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報道

茨城県常総市の水害、国に4千万円賠償命令 河川管理めぐり水戸地裁 喜びと悔しさ交錯

2022年7月23日
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7月22日、茨城県常総市の鬼怒川水害訴訟において国の責任を認める判決が水戸地裁でありました。その記事、ニュースを掲載します。

水害裁判で国に賠償を命じる判決は極めて異例で、画期的であり、弁護士の皆様の頑張りに深く感謝いたします。

一方で、上三坂の堤防決壊については国の瑕疵を認めておらず、このことについては全く合点がいかない判決です。

鬼怒川水害は若宮戸地区の溢水と上三坂地区の堤防決壊によって引き起こされました。

(「鬼怒川水害裁判で明らかになったこと」http://suigenren.jp/wp-content/uploads/2022/05/00a2675c4ac76a03d218c5d7664eab66.pdf )

判決は若宮戸地区の溢水について国の責任を認めたものの、上三坂地区の堤防決壊については認めませんでした。

判決文と判決要旨は鬼怒川水害訴訟のHP  https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000053に掲載されています。

判決文 https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000053

判決要旨 https://www.call4.jp/file/pdf/202207/1c047eda1dc821d5ffc32fe2b978cc0b.pdf

 

賠償額などを不服とする勝訴原告と敗訴原告の計25人が控訴する考えを示しています。

なお、この訴訟を進めていくうえで、費用がかかりますので、パタゴニアから2回助成金をいただきました。パタゴニアに御礼を申し上げます。

 

茨城・常総水害訴訟判決 喜びと悔しさ交錯 居住地、分かれた明暗 画期的勝利も控訴視野

(茨城新聞2022年7月23日(土))https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=16584874652326

賠償請求が認められ、記者会見で喜びを語る若宮戸地区住民の高橋敏明さん(左)=水戸市緑町の県立青少年会館

茨城県の常総水害訴訟で水戸地裁は22日、国の河川管理の問題を指摘し、住民側31人のうち若宮戸地区の9人に対する賠償を命じた。「画期的判決」「国は結果を受け止めよ」。住民側は、国との対決に勝利したことを喜びつつ、上三坂地区の住民の請求は退けられた。常総市の約3分の1が浸水した未曽有の災害から約7年。居住地で分かれた明暗に、住民側は「完全勝利ではない」と大半が控訴の方針を示し、高裁での「第2ラウンド」を見据えた。
「被告は、砂丘を含む区域を河川区域として指定するべきを怠っていた」。午後2時過ぎ、水戸地裁301号法廷。阿部雅彦裁判長が主文を読み上げると、傍聴席から「おっ」と驚きの声が上がった。地裁前では「勝訴」の幕を掲げ、拍手が沸き起こった。
原告共同代表の片倉一美さん(69)は「若宮戸を見れば、国に責任がないなんてことは絶対にありえなかった」と国を非難した。昨年8月に阿部裁判長ら裁判官3人が被災地を直接視察したことを振り返り、「裁判所は被害のひどさを熱心に聞いてくれた。だからこの判決につながった」と、提訴から約4年にわたった戦いの達成感をかみしめた。
只野靖弁護士は「原告が力を合わせてきたから認められた」と、住民の結束を強調。「国は緊張感を持って河川管理に当たってもらいたい」と注文を付けた。
一方で、上三坂の地区住民の請求は棄却された。判決が読み上げられる間、傍聴席からは「ええー」と落胆の声も漏れていた。
若宮戸地区に住む原告共同代表の高橋敏明さん(68)は、「主張した通りの結果が得られた」と喜びを示しつつ、「若宮戸を襲った水は、上三坂と水海道も襲った」と、複雑な表情を浮かべた。請求が認められなかった住民に対しても「救済を」と求めた。
片倉さんも自らの請求は退けられた。「被害を見れば、上三坂も絶対におかしいと思うべき所」と、控訴する方針を示した。
国側は閉廷後、国土交通省関東地方整備局長のコメントをホームページに掲載。「国の主張が認められなかったものと認識している」と記した。控訴については言及しなかった。

■「意義大きい」住民安堵
住民側勝訴の判決を受け、越水が起きた常総市若宮戸地区の住民からは安堵(あんど)の声が漏れた。
「当時のことは鮮明に覚えている。恐怖の一言だった」。同地区の女性は7年前を振り返る。同市が鬼怒川と小貝川に挟まれた地域であることを踏まえ、「国は安全管理をきちんと進めるべきだった。裁判所が認めてくれた意義は大きい。よかった」と安心した様子だった。
一方、堤防が決壊した同市上三坂地区について、判決は改修計画が「格別不合理ではない」と判断した。同地区に住む60代男性は「近年の豪雨は昔とは比べものにならない。(国や自治体の)防災計画は進んでいると思うが、追い付かないのが現状ではないか」と危惧した。
鬼怒川の氾濫などを踏まえた国の治水対策「鬼怒川緊急対策プロジェクト」は昨年5月末に完了した。上三坂地区内では堤防を1・4メートルかさ上げしたのに加え、幅も6メートルに広げた。国土交通省は、関東・東北豪雨で記録した24時間雨量551ミリにも「耐えられる」としている。
■常総・神達市長 地域防災力を強化
常総市の神達岳志市長は、関東・東北豪雨による水害から今年で7年を迎えるのを踏まえ「被害に遭われた市民の方々の思いをしっかりと受け止め、市と地域全体が一体となって地域防災力の強化を図る。今後も防災先進都市にふさわしいまちづくりを進めていきたい」とコメントを出した。
■筑波大の星野豊准教授(法律学)の話 計画、適切に実施せず
本判決で国の責任が認められたのは、自然堤防となる砂丘付近の土地を河川区域に指定しなかったためであり、計画に問題があったというよりもむしろ、計画を適切に実施しなかった点にあると言える。従って、従来の判例の基準を変更するものではなく、管理者である国の裁量をより合理的に行使することを求めている。それらの裁量には本件で問題となった河川区域の指定のほか、地方自治体と協力して住民への警告、避難経路や被災後の安全確保を行うことなども含むと考えられる。
★常総水害
2015年9月、台風18号や前線の影響で関東と東北の広域が豪雨に見舞われた。鬼怒川が増水し、常総市では10日午前6時ごろに若宮戸地区であふれ(溢水=いっすい)、同日午後0時50分には上三坂地区で堤防が決壊した。同市全域の約3分の1に当たる40平方キロが浸水。5千棟以上が全半壊した。避難指示対象は3万1千人。死者2人のほか、13人が関連死と認定されている。重症5人、中等症21人、軽症20人。

 

 茨城・常総水害 国の責任認める「河川管理に不備」 水戸地裁判決、賠償命令 住民9人に3900万円

(茨城新聞2022年7月23日(土))https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=16584874652256

常総水害訴訟の判決を受け「勝訴」と掲げる原告団=22日午後2時57分ごろ、水戸地裁

2015年9月の関東・東北豪雨で鬼怒川の堤防決壊などによる浸水被害が起きたのは国の河川管理の不備が原因だとして、茨城県常総市の住民ら約30人が国に約3億5千万円の損害賠償を求めた訴訟で、水戸地裁は22日、「若宮戸地区で河川区域指定を怠った」として国の責任を認め、同地区の住民9人に計約3900万円の賠償を命じた。水害を巡る裁判で国に賠償を命じる判決は極めて異例。
常総市では当時、鬼怒川沿いの上三坂地区で堤防が決壊し、若宮戸地区など7カ所で水があふれるなどして、市の総面積の約3分の1に当たる約40平方キロが浸水、5千棟以上が全半壊した。判決を受け、原告の上三坂地区の住民ら25人が控訴する方針。
裁判は、国の河川管理や改修計画の進め方の合理性が争点となった。原告側は若宮戸地区で砂丘が自然の堤防になっていたが、国が河川区域に指定しなかったため、太陽光発電事業者による掘削で堤防としての機能が失われたと主張。さらに上三坂地区で決壊した堤防は高さが不十分だったのに、国が改修を急がなかったためと訴えた。一方、国側は計画的かつ段階的に進めたと主張した。
阿部雅彦裁判長は判決理由で、若宮戸地区の砂丘について「堤防の役割を果たしていた。治水上極めて重要」と指摘。砂丘が掘削されれば、災害の発生が具体的に予見できたとして、「国は開発許可が必要な河川区域に指定すべきだったのに怠り、掘削によって危害を及ぼす危険性を生じさせた」とした。その上で、水があふれ、住民に損害が生じたと結論付けた。
一方、上三坂地区については「国は流域の状況を考慮し、できる場所から改修していた」と指摘。治水安全度の評価方法についても一定の合理性を認め、「安全性を欠いていたとはいえない」として、訴えを退けた。
閉廷後、住民側は水戸市内で記者会見し、只野靖弁護士は「ほんの一部かもしれないが、人災と認められたことは裁判所の優れた判断。若宮戸について真正面から(国の管理が)駄目だと言ってくれたことは意義がある」と話した。
国土交通省関東地方整備局は「判決内容を慎重に検討し、適切に対処する」とのコメントを出した。
住民側は18年8月、水戸地裁下妻支部に提訴。19年2月、受理した事件の担当裁判所を移す「回付」があり、同地裁本庁で弁論が開かれていた。
■常総水害訴訟を巡る経過
・2015年9月 関東・東北豪雨で鬼怒川堤防が決壊するなど、常総市を中心に大規模な浸水被害
・ 18年8月 国の河川管理に不備があったとして被災住民らが損害賠償を求め水戸地裁下妻支部に提訴
・ 19年2月 水戸地裁下妻支部が訴訟を水戸地裁本庁に回付
・ 21年8月 裁判官3人が決壊現場周辺を視察
・ 22年2月 訴訟が結審
・ 7月22日 水戸地裁判決、請求を一部認める

  

鬼怒川水害、国に賠償命令 河川管理不備と水戸地裁

(日本経済新聞2022年7月22日 22:04) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF225BW0S2A720C2000000/

判決後、水戸地裁前で「勝訴」と書かれた紙を掲げる原告ら(22日、水戸市)=共同

2015年9月の関東・東北豪雨で、鬼怒川の氾濫などによる浸水被害が起きたのは河川管理の不備が原因だとして、茨城県常総市の被災住民ら約30人が国に約3億5千万円の賠償を求めた訴訟の判決で、水戸地裁は22日、「一部で河川区域指定を怠った」として国の責任を認め、このうち9人への計約3900万円の賠償を命じた。

水害を巡る訴訟で国に賠償を命じる判決は異例。常総市では当時、鬼怒川沿いの上三坂地区で堤防が決壊、若宮戸地区など7カ所で水があふれた。原告の一部は控訴する方針。

原告側はこのうち若宮戸地区で、砂丘が自然の堤防になっていたのに、河川区域に国が指定しなかったため、太陽光発電事業者による掘削で堤防としての機能が失われたと主張。さらに上三坂地区で決壊した堤防は、高さが不十分だったのに国が改修を急がなかったと訴えていた。

阿部雅彦裁判長は判決理由で、若宮戸地区の砂丘が「上流と下流の堤防と接しており、堤防の役割を果たしていた。治水上極めて重要」と指摘した。

砂丘が掘削されれば災害が発生することが具体的に予見できたとして「砂丘を維持するため、開発に管理者の許可が必要な河川区域に指定する義務があったのに国が怠り、掘削によって危険な状態になった」と述べた。その上で、水があふれたことで損害が生じたと結論付けた。

一方、上三坂地区については「国は流域の状況を考慮し、できる場所から改修を進めていた」と指摘。国が用いた治水安全度の評価方法も一定の合理性があるとし「上三坂地区の堤防も国の改修計画に含まれており、改修がされていないからといって安全性を欠いていたとは言えない」として訴えを退けた。〔共同〕

 

「歴史的判決」目を赤くした住民 鬼怒川氾濫、国の管理不備認定

(毎日新聞 2022/7/22 21:34)   https://mainichi.jp/articles/20220722/k00/00m/040/353000c

国の河川管理の瑕疵を認めた判決に喜ぶ原告団=水戸市大町1の水戸地裁前で2022年7月22日午後2時55分、森永亨撮影

2015年9月の関東・東北豪雨で浸水被害を受けた茨城県常総市の住民ら31人と1法人が、鬼怒川が氾濫したのは国の河川管理に不備があったためだとして、国に総額約3億5870万円の損害賠償を求めた訴訟で、水戸地裁は22日、国の責任を一部認め、9人に計約3927万円を支払うよう命じた。

「歴史的な判決だ」――。2015年9月の関東・東北豪雨での鬼怒川氾濫を巡り、茨城県常総市の住民らが国に損害賠償を求めた訴訟。河川管理の不備を認めた22日の水戸地裁判決に、地裁前では原告や支持者らの拍手が鳴り響いた。

「確信していた国の責任が認められた」。集まった報道陣などの前に掲げられた「勝訴」と書いた紙の脇で、原告で同市若宮戸地区に住む園芸農家、高橋敏明さん(68)は目を赤くしていた。

水害で自宅は床上浸水し半壊した。家財道具は使い物にならなくなり、怒りを支えに提訴から4年間、訴訟を戦い続けてきた。21年夏には、訴訟を担当する阿部雅彦裁判長らが被災地を視察。22日は、判決言い渡しに耳を傾けながら当時を思い出し、判決後に「『現地を見て分かってくれたんだ』と、胸がいっぱいになった」と振り返った。

水害訴訟は、大阪府大東市の浸水被害を巡る「大東水害訴訟」の最高裁判決(1984年)を契機に大きな曲がり角を迎えた。同判決では行政の責任を限定的に解釈し、これが行政の瑕疵(かし)の基準となり、被災した住民側に不利な司法判断が続く流れとなっていた。

そうした中で出された今回の判決は、国の河川管理の不備を明確に認めた。弁護団の只野靖弁護士は「他の水害においても、それぞれの河川管理のまずさを指摘できる可能性がある。この判決は全国(の水害被災者)に勇気を与える」と述べた。

25人が控訴の意向

しかし敗訴部分もあり、主張を一部認められた原告も含め、既に25人が控訴の意向を示しているという。

「苦しみながら亡くなった女房のことを考えると、これで終わりにはできない」。主張が認められなかった常総市水海道地区の赤羽武義さん(82)も控訴する意向だ。水害から5カ月後に死亡した妻芳子さん(当時75歳)が災害関連死に認定された。「妻が水害で亡くなったことに対する国の責任を認めてほしい。このままでは女房に申し訳ない」と、訴訟続行に向けた決意を口にした。【宮崎隆、森永亨、宮田哲、長屋美乃里】

 

鬼怒川豪雨水害 国に賠償命令 河川管理で住民訴え 水戸地裁

(NHK茨城 2022年07月22日 17時32分)https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20220722/1070017827.html

(4分近くの映像)

7年前の2015年、「関東・東北豪雨」で鬼怒川が氾濫し大規模な浸水被害が出た茨城県常総市の住民などが国を訴えた裁判で、水戸地方裁判所は、国の河川管理に問題があったと認め、原告の一部に賠償するよう命じる判決を言い渡しました。
水害に関する裁判で国の河川管理の責任が認められるのは異例です。

2015年9月の「関東・東北豪雨」では、茨城県常総市で鬼怒川の堤防が決壊するなどして、茨城県内で3人が死亡し、13人が災害関連死に認定されたほか、住宅およそ1万棟が水につかりました。
住宅が浸水する被害を受けた常総市の住民など31人は、決壊や越水した2か所について「国の河川管理が不適切だった」などとして、国に対して3億5800万円余りの賠償を求めていました。
これに対し、国は「上流と下流のバランスを総合的に考えながら計画的、段階的に整備を進めていた。河川管理に問題があったとは言えない」などとして、訴えを退けるよう求めていました。
22日の判決で、水戸地方裁判所の阿部雅彦裁判長は、2か所のうち越水した若宮戸地区について国の河川管理に問題があったと認め、原告のうち9人にあわせて3900万円余りを賠償するよう命じました。
若宮戸地区では川沿いの砂丘が業者の開発にともなって掘削されていましたが、判決では、砂丘が堤防の役割を果たしていたと認めたうえで「国は安全上重要な砂丘が掘削されないよう河川区域に指定する義務があったがそれを怠った」と指摘しました。
一方で、決壊した堤防の整備計画が適切だったかが争われた上三坂地区については「国の計画が格別不合理だったとまではいえない」として訴えを退けました。
水害に関する裁判で国の河川管理の責任が認められるのは異例です。

関東・東北豪雨では2015年9月10日、発達した積乱雲が帯状に連なる「線状降水帯」が関東や東北にかかり、上流で記録的な豪雨となった鬼怒川が氾濫。
茨城県常総市では堤防が決壊するなどして被害が出ました。
逃げ遅れて救助された人は4000人を超え、茨城県内で3人が死亡、13人が災害関連死に認定されています。
被害が集中した常総市はおよそ3分の1が水没。
住宅地で1週間以上浸水が続くなど、生活への影響も大きなものとなりました。
被害から3年後、被災した住民たちは「鬼怒川の堤防が低く被害が出るおそれがあると知りながら、国は適切な対策をとらなかった」などとして3億円余りの損害賠償を求める訴えを起こしました。
国は、原告の主張はいずれも認められないとして全面的に争います。
新型コロナの感染拡大を受け、公開の弁論が開かれない時期もありましたが、去年8月には裁判官と原告側、それに被告の国側の3者で氾濫現場の視察が行われました。
裁判はことし2月に結審。
原告側が「国の堤防整備は、安全性が不足している場所を優先しないなど、進め方が不合理だった」と訴えたのに対し、国は「上流と下流のバランスを総合的に考えながら計画的、段階的に堤防の整備を進めていた」などと反論し、国の整備計画の合理性が争われました。

今回の訴訟で主な争点となったのは、茨城県常総市の主に2つの地区について、鬼怒川の堤防の整備計画などが適切だったかどうかです。
<上三坂地区>
決壊が起きた上三坂地区について原告側は、国が地盤沈下で堤防の高さが低くなっていたのを知りながら、堤防の整備をほかの地域よりも優先するなどの対策をとらなかったのは不合理だと主張していました。
これに対し国は、用地の調査など堤防の整備に向けて調査を進めていたほか、上流と下流のバランスを総合的に考えながら計画的、段階的に整備を進めていたと反論していました。
<若宮戸地区>
越水が起きた若宮戸地区については、この地区で行われた砂丘林の掘削作業について、国の責任などが争われました。
原告側は、業者が太陽光パネルを設置するために堤防の代わりになっていた砂丘林が削られたと主張。
そのうえで、国が砂丘林を河川区域に指定し業者による掘削などを自由にできない区間にするべきだったと訴えました。
これに対し、国は、砂丘林を河川区域に指定していないからといって整備計画が不合理であるとはいえず、堤防を造る計画を立てたうえで作業を進めていたなどと反論していました。

原告側が判決後に開いた会見で、弁護団の只野靖弁護士は「当初から人災と言われていたが一部でも認められたことは、裁判所によるすぐれた判断だと受け止めている。原告が力を合わせてきたから認められたと考えている」と話しました。
原告団の共同代表を務める片倉一美さんは「毎年のように水害が発生する時代にあって画期的な判決が出た。国土交通省は判決を真摯に受け止めて、河川管理においては、水害の危険性があるところから改修を進めてもらいたい」と話しました。
判決を受けて、原告のうち、これまでに、多くが控訴する意向を示しているということで、只野弁護士は「国に緊張感をもって河川管理にあたってもらいたいというのが原告の思いだ。控訴して国の責任を問い続けたい」と話しました。
原告の1人で、妻の芳子さんが「災害関連死」で死亡した赤羽武義さんは(82)は、訴えが認められず、「わたしにとってはとても残念な判決です。裁判所や国には妻の死の重みを受け止めてほしかったです」と話していました。

関東地方整備局の廣瀬昌由局長は「判決についてまだ詳細な内容を確認できていないが、国の主張が認められなかったものと認識している。今後、判決内容を慎重に検討し関係機関と協議のうえ、適切に対処したい」とコメントしています。
決壊現場に近く浸水の被害があった、茨城県常総市の石下地区に住む66歳の男性は「国の河川管理に問題があったと認める判決が出たことはよかったと思う。これを契機に、今後、水害対策が加速していってほしい」と話していました。
また、美容院を営む71歳の女性は「一部ではあるが、住民の訴えが認められたという結果にはほっとした。国には二度と同じような水害が起きないようにしてほしい」と話していました。

 

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