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大井川とリニア どうなる「水の恵み」、流域の歴史・歩み・思い

2019年9月1日
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リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事に伴う大井川流量減少問題について、静岡新聞9月1日の記事を掲載します。
大井川は発電用水の大量取水で農家や漁協が長年悩まされ続けてきた川です。この記事はその過去の経過も振り返った力作です。
今から30年以上前のことですが、当時活動していた「河川・湖沼を守る全国会議」の一員として現地に行ったことがあります(嶋津)。
塩郷ダム(塩郷堰堤)の下流は河原砂漠になっていました。大井川は土砂の供給量が非常に大きい川で、中流部は砂礫の河川敷が大きく広がっていて、わずかな流量は砂礫の河床面より下を流れていました。
その後、地元住民らの「水返せ運動」により、1989年、一定量の水を戻すことを中部電力に認めさせました。それから30年経ち、水利権の更新時期になり、国と中電の協議が行われています。


大井川とリニア どうなる「水の恵み」、流域の歴史・歩み・思い

(静岡新聞2019/9/1 11:30)https://www.at-s.com/news/article/topics/shizuoka/674793.html

(写真)大井川最上流部に位置する田代ダム(手前)。数キロ先にリニアのトンネルが計画されている=8月中旬、静岡市葵区(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
(地図)大井川流域 主なダム、用水

大井川の水は守れるのか―。JR東海が建設するリニア中央新幹線の南アルプストンネル工事で、トンネル内に湧き出る水の扱いを巡って同社と静岡県の対立が続いている。県の求めに応じ湧水全量を大井川に戻すとした同社だったが、ここに来てトンネルを掘り進む一定期間、全量は戻せないと表明。流域住民に困惑が広がった。流域は昔から水不足に苦しみ、国策として進められた水力発電所の開発にも翻弄(ほんろう)されてきた。その歴史を振り返り「水の恵み」について考えた。

 ■生活、産業にフル活用 少量減でも募る懸念
8月25日、静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」で大井川を上流から下流へとたどった。見えてきたのは、限られた水を生活や産業にフル活用する流域の営みだ。全長168キロの大井川は本県最北端の間ノ岳(3190メートル)を起点とする。トンネルはその10キロほど下流で源流部の地下を貫通する。手つかずの自然が残る山肌を流れる何本もの青白い沢筋。上空から見ても水量は豊かで、多様な生態系を支えている様子がうかがえる。
全国有数の急流河川は高低差を利用した「水力発電に最適」(電力関係者)で、明治時代から開発が進んだ。トンネル計画区間のすぐ下流にある田代ダムは1928年に運転が始まった、大井川に現存する最も古いダムだ。たまった水の一部は発電用に導水路を通じて富士川に流れ出る。
さらに南下すると畑薙第一、第二、井川ダムが見えてきた。昭和30年代に完成し、電力を供給して戦後の高度経済成長を支えた。ただ、堆積する土砂が増え、渇水時に水量を調整するダムの能力低下が懸念される。井川ダムより下流は発電の効率化で導水管により水を送るため、河原を流れる水の量が少なくなる。流域のダム14カ所と水力発電所20カ所は、経済成長へと突っ走った「国策」の歴史を象徴している。
ヘリは下流域に到達した。左岸は水がしみ込みやすい「ザル田」と呼ばれる土壌の地域。牧之原台地が広がる右岸は水不足に悩まされ続け、江戸時代などに造られたため池が400カ所以上もある。発電に使われた水は中部電力川口発電所(島田市)の取水口を起点に志太榛原や小笠地域の家庭、田畑、工場で再び利用される。
(写真)河原で砂利の堆積状況など大井川の変化を説明する「大井川を再生する会」のメンバー=8月上旬、川根本町
(写真)日本道路公団が茶園への引水のため設けたポンプ施設。実際に茶園に水を届けることなく老朽化した=8月下旬、掛川市倉真

別の日、掛川市のトマト農家笠原弘孝さん(46)を取材した。大井川の流量減少問題について聞くと「水が数日間供給されないだけでトマトは駄目になる。水源の水が減るのは大きな不安だ」と語った。用水は工業にも活用され、スズキ相良工場(牧之原市)をはじめ、自動車部品や化学製品などの工場に安価な水を届ける。東遠工業用水道企業団の大石良治事務局長は「大井川のおかげで水源の乏しい地域に企業を誘致できるようになった。恵みの水だ」と強調した。

 ■渇水頻発 節水が長期化 気候変動で調整難しく
大井川は近年、渇水が頻発し、水利用者に求められる節水が長期化する傾向がみられる。直近では昨年12月から今年5月にかけ147日間に及んだ。複数の利水関係者は「気候変動で降水量に偏りが出ていて、水量の調整が難しくなっている」と背景を指摘する。
1994年は節水率が50%に達し、牧之原台地の茶が枯れ、もえぎ色の茶葉が赤く染まった。利水関係者は、リニアのトンネル工事で流量が減り、降水量減少など条件が重なれば同じ事態が起こりかねないと気をもむ。
工場は年間を通じて水を使うため、節水は企業の生産活動をも左右しかねない。渇水が深刻化すれば志太榛原、小笠地域の62万人の上水道にも影響が及ぶ。

 ■「水返せ」の思い今も 「本来の機能失った」
「昔は毎日のように川で泳いでいた。当時に比べて数メートルは河床が上がっている」
奥大井観光の拠点としてにぎわう川根本町の大井川鉄道千頭駅付近。蛇行する大井川の流れと対岸に堆積した砂利を眺めながら、大井川を再生する会の殿岡邦吉さん(70)がつぶやいた。少年時代に岩から飛び込んだという淵は消え、支流から流れ込む土砂の堆積も進む。「今の大井川は本来の川の機能を失ってしまった」
明治時代から水力発電所が次々と建設され、表流水がやせ細っていった大井川。上流からの水は導水管に消え、発電を繰り返しながら最下流部の中部電力川口発電所(島田市)へと届けられる。塩郷堰(えん)堤が完成すると下流部は「河原砂漠」と化し、一方の上流部は土砂の堆積や水害が問題化。旧川根3町(本川根、中川根、川根)では1980年代後半、官民による「水返せ運動」が熱を帯び、デモ行進や河川敷での決起集会につながった。再生する会の会員の多くは、運動を後押しした青年組織「モアラブ川根」の元メンバーだ。

運動は国も動かし、発電ダムの水利権更新に合わせた河川維持流量の確保が求められるように。中電との厳しい交渉の末、水利権の更新年だった89年、塩郷堰堤から毎秒3トン(冬場以外は同5トン)の放流が決定。運動の舞台は源流部に位置する田代ダムに移り、2006年の水利権更新に合わせて山梨県側の富士川水系に流れ出ていた水の一部を取り戻した。
全国にも影響を与えた運動から30年が経過したが、再生する会は「大井川の環境は決して良くなっていない」と危機感を抱く。19年の水利権更新を前に活動を再開し、当面は、水の濁りと土砂堆積▽塩郷ダムの利用▽魚道の改善-などをテーマに研究を続ける方針だ。
久野孝史会長(69)は電源開発という「国策」に翻弄(ほんろう)されたかつての水問題と、リニア中央新幹線工事に伴う流量減少問題を重ねつつ、「水問題は今始まったことではない。下流域での利用状況を含め、改めて大井川の環境を考えるべき」と強調する。
流量に加えて水質の変化を懸念するのは新大井川漁協の鈴木捷博組合長(76)だ。「ダム建設当時は皆、水がなくなることや濁水への危機感がなかったはず」と自戒を込める。「(リニア工事に)慎重に対応してほしいと思うのが当然。アユやウナギの遡上(そじょう)も見られなくなった川を、少しでも昔の姿に戻してあげたい」と願う。

■土砂堆積、流下能力低下
急峻(きゅうしゅん)な地形や多雨により土砂の供給が活発な大井川では、ダムの堆砂が進行し、利水能力の低下や河床の上昇などへの対応が課題となっている。
国土交通省中部地方整備局と流域自治体、電力会社などでつくる協議会が策定中の「大井川流砂系総合土砂管理計画」の素案によると、流砂系内のダム15基(塩郷堰堤を含む)のうち3カ所は満砂に近く、そのほかのダムでも、半数で堆砂率が50%超。長尾川合流点付近(川根本町)から上流約20キロ区間では、河床高が計画河床高と比較して1~2メートル程度高く(2015年時点)、「流下能力が著しく低い区間」とされた。
同区間を含む県管理区間では民間による砂利採取を進めるが、09年以降は骨材需要減などで進まず、目標値を下回る。上流部は特に進んでいないのが現状だ。

 ■大井川の「水返せ運動」の歴史
1960年 塩郷堰堤が完成、川口発電所への送水開始。下流で水枯れ、上流では堆砂などが問題となる
85年 川根3町による陳情や要望が活発化
88年 塩郷堰堤からの放流を求め、河川敷での住民集会やデモ行進を実施
89年 水利権更新、通年放流量毎秒3トンを義務付け(県、中電の覚書で冬場以外は同5トンを放流)
97年 河川法改正。河川環境の整備・保護の観点が加わる
2000年 大井川流域8町(当時)の首長らが「大井川の清流を守る研究協議会」を結成
03年 国や県、流域市町と電力会社による「大井川水利流量調整協議会」が設立
05年 田代ダムからの河川維持流量を毎秒0.43~1.49トンとすることで合意

■新東名で水枯れの教訓 茶業者「補償ルールを」
リニア中央新幹線建設に伴う大井川の流量減少問題では、流域の水資源に影響が出た場合の補償の在り方も焦点になっている。20年前、その教訓になりそうな事態が掛川市で起きていた。
新東名高速道建設中の1999年、掛川市の粟ケ岳トンネル工事中に出水が発生した。間もなく周辺の倉真地区で農業用水を採る沢が枯れ、東山地区では地下水を源とする簡易水道が断水した。
「切れたことのない沢が突然、2キロくらいの範囲で干上がった。驚いたし困ったよ」
粟ケ岳北麓で沢の水を使って茶園を営んでいた60代の男性は、当時のショックを振り返る。
着工前、日本道路公団(現中日本高速道路)の説明会が開かれたが「水枯れの可能性の話はなかった」と男性。断水後、地区の要望を受けた公団は、トンネル内の止水工事に加えて別の川から茶園へ約2キロの引水管路と中継ポンプを設ける補償的措置で応じた。
ただ、完成した管路は水が出ず、男性は不具合を訴えたが結局1度も使えなかったという。止水の効果も限定的で、男性は水を確保する負担と茶価安から生産を断念。金銭補償を求めて5年ほどたった昨年、中日本高速道路とようやく補償が成立した。
男性は「条件が提示され、交渉の余地はなかった。事前に補償のルールを決めていれば対応が違っていたはずだ」と悔やむ。
倉真地区では観光名所「松葉の滝」も一時水が絶えた。止水などで水量は3割ほど戻ったが、市や地区区長会は当初から完全回復を求めて要望を続けている。中日本高速道路は「経済的損害がないため対策はできない」との立場で、協議は長年、平行線のままだ。
地区役員の横地静雄さんは「滝はハイキングコースの目玉。何とか水量を戻したい。このまま協議打ち切りでは困る」と語気を強める。リニア中央新幹線の工事に対しても「補償の決めごとなしに工事をすべきでない」と粟ケ岳の苦い教訓が生かされるよう願う。
大井川水系の利水自治体は10市町。地中の水脈は複雑、広域に入り組んでいる。特に扇状地が広がる左岸は多くの工場や家庭が伏流水に依存しているだけに、南アルプストンネル工事に伴う水脈の変化がどのような影響を及ぼすか、影響と工事との因果関係は立証できるのか、有識者の間に懸念の声が目立つ。
松井三郎掛川市長は「水量、水質に影響が出た場合の補償の確約がなければ工事は認められない」と、地元の立場を強く訴えた。

■「丹那」も対応に苦慮
トンネル工事を巡る補償問題は全国各地で発生し、被害を受けた住民が対応に苦慮した事例は多い。県内では約100年前の東海道線丹那トンネル工事に伴う水枯れが有名だ。
函南町誌や鉄道省(現在の国土交通省やJR)の資料によると、トンネル真上の丹那盆地(函南町)はワサビを栽培できるほど水が豊富だったが、工事の進行とともに地下水脈が変化し、盆地内に水枯れが広がった。
飲料水に支障が生じるほどで、住民は鉄道省にたびたび救済を訴えたが、同省は当初、関東大震災の地下変動や降雨量減少のせいだとして本格調査に応じなかった。約10年で多額の補償を得たが、配分を巡って集落間で対立し、住民の襲撃事件にも発展した。同町の資料には「覆水盆に返らず」と記されている。

水のない川、干上がった田 山梨で起こった“異変” リニア工事で“水枯れ”は起こるか?

2019年9月1日
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リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事に伴う大井川流量減少問題についてテレビ静岡のニュース解説を掲載します。問題がよくわかる解説です。

水のない川、干上がった田 山梨で起こった“異変” リニア工事で“水枯れ”は起こるか?
(テレビ静岡 2019/8/31(土) 10:00配信) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190831-00010000-sut-l22&p=1

(写真)南アルプスを流れる大井川

生き物や産業を支える命の川「大井川」

アマゴやアユなどそこに暮らす生き物を知ったり、流域の林業について学んだり、子供たちが様々な視点で理解を深めているのは大井川。

県が主催して開かれた大井川「川まつり」です。

県が大切さを知ってもらおうと、力を入れる大井川の水源は南アルプス。

そしてその真下に計画されるのは、JR東海によるリニア中央新幹線のトンネル工事です。

(写真)6月 工事現場を視察した知事

“ゴーサイン”出さない川勝知事

工事により、減ると試算される川の水の量は最大で毎秒2トン。県の求めに応じる形でJRは、トンネル内に湧き出る水すべてを川に戻すと約束しました。

しかし…
静岡県・川勝知事
「(Qトンネルの本体工事にゴーサイン出せる?)ゴーサインを出せる状況ではない」

県が求めているのは、「どう戻すのか?」や「水が枯れた場合にどうするのか?」などの具体策です。

県の求めに対して、最近になってJRも具体的な対策を示すなど進展も見られますが…

川勝知事
「『湧水を全部戻す』ということでしたから、ここをクリアしなければトンネルは掘れない」

まだまだ、妥協点を見つけるには時間がかかりそうです。
カラカラに乾いた用水路 山梨県御坂町

県が譲らない理由のひとつには、工事が始まっている他の県で起きた「水枯れ」があります。

山梨県笛吹市御坂町。ここはリニアの試験運転をする、山梨実験線の西の端に位置する場所です。周辺の山々を、リニアのトンネルが貫きます。

笛吹市の市議会議員を務める野沢今朝幸さんに、ある場所に案内してもらいました。

笛吹市・野沢今朝幸市議
「ここを水が絶えることなく流れていた。まったく今は流れなくなった」

(写真)カラカラに乾いた農業用の水路。

2008年、約1キロ離れた場所でリニアのトンネル工事が始まると、すぐに水が枯れたといいます。水路のすぐ上にある田んぼだったという場所に、その面影はありません。
工事後に枯れた川 途中からはJRが汲み上げた水が流れる

枯れた川にJRがパイプで水を戻していた

また、近くの川では…
池谷庸介記者
「こちらはリニアの沿線近くの川になります。ご覧のように水が流れていますが、見てみるとパイプから水が流れているのが分かります。そしてこの川の上流部分に目を向けると、何も水が流れていないことが分かります」
水が枯れた川。前日に夕立が降ったものの水は流れていません。
パイプの水はJRが補償として近くの地中から取水し、川に戻している水です。
工事が始まった当時、市には水枯れの通報が相次ぎました。
野沢市議
「これだけ広く影響があるなんて、とても考えられなかった」

(写真)モモ農家の藤巻進さん

トンネルから水が湧き出ると 飲料水は枯れた

御坂町で桃を栽培する藤巻進さんです。

藤巻さんの畑の周辺では、農業用の水に影響はなかったものの生活用の簡易水道が出なくなり、JRが補償して新たに水道を引きました。

モモ農家・藤巻進さん
「飲料水ですね。枯れたというのは一番大きい。JRが掘っていたらトンネルから水が湧き出た。それと同時に、簡易水道のタンクに水が入らなくなって枯れてしまった」

(写真)リニアのトンネルから排出される大量の水

水はどこに消えたのか…

リニアのトンネルに向かうと、排水溝から大量の水が流れ出ていました。

市議会議員の野沢さんは、山から消えた水がここに集まっていると話します。

野沢市議
「色々なところが枯れてしまって、ここ(トンネルの排水溝)に入ってくる。今まで溜まってた地下水、地層に溜まっていた水も流れてくるし、上に降った雨も染み込んでいると思う」

(写真)大井川 静岡県

他の地域でも同じ事は起こるのか?

一方で市によりますと、川の水が集まる中下流域にある笛吹川について、影響を指摘する声は上がっていません。

水枯れが大井川周辺でも起きるのかどうか、実際に掘ってみないと、JRにも県にもわかりません。

しかし、ほかの地域で実際に起きた水枯れを軽視すべきではありません。

(写真)山梨県を走るリニア実験線

JR東海の回答

JR東海は山梨県の水枯れについて、テレビ静岡の取材に以下のように回答しています。

【山梨県の水枯れについて】
「調査を行い公共工事の基準に基づいて適切に補償しております」
※なお戸数など、どのぐらいの規模で水枯れが起こっているか詳細は明らかにしていない。

【山梨県内ですすむ南アルプスのトンネル工事について】
「掘削に伴う周辺の河川や井戸・湧水の流量の減少は確認されていません」

【静岡県内で予定される南アルプスのトンネル工事について】
「山梨と同じく『先進ボーリング』と呼ばれる調査で、トンネルを掘る場所の
地質状況などを事前に十分に確認しながら掘り進めていきます」

石木ダム建設問題 公開討論求め署名5万筆 県外3万筆 市民団体が県に提出

2019年8月30日
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8月28日、石木ダ28ム建設の是非に関する公開討論会の開催を求めて署名活動を行っている市民団体のメンバーが5万人分の署名を長崎県に提出しました。
そのニュースと記事を掲載します。

 

石木ダム討論求め5万人署名提出

(NHK 2019年08月28日 15時37分)https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20190828/5030005154.html

石木ダム建設の是非を巡り、公開討論会を開くよう求めて署名活動を行っている市民団体のメンバーが県庁を訪れ、県の担当者におよそ5万人分の署名を提出しました。

県と佐世保市が川棚町に建設を進めている石木ダムを巡っては、今年5月に県の収用委員会の裁決が出て、ダムの建設に必要な全ての土地を強制的に収容できるようになりました。

ダム建設の是非を巡り、県に対して公開討論会を開くよう求める署名活動を行っている市民団体のメンバーが県庁を訪れ、河川課の浦瀬俊郎課長に5万947人分の署名を提出しました。

浦瀬課長は「石木ダムの事業認定の取り消しなどを巡る裁判の途中なので、今は公開討論のタイミングではない。今回の要望を中村知事に伝え、引き続き県民に石木ダムの意義を分かりやすく広報していきたい」と述べました。

このあと、記者会見で市民団体のメンバーの1人でアウトドアショップ「パタゴニア」の日本支社の支社長を務める辻井隆行さんは「透明性のある話し合いの場をきっかけに、今の社会的要請を反映した社会全体に求められる計画に生まれ変わることを願っている」と話していました。


石木ダム建設問題 公開討論求め署名5万筆 県外3万筆 市民団体が県に提出

(長崎新聞2019/8/29 10:58 https://this.kiji.is/539626668653167713?c=39546741839462401

(写真)浦瀬課長(右)に署名を手渡す実行委=長崎県庁

石木ダム問題の啓発活動に取り組む市民団体「いしきをかえよう実行委」は28日、長崎県庁を訪れ、県に公開討論の場を求める署名約5万筆分を提出した。同実行委は2017年10月に街頭やホームページなどで署名活動を開始。県内から約2万筆、県外から約3万筆が寄せられた。
この日は環境保護に積極的な米アウトドア衣料大手「パタゴニア」日本支社長の辻井隆行さんや、建設予定地の東彼川棚町川原地区の住民の日々を描いたドキュメンタリー映画「ほたるの川のまもりびと」の山田英治監督ら約10人が参加。長崎県河川課の浦瀬俊郎課長に署名を手渡した。
浦瀬課長は「昨今の災害を考えると、行政の責任として事業を進めていかないといけない。公開討論はタイミングとして違う」とした上で、「事業の広報に力を入れていく」とした。母親と参加した県立佐世保西高3年の荒岡梨乃さん(17)は「人口が減っているのにどうして水源が必要なのか疑問。子どもたちにも分かりやすく教えてほしい」と要望した。
実行委は同日、県庁で会見。山田監督は「石木ダム問題を知って切ない気持ちになった。多くの人に知ってもらおうと映像にした」、辻井さんは「建設推進派、反対派の溝が深まることは望んでいない。国連の『持続可能な開発目標(SDGs)』の理念を踏まえて対話すべき」と訴えた。


公開討論求める署名5万筆 石木ダム巡り県へ提出

(朝日新聞長崎版 2019年8月29日) https://digital.asahi.com/articles/ASM8X4712M8XTOLB00D.html
(写真)5万筆以上の署名が提出された=2019年8月28日午前10時40分、長崎市尾上町、横山輝撮影

長崎県と佐世保市が川棚町で進める石木ダム建設を巡り、賛成・反対・中立の人たちが意見を出し合う公開討論会の開催を求める署名が5万筆を超えた。署名活動をした市民団体は28日、「確かな民意だ」として県に提出した。
署名活動は、米アウトドア衣料品メーカー・パタゴニアの日本支社(横浜市)などが支援する「#いしきをかえよう実行委員会」が2017年6月に開始。27日までに5万947筆を集めた。佐世保市や長崎市などで街頭署名も43回実施。県内から約2万筆、県外からは約3万筆が集まったという。
署名の賛同者からは「佐世保市民だが、水不足を感じない」「長崎県には旧態依然の政治を感じ幻滅する」「40年も前の計画なら、もう一度議論をやり直してもいい」といった声が寄せられたという。
県河川課の浦瀬俊郎課長は、署名を知事に確実に届けるとしたうえで「これまでも意見交換は重ねている。建設計画についての訴訟が進むなか、公開討論会はそぐわない」と答えた。
同社の辻井隆行支社長(51)は県庁で記者会見。「石木ダムは一つのダム建設を超え日本中の注目を集めている」としたうえで、「大事なのは立ち止まって考えること。これはアウトドアでも経営でも一緒だ」と話した。(横山輝)


石木ダム建設事業 反対派住民ら公開討論求め 署名5万人、県に提出 /長崎

(毎日新聞長崎版2019年8月29日)https://mainichi.jp/articles/20190829/ddl/k42/010/245000c

県と佐世保市が川棚町で進める石木ダム建設事業について、事業に反対する住民らでつくる「いしきをかえよう実行委」が28日、事業に関する公開討論会開催を求める5万947人分の署名を県に提出した。
署名集めは、2007年に県民2500人を対象に実施した無作為抽出のネットアンケートで約8割が石木ダム事業について「説明が不十分」とした結果を踏まえ、17年10月から始まった。
県によると記録が残る09年以降、石木ダムの事業中止などを求める署名は県に6回提出されたが、約5万人分の規模は初めて。実行委は「推進派、反対派、専門家による議論を通じて県民に十分な説明をすることを求める」などとし、公開討論会が終了するまで建設工事を一時中止することなどを求めている。
メンバーでアウトドア用品「パタゴニア」日本支社長の辻井隆行さん(51)は「建設推進派の人も『議論と理解は必要』と署名をしていただいている。改めて考える場を」と求めた。一方、県河川課の浦瀬俊郎課長は「裁判で係争中でもあり公開討論会は難しい。理解促進については広報啓発をしっかりしていく」と回答した。【浅野翔太郎】
〔長崎版〕

 

設楽ダム地質調査を“「活断層」濃厚” 国交省に市民団体

2019年8月28日
カテゴリー:

8月27日、設楽ダム(愛知県)予定地の断層は「活断層」の可能性が濃厚であるとして、市民グループが国土交通省本省担当者と面談し、再調査を求めました。
しんぶん赤旗の記事を掲載します。
水源連も参加しました。

設楽ダム地質調査を“「活断層」濃厚” 国交省に市民団体
本村議員参加
(しんぶん赤旗2019年8月28日(水))http://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-08-28/2019082814_02_1.html

(写真)設楽ダムの活断層問題で国交省に質問する市民グループのメンバーと本村議員(手前)=27日、衆院第1議員会館

設楽ダム(愛知県北設楽郡設楽町)予定地の断層は「活断層」の可能性が濃厚―。同ダム建設予定地の地質調査を行っている市民グループが27日、衆院第1議員会館で、国土交通省に同ダム建設予定地の地質地盤について再調査を求めました。日本共産党の本村伸子衆院議員が参加しました。
市民グループは2015~17年度の地質調査報告書を入手し検討。同ダム建設は「大きなリスクを背負い込む」として3月、同省中部地方整備局長らに意見書を提出。その後、支障がないと書かれたサイト斜面を斜めに切る断層を「活断層」と判断。4月、設楽ダム工事事務所に説明しましたが、「何の応答」もなく、本省の対応を求めたもの。
同省は「(第四紀断層の)第1次調査で活断層が見つからなかった。1次調査で見つからなければ2次調査は行わない」と述べました。
市民側は「活断層」の証拠となる地点の岩盤、断層、地層などの写真を担当者に見せながら「何をもって活断層がないと判断したのか根拠を示してほしい」「1次調査の後に、怪しい活断層が出てきたときに見直す気はないのか」と迫りました。
本村氏は「活断層でないと断言できないのなら本体工事発注前に活断層かどうか、国が調査して科学的根拠を示してほしい」と要望。同省は「話を持ち帰る」とだけ答えました。
市民グループは設楽ダム予定地周辺の地質調査グループ、水源開発問題全国連絡会、設楽ダムの建設中止を求める会、設楽ダム第2次住民訴訟原告団の4団体。

雨畑ダム(山梨)湖底に大量ヘドロ 魚類や水草、確認できず

2019年8月20日
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駿河湾サクラエビの深刻な不漁との関係で浮き彫りになった日本軽金属・雨畑ダムの堆砂問題に関する記事を二点掲載します。

雨畑ダム(山梨)湖底に大量ヘドロ 魚類や水草、確認できず
(静岡新聞2019/8/20 17:05)https://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/671426.html

(写真)水が抜かれ湖底の堆砂があらわになった雨畑ダム湖=19日午前、山梨県早川町(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
(写真)貯水状態の雨畑ダム=1日、山梨県早川町(同)
駿河湾サクラエビの不漁を受け静岡、山梨両県が濁りの実態調査を進める雨畑ダム(山梨県早川町)が台風10号の影響で増水、管理する日本軽金属が17日ごろから洪水吐ゲートを開放した。19日までに、ダム湖の堆積した大量のヘドロが露出。湖底には魚類や水草は確認できず、鉄分が空気に触れて酸化したとみられる赤茶色になった泥土が見られた。
気象庁の観測で、降り始めからの周辺の総雨量は80ミリ程度。だが、河床が上昇しているため雨畑集落では町道の一部が冠水し、つり橋が崩壊。湖底が粒子の細かいシルト・粘土で覆われている様子を目の当たりにした専門家は「下流域の生物に相当なインパクトがあると考えるべき」と指摘した。
同社蒲原製造所によると、大雨の際には社内規則のダム操作規定に基づき、洪水吐ゲートを開いて濁水を雨畑川下流に流す。水とヘドロを一緒に下流に流す排砂も実施し、ダム湖の貯水容量を上げる対策を取ることになっている。
雨畑集落の住民によると、民家に床上浸水被害が出た昨秋の台風24号の際にも長期間ゲートを開放。今回はその時以来とみられる。
雨畑ダムは高さ約80メートル、長さ約150メートルだが、国土交通省によると2016年度の雨畑ダムの堆砂率は93・4%で全国約500カ所ある中規模以上(500万立方メートル以上)のダムの中でトップ。ヘドロ堆積の詳細な実態調査が急がれる。
堆砂物を現地で確認した日本陸水学会東海支部会前会長の井上祥一郎氏は「ダムから出る濁りは導水管を経て駿河湾に到達し、海洋環境に影響している可能性が高い」と述べた。

雨畑ダム湖底露出 シルト堆積、異様な光景 ダム上流つり橋崩壊
(静岡新聞2019/8/20 17:06)https://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/671408.html

(写真)洪水吐ゲートを開いたため水がなくなり湖底が姿を現した雨畑ダム=18日、山梨県早川町
(写真)台風10号の影響で上流からの流木や土砂により崩壊したダム上流のつり橋=18日、山梨県早川町の雨畑川
「サクラエビ異変」取材班は19日、技術士で日本陸水学会東海支部会前会長の井上祥一郎氏(76)と共に雨畑ダム(山梨県早川町)のダム湖周辺を巡り、露出した湖底の状況を確認。現地で、井上氏にダムから出る濁水の生態系への影響評価を聞いた。
露出した雨畑ダムの湖底は非常に粒子の細かいシルト・粘土で覆われていた。ダムにとどまらず、ダム下流の川岸の石や岩の上にもシルトなどが厚く堆積し異様な光景だった。
早川水系の濁りは想像以上だった。これが駿河湾に流れ出た場合、水産生物(魚介類)にさまざまな影響を及ぼすことは想像に難くない。濁りは太陽光を遮りサクラエビのエサの植物プランクトンの生産性を落とす。
静岡県環境衛生科学研究所の報告によれば、駿河湾の海底湧水には植物プランクトン・ケイ藻の栄養となるケイ素が豊富という。魚介類はエサ資源としてケイ藻に支えられていることは専門家の間でよく知られ、海底湧水がシルトなどで目詰まりすると、ケイ素の減少を通して、サクラエビにも相当なインパクトがあると考えるべきだ。
雨畑ダムや堆積物をどうするか、原因を元から絶つには撤去が一番分かりやすく、永続的だ。アメリカではアーチ式コンクリートダムを撤去した事例もある。撤去も選択肢に、住民の判断材料になる科学的情報が重要。新しく発足した「『森は海の恋人』水の循環研究会」では、広い情報網から判断材料を提供してほしい。山、川、海それぞれの立場で、かつ、つながりを考えることが大切だ。

■「土砂の掘削移動、今後も」
日本軽金属蒲原製造所のコメント 台風10号の大雨で地元の農地や倉庫、町道を冠水させ、住民の皆さまに多大なご迷惑、ご心配をお掛けし深くおわびする。被災された現地の復旧、再発防止に向け、早急に対応を進める。地域の安全確保を最優先課題とし、今後も、雨畑ダム上流域での河道の確保をするため、河床の上がっているエリアの土砂掘削移動作業を実施し、災害を未然に防止すべく関係各所の協力をいただき対応を進める。
井上祥一郎氏 1943年、名古屋市出身。信州大農学部卒。長年技術士として民間会社に勤務し、全国で森から海の流域環境修復に従事。日本陸水学会東海支部会前会長。公益財団法人海と渚環境美化・油濁対策機構の「漁民の森づくり活動調査」委員。

(写真)崩壊前の橋=7月24日

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