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石木ダム事業 住民「力で奪うのか」 長崎県は繰り返し公益性主張

2019年11月19日
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11月18日、石木ダム建設に反対する住民ら約40人が長崎県庁を訪れ、石木ダムの計画断念を求める文書を提出しました。その記事を掲載します。

石木ダム事業 住民「力で奪うのか」 長崎県は繰り返し公益性主張
(長崎新聞2019/11/19 10:11) https://this.kiji.is/569330499597861985?c=174761113988793844

(写真)平田副知事(左)に宣言文を手渡す岩下さん=県庁
長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、水没予定の川原(こうばる)地区で暮らす反対住民13世帯の土地の明け渡し期限となった18日、住民らが県庁を訪れ、建設断念を求めた。明け渡しには応じない姿勢をあらためて見せた住民ら。一方の県側は同事業の公益性を繰り返し、主張は平行線をたどった。「行政代執行にならないようにすることが大事」としながらも、行政代執行を選択肢から排除しない考えを示す県。両者の溝は埋まる気配はなく、混迷の度合いを深めている。
午前9時半、マイクロバスで県庁に到着した住民らは一様に硬い表情だった。9月、約5年ぶりに実現した中村法道知事との面会では計画の見直しを求めて頭を下げたが、直後の会見で知事がダム推進をあらためて表明したからだ。後日、「生活再建や地域振興に誠意を持って対応する」として再度の面会を求める書簡が届いた。「こちらの話は聞かず、話を聞けというのか」。住民側はいら立ちを募らせていた。
17日に同町であった反対集会で採択した宣言文を平田研副知事に手渡すと、土地収用法に基づき土地の所有権を失った住民の岩下和雄さん(72)が憤りをあらわに口火を切った。石木ダムの主目的である利水と治水の効果に疑問を呈し、事業継続を承認した県公共事業評価監視委員会についても「ダムを造りたい人たちだけを(メンバーに)入れて再評価した」と切り捨てた。
「(治水面で)緊急性があるなら河川整備を先にやるべきだ」「石木ダムを造らないと治水効果は上がらない」-。約1時間の面会。治水一つとっても住民と県側の主張は、この日も最後まで交わることはなかった。
18日は住民らが県と同市に工事差し止めを求めた訴訟の期日とも重なり、住民らは面会を終えた足で長崎地裁佐世保支部へ。住民の岩永正さん(68)は「県庁と裁判所で厳しい現実を感じた。県は本当に私たちの生活を力で奪い取るのだろうか」と行政代執行に警戒感をにじませた。「付け替え道路工事現場の騒音で目覚める日常に慣れてきているのが怖い。嫌なことが続くが、地元の住民は踏ん張って暮らし続けるしかない」。石丸穂澄さん(37)は自らに言い聞かせるように話した。
午後5時前、住民らを乗せたバスが川原に帰着。それぞれが家路につき、夕食の支度や犬の散歩などの日常に戻っていった。岩本宏之さん(74)は「暮らしに変わりはない。ただ土地の所有権を失い、保険や行政の手続きなどにどの程度影響があるのかは気掛かりだ」とぼやいた。
一方、「石木ダム建設促進佐世保市民の会」の寺山燎二会長(81)は「佐世保市民にとってダムは必要だということを理解してもらいたいが、私たちは静観するしかない」と淡々と語った。

長崎・石木ダム「計画断念を」
(共同通信2019/11/18 10:08)  https://www.nishinippon.co.jp/item/o/560481/

 石木ダムの建設予定地

(写真)長崎県の平田研副知事(左)に石木ダム建設の断念を求める文書を読み上げる住民の岩下和雄さん=18日午前、長崎県庁
長崎県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダムを巡り、水没予定地に住む13世帯の明け渡し期限を迎えた18日、建設に反対する住民ら約40人が県庁を訪れ、計画断念を求める文書を提出し「河川改修など他の方法をやり尽くしてからダムを検討するべきだ」と訴えた。県は19日以降、行政代執行で土地や建物の強制収用ができるようになる。
出張中の中村法道知事の代理で対応した平田研副知事は、治水効果を強調し「行政代執行は選択肢から外さない。ダムで恩恵を受ける川棚町の人たちは大切な県民だ」と述べた。住民側は「そんな態度だから話し合いができない。私たちは県民ではないのか」と反発した。

長崎)あくまで立ち退き拒む 石木ダム明け渡し期限
(朝日新聞長崎版2019年11月19日03時00分 https://digital.asahi.com/articles/ASMCL6DKSMCLTOLB01F.html

石木ダム(長崎県川棚町)の水没予定地が明け渡し期限を迎えた18日、移転を拒む住民らはダム建設断念を求め、県庁を訪れた。この日長崎地裁佐世保支部(佐世保市)であったダム関連工事の差し止め訴訟でも、住民らはあくまで立ち退きを拒む姿勢を示した。
18日午前、水没予定地の川原(こうばる)地区の住民ら約30人は県庁で平田研・副知事に面会。住民の岩下和雄さん(72)が前日、川棚町であった全国集会で採択した宣言文を手渡した。「奪われた土地を取り戻す新たな闘いのスタート」と記した宣言文は、ダム建設断念を求め、反対運動を続けていく姿勢を示したものだ。岩下さんは副知事に「住民は住み続けたいと言っているから、行政は別の方法を探すべきだ」と訴えた。
会場には「災害は追い風」発言をした浦瀬俊郎河川課長も同席した。
岩下さんは「ダムがあっても(近年の)災害は防げない。ダムがあるために洪水が起きている」「ダム建設より緊急性のある河川改修を優先すべきだ」と訴えた。河川改修について「今後に取り組む」と応じる浦瀬課長に対し、岩下さんは「では、なぜいままでやらなかったのか」と迫った。
平田副知事は「治水効果を高めることが大切で、ダムが一番効果が高い」とする見解を繰り返した。(小川直樹)

県、代執行「排除せず」 長崎・石木ダム 反対派なお断念求める
(西日本新聞2019年11月19日 6時0分) https://news.livedoor.com/article/detail/17401144/

長崎県と同県佐世保市が計画する石木ダム事業(同県川棚町)は18日、立ち退きを拒む13世帯の宅地を含む全ての事業予定地が、県収用委員会の定める明け渡し期限となった。反対派はこの日、県に事業断念を要請したが、平田研副知事は住宅などを強制的に撤去する行政代執行について「選択肢として排除しない」との考えを示した。県は19日以降、行政代執行の手続きが可能になる。
県庁での要請には約50人が参加し、反対住民の岩下和雄さん(72)が「行政代執行すれば長崎の恥だ。全国民が見ている。それでもやるつもりか」と主張。17日に同町で反対派約700人が参加して開かれた全国集会で採択した「ダムは治水、利水の両面で全く不要」とする宣言文を提出した。
平田副知事は「治水面でダムが一番効果が高い」などと説明し、反対派からは怒号が飛び交った。出張中の中村法道知事は「期限を迎え、いまだ明け渡しいただけておらず残念。協力に応じていただけるよう働き掛けを続けたい」とのコメントを出した。
住民らが県と佐世保市にダムの工事差し止めなどを求めた訴訟は18日、長崎地裁佐世保支部で結審し、来年3月24日に判決が言い渡される。 (岡部由佳里、平山成美)
◇    ◇
■「みんな家族」「強制的」「仕方なか」 明け渡し期限、移転住民複雑
石木ダム事業が進む長崎県川棚町には、反対する住民がいる一方、さまざまな事情で用地を明け渡し、移転した人たちもいる。故郷に残った住民が土地の明け渡しを突きつけられ、同じ集落に住んでいた元住民は割り切れない思いを吐露した。
ダムが計画される川原(こうばる)地区で総代を務めた80代男性は、かつて「川原の思いを一つにする」と反対運動の先頭にいた。1982年、県が機動隊を投入して用地測量に踏み切った記憶は鮮明だ。「あそこまで強制的にやるとは思わなかった。むちゃくちゃだった」
先祖代々、200年以上受け継いだ土地は結局2003年に手放した。「川原が嫌で移ったわけじゃないが、高齢になって百姓をするのはきつい。いくら反対してもダムはできるとも思った。仕方なか」
川原に残る人たちに別れを告げるのはつらかったが、決断を悪く言う人は一人もいなかった。同じく川原で育った男性の妻は「みんな家族みたい。人間関係が良くなかったら、とっくに県に押し切られていた」と話した。
国の事業採択から44年の石木ダム計画。「長い、長すぎる。移転してから何年たつ? ダムになった自分の故郷は見たくない。かといってダムができなければ、なんで移ったのかという気持ちになる」。男性は複雑な胸中を打ち明けた。
一方、明け渡しに応じずに集落で暮らす川原房枝さん(79)は「それぞれ事情があった人もいる」と移転した元住民を思いやる。石木ダム工事差し止め訴訟原告の一人、岩本宏之さん(74)は「今秋もこの土地で稲刈りをした。生活を変えるつもりはない」ときっぱり語った。 (竹中謙輔、平山成美)

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