水源連:Japan River Keeper Alliance

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事務局からのお知らせ

濁水を増加させる穴あきダムは、環境にやさしくない(最上小国川ダム)

「濁水を増加させる穴あきダムは、環境にやさしくない(最上小国川ダム)」を川辺孝幸先生(元山形大学)から送っていただきました。

2021年8月21~22日に,オンラインで開催された第75回地学団体総会福島総会のプレゼンセッションで発表されたものです。

川辺先生のご了解を得たうえで、掲載させていただきます。

地団研福島総会プレゼン-「穴あきダム」の濁水問題202108 川辺孝幸

「最上小国川の場合は,上流の地層が,淘汰が良く固結度が低いガラス質火山灰の二次堆積物からなっているために,崩壊しやすく,かつ容易に流水で侵食されるために,濁流がダム湖に入って密度流になりやすいという特性を持っていることで,穴あきダムの問題点が如実に現れた例になった。

多かれ少なかれ,程度の問題はあるが,ピークカットを行って流速を止めるという,穴あきダムの本質的問題点が如実に表れた例になった。」

とのことです。

 

山形県・最上小国川ダムは2020年4月から運用を開始しました。

このダムの工事差し止めを求める住民訴訟は2012年から続けられてきましたが、残念ながら、2020年11月の最高裁の決定で、住民側の敗訴が確定しました。

しかし、住民側は穴あきダム(流水型ダム)の根本的な問題点を明らかにするための調査を続けています。

今回の発表はその調査結果をまとめたものです。

 

川辺川ダムの環境アセスについての環境省の姿勢の問題

2021年8月24日
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現在、流水型ダムの川辺川ダムの計画策定に向けての作業が行われています。

川辺川ダムの内容が従前の計画のものと根本から変わるのですから、環境影響評価法の対象になるものと考えていました。

実際に、従前の計画の川辺川ダムの環境アセスについて国土交通省川辺川ダム砂防事務所は今までHPで下記のとおり、説明してきました。

環境アセス法の施行前に川辺川ダム基本計画の変更が1998年6月に行われたから対象外であるという説明です。

この説明からすれば、今回の流水型(穴あき)ダムへの変更は川辺川ダム基本計画の新たな変更になりますから、環境アセスの対象にならなければなりません。

 

ところが、今年3月29日付けの国交省からの照会「環境アセスの対象外となると解釈してよいか」

国交省からの照会20210329 川辺川ダムの環境影評価

に対して、環境省は翌日、3月30日に「貴見のとおり」と回答しました。

環境省の回答20210330 川辺川ダムの環境影響評価の取扱い

不可解な回答ですので、環境省がそのように回答した起案文書について情報公開請求を行ったところ、不開示決定書が届きました。

環境省の不開示決定書20210811 川辺川ダムの環境影響評価

国交省への回答を起案した文書は存在せず、環境省では何の検討をせずに「貴見のとおり」と回答したということでした。

流水型ダムの川辺川ダムの環境アセスは重大な問題であるのに、環境省は何の検討もしないので、起案もせずに、即座に国交省に「対象外である」と回答したのです。

環境省の姿勢に怒りを覚えます。

 

国土交通省川辺川ダム砂防事務所は今までの説明

「川辺川ダム事業における環境保全への取り組み(平成12年6月)」への質問に対する回答(平成12年11月1日)

http://www.qsr.mlit.go.jp/kawabe/kankyou/kaniken-okotae/qa4.html

Q1.川辺川ダム事業における環境調査等について、準備書・評価書を作成するなど環境影響評価法の手続きをとるべきではないですか。

また、補充の調査、予測、評価は今後とも積極的に実施してもらいたい。

A1.川辺川ダム事業においては、今後とも、各分野の専門家の指導を受けながら必要な調査を行い、その結果を公表してまいるとともに、地域の方々にも充分に説明を行い意見を聞きながら具体的な環境保全対策を実施していくこととしています。

なお、川辺川ダム事業については、特定多目的ダム法第4条第1項に規定する基本計画の最新の変更の告示が平成10年6月9日に行われており、環境影響評価法附則第3条第1項及び環境影響評価法施行令附則第3条第1号の規定により、同法第2章から第7章までの規定は適用しないこととされています。」

 

球磨川水系河川整備基本方針の変更に関する審議会 川辺川ダム(流水型ダム)の推進に向けて動き出した国交省

2021年7月17日
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7月8日に開催された「球磨川水系河川整備基本方針の変更」を審議する国土交通省の小委員会の第1会議の資料が国土交通省のHPに掲載されました。その配布資料は次の通りです。

 

「国土交通省 第112回 河川整備基本方針検討小委員会(令和3年7月8日開催)配付資料

https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/shouiinkai/kihonhoushin/dai112kai/index.html

議事次第 (PDF:58KB)

委員名簿 (PDF:71KB)

付議書及び付託書(PDF:108KB)

社会資本整備審議会運営規則、社会資本整備審議会河川分科会運営規則(PDF:132KB)

資料1 河川整備基本方針の変更の考え方について(PDF:3.88MB)

資料2 令和2年7月豪雨について(PDF:16.0MB)

資料3 球磨川水系河川整備基本方針の変更について(PDF:22.7MB)

参考資料1 令和2年7月豪雨について<参考資料>(PDF:6.63MB)

参考資料2 球磨川水系流域治水プロジェクト(PDF:5.00MB)

参考資料3 球磨川水系 管内図・流域図(PDF:28.4MB)第112回 河川整備基本方針検討小委員会 配付資料一覧 」

 

以上の資料のうち、資料2 令和2年7月豪雨について

https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/shouiinkai/kihonhoushin/dai112kai/06_shiryou2_reiwa2nengouu.pdf

の5ページに下記の資料が掲載されています。

球磨川の人吉地点に関しては、現在の基本方針の基本高水流量は7000㎥/秒ですが、2020年7月洪水の流量は、氾濫戻し、市房ダム調節分戻しを行うと、約7900㎥/秒となっています。

これから、基本高水流量を7000㎥/秒から7900㎥/秒以上に引き上げ、川辺川ダム(流水型ダム)を前提とする河川整備基本方針を新たにつくられていくことが予想されます。

河川整備基本方針そのものには川辺川ダムは書かれませんが、次にその基本方針を前提として、川辺川ダム(流水型ダム)を明記した河川整備計画が策定されていくことが予想されます。

しかし、2020年7月の球磨川大氾濫は、川辺川の影響は比較的小さく、人吉付近で球磨川に合流する山田川等の支川、球磨村・渡で合流する小川など、支川の氾濫の影響が大きく、当時、仮に川辺川ダムがあっても、大氾濫をあまり防ぐことができなかったという調査結果が市民側から示されています。

けれども、国土交通省と熊本県は2020年7月の球磨川大氾濫を川辺川ダム(流水型ダム)推進の絶好の機会として、新たな球磨川水系河川整備基本方針を策定しようとしています。

渡良瀬遊水地の保護活動30周年記録集の案内

2021年7月9日
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「渡良瀬遊水地の保護活動30周年記録集」の発行をお知らせします。

渡良瀬遊水地は利根川の中流部にある日本最大の遊水地です。今から約100年前に、足尾鉱毒で知られる谷中村などを廃村にしてつくられました。

その後、長い年月を経て、渡良瀬遊水地は広大なヨシ原に多種多様な動植物が生息生育する自然の宝庫に生まれ変わりました。

しかし、開発の波が押し寄せ、二つのゴルフ場が造成され、1989年には首都圏の水ガメとして、渡良瀬貯水池(谷中湖)がつくられました。

そして、第二貯水池の計画が浮上しました。

これ以上の開発をストップさせ、遊水池のかけがえのない自然を守るために住民協議会が結成されたのは1990年です。

その運動の輪が広がり、やがて実を結んで、第二貯水池の計画は中止になり、2012年に渡良瀬遊水地はラムサール条約登録湿地に指定されました。

けれども、まだまだ多くの課題が残っており、渡良瀬遊水地の豊かな湿地を取り戻すためには、これからの取り組みが重要です。

今回、この30年の活動をまとめた「渡良瀬遊水地の保護活動30周年記録集」を発行しました。

渡良瀬遊水地の保護活動30周年記録集の案内をご覧ください。

 

記録集をご希望の方は、1冊「カンパ500円、郵送料390円、計890円」で、お届けしますので、ご連絡下さい。

支払方法:切手

または ゆうちよ銀行の払込取扱票で送金

口座記号00370-4 口座番号43149

加入者名 渡良瀬遊水地を守る利根川流域住民協議会

 連絡先事務局 〒328-0053 栃木市片柳町4-16-1 (猿山方)

Mail watarase@cc9.ne.jp

「利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画」の変更

2021年5月31日
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5月28日に「利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画」(利根川荒川フルプラン)が変更され、下記の通り、国土交通省のHPに掲載されました。

「~需要主導型の「水資源開発の促進」からリスク管理型の「水の安定供給」へ~」としていますが、水需要が減少の一途を辿り、水余りが一層進行していく時代になったのですがら、役目がなくなった水資源開発基本計画(フルプラン)は廃止されるべきものです。

利根川・荒川・豊川・木曽川・淀川・吉野川・筑後川の7指定水系については水資源開発促進法により、水需給の面でダム等の水資源開発事業が必要であることを示す水資源開発基本計画(フルプラン)が策定されています。利水面でのダム等水資源開発事業の上位計画になります。これらの指定水系では現在、思川開発、霞ケ浦導水事業、設楽ダム、川上ダム、天ヶ瀬ダム再開発、小石原川ダム(試験湛水中)といった水資源開発事業が進められていて、木曽川水系連絡導水路が計画されています。

しかし、水需要が減少の一途を辿り、水余りが一層進行していく時代において水需給計画で新規のダム等水資源開発事業を位置づけることが困難になってきたため、2015年度目標のフルプランのままになってきていました。

このうち、今回、利根川・荒川水系について2030年度目標のフルプランが策定されました。

フルプランは水資源開発促進法の目的に書かれているように、「産業の開発又は発展及び都市人口の増加に伴い用水を必要とする地域に対する水の供給を確保するため」に策定されるものであり、水道用水・工業用水の需要が減少傾向に転じた時点で、その役割は終わっているのですから、水資源開発促進法とともに、7指定水系のフルプランは廃止されるべきものです。

しかし、国土交通省水資源部の組織を維持するため、目的を失ったフルプランの改定作業が行われています。

これから、豊川・木曽川・淀川・筑後川の指定水系についてもフルプランの改定が行われることになっています(新規の事業がない吉野川水系は2019年4月に形だけの計画を策定)。

今回の利根川荒川水系フルプランの概要 2030年度の水需給

を見ると、中段に図が三つあります。

左の図では2030年度において10箇年に1回の渇水では供給可能量が高位の水需要量をも少し上回るが、真ん中の図の既往最大渇水時には供給可能量が高位の水需要量を下回ってしまう。右の図はその対策として需要側の節水対策などに取り組む必要があることを示すものです。

分かりずらい図ですが、要するに10箇年に1回の渇水に対応する水源量はすでに確保されているが、既往最大渇水時を考えると、不足が生じることがあるので、水源開発がまだ必要だということを言いたいようです。

  

国土交通省のHP

「利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画」の変更

~需要主導型の「水資源開発の促進」からリスク管理型の「水の安定供給」へ~  令和3年5月28日

https://www.mlit.go.jp/report/press/water02_hh_000132.html

 

【経緯】

危機的な渇水、大規模自然災害、施設の老朽化に伴う大規模な事故など、近年の水資源を巡るリスクが顕在
化している状況を踏まえ、平成29年5月の国土審議会の答申では、従来の需要主導型の「水資源開発の促進」
からリスク管理型の「水の安定供給」へと、水資源開発基本計画を抜本的に見直す必要があることが提言されま
した。
これを受け、利根川水系及び荒川水系については、令和元年7月より計画の見直しに着手し、国土審議会水資
源開発分科会利根川・荒川部会における6回の審議、国土審議会水資源開発分科会における審議を経て本計画
をとりまとめ、令和3年4月15日に国土審議会長より国土交通大臣へ答申された後、関係大臣協議、関係都県知
事意見聴取を経て、本日、閣議決定、国土交通大臣決定をしました。

【新たな計画のポイント】

比較的発生頻度が高い渇水時を基準に水の安定供給を目指してきた前計画を新たな視点で転換

[1]供給の目標に、発生頻度は低いものの水供給に影響が大きいリスク(危機的な渇水等)を追加
危機的な渇水、大規模自然災害、老朽化に伴う大規模な事故に対しても新たに目標を設定

[2]需要と供給の両面に存在する不確定要素を踏まえて、水需給バランスの点検を行い計画を策定
<需要面> ・社会経済情勢等の不確定要素(人口、経済成長率)
・水供給の過程で生じる不確定要素(水供給過程での漏水等、給水量の時期変動)
それぞれ、「高位」と「低位」の2ケースを想定
<供給面> 「10箇年第1位相当の渇水」、「既往最大級の渇水」の2ケースを想定

[3]ソフト対策を供給の目標を達成するための必要な対策として計画に掲上
「水供給の安全度を確保するための対策」、「危機時において必要な水を確保するための対策」に区分し、
地域に即した対策を掲上

[4]PDCAサイクルの導入
計画策定後、おおむね5年を目途に水需要の実績や対策効果等を点検し、必要に応じ計画を見直し

〔注〕(Wikipediaの解説 PDCAサイクル:PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)は、品質管理などの 業務管理における継続的な改善手法。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check( 評価)→ Act(改善)の4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する 。

 

添付資料

報道発表資料(PDF形式:178KB)

新たな計画の概要(利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画)(PDF形式:506KB)

計画本文(利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画)(PDF形式:227KB)

説明資料(利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画)(PDF形式:338KB)

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