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報道

NHK Eテレ 2019年7月27日(土)午後11時 ETV特集「豪雨に沈んだ 幸せのまちに」の感想

2019年7月28日
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NHK Eテレで 2019年7月27日(土)午後11時00分~ 午前0時00分 にETV特集「豪雨に沈んだ 幸せのまちに」の放映がありました。

事前の案内は下記の通りです。

この番組を観た感想を記します(嶋津暉之)。

岡山県倉敷市真備町の被災住民の苦悩と現状がよくわかりましたが、小田川氾濫の原因の究明については私は不満が残りました。
高梁川の支川である小田川は勾配が緩く、氾濫が起きやすいことから、小田川の合流点を高梁川の下流側に付け替える計画が半世紀前からありましたが、ダム事業(貯水池建設事業)と一体の計画(高梁川総合開発事業)であったため、難航し、2002年に中止が決定しました。その後、小田川合流点の付け替えのみを進める事業の計画が2010年に策定され、ようやく動き出そうとしていた矢先での西日本豪雨でした。そのことはこの番組でも紹介していました。
小田川の付け替えが行われていれば、合流点の水位が4.2mも下がるのですから、昨年の小田川の氾濫は回避できていた可能性が高いと考えられます。

問題がそれだけではありません。昭和40年代の資料を見ると、小田川の付け替えが早期に行われるものとして付け替えを前提として、小田川の計画堤防高を低くする改修計画になりました。このことが大変重要な問題です。
計画堤防高を達成できるように堤防高を嵩上げする築堤工事が行われていくものですが、小田川では達成すべき計画堤防高を低くしてしまったため、築堤工事がきちんと行われない状態になり、そのような状態がずっと続いてきました。
小田川の付け替えを前提とするならば、早期に実現しなければならないにもかかわらず、付け替えを長年あいまいな状態に放置してきたために、小田川の改修もきちんと行われず、その結果として昨年7月、小田川で決壊・溢水が起き、大水害になりました。
その行政責任は強く問われるべきだと私は思います。


ETV特集 2019年7月27日(土)午後11時00分~ 午前0時00分 「豪雨に沈んだ 幸せのまちに」

https://www4.nhk.or.jp/etv21c/

豪雨に襲われた町で…どう生きるのか。去年7月の西日本豪雨で51人の命が奪われた岡山県倉敷市真備町。
1年前、激しい豪雨によって川の堤防が決壊し、町は濁流に飲み込まれた。
多くの家が水に沈み、多くの人たちの日常が奪い去られた…。
なぜこれほどの甚大な被害が起きたのか?
その背景には、時代の渦に巻き込まれた町の成り立ちと、その裏で置き去りにされ続けてきた、ある計画があった…。
【語り】小野文惠

 

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