水源連:Japan River Keeper Alliance

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日本弁護士連合会の「石木ダム事業の中止を求める意見書(2013年12月19日)」

2013年12月27日
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日本弁護士連合会が「石木ダム事業の中止を求める意見書」をまとめ、長崎県と佐世保市に提出しました。

「長崎県が計画中の石木ダム事業は,治水・利水の必要性に乏しく,環境影響について適切な配慮がなされていない上,住民との覚書による合意に反するもので,そのまま事業を継続することは容認できないものであるから,中止すべきである。」

と、石木ダム事業の中止を明確に求めています。

日弁連「石木ダム事業の中止を求める意見書」

意見書は日弁連のHPにも掲載されています。

http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2013/131219_4.html

反対派が弁護団を結成 石木ダム事業( 2013年12月6日 )

2013年12月9日
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反対派が弁護団を結成 石木ダム事業(読売新聞長崎版 2013年12月6日 )
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/news/20131205-OYT8T01621.htm

県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダム事業を巡り、事業に反対する地権者や市民団体に対し、反対運動や訴訟に発展した際の法律的助言などを行う弁護団(馬奈木昭雄団長、10人)が5日結成された。

同町の川原公民館で結成式と決起集会が開かれ、参加者は県側に対する対決姿勢を改めて強めた。

同ダム事業では、水没予定地の13世帯が立ち退きを拒んでおり、国土交通省九州地方整備局は9月、事業主体である県側の申請を受け、土地収用法に基づく事業認定を決定。

これにより、用地の強制収用が可能となり、反対地権者らは10月、認定取り消しを求め、国交省に対して行政不服審査法に基づく審査請求を行った。

式には、弁護団や地権者ら約60人が参加。地権者でつくる石木ダム建設絶対反対同盟の岩下和雄さん(66)が「白紙撤回まで頑張ろう」と訴えた。

式終了後、弁護団は記者会見を開き、「まだ提訴の時期ではない」とする一方、中村知事と佐世保市の朝長則男市長に公開質問状を出す方針を示した。

石木ダムは佐世保市の水源確保と川棚町の治水を目的に1975年に事業採択。県側は2016年度の完成を目指しているが、反対運動もあり、工程表で今年度中の着工を予定している本体工事のめどは立っていない。

石木ダム反対派の弁護団結成(KTNテレビ長崎2013年12月6日)
http://www.ktn.co.jp/news/

 東彼杵郡川棚町に計画されている石木ダムの建設に反対する地元の地権者たちを支援する弁護団、がきのう夜、結成されました。

弁護団は、石木ダム建設絶対反対同盟の地権者13世帯の活動を支援するため、九州の弁護士10人が、参加しています。石木ダムは、洪水の防止と、佐世保市の水道用水の確保のために、県と佐世保市が計画していて、今年9月には、土地の強制収用への道を開く「事業認定」が告示されました。昨夜の集会で、弁護団の馬奈木昭雄団長は「無駄な事業に税金が使われるという意味で、県民全員が被害者」として、諫早湾干拓事業の反対運動とも連携していくことを報告しました。弁護団長  馬奈木昭雄弁護士「皆さん方の生活に、本当に必要な金を使わせるということでがんばろう」石木ダム建設絶対反対同盟・岩下和雄さん「私たちは、今後ともがんばっていくという強い力を得た」当面裁判を起こす予定はなく、年内にも、県知事に公開質問状を送り、討論会の実施を求めていくことにしています。


石木ダム反対派住民が弁護団結成
(NBC長崎放送 2013年12月6日)
http://www.nbc-nagasaki.co.jp//news/nbcnews.php#6

東彼・川棚町に計画されている石木ダム問題で、建設に反対する地元の住民らが弁護団を結成し5日夜、現地で結団式が行われました。水没予定地の公民館で開かれた集会にはダム建設に反対する地権者ら50人あまりが参加、弁護団10人のうち6人の弁護士が出席しました。石木ダムをめぐっては地元住民の根強い反対運動により40年近く着工できない状態が続いていますが、今年9月、土地収用法に基づく事業として認定されたことから、長崎県が反対地権者の土地を強制収用することも可能な状態となっています。このため住民らは法律的なアドバイスを受けながら反対運動を続けようと弁護団の結成に踏み切ったもので、まずは中村知事に公開質問状を提出し、公の場で改めて石木ダムの必要性について論議したい方針です。弁護団では石木ダム問題を次期知事選挙の争点の1つにしたい考えで、長崎県の出方次第では法廷闘争も辞さない構えです。

国土強靱化法案を廃案へ

2013年12月4日
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水源連と公共事業改革市民会議、それぞれが緊急声明・意見書発表

2013年11月26日、「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靭化基本法案」が衆議院で可決され 、参議院に回されています。
水源連と公共事業改革市民会議(水源連団体参加)はそれぞれ、12月2日に緊急声明を発表し、この法案を審議する参議院関係委員会委員、各政党等に送付すると共に、マスコミ関係者に広く告知しました。

主権者である国民が政策決定に関与できぬままで事業決定・施行を可能とするシステムです。特定秘密保護法案とセットとなって、まさに国家総動員法の準備が周到に進んでいます。

大きな世論で、特定秘密保護法案と共にこの国土強靱化法案を廃案に追い込みましょう。

水源連緊急声明 国土強靭化法案を廃案に (pdf 13kb)

2013.12 公共事業改革市民会議 緊急声明 (pdf 13kb)

2013.12 公共事業改革市民会議 国土強靭化意見書 (pdf 72kb)

講演会「平瀬ダムは本当に必要なのか」のスライド (2013年11月30日)

2013年12月2日
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去る11月30日(土)に岩国市で講演会「平瀬ダムは本当に必要なのか」があり、平瀬ダムの問題点を中心にして話をしてきました。

主催は「美しい錦川を未来に手渡す会」(代表 吉村健次さん)です。

平瀬ダムの問題点はあまりよく知られていませんので、その講演で使ったパワーポイントのスライドを掲載しました。

ご覧いただければと思います。  嶋津暉之

パワーポイントスライド

講演のスライド(上)(日本のダム問題の経過)2013年11月30日

講演のスライド(下)(平瀬ダム問題を考える)2013年11月30日

スライドショーでご覧ください。

パワーポイントのバージョンはスライドショーでグラフの線の動きを示すため、PPT2007、2010になっていますので、ご了承ください。

PDFのスライド

講演のスライド(上)日本のダム問題の経過 2013年11月30日

講演のスライド(下)平瀬ダム問題を考える 2013年11月30日

 

第20回水源連総会  現地見学会 長崎県要請 速報

2013年11月22日
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第20回水源連総会

第20回という一つの節目となる総会を石木ダム事業地近くの長崎県川棚町国民宿舎「くじゃく荘」で1110830から開催しました。以下、遅くなりましたが、簡単に報告します。

総会の議案書・資料集は水源連ホームページの下記URLをご覧下さい。
http://p.tl/A9LT  pdf 15.2MB

 総合司会を西島さん、議長を石丸さんと和波さんにお願いして総会は進行しました。

  藤田恵 顧問から開会の挨拶を受けました。原発推進とダム事業推進の構造が全く同じであること指摘した上で、石木ダム中止を訴えました。

  事務局から会計報告を含む経過報告と、新年度の活動方針提案(会計予算含む)が提起されました。この報告と提案に承認をいただきました。

  全国からの報告                                                                            

1団体4分という窮屈な時間配分で申し訳なかったのですが、計14名から発言をいただきました。

  • 川辺川ダム・荒瀬ダム・瀬戸石ダム・立野ダム問題について中島 康さん、
  • 川辺川ダム事業の目的の一つとしていたかんがい用水事業に対して現行水路の整備を求めていことを茂吉隆典さん、
  • 平瀬ダムについては、パブコメでは9割が反対意見であるにも関わらず土建関係が強い力を持っているので、事業推進されている、と吉村健次さん、
  • 岐阜・愛知関係では、長良川河口堰開門問題と内ケ谷ダム問題については武藤 仁さん、木曽川水系連絡導水路問題は小林 收さん、
  • 設楽ダム問題については検証が知事保留になっていること・連続公開講座のまとめに差し掛かっていることなどを市野和夫さん、
  • 八ッ場ダム問題について、神原禮二さんは現地から下流域に広めることを、川原理子さんはカヤックに乗って川面から見るなどの新しい取組みを、鈴木郁子さんは現地からの怒り声発掘の取組みを、
  • 成瀬ダムの現在の状況、最上小国川ダムは工事用道路が着工されていることと裁判長の現地視察、津付ダムは中止の方向が出されたが住民がクレームをつけていると奥州光吉さん、
  • 思川開発(南摩ダム)については「水道水源としての地下水をダムの水に切り替える」という栃木県の愚策を高橋比呂志さん、
  •  内海ダム再開発についてはダム堰堤が完成し湛水試験中であること、訴訟がやっと証人尋問の段階に来たと松本宜崇さん、
  •  路木ダムについてはダム堰堤が出来上がりアユが姿を消した、羊角湾干潟に弊害が出る危惧がある、ダム完成後も環境監視し「路木ダムを検証する会」に運動を継承、と笠井洋子さん、
  • 山鳥坂ダム本体着工は7年ごと言うことなので、まだまだ反対運動は出来る。運動の再構築を図っている、と有友正本さん。

  討議                                                                                                           

 事務局から以下の提起・説明を行いました。詳しくは議案書・資料集を御覧下さい。

  • ダム事業見直しの経過
  • ダム建設がますます不要となる時代の到来を訴えよう
  •  取り組むべき課題
  • 日弁連試案「公共事業改革基本法」
    詳しくは日弁連の下記URLをご覧下さい。
    http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2012/120614.html

    なお、「この試案は河川整備計画改革法ではない」との補足説明がありました。

  全体討議                                                             

50分間という短い時間ですが、多方面にわたる問題提起と討議が行われました。主な論点を箇条書きにします。

  •  私たちは論理面では勝っている。それに自己満足せず、私たちの主張の実現を目指す時である。
  •  ダム目的の流水正常機能や治水について、こちら側の考え方を根気よく伝えていきたい。
  •  流域治水は全体の治水安全度ではなく、地先の安全度を採用するべき。
  •  正常流量 慣行水利権の取水+維持流量をダムで保証というもので、「望ましい」がダム計画では「確保する」になっている。
  •  設楽ダムの場合、維持流量を年間通して5㎥/秒としているが、それは鮎遡上時だけでよい。
  • こちら側の環境も含めたダム反対の論理を早く立ち上げて広めることが必要。
  •  現在は負荷率は8595%、利用量率は100%近い。流水正常機能についてはB/Cを身代わり建設費との比較で行っているから1を超えるのは当然。このようなカラクリを問題にしていこう。
  •  ダムが出来てしまったが、その後の検証が大切。客観的なデータを集めて科学的に詰めていきたい。
  •  人口減少→水需要減少が確実なのに裁判所はまったく触れない。
  •  B/C、基本高水などがデタラメであることをデータを用いて科学的に検証する。
  •  問題をみんなにどのように知らせるかが一番の問題。 

  石木ダム闘争  勝ち抜くために

まったく無駄な石木ダム事業を中止させ、13世帯60人を守り抜くことを水源連仲間の誰もが目指しています。この総会では勝利に向けて、40分間ではありますが、全員で知恵を出し合いました。

  石木ダム建設絶対反対同盟の岩下和雄さんからの報告

  •  県庁所在地での石木ダム反対大行動は今回が初めて。
  •  事業認定は下りたが、13世帯は一致団結、石木ダムは造らせない。
  •  中止させるまでには時間が長くかかるであろうから、あまり構えずに楽しい日々を送りながら反対を貫く。
  •  訴訟の準備を進めている。
  •  来年2月が長崎県知事選。それまでは動きがないだろうというのがマスコミの見方。

  事務局からの報告

  • これまでの水源連としての取組みの紹介。
  • これからの進行について説明。

 全体討議

  •  事業認定は13世帯のことにまったく触れていないなど、考慮すべきことを考慮していない。日光太郎杉事件の判例もある。共有地権者=当事者なので「私も原告」になる。
  •  問題を明らかにすることで「石木ダムはいらんよね。」の声が広がる。
  •  佐世保市民も無駄な石木ダム建設事業によって多額の負担を強いられる当事者である。
  •  佐世保市民に理解されるようにホーちゃんの小冊子から利水部分を抜粋して全戸配布を。
  •  佐世保市民に理解を求めるために、石木ダムを造るとどのようなデメリットが生じるのか一目で分かる配布物を考えたい。
  • 自然保護に敏感なアウトドア系の皆さんに知らせたい。

 まとめ
訴訟を通じて問題点を明らかにし、それを内外に広く伝えて世論形成を図り、長崎県と佐世保市を追い込んで石木ダムを断念させる。 

  総会宣言

総会での討論を踏まえた総会宣言案を事務局から提案、全員拍手で採択しました。
採択した総会宣言は別紙の通りです。
第20回水源開発問題全国連絡会総会宣言  50kb

   緊急声明

安倍政権によって「特定秘密保護法」制定が進められています。この法の成立阻止声明を水源連としても出そうと、近藤ゆり子さんから緊急声明案が提出され、全員一致で採択しました。別紙の「特定秘密保護法の廃案を求める緊急声明」をご覧下さい。
特定秘密保護法案の廃案を求める緊急声明

   閉会挨拶  

総会で討議したことを踏まえ、石木ダムをはじめとした私たちが関わっているダム事業すべての中止を実現するべく頑張ることを誓い合いました。

 予定通りに12時に総会を終え、急いで食堂でカレーライスを頬張り、12時半には現地見学会へと出発しました。   

現地見学会

1110日、総会を終え直ぐに昼食を取り終えると、1250分頃にマイクロバスに乗って現地見学に出発しました。私たちのバスは石木ダム建設反対同盟の炭谷さんが運転と道中の説明を担当されました。
最初に川棚川最下流河口部の無堤防地区を見て回りました。海抜2m程度しかない上に無堤防なので、高潮や津波対策が急がれるところです。
次いで、川棚川に沿って治水基準点である山道橋(河口から約2.4km)に向かいました。このあたりは海抜4m程度です。ここより下流の治水安全度が1/30から1/100に突然上がる訳ですが、これまでに川棚川が山道橋下流であふれたことはありません。すべて、内水氾濫です。石木ダムにムリヤリ治水目的をつけるがために治水安全度を厳しくしていることが分かります。
山道橋直上流の右岸に佐世保市水道の取水所があります。現在既に日量で最大20,000㎥が佐世保市水道に取水されています。その対岸(左岸)にポツンと広場がありました。佐世保水道の新たなポンプ所予定地です。石木ダムが出来ると55,000㎥/日が取水されることになります。そうなると現在の取水所を拡張することになりますが、背向地に山が迫っているため拡張できず、対岸(左岸)のこの場所に作り替える予定と言うことでした。
そのまま左岸を上流に流に向かって歩き、石木川の注ぎ口に立ちました。川棚川と比べるとホントに幅の狭い小川です。この小川の洪水をダムで調節したところで本流にはさして影響がないことが実感できます。
再度マイクロバスに乗って石木川に沿って進み、採石場下で下車。「ここには採石跡の大きな穴があり、石木川の流量調節の役割を担わさせるに充分な大きさであったが、埋めて使えなくした」との説明。
そのまま歩いて団結小屋(見張り小屋)前で案山子たちと記念撮影。マイクロバスで石木川沿いにホタル祭りを行う広場まで移動。その途中に石木ダム反対の幟や看板がたくさん。例の言わ猿・見猿・聞か猿の櫓もこの道中にありました。
緑豊かでゆったりとしたとても良い雰囲気が漂う所です。
ここで記念の集合写真を撮り、解散としました。

長崎県への要請

 111111時半から長崎県庁で要請行動を行いました。薄暗くて狭い、隔離された部屋での要請行動でした。
こちら側は総勢約二十名、長崎県側は3人が出席しました。

最初に「やめさせよう石木ダム建設!全国集会」実行委員会代表の藤澤秀雄氏が土木部河川課企画監川内俊英氏に9日の全国集会で採択した集会宣言を手渡しました。次いで「ダム検証のあり方を問う科学者の会」の今本博建代表が科学者の会の申し入れ書を手渡しました。

これらの申入れに対する川内俊英氏は
「中立な機関から事業認定を受けているので、科学的な再検証は拒否。13世帯の皆さんには個別交渉でご理解を願うのみ。話し合いに応じていただけないのであれば、地縁血縁を使った説得を行う。それは条例に違反しない。石木ダム・覚書は知事個人の想いであり長崎県は制約を受けない」という驚くべき対応。知事が公印を押した覚書を「知事個人の想いで長崎県は縛られない」に至っては知事公印の意味をまったく理解していない証拠。

これって、長崎県にしてみれば、「13世帯の皆さんに相手にしてもらえない。あとは地下に潜って地縁血縁を使った説得しかやることがない。」というお手上げ状態を宣言したも同然です。

あとは13世帯の皆さんに加えて佐世保市民・川棚町民・長崎県民が長崎県・佐世保市を相手にしなくなれば(支持しなくなれば)、強制収用もままならず、万策尽きて石木ダム事業は中止するしかなくなります。

11日の川内氏の対応は現在の長崎県政の代弁そのものなのでしょう。長崎県民への挑戦と県民の皆さんに受け取って頂きたいものです。 

最後に県庁記者クラブでこの日の申し入れについて記者会見を行って、12時半頃に三日間の行動をおえました。

 

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