堤防整備の遅れを指摘する会計検査院の報告
2017年11月12日
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会計検査院が堤防整備の遅れを指摘する報告を11月8日に内閣に送付しました。
平成28年度決算検査報告の概要 http://www.jbaudit.go.jp/report/new/summary28/index.html の
特に掲記を要すると認めた事項 http://www.jbaudit.go.jp/report/new/summary28/tokutei.html
「河川整備計画等により堤防等を整備することとしている区間において、一部未整備の箇所又は改築が必要な橋りょうが残存していて、整備済みの堤防等の整備効果を十分に発現させる方策を講ずる必要がある事態について」
http://www.jbaudit.go.jp/report/new/summary28/pdf/fy28_tokki_01.pdf に、堤防整備に関する報告が掲載されています。
国交省はダム建設を優先し、堤防整備を後まわしにするような河川行政を続けてきています。
2015年9月の鬼怒川水害は、国交省が上流に四基の大型ダムを建設する一方で(最後の湯西川ダムは2012年完成)、下流部の河川改修をなおざりにしてきたことによって引き起こされたものでした。今年7月下旬と8月下旬に起きた秋田・雄物川の氾濫も、国交省が上流で成瀬ダム(総貯水容量7,850万㎥、2024年度末完成予定)の建設にまい進する一方で、雄物川中下流部において流下能力が極めて低い状態を放置してきたことに起因するものです。起きるべくして起きた氾濫でした。の問題を成瀬ダム差し止め住民訴訟で証言しましたが、残念ながら、判決には反映されませんでした。
会計検査院の報告に関する記事を掲載します。
堤防、不完全20カ所超 豪雨時、水害の恐れ 途切れや高さ不足 検査院調べ
(朝日新聞2017年10月27日)
「大曲の花火」雄物川に不完全な堤防 7月に氾濫
(朝日新聞2017/ 10/27)
堤防未整備で洪水の恐れ 佐賀など11道県24カ所
(佐賀新聞2017/11/9 8:28)http://www.saga-s.co.jp/articles/-/146857
(写真)堤防の未整備区間から水があふれ、住宅などに浸水被害が出た雄物川=7月(国交省東北地方整備局提供)
豪雨に伴う洪水を防ぐため堤防をかさ上げしたり、川幅を広げたりする国土交通省の事業を会計検査院が調べた結果、未整備区間が残っているため十分な効果が見込めない場所が11道県で24カ所あることが8日分かった。実際、未整備部分から水があふれ、被害が生じた地域もあった。
地権者や周辺住民の理解が得られなかったり、幹線道路と交差するため工事が難しかったりすることが主な原因で、検査院は交渉・対策を急ぐよう要求。国交省は「調整を引き続き進め、地域の安全の向上に努める」としている。
検査院は2012~16年度の国の直轄事業、地方自治体が国から補助金を受け取って行う補助事業の対象である計857河川の状況を調べた。その結果、未整備区間で堤防の高さが予想水位を下回っている場所が佐賀県の巨勢川(1カ所)、浜川(1カ所)など12河川で14カ所あった。
このうち国交省東北地方整備局湯沢河川国道事務所が工事を担った秋田県大仙市の雄物川では、堤防予定地にある事業所の移転先が決まらなかったことから未整備の区間が430メートル残り、07、11、17年度には実際に水が堤防を越え、住宅や農地が浸水した。
また、堤防の整備予定地に橋があれば、堤防の整備と同時に橋も高くしたり延ばしたりする必要がある。しかし主にコスト面で鉄道会社などの橋の管理者と歩調が合わず、10カ所の橋で対応が後手に回っていた。【共同】
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