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川辺川ダムの情報

流水ダム完成は2029年度以降 段階的に安全度向上 国が球磨川治水案

2021年1月26日
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1月26日、国土交通省九州地方整備局、熊本県、球磨川流域市町村らによる第3回 球磨川流域治水協議会が開かれました。

そのニュースと記事を掲載します。

球磨川流域治水協議会の資料は九州地方整備局八代河川国道河川事務所のHP http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/river/r0207_ryuikitisui_gouukensho/index.html

に掲載されています。

3 球磨川流域治水協議会 令和 3 126日開催

議事次第出席者名簿規約資料1資料2資料3(1/2)資料3(2/2)資料4資料5資料6

 

川辺川ダムの完成は2029年度以降を見込み、段階的に安全度を高めるということで、川幅を広げたり川底を掘る河道掘削などの治水対策を順次実施していくことになっています。

その治水対策の規模は上記の資料でははっきりしませんが、しかし、もっと早く、2008年の川辺川ダム中止宣言の後、実施されていれば、2020年7月豪雨による被害はかなり小さくなっていたように思われます。

国と県の12年間の無策が多くの方が亡くなる悲惨な水害を引き起こしたように思われてなりません。

 

 流水ダム完成は2029年度以降 段階的に安全度向上 国が球磨川治水案

(西日本新聞(2021/1/26 21:00) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/684949/

(写真)球磨川流域治水協議会のオンライン会議であいさつする熊本県の蒲島郁夫知事=26日

昨年7月の熊本豪雨で氾濫した球磨川流域の治水を巡り、国土交通省九州地方整備局は26日、熊本県や流域自治体との流域治水協議会で、最大支流の川辺川への流水型ダム建設を含む緊急治水対策プロジェクト案を示した。ダムの完成は2029年度以降を見込み、遊水地群の整備などで段階的に安全度を高める。

流水型ダム建設に向け、九地整は21年度から調査を本格化。気候変動に対応した洪水調節能力を目指し、可動式ゲートの設置などダム構造を具体的に検討する。環境への負荷軽減も重視し、環境影響や堆積土砂などの調査を進める。

プロジェクト案は、豪雨災害発生からおおむね5年間を「第1段階」とし、土砂の撤去や河道掘削、宅地かさ上げを進める。総貯留量600万トンの遊水地群整備や、延長600メートルにわたり川幅を最大50メートル広げて築堤する「引堤」の用地確保にも着手。県管理の支流では放水路整備や河道掘削を進める。29年度までの「第2段階」では河道掘削や遊水地群、引堤を完成させ、支流の放水路を拡充する。

この日の協議会では、流水型ダムの完成や既存ダムの再開発完了の詳細な時期は「課題や不確定要素がある」として示さなかった。 (古川努)

 

球磨川の緊急治水対策が示される【熊本

(テレビ熊本2021/1/26(火) 19:11)https://news.yahoo.co.jp/articles/d26437abd4c8433f534f75faa0c5dfaf7ef894aa

去年7月の豪雨災害で氾濫した球磨川の治水対策について緊急プロジェクトが26日、示されました。

このプロジェクトでは河道の掘削や堤防の整備、宅地のかさ上げなどを2029年度まで実施し、流域の浸水被害の軽減を図るとしています。

【蒲島知事】冒頭あいさつ

「今回のプロジェクトの策定を機に宅地かさ上げなど住まいや集落の再生、さらには道路・鉄道の復旧に向けた取り組みを加速させていきます」

26日開かれた球磨川流域治水協議会で示された『緊急治水対策プロジェクト』。

去年7月の豪雨災害を踏まえ、再び球磨川が氾濫し被害が生じるのを防ごうと今後およそ10年間で速やかに取り組むべき治水対策を国と県が取りまとめました。

プロジェクトではまず、ことしの梅雨に備え河川に堆積した土砂の撤去や堤防が決壊した箇所の本復旧を実施。

そして2029年度までに河道の掘削を始め、宅地のかさ上げ、堤防や遊水池の整備などを集中的に行い、流域での浸水被害の軽減を図るとしています。

川辺川への新たな流水型ダムの建設については来年度から国が調査・検討に本格的に着手するとしています。

この新たな流水型ダムを含めた緊急治水対策プロジェクトが全て完了した場合、去年7月の豪雨災害と同じ規模の洪水が起きても人吉市中心部や球磨村渡地区では水位が下がり、堤防からの越水はないと推定。

一方で、芦北町鎌瀬地区や八代市坂本地区では堤防からの越水が想定され、宅地のかさ上げなど浸水対策の検討が必要としています。

 

熊本県 球磨川治水 緊急対策案示される

(熊本朝日放送2021/1/26(火) 19:21)https://news.yahoo.co.jp/articles/ed441894d973220eb988c586c41ff4f718b7e5bb

熊本県球磨川の治水対策で早急に実施する必要がある緊急治水対策プロジェクトの案が示されました。 緊急治水対策プロジェクトは球磨川の治水対策のうち5年から10年の期間で実施するもので、26日国と県がその案を示しました。

川幅を広げたり川底を掘る河道掘削は球磨村の神瀬地区や一勝地地区、人吉市の中心部などで実施。宅地のかさ上げは球磨村の神瀬地区や八代市の坂本地区など6地区で輪中堤の整備と合わせて実施する予定です。

ほかにも600万トンの水を調節できる遊水地も整備。今後用地の選定を進めていきます。

また新たに川辺川に整備される流水型ダムや市房ダムの再開発について来年度から調査・検討に着手します。

流水型ダムも含め全ての緊急治水対策プロジェクトが終了すると7月豪雨相当の雨が降った場合、人吉市の市街地で2メートル50センチ水位が下げられると見込んでいます。

協議会では今年3月までにソフト面の対策などもあわせた球磨川流域治水プロジェクトを取りまとめる予定です。

流水型の川辺川ダムへの賛否に無回答3人、にじむ難しさ 12首長アンケ-ト

2021年1月6日
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球磨川流域の12市町村長に朝日新聞が流水型の川辺川ダムへの賛否等についてアンケートを行った結果についての記事を掲載します。

川辺川ダムに「賛成」と答えたのは八代市、芦北町、錦町、水上村、山江村、球磨村の6首長、「やむを得ない」が人吉市、多良木町、湯前町の3首長、五木村、相良村、あさぎり町の首長は無回答でした。

このうち、水上村、多良木町、湯前町、あさぎり町は球磨川への川辺川合流点より上流側に位置しており、また、山江村は合流点より下流側ですが、球磨川本川と少し離れているので、川辺川ダムと直接的な関係がないように思います。

これらの5町村を除くと、賛成は八代市、芦北町、錦町、球磨村の4市町村になります。

このうち、球磨村では支川「小川」の氾濫で特別養護老人ホーム「千寿園」で入所者14人が亡くなりましたが、これは小川が本川よりかなり早く氾濫したことによるものであって、川辺川ダムで対応することは困難であったと思います。また、下流域の八代市、芦北町では川辺川ダムがあってもその治水効果は下流にいくほど減衰していきますので、どれほどの意味があるのでしょうか。

八代市、芦北町、球磨村の首長がどこまで理解して川辺川ダムに賛成しているのか、よくわかりません。

 

ダム賛否に無回答3人、にじむ難しさ 12首長アンケ-ト

(朝日新聞2021年1月5日 14時30分)https://digital.asahi.com/articles/ASP152R76NDZTIPE008.html

(写真)昨年7月の豪雨災害から半年。熊本県球磨村のJR球泉洞駅前では2世帯の5人が犠牲となった。近くに住む告鍬(つげくわ)信男さん(71)は、2人の孫と慰霊に訪れた。「2軒ともいい人たちやった。今はこんなに穏やかな川が信じられん」と手を合わせた=2021年1月4日、金子淳撮影

熊本県南部を中心に甚大な被害が出た記録的豪雨から、4日で半年を迎えた。氾濫(はんらん)した球磨(くま)川流域の12市町村長に朝日新聞がアンケートしたところ、最大支流の川辺川に流水型ダムを建設する案に半数の6首長が「賛成」と答えた。「やむを得ない」としたり、意見を明らかにしなかったりした首長も3人ずついた。

結果からは、ダムによる治水への期待の高さがうかがえる一方、計画への認識の違いも浮かび上がった。住民の賛否も割れるなか、流域全体でどう合意形成していくのかが課題となる。選択肢のうち、「反対」「どちらとも言えない」を選んだ首長はいなかった。

熊本県の蒲島郁夫知事は豪雨後、多目的ダムとして計画された従来の川辺川ダム計画の廃止と、治水専用の流水型ダム建設を国に求めた。ダムを含むハード面と、避難態勢づくりなどソフト面の対策を組み合わせて被害を減らす「流域治水」を国や市町村と進める考えだ。国と県、流域自治体で協議を続け、今年度中にもダムを含む中長期的な治水対策を取りまとめる。

(写真)ダム建設が予定されている川辺川=2020年11月18日、熊本県、朝日新聞社ヘリから

朝日新聞は昨年12月、流水型ダムへの賛否や、協力できる治水策などについて、球磨川流域の12市町村長や担当課にアンケートを実施。すべての自治体から回答を得た。

記事の後段に12市町村のおもな回答一覧を掲載しています。

流水型ダムに「賛成」と答えたのは、八代市、芦北町、錦町、水上村、山江村、球磨村の6首長。人吉市、多良木町、湯前町の3首長が「やむを得ない」とした。理由を複数回答で聞くと、9首長全員が「大きな被害が出た以上、これまでの手法を見直す必要がある」「川辺川ダムがあれば浸水面積を6割減らせたとの国の推計があり、効果が期待できる」を選んだ。

一方、従来の川辺川ダム計画で一部が水没予定地となっている五木村や、ダム本体の建設予定地にあたる相良村のほか、あさぎり町の首長はダムへの賛否には無回答。

(写真)孫たちと手を合わせる告鍬(つげくわ)信男さん(71)=2021年1月4日午前、金子淳撮影

清流で知られる川辺川へのダム計画では、流域住民の間で賛否をめぐる対立が続いてきた。木下丈二・五木村長は12月議会で、流水型ダムに関し「知事の判断を容認する」と明言し、議員から「住民や議会と協議していない」などと批判が相次いだ。無回答には、こうした立場の難しさがにじむ。

自治体として協力できるダム以外の具体的な治水策について尋ねると、9市町村が、川底を掘って水が流れる面積を広くする「河道掘削」と答え、最も多かった。「堤防強化」(6市町村)、あふれた水を一時的にためる「遊水地整備」(5市町村)、堤防を市街地に寄せて川幅を広げる「引堤」(同)などと続いた。いつまでに実現すべきかは、5市町村が「1年以内」または「3年以内」とした。

ただ流域市町村や県、国は豪雨前も10年以上かけ、こうしたダム以外の治水策を検討してきたが、農漁業への影響など地域ごとの事情もあり、実現しなかった。各自治体が利害を調整し、対策を進める仕組みづくりが急務となる。

(写真)五木村の中心部を流れる川辺川。右上はダム計画で移転した集落=2020年11月19日、熊本県五木村

また、12市町村すべてで避難態勢を見直す方針であることも明らかになった。見直す点としては「避難場所の数や所在地」「民生委員や自主防災組織との連係」を9市町村が選んだ。球磨村では、指定避難所6カ所のうち3カ所が浸水想定区域内にあり、今回2カ所が浸水した。防災マップの見直しを進め、場所を選び直す予定だ。

昨年7月の記録的豪雨では九州で77人が犠牲になり、2人が行方不明になった。熊本県内の死者は65人。国土交通省によると、うち50人は球磨川流域の氾濫で亡くなったとみられる。

全半壊した住宅は熊本県内で約4600棟にのぼり、約4200人が仮設住宅などに身を寄せている。(安田桂子、棚橋咲月)

 

球磨川流域首長アンケートの主な回答

  • 治水専用ダム建設への賛否

賛成 6(八代市、芦北町、錦町、水上村、山江村、球磨村)

やむを得ない 3(人吉市、多良木町、湯前町)

反対 0

どちらとも言えない 0

無回答 3(相良村、五木村、あさぎり町)

  • 協力できる実現可能なダム以外の治水策(複数回答可)

河道掘削 9(八代市、人吉市、芦北町、多良木町、湯前町、水上村、相良村、山江村、球磨村)

堤防強化 6(八代市、人吉市、芦北町、多良木町、相良村、球磨村)

遊水地整備 5(人吉市、錦町、多良木町、相良村、球磨村)

田んぼダム 5(人吉市、錦町、湯前町、水上村、山江村)

引堤 5(八代市、人吉市、多良木町、相良村、球磨村)

宅地かさ上げ 5(八代市、人吉市、多良木町、相良村、球磨村)

  • ダム以外の治水策はいつまでに実現するべきか

1年以内 1(人吉市)

3年以内 4(多良木町、湯前町、水上村、山江村)

5年以内 2(芦北町、錦町)

10年以内 0

その他 2(八代市「できることから早急に」、球磨村「できるだけ早く」)

無回答 3(相良村、五木村、あさぎり町)

 

大熊孝・新潟大名誉教授(河川工学)の話

流水型ダムは効果や環境への影響がまだ十分わかっておらず、評価には慎重でなければならない。川辺川へのダム計画の概要がほとんど明らかになっていないなか、首長の半数が賛成なのは驚いた。回答しなかった3町村には、もっとダムについて知るべきだという思いもあったかもしれない。

流域治水は川から水があふれることを想定した考え方で、実現にあたっては浸水被害にあう可能性がある流域住民の意見を聞くことがこれまで以上に重要になる。上から治水メニューを押しつけるだけでは誰も納得しない。流域治水実現のためには県だけでなく市町村も積極的に動き、自治体単位や地区単位でも話し合いをするべきだ。

ダム湖が一面緑色に 外来種の水草、2年連続大発生 除去費億単位、アユの姿も消え… 鹿児島・さつま町

2020年12月31日
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球磨川の南側、鹿児島県を流れる川内川(せんだいがわ)の鶴田ダムのダム湖で水草が2年連続で大発生し、除去費が億単位になり、アユへの影響も懸念されているという記事を掲載します。

2019年11月の記事も掲載します。

鶴田ダムは総貯水容量12300万㎥のダムです。2006年7月豪雨(鹿児島県北部豪雨)による川内川の水害のあと、放流管を増設し、洪水調節容量7500万㎥を9800万㎥/に、1.3倍に拡張するダム再開発事業が行われ、2018年度に完成しました。、

鶴田ダムは2006年7月豪雨の時に緊急放流を行い、ダム下流域を大氾濫させました。(「平成 18 年鹿児島県北部豪雨における川内川の水位上昇とその考察」http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00074/2008/52-02-0003.pdf

川辺川ダムは前の計画では総貯水容量が13300万㎥でしたから、鶴田ダムとほぼ同じ規模です。ちなみに流域面積は川内川が1573㎢、球磨川が1880㎢で、河川の規模もほぼ同じです。

球磨川の隣を流れる川内川のダム湖で、このような水草の異常増殖が問題になっているのです。

川辺川ダムを貯水型ダムはなく、流水型ダムにする検討が進められているのは、このような水草の異常増殖の心配があるからだと考えられます。

しかし、流水型ダムにすれば、河川環境への影響を回避できるかというと決してそうではありません。

竹門康弘氏(京都大学防災研究所水資源環境研究センター)は流水型ダムの環境影響について次の3点を指摘しています。(2013年の小国川での講演資料より)

1、河床攪乱規模の低下により瀬–淵構造の形態が変化する可能性がある。⇒淵が砂利や砂で埋まり、浅くなるなどが考えられる。サクラマスやヤマメの産卵場が減少

2、湛水域上部に大粒径の石礫が滞留する結果、下流への大礫の供給が減る可能性がある。 ⇒直下流で河床の径粒分布が変化すると考えられる。

3、湛水域下部に細粒分や栄養塩が滞留する結果、平水時の濁度が若干増加する可能性や藻類が増える可能性がある。⇒直下流で青澄な流水景観が損なわれる恐れがある。

  

ダム湖が一面緑色に 外来種の水草、2年連続大発生 除去費億単位、アユの姿も消え… 鹿児島・さつま町

(南日本新聞2020/12/26(土) 11:15)https://news.yahoo.co.jp/articles/2932d82808253d7d54107557a7a5d8b6dd6839b4

(写真)湖面を覆う水草。専用船で除去するが追いつかない=さつま町神子の鶴田ダムから

(写真)回収され山積みされている水草=さつま町神子

さつま町の鶴田ダムの貯水池・大鶴湖で、外来水草が昨年に続いて大量発生している。管理所が除去を進めているが、繁殖力に追いつかない。除去費用は前年度の1億5千万円を超える可能性もある。同町と伊佐市にまたがる湖はアユの産卵地で、生態系への影響も懸念されている。

12月上旬、鶴田ダムの天端から大鶴湖を望むと、専用船2隻が作業を進めていた。湖面が見えるのは船の周辺だけ。緑色の水草は、ダムから約12キロ上流の伊佐市の曽木の滝近くまで広がる。  専用船は大型のカッターで水草を刈り、運搬用の船に積み込む。岸からは4トントラックで敷地内の仮置き場に運ぶ。1日の処理量は60~70トン。仮置き場には、一部茶色く変色した草が積み上がっていた。  管理所によると現在、水草は約200万平方メートルの湖面の半分以上を覆う。外来種ボタンウキクサとホテイアオイで、環境省は生態系を壊す恐れがあるとして駆除を呼び掛ける。水面を覆い尽くし、水中の光や酸素不足から魚介類への悪影響も懸念され、枯れて沈むとダムの放流を妨げる可能性がある。

□ ■ □

水草の群生がみられるようになったのは2008年度。増減を繰り返し、19年度は湖面の半分まで広がった。専用船を初めて使って駆除作業に着手。しかし、暖冬で枯死しなかったこともあり、約10万平方メートルが残った。それらが再び繁殖し、9月以降一気に増えた。

生態系への影響を心配する声も上がり始めている。1~3月に大鶴湖でアユの稚魚を取っている川内川上流漁協(伊佐市)の今年の採捕量は、目標の50分の1の1キロにとどまった。山田満組合長(65)は「このままでは来年も難しいだろう。漁協運営にとって死活問題」と嘆く。  川内川漁協(さつま町)の舟倉武則組合長(74)も「今年は湖に流れ込む川で、アユの姿を見なかった」と表情を曇らせる。両漁協は7月、管理所に早期対策を求める要望書を出した。

□ ■ □

ダムは6~8月、大雨に備え水位を低くするため、専用船での除去作業ができない。管理所は昨年より2カ月早い9月末から専用船を投入した。11月からは2隻体制にし、同月末までに約2千トンを回収した。

水草や流木の除去費は、年約8億円のダム維持費から賄う。大量発生前の費用は年4千万円程度。前年度は約6千トンの回収で約1億5千万円かかった。本年度も同規模を想定しており、毎年実施する堆積土砂の測量を全て取りやめ、予算を確保した。

費用がかさむ場合は、緊急性のない補修工事の先送りも検討する。三浦錠二所長(57)は「春までに全て回収できるように最優先で進める」と話す。

大鶴湖の上流には水草の群生があり、今後も株が流れ込む可能性がある。ホテイアオイの生態に詳しいNPO法人オアシス水環境研究会(志布志市)の本村輝正理事長(84)は「湖水の富栄養化も異常発生に関係しているのではないか。流域全体で環境を考える必要がある」と指摘する。

【ボタンウキクサとホテイアオイ】  それぞれ環境省の特定外来生物と緊急対策外来種、重点対策外来種に指定されている。ボタンウキクサはアフリカ原産で別名ウオーターレタス。南アメリカ原産のホテイアオイはウオーターヒヤシンスとも呼ばれ、いずれも家庭などで栽培していたものが野生化したとみられる。

 

鹿児島)ダム湖で異常繁殖の水草、除去作業が本格化

(朝日新聞2019年11月20日 3時00分) https://digital.asahi.com/articles/ASMCM5752MCMTLTB00N.html

外来種の水草が異常繁殖した鶴田ダム(鹿児島県さつま町)のダム湖で、除去作業が本格化している。水温低下で枯死すると沈殿して水質悪化につながるため、18日からは水草刈り取り船2台が投入された。

湖面を覆うのはホテイアオイとボタンウキクサ。国土交通省鶴田ダム管理所によると、ダムの約10キロ上流にある曽木発電所遺構(伊佐市)付近まで広がっており、湖面の5~6割程度を埋めているという。

ダムの数キロ上流で重機などを使った除去を進めてきたが、新たにダム近くでも専用船を使った作業に着手した。大量の水草は岸近くに山積みされ、悪臭を放っている。同管理所は乾燥を待って産業廃棄物として処分するという。(城戸康秀)

(写真)ダム湖を埋めた水草を除去するために投入された2種類の専用船=2019年11月19日、鹿児島県さつま町神子

(写真)専用船(奥)で集められた水草をピストン作業で岸に運ぶ小船=2019年11月19日、鹿児島県さつま町神子

(写真)水草で一面緑色の湖面に囲まれた曽木発電所遺構=2019年11月11日、鹿児島県伊佐市大口宮人(写真)水草を集める専用船から運搬用の小船や台船に移す作業。並んだ浮きの奥が専用船=2019年11月19日、鹿児島県さつま町神子
(写真)ダム湖を埋めた水草を除去するために投入された2種類の専用船(ダム防護ネットの手前側)=2019年11月19日、鹿児島県さつま町神子

(写真)ダムから数キロ上流で進む水草除去。網で円形に集めた水草を重機で湖岸に上げる作業を続け水面が広がった=2019年11月19日、鹿児島県さつま町鶴田

(写真)湖岸に積み上げられた大量の水草。悪臭を放っていた=2019年11月19日、鹿児島県さつま町鶴田

球磨川水害 被災者の意識調査 民意が置き去りにされた

2020年12月29日
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熊本日日新聞が被災住民を対象に実施した意識調査の結果では、球磨川治水について望む対策は「宅地のかさ上げ・高台移転」「堤防のかさ上げ・引堤」「河道掘削」の順に回答数が多く、「ダム建設」は4番目です。

熊本日日新聞の社説と、調査結果を示した記事を掲載します。

被災住民が川辺川ダムの建設を望んでいるかのような話は、国土交通省と熊本県が作り上げた虚構だと思います。

被災者の大多数の意向に沿って、川辺川ダムの建設ではなく、これらの治水対策を優先して進めるべきだと思います。

 

被災者の意識調査 民意が置き去りにされた

(熊本日日新聞社説2020/12/282月28日 09:28) https://kumanichi.com/opinion/syasetsu/id45018

球磨川流域を中心に甚大な被害をもたらした7月豪雨を受け、蒲島郁夫知事は12年前に「白紙撤回」した川辺川ダム建設計画を一転して容認。流水型(穴あき)のダムを造るよう国に求めた。国土交通省は即、呼応。来年度予算案に調査費が盛り込まれた。

豪雨後の治水対策協議で軸となったのはダム建設。スピード感というより、むしろ拙速な印象を拭いきれない。熊本日日新聞社が被災住民を対象に実施した意識調査の結果を見て懸念が的中した。浮き彫りになったのは最も重視すべき住民の意向、いわゆる民意が置き去りにされている実態である。

ダム要望は4番目

調査によると、行政に取り組んでほしい施策で最も多かったのは「生活や事業の再建」で、53・0%と過半数を占めた。元の生活に早く戻りたいとの切実な思いが伝わる。「治水対策」は2番目で25・6%。最重点で取り組むべきは、やはり生活再建である。

球磨川治水に絞ると、望む対策は「宅地のかさ上げ・高台移転」「堤防のかさ上げ・引堤」「河道掘削」の順に回答数が多く、「ダム建設」は4番目だった。

ダムへの期待度は高くなく、ダムありきで治水対策を主導した国交省や県との認識の違いが際立つ。治水協議に加わった流域市町村の首長は、住民の要望を直接肌で感じていたはずだ。ダムに固執する理由の説明が求められよう。

知事は方針転換の理由に「民意の変化」を挙げた。12年前はダム不要が大半だったが、被災後、少なくとも3分の1は建設に賛成しているというものだ。今回の知事判断を「支持する」との回答は「どちらかと言えば」を合わせて41・8%。知事の想定に近い。

民意は動いたのか

しかし、「どちらかと言えば」を含めた「支持しない」は36・3%、「分からない・無回答」も21・9%だ。単純比較はできないが、知事が白紙撤回を決断した当時、流域住民の82・5%が支持したのとは落差がある。ずれが生じたのは、結論を急ぎすぎたためではないか。

建設の賛否を問う住民投票を「実施すべきだ」は「いずれ」を含め59・8%と、「実施すべきでない」(14・3%)を大きく上回った。流域治水を進めていく上で、住民の合意が得られていない点は今後の不安材料だ。円滑な事業推進の妨げになりかねない。

知事が11月19日、県議会でダム容認を正式表明した際、特に反省の弁はなかった。2008年の白紙撤回は半年間の熟慮の末、「球磨川そのものが守るべき宝」と決断したが、今回の容認は周囲があっけにとられるほど早かった。

被害の責任どこに

代替策とした「ダムによらない治水」が12年間にわたり全く進まなかったことの責任の所在は、一体どこにあるのだろう。

治水に深く関与していた国交省の責任はより重い。知事の白紙撤回表明の直前、九州地方整備局長は「ダムを建設しないことを選択すれば、住民に水害を受忍していただかざるを得ないことになる」と述べた。何としてもダム建設を進めたい気持ちの表れだったのだろう。しかし建設は中止に。治水の主導的立場にありながら不作為ともとられかねない12年間の姿勢と、関連はあるのだろうか。

治水対策協議で対立し、事業を後押しできなかった流域市町村の首長も責任は免れまい。

次のステージにやみくもに進む前に立ち止まり、きちんと総括すべきである。流域治水をどう進めれば最も効率的なのか、展望も開けてこよう。不可欠なのが、住民の要望を丁寧にすくい取り合意形成につなげることだ。果たすべき責任はそこにある。

 

2020熊本豪雨 熊日球磨川流域被災者調査 人吉市、八代市坂本町、球磨村、相良村、五木村

(熊本日日新聞2020年12月29日)

球磨川の冶水対策を尋ねた設問(複数回答、回答数786件)では、

宅地かさ上げや堤防堅備など被災者にとって身近な場所での冶水対策を望む声が、ダムやゆ遊水地の整備を大きく上回る傾向が出た。

回答で最も多かったのは、「宅地のかさ上げ・高台移転」で、241件に逮した。「埋防のかさ上げ・川幅を広げる引堤」も207件と目立った。

県が10~11月に実施した流域の憲見聴取会で住民から要望が相次いだ「河道掘削」は158件だった。

一方、「ダム建設jは100件にとどまり、被災者のニーズは乏しかった。「遊水地の堅備jも41件と少なかった。

(野方信助)

 

◇調査方法 11~20日、球磨川流域2市3村の計798世帯に設問による対面調査を実施し、540世帯から回答を得た。

人吉市、八代市坂本町、球磨村、相良村は仮股住宅と遍曜所の全世帯が対象。五木村については避難所などがないため、NTT電話帳から無作為で紬出した世帯を対面で調査した。

水源連の意見書「球磨川大氾濫を受けて球磨川の治水対策をどう進めるべきか」

2020年12月27日
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川辺川ダムは必要性が希薄で、流水型ダムであっても環境に多大な影響を与えます。

蒲島郁夫・熊本県知事は11月19日に流水型ダムとして川辺川ダムを建設することを容認すると表明しました。

振り返ってみれば、2008年における蒲島知事の川辺川ダムの中止宣言は知事の本意ではありませんでした。

当時、蒲島知事の意思表示の直前に相良村長と人吉市長が川辺川ダムの中止を求めたため、蒲島知事も中止を表明せざるをえなくなったのであって、蒲島知事の当初の思惑は川辺川ダム推進でした。

県民が反対する県の路木ダムの建設を強引に推進し、電源開発の瀬戸石ダムの水利権更新に簡単に同意してきたのが蒲島知事です。

今回の蒲島知事の意思表明で、川辺川ダムは推進の方向に向かう恐れはありますが、様々な手続きがあり、そう簡単に進むものではありません。

川辺川ダムよりもっと重要で、必要とされる治水対策があること、川辺川ダムが流水型ダムであっても川辺川、球磨川の自然に大きなダメージを与えることを訴えていかなければなりません。

川辺川ダムよりもっと重要で、必要とされる治水対策については11月17日に水源連は次の意見書を提出しました。

◆意見書「球磨川大氾濫を受けて球磨川の治水対策をどう進めるべきか」(水源連(水源開発問題全国連絡会))

http://suigenren.jp/wp-content/uploads/2020/11/361f6d973f10e8d2b20ce0e5a6afa36b.pdf

 

◆流水型ダムの問題点については次のまとめをお読みください。

流水型ダム(穴あきダム)の問題点 | 水源連 (suigenren.jp)

 

川辺川ダム計画の復活をストップさせるため、上記2点を訴えていきたいと思います。

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