事件の長崎地裁判決である。最高裁、法務省総務局長が関わるようになって諫早と辺野古の状況が変わった。最高裁からの指令(に違いない)。」と現在の政治状況絡みの司法問題を率直に指摘し、「これに対応するには『許せない』を示し続ければよい。」と処方箋を示しました。そして、「憲法守る力は現地の皆さんが戦い抜くこと。勝てるんだという確信。頑張りぬきましょう。」と結びました。

炭谷原告は、「裁判所はなぜ国に沿うのか。(私は)司法しか頼れないと思っている。それなのに補償金で解決できるとは何事か。悔しい。公共事業工事は、周りに理解をもらって始めるはず。長崎県はそれをせずに警察を呼んだあげく「説明が足りない。この場は工事を停止して引き上げるのが良い」と忠告されてその場で合意を示しても、警察が引き上げる途中で工事を再開している。それ以来、隙(場所と時間)を狙って工事に入っている。新土木部長は就任にあたって「公共事業は地域の皆さんに貢献」といったが、やっていることが全く違う。」と長崎県の卑劣なやり方に怒りを込めて報告しました。

佐世保市、長崎市、こうばるの方々は、世論を喚起するために様々な工夫を凝らして情報の共有を図っていることが報告されました。「ダムが街の発展を阻害する。街づくりとダム」の視点で多くの人との話合いを持つようにすることが確認されました。

左から、魚住弁護士、高橋弁護士、板井弁護団副団長、馬奈木弁護団長、炭谷原告、平山弁護士、緒方弁護士、毛利弁護士

 

次回7月31日は今回被告から提出された説明への当方からの反論と、立証準備(証人申請の検討)。被告側は証人申請する予定はない、としています。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

↑ このページの先頭へ戻る