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川辺川ダムの情報

球磨川治水の河川整備計画 人吉「50年に1度」対応 30年間の目標

2021年12月15日
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12月13日に球磨川水系河川整備計画についての学識者懇談会が開かれました。その記事を掲載します。

河川整備計画案の目標流量は、人吉市の人吉地点で50年に1度の降雨時の毎秒7600㎥、八代市の横石地点で80年に1度の毎秒1万1200㎥となっています。

球磨川水系河川整備計画案は http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/site_files/file/bousai/gouukensho/gakusikikon/211213shiryou4.pdf に掲載されています。

なお、球磨川水系河川整備基本方針案の目標流量(基本高水流量)は人吉地点8200㎥/秒、横石地点1万1500㎥/秒です。https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/shouiinkai/kihonhoushin/dai116kai/05_shiryou3_kumagawa_honbunsinkyu.pdf

いずれにせよ、流水型川辺川ダムの建設に向けて動こうとしていますが、何とかストップしたいものです。

  

球磨川治水、命と環境どう守る 「新たな流水型ダム」議論本格化 

(西日本新聞2021/12/14 11:32)https://www.nishinippon.co.jp/item/n/846667/

球磨川流域の治水策を話し合った学識者懇談会

球磨川の治水策を巡り、支流川辺川への「新たな流水型ダム」整備の議論が本格化している。課題は、蒲島郁夫知事が提示した「命と環境の両立」。13日の学識者懇談会(委員長・小松利光九州大名誉教授)で、国は具体案を示さなかったが、終了後の記者会見で小松委員長が私案を披露した。川の環境を再現した環境保全用トンネルを備えた「ハイブリッド型」だ。

流水型ダムは平時は水をためず、洪水時にだけ貯留する。この日の懇談会で国土交通省九州地方整備局は、今後30年間の球磨川整備の目標となる計画の骨子案を学識者に提示。流水型ダムの位置は旧川辺川ダム計画と同じ相良村とし、総貯水容量を約1億3千万トンと明記した。

完成すれば治水専用では国内最大。国、県、流域自治体でつくる流域治水協議会がまとめた流域治水プロジェクトには、可動式ゲートを設置して流量を調節する案が盛り込まれているが、現在はまだ調査・検討の段階だ。

一方、小松氏は「純粋な流水型ダムは環境に優しいが、自然放流方式で治水効率が悪く大型ダムには向かない」と指摘。「短所を補うには通常時は流水型、洪水時は貯留型のように人がゲートを操作する『ハイブリッド型』が適している」と提案する。

小松氏提案のハイブリッド型は、役割の異なる複数の可動式ゲートを備え、平時、中小洪水、大洪水の3パターンで使い分ける。ダム本体最下部の環境保全用トンネルは、川底に自然石を配し、太陽光代わりの照明を設置して自然環境を再現。ダムの上流と下流の河床を連続させ、魚の往来を妨げない構造を想定する。

環境保全用の脇には、中小洪水時に「流水型」の放流口となる治水専用トンネルを設置。大洪水時には環境保全、治水専用の両ゲートを閉じ、一時的に「貯留型」の治水機能を持たせ、放流ゲートで洪水調節を行う。計画を越える洪水の場合には自然に越流するゲートも設ける。

小松氏は「安全安心と豊かな川の恵みを守るため、知恵を絞りたい」と述べた。 (古川努)

  

球磨川治水の河川整備計画 人吉「50年に1度」対応 30年間の目標

(熊本日日新聞2021/12/14 11:44) https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E7%90%83%E7%A3%A8%E5%B7%9D%E6%B2%BB%E6%B0%B4%E3%81%AE%E6%B2%B3%E5%B7%9D%E6%95%B4%E5%82%99%E8%A8%88%E7%94%BB-%E4%BA%BA%E5%90%89-50%E5%B9%B4%E3%81%AB%EF%BC%91%E5%BA%A6-%E5%AF%BE%E5%BF%9C-30%E5%B9%B4%E9%96%93%E3%81%AE%E7%9B%AE%E6%A8%99/ar-AARMHhN?ocid=BingNewsSearch

 

球磨川水系の河川整備計画について議論した学識者懇談会の会合=13日、熊本市中央区

国土交通省は13日、昨年7月豪雨で甚大な被害が出た球磨川水系で策定する河川整備計画について、熊本県人吉市の基準点で「50年に1度」、八代市で「80年に1度」の大雨を安全に流せる治水対策とする目標を示した。支流の川辺川への流水型ダム建設が柱で、計画期間はおおむね30年。

今回の整備計画が完了しても、「数百年に1度」とされる7月豪雨と同規模の洪水では被害を完全には防げない。ただ、人吉市付近では堤防からの越水を、球磨村など中流域では家屋の浸水被害を防げるとしている。熊本市中央区で開いた球磨川水系の学識者懇談会の会合で説明した。

整備計画は、現在見直しを進めている長期的な河川整備基本方針に沿って当面の対策を具体化するもの。基本方針では、人吉市で80年に1度、八代市で100年に1度の大雨を想定している。

整備計画策定に当たっては気候変動を加味。降雨量を従来の1・1倍にして計算した。対策の目標とする流量は、人吉市の人吉地点で50年に1度の降雨時の毎秒7600トン、八代市の横石地点では80年に1度の毎秒1万1200トンとする。

整備計画に位置付ける新たなダムは、普段は水をためない流水型。旧川辺川ダム計画と同じ相良村四浦に本体の高さ107・5メートル、総貯水容量約1億3千万トンの同規模で建設する。

計画にはほかに、遊水地や河道掘削など今年3月に国や県がまとめた「流域治水プロジェクト」の対策を盛り込む。目標達成のため、新たに人吉市やその上流での河道拡幅や堤防整備なども追加。川下りやアユの生育など、河川の利用や環境との両立も図るとしている。(内田裕之)

川辺川ダム新方針 住民不安払拭できるのか

2021年12月9日
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蒲島郁夫・熊本県知事と国交省九州地方整備局の藤巻浩之局長が12月7日に五木村と相良村を訪問して新しい川辺川ダム計画の概要を説明しました。

従前の川辺川ダム計画が治水専用の流水型ダムになるということだけですから、環境に大きな影響を与える川辺川ダムの問題が解消されるわけではありません。

蒲島知事が川辺川ダムを推進する自己弁明のために両村を訪問する行動であると見るべきです。

この流水型ダム計画について熊本日日新聞の12月9日の論説が下記の通り、問題を提起しています。

流水型ダムであるから、環境にやさしいというのは、蒲島郁夫熊本県知事が振りまいた幻想でしかありません。

球磨川の真の治水対策にもなりません。この論説が述べる通り、球磨川で進めるべき治水対策について議論をしっかり積み重ねていくことが必要です。

下記の日テレNewsでは、五木村の村長や議員から「ダムの影響が分からない状況では容認できない」との声が出たことが報じられています。

国は流水型ダムの整備期間や完成時期を示していませんが、今年3月に策定した球磨川水系の治水対策の全体構想では、完成時期を「2030年以降」としていますので、先行きはまだわかりません。

 

川辺川ダム新方針 住民不安払拭できるのか

(熊本日日新聞  2021年12月09日 07:0)0) https://kumanichi.com/articles/492602

国土交通省が7日、球磨川支流の川辺川に計画する流水型ダムの概要を発表した。相良村四浦の旧川辺川ダム計画予定地に、旧計画と同規模のダムを建設する方針だ。完成すれば総貯水容量で国内最大の治水ダムとなる。

ダムの規模が明らかになったことで、計画は一歩前進した。今後は建設の是非や環境への影響について、より活発な議論が交わされることになろう。国とダム建設を要請した県は、住民の不安や疑問に真摯[しんし]に向き合い、情報を積極的に開示するべきだ。

新たなダムは、高さ107・5メートル、総貯水容量約1億3千万トン。構造は「アーチ式」から、ダム本体の重量で水圧を支える「重力式」に変更する。治水専用のため、多目的ダムだった旧計画より大きな洪水調節能力を備えることになる。

昨年7月の豪雨は、球磨川流域だけで50人が亡くなるなど甚大な被害をもたらした。国交省が最大限の治水効果を狙い、旧計画の規模を維持するとしたのもそのためだ。ただ、新たなダムに流水型という構造を採用する点に関しては、その規模も念頭に置いて妥当性を議論する必要がある。

水を常時ためる貯留型の旧計画とは異なり、流水型ダムには普段は水をためない。川底付近のダム本体に設けた穴から水を流し、洪水時だけ水をためる仕組みだ。そのため、流水型は貯留型に比べ、環境への負荷が小さいとされる。

しかし、国内の流水型ダムはいずれも規模が小さい。国内最大の流水型ダムとして建設中の足羽川[あすわがわ]ダム(福井県)も、総貯水容量は約2870万トンだ。川辺川新ダムの総貯水容量はその約4・5倍。巨大な流水型ダムは前例がなく、環境への影響は未知数と言わざるを得ない。

流水型という構造が、建設予定地や水没予定地を抱える相良村や五木村の村づくりの足かせとなる可能性もある。普段は水に漬からない土地をどう利用するのか。穴あき構造はアユをはじめとする魚の遡上[そじょう]などにどんな影響を及ぼすのか。土砂の堆積はどの程度生じるのか。住民が抱く疑問や不安に丁寧に答えない限り、「日本一の清流」を守りたいとする住民の不安は払拭[ふっしょく]できまい。

長年、ダムに翻弄[ほんろう]された五木村の振興策も道筋は見えていない。住民約500世帯が村内外に移転するなど人口減少が加速し、村の人口は千人を切った。「国や県に振り回され、疲弊する一方だ」という村民の思いは重く、合意形成は容易ではなかろう。

国交省は週明けにも有識者委員会の会合を開き、新ダム建設の法的根拠となる球磨川水系の河川整備計画の議論を本格化する予定だ。ダムは緊急放流という不安要素も併せ持つ。雨がどの程度降ったら緊急放流が必要となり、その際にダム管理者はどう対応するのか。協議の場では、ダム建設が住民にとってマイナスになるケースも明示し、住民の理解が深まるまで議論を重ねてもらいたい。

 

国内最大の治水ダム・地元には不安【熊本】

(日テレNews 2021.12.8 19:49) https://www.news24.jp/nnn/news100cfpc2wh0gr5e3kk2.html

熊本豪雨で氾濫した球磨川の流域治水対策が動き出す。国が表明したのは国内最大の流水型ダムを設置する方針だ。

熊本県の蒲島知事は8日「住民と確認しながら整備を進める仕組みを構築したい」と述べた。

建設方針が示されたゲート付き流水型ダムは、2020年7月の熊本豪雨で氾濫した球磨川流域の治水対策の柱として掲げられている。

建設場所はこれまでの計画と同じ相良村で、高さ107.5m、総貯水量1億3000万t、完成すれば国内最大級の治水専用ダムとなる。

国と県は7日、水没予定地を含む五木村と建設予定地の相良村を訪れ、ダムの方針について説明。

五木村の村長や議員からは「ダムの影響が分からない状況では容認できない」、「洪水調節については一定の理解はできるが、住民に

不安がある」などの声が上がった。

蒲島知事は今後も村の振興を支援するととに、地元に理解を得られるよう説明を続ける方針。

 

新ダム、従来計画地に 川辺川流水型で国方針

2021年12月4日
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蒲島郁夫・熊本県知事と国交省九州地方整備局の藤巻浩之局長が12月7日に五木村と相良村を訪問して新しい川辺川ダム計画の概要を説明するということで、ダム計画の概要が新聞に掲載されましたので、その記事を掲載します。

従前の川辺川ダム計画が治水専用の流水型ダムになるということだけですから、環境にやさしいとは思われません。

 

新ダム、従来計画地に 川辺川流水型で国方針

(熊本日日新聞2021/12/04 10:14)https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E6%96%B0%E3%83%80%E3%83%A0-%E5%BE%93%E6%9D%A5%E8%A8%88%E7%94%BB%E5%9C%B0%E3%81%AB-%E5%B7%9D%E8%BE%BA%E5%B7%9D%E6%B5%81%E6%B0%B4%E5%9E%8B%E3%81%A7%E5%9B%BD%E6%96%B9%E9%87%9D/ar-AARs0Qz?ocid=BingNewsSearch

昨年7月の熊本豪雨災害を受け、国土交通省が球磨川支流の川辺川に計画する治水専用の流水型ダムについて、建設場所を従来の川辺川ダム計画と同じ熊本県相良村四浦の峡谷とする方針を固めたことが3日、関係者への取材で分かった。上流にある五木村に大きな影響が及ぶため、蒲島郁夫知事と国交省九州地方整備局の藤巻浩之局長が7日、両村を訪問して新ダム計画の概要を説明する。

複数の関係者によると、新たな流水型ダムの規模は地形などの条件から川辺川ダム(高さ107・5メートル、総貯水容量1億3300万トン)と同程度とする方向で検討中。完成すれば、治水専用ダムとしては建設中を含めて国内最大級となる。

従来の川辺川ダムは貯水型の多目的ダムで、容量のうち梅雨から夏場の大雨に備える洪水調節用に8400万トン、農業や発電の利水用に2200万トン、土砂の堆積に2700万トンを割り当てる計画だった。

新たなダムは治水専用で、不要になった利水容量を洪水調節に使える。平時は川の流れをせき止めないため堆砂容量も少なくて済み、川辺川ダムと同程度の規模でもより大きな治水能力を持つ。

国は、従来の建設予定地が「地質や集水面積の大きさから適切な場所」(学識者懇談会)なのに加え、既に道路などの関連工事も進み、工期の短縮や費用の圧縮にもつながるとみている。

ただ、地元の五木村と相良村は長年ダム問題に翻弄[ほんろう]され、特に水没予定地を抱える五木村は川辺川ダム計画が事実上中止になって以降、「ダムなしの村づくり」を進めてきた経緯がある。このため県と九州地方整備局は再びダム計画を進めるに当たり、まずトップが足を運んで直接理解を求める必要があると判断した。

蒲島知事は球磨川の大水害を受けて2020年11月、環境負荷が少ないとされる流水型ダムの建設容認を表明。08年に川辺川ダム計画を「白紙撤回」した政治判断を転換した。その後、国や県、地元市町村は川辺川の新たなダムを対策の柱とする「流域治水プロジェクト」を今年3月に策定した。(流水型ダム取材班)

 

 川辺川の流水型ダム、従来計画地に

(読売新聞2021/12/04 15:00)https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20211204-OYTNT50073/

昨年7月の九州豪雨で氾濫した熊本県・球磨川流域の治水対策として、支流の川辺川で検討している流水型ダムについて、国土交通省が従来の川辺川ダム計画の予定地(相良村)に、同程度の規模で建設する方針を固めたことが分かった。同省九州地方整備局の藤巻浩之局長と蒲島郁夫知事が7日、相良村と、水没予定地となる五木村を訪問して伝達する。

関係者によると、ダム建設に適した地形であることや、既に用地買収や道路などの関連工事が進んでいることを踏まえた。ダムの規模は、従来の川辺川ダム(高さ107・5メートル、総貯水量1億3300万トン)と同程度とする方向だ。

従来は治水と利水を目的とした多目的ダムで、治水分の洪水調節容量と利水分で計1億600万トンを備える計画だった。新たなダムは治水専用となることから、球磨川流域の自治体首長からは利水分も有効活用して治水効果を高めるべきだとの意見が出ていた。

川辺川ダム計画は旧建設省が1966年に発表。相良、五木両村の水没予定地からは500世帯以上が移転した。2008年に蒲島知事が白紙撤回を表明し、「脱ダム」を掲げる民主党政権が09年に中止したが、九州豪雨を受け、国、県、流域市町村は今年3月、流水型ダムを柱とする治水対策をまとめていた。

熊本・川辺川ダム容認1年 焦る住民 治水・鉄道復旧、見通せず

2021年11月22日
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蒲島郁夫・熊本県知事が川辺川ダム建設を容認すると表明してから1年経ちますが、着工や完成時期は今も見通せず、遊水地などダム以外の治水対策の詳細も決まっていません。

球磨川の治水対策がはっきりしない現状についての記事を掲載します。川辺川ダム案がほかの有効な治水対策に代わること強く期待します。

 

熊本・川辺川ダム容認1年 焦る住民 治水・鉄道復旧、見通せず

(毎日新聞 2021/11/22 大阪朝刊)  https://mainichi.jp/articles/20211122/ddn/041/040/011000c

2020年7月の九州豪雨で氾濫した熊本県の球磨川の治水対策として、蒲島郁夫知事が支流の川辺川でのダム建設を容認すると表明してから19日で1年がたった。ただ、着工や完成時期は今も見通せず、遊水地などダム以外の治水対策の詳細も決まっていない。治水対策がはっきりしない中、球磨川沿いを走るJR肥薩線の復旧も手つかずのままで、住民は不安を募らせている。

球磨川や支流の氾濫で全家屋の約3割が全半壊した球磨村。豪雨から1年4カ月がたった今月、球磨川沿いにある村北部の神瀬(こうのせ)地区を訪れると、被災家屋の解体が進み更地が目立つ。上蔀(うわしとみ)修さん(65)も水没した平屋を6月に解体した。今は仮設住宅で暮らすがいつ戻れるか分からず焦りを隠せない。「ダムの完成まで何年かかるのか、国からも県からも説明はない。宅地のかさ上げも進まず、生活再建の見通しが立たない」

蒲島知事は08年、地元の反対などを理由に川辺川のダム計画を「白紙撤回」したが、九州豪雨を受けて姿勢を転換。20年11月19日、一般的な貯水型のダムよりも環境への影響が小さいとされる流水型でのダム建設を容認する考えを県議会で表明した。21年3月には国や県が、ダムを軸に遊水地の整備や宅地のかさ上げなど複数の対策を組み合わせた球磨川水系の「流域治水プロジェクト」を公表した。だが、着工時期のめどすら立っていないのが現状だ。

 

一方、国土交通省は9月、流域治水プロジェクトで示した全ての対策を講じても、20年豪雨と同規模の洪水があった場合には人吉市西部や球磨村などの中下流域で、ピーク時の水位が安全に水を流せる「計画高水位」を超えるとの想定を提示。「ダムができても被災する恐れがあるのか」。住民に大きな動揺が広がった。

過疎化に拍車がかかる事態も懸念される。豪雨直前に3510人いた球磨村の人口は、21年11月には256人減の3254人と7・3%減少。村の担当者は「特に若い世代の流出は村の衰退に直結する」と嘆く。

担当者の懸念の理由の一つが、熊本県八代市と鹿児島県霧島市を結ぶJR肥薩線のうち、運休している八代―吉松(鹿児島県湧水町)間86・8キロの復旧の見通しが立っていないことだ。

肥薩線は豪雨前から八代―人吉間だけでも年約6億円の赤字が出ており、JR九州は鉄道での復旧を目指すかどうかすら明らかにしていない。「本当に復旧する日は来るのだろうか」。球磨村の那良口(ならぐち)駅で、名誉駅長として清掃を続ける近隣住民の林エミ子さん(73)は、雑草に覆われた線路を不安げに見つめた。【城島勇人】

球磨川流域の持続的発展目指す 熊本県立大の研究プロジェクト始動(流水型川辺川ダムの推進)

2021年11月18日
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昨年7月の熊本豪雨で被災した球磨川流域をフィールドに、「流域治水」の技術を全国に先駆けて確立するためのプロジェクトが熊本県立大を拠点に始動したという記事をお送りします。

しかし、このプロジェクトが目指しているのは、流水型川辺川ダムの推進も含めたものですから、このプロジェクトをとても評価することはできません。

新たなダムを造らずに、自然豊かな川を残す治水対策を確立することこそ、私たちが目指すべきことです。

 

球磨川流域の持続的発展目指す 熊本県立大の研究プロジェクト始動

雨水を浸透させて洪水を軽減する「雨庭」の実験施設

昨年7月の熊本豪雨で被災した球磨川流域をフィールドに、気候変動時代の防災・減災のキーワードでもある「流域治水」の技術を全国に先駆けて確立し、真の復興への課題を産官学民の連携で解決していく-。10年間で研究費最大20億円を見込む壮大なプロジェクトが、熊本県立大を拠点に始動した。17日の発表で、プロジェクトリーダーの島谷幸宏・県立大特別教授は「治水という投資を地域の持続的発展につなげたい」と意気込みを語った。

プロジェクト名は「『流域治水を核とした復興を起点とする持続社会』地域共創拠点」。水害への安全・安心▽豊かな環境と恵みのある暮らし▽若者が残り集う地域▽多世代による緑の流域治水の達成-の四つの「目標となる未来」を定め、地域課題の解決に挑む。

島谷氏のチームは、安全と環境保全の両立に向けて県が提唱する「緑の流域治水」の技術を開発。雨水を浸透させる「雨庭」や田んぼダムなど「洪水をゆっくり流す」技術などの開発を進め、氾濫流を防いだり受け流したりする小型の堤防などの研究や対象地の選定も進める。

熊本大の皆川朋子准教授のチームは、環境再生や生物多様性を高める技術を検討。球磨川の県営市房ダム下流の水質改善や、「新たな流水型ダム」の整備が検討されている支流川辺川の環境保全なども柱に据える。肥後銀行系のシンクタンク「地方経済総合研究所」の宮中修部門長のチームは産業連携を担う団体を設立し、「3年目以降、毎年1件の産業創生」を目標に掲げる。デジタル技術を活用した減災や、学びの場創出を目指すチームもある。

県立大の白石隆理事長は「極めて具体的なネットワークができた」、蒲島郁夫知事は「創造的復興を強力に推進するエンジンとなる」とそれぞれ評価。肥後銀行の笠原慶久頭取は「地域の自然と歴史、文化資本を経済資本に転換する地域経済循環モデルを構築したい」と述べた。 (古川努)

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