2012年の課題
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2011年12月23日の政府・与党の八ッ場ダム建設再開合意が象徴するのは、2009年政権交代時の民主党マニフェスト「コンクリートから人へ」「できるだけダムに依存しない治水・利水」を政権与党になった民主党自身が反故にしたことです。
検証自体が当時の前原国土交通大臣設置の「治水のあり方を考える有識者会議」の「中間まとめ」を基本に据えた 「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」(PDF 422KB)によるものでした。
私たちは「治水のあり方を考える有識者会議」設置当初から、その委員構成と非公開という運営に関して、「コンクリートから人へ」「できるだけダムに依存しない治水・利水」への方向転換は望めないことを指摘し、その抜本的改善を求めてきましたが、前原氏は聞く耳を持とうとしませんでした。
「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」(PDF 422KB)による検証は、事業者による検証で、問題を提起してきた住民の実質的な関与を徹底的に排除して進行しました。事業者が当該ダム事業を推進する方向を持っていればそれがそのまま追認されるという検証でした。事業者による検証結果を有識者会議が追認、それを以て国土交通大臣が「推進決定」を下す、というのがこれまでの流れです。
国土交通省が八ッ場ダム本体工事を2012年度予算に計上したということは、これからもこの方式で検証検討が行われ、その手順が「中間まとめ」を踏まえていれば有識者会議と国土交通大臣が追認を与えることを国土交通省が宣言したことになります。今後も続々と「ダム事業最も有利」の検証検討結果に有識者会議と国土交通大臣が追認するでしょう。
私たちはなんとしても、「検証の本来の目的である河川行政の方向転換を反故にして、ダム事業推進」の結論が先にある検証の流れを断ち切らなければなりません。
八ッ場ダム本体工事費計上決定の撤回を求めるとともに、現在の有識者会議を解散し、ダム事業者から報告される検証結果を“「できるだけダムに依存しない治水・利水」への転換”という視点で正しく審査する「事業検証検討審査会」を設置して、あらためて八ッ場ダム検証報告の審査を行うことを実現させなければなりません。
ダムだけでなく、整備新幹線や道路、泡瀬干潟埋め立てなど無駄な公共事業を次々と復活させ、国民にその負担を強いる増税、全く許すことができません。ある新聞は「人からコンクリートへ」と民主党を揶揄していました。
水源連も多くの皆さんと連帯して今の状況を跳ね返したいと思います。共に頑張りましょう。
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