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報道

建設進む「石木ダム」、二審も工事差し止め請求棄却 県に注文も

2021年10月22日
カテゴリー:

石木ダム関連工事の差し止めを求めた訴訟の控訴審で、10月21日に福岡高裁の判決がありました。残念ながら、住民側の敗訴でした。

まったく無意味なダム建設なのですが、司法の壁は厚いです。

石木ダムの不要性は明々白々であるのに、司法は頑なに認めようとしません。本当に残念ですが、頑張るしかありません。

この判決についての記事とニュースを掲載します。

本判決でただ一つ注目すべきところは、1972年7月に地元住民(川原郷・岩屋郷・木場郷の各総代)と長崎県知事が、川棚町長を立会人として交わした覚書に言及していることです。

判決はこの覚書を取り上げて、

「3郷は長崎県知事を信頼し、川棚町長の協力を確信して、本件覚書に調印することを約束・・・そうであるにもかかわらず、未だ、本件事業につき地元関係者の理解が得られるには至っていない・・・県を始めとする本件事業の起業者には、今後も、本件事業につき地元関係者の理解を得るよう努力することが求められる」と述べています。(判決文 石木ダム差止控訴審判決文 2021年10月21日 16~17ページ)

控訴人側は、「私たちは,本判決に対して速やかに上告等の手続をするとともに,裁判外においても,違法な事業を中止させ,居住者らの人権を守るために,これまで以上に闘い続けることをここに宣言する。
国あるいは起業者である長崎県及び佐世保市は,この私たちの断固たる決意を真摯に受け止め,即座に,客観的に明らかに不合理である石木ダム事業計画を撤回していただきたい。」と、判決に対する声明「控訴審判決声明」を発表しています。

詳しくは石木川まもり隊ブログ、「福岡高裁、初めて覚書に言及!」http://ishikigawa.jp/category/blog/cat01/

をお読みください。

 

控訴棄却 「平穏生活権は不明確」と司法 住民側、上告を決意

(朝日新聞2021年10月22日09時30分)

 

建設進む「石木ダム」、二審も工事差し止め請求棄却 県に注文も

(朝日新聞2021年10月21日 18時28分)

 

石木ダム差し止め訴訟 二審も住民敗訴、上告へ 「平穏生活権」認めず

(長崎新聞2021/10/22 10:00) https://nordot.app/824084266894704640?c=174761113988793844

控訴棄却の判決を受けて報道陣の取材に答える馬奈木原告弁護団長(左)と住民の岩下さん=福岡高裁前

長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、水没予定地に暮らす反対住民らが、県と同市に工事差し止めを求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁(森冨義明裁判長)は21日、請求を退けた一審長崎地裁佐世保支部の判決を支持し、原告の請求を棄却した。住民側は上告する方針。
昨年3月の一審判決は、住民が主張する「平穏生活権」は抽象的で不明確としていた。21日の控訴審判決もこれを踏襲。その上で、事業による権利や利益の侵害については、事業認定取り消し訴訟で訴えるべきと退けた。取り消し訴訟は昨年10月、最高裁で住民敗訴が確定している。一審に続き、利水、治水面のダムの必要性については判断を示さなかった。
一方で1972年7月、当時の久保勘一知事が住民に対し、着工前に地元の同意を得ると約束した覚書に言及。「(住民は)知事を信頼し、覚書を取り交わしたが、いまだ地元関係者の理解を得るには至っていない」と指摘し、県と同市には「地元関係者の理解を得るよう努力することが求められる」と記した。
住民側は、川棚川流域に8月中旬に降った大雨のデータを基に、県の治水計画の問題点を指摘した専門家の論考を、結審後の9月に高裁へ提出。弁論の再開を求めていたが、採用されなかった。
原告住民で石木ダム建設絶対反対同盟の岩下和雄さん(74)は「弱い立場の住民ではなく行政の側に立った裁判」と批判し、上告する方針を示した。中村法道知事と佐世保市の朝長則男市長はそれぞれに「主張が認められたものと受け止めている」とするコメントを出した。

 

住民の願い、また届かず 石木ダム差し止め訴訟 「理由教えて」続く抗議

(長崎新聞2021/10/22 09:50) https://nordot.app/824080387079798784?c=174761113988793844

石木ダム建設工事現場で抗議の座り込みを続ける住民=川棚町

「理由を教えて」「不当判決だ」-。法廷を立ち去る裁判官の背中に傍聴席から不満の声が飛んだ。石木ダム水没予定地の住民らが、長崎県と佐世保市に工事の差し止めを求めた訴訟で、福岡高裁は21日、住民側の控訴を退けた。県が9月に本体工事に踏み切り、ますます混迷を深める中、古里に住み続けたいという住民たちの願いは、またも聞き入れられなかった。
原告住民13世帯を代表し1人で高裁に乗り込んだ岩下和雄さん(74)は短い判決を聞き終えると、硬い表情で出てきた。厳しい結果を予想していたが「(高裁が)県に話し合いを促してくれるのではないかという期待もあった」。中村法道知事との対話は2年以上実現せず、本体工事着手で県との溝はさらに深まった。
控訴審では、早期の結審を望む県市側の姿勢が目立った。原告側は6月の結審後、8月中旬に降った大雨のデータを「新証拠」に、弁論再開を求めたが、裁判所から返答はなかった。「結果は最初から決まっていたのでは」との疑問がくすぶる。「腹立たしいが、めげることなく反対を訴え、闘い続けたい」。報告集会で岩下さんが言葉に力を込めると、支援者から拍手が起こった。
この日も川棚町のダム建設予定地では、住民が抗議の座り込みを続けていた。「判決をみんなで聞きにいきたいがここを離れられない」と岩下すみ子さん(72)。当初は大勢でバスに乗り合わせ、傍聴に出向いていたが、工事が加速。業者が休む日祝日を除き、2カ所で早朝から夕方まで交代で待機する。
控訴棄却の知らせを受け、「一度くらいは『勝訴』と手を上げて喜びたい。こうやって座り込みながら老い続けていくのかな」と肩を落とした。
49年前、久保勘一知事は「地元の同意を得た後(工事に)着手する」と約束した。判決はこれが実現していないと指摘し、司法判断として初めて県側の不作為に言及した。口頭弁論で約束の効力を訴えた住民の石丸勇さん(72)は「裁判所が少しは配慮してくれたのだろうが、棄却だから意味がない。いくら裁判所が話し合いを促しても、県はダムの必要性ではなく、生活再建についてしか話さないから、私たちとはかみ合わない」と話した。

 

 長崎・石木ダム差し止め2審も認めず 住民側の控訴棄却

(毎日新聞2021年10月21日) https://mainichi.jp/articles/20211021/k00/00m/040/195000c

石木ダムの本体部分となる山を掘削するパワーショベル(中央奥)と水没予定地の住民が建てた団結小屋=長崎県川棚町で2021年9月8日午後3時20分、綿貫洋撮影

長崎県川棚町で建設が進む石木ダムを巡り、水没予定地の住民や支援者ら403人が建設主体の県と佐世保市に工事差し止めを求めた控訴審の判決が21日、福岡高裁であり、森冨義明裁判長は差し止めを認めなかった1審の長崎地裁佐世保支部判決(2020年3月)を支持し住民側の控訴を棄却した。

住民側は最高裁に上告する方針。

住民側は利水と治水の両面で必要性がないダム事業で故郷を奪われるのは人格権などの侵害だと主張していた。

高裁は住民が侵害されると訴えた平穏生活権などが「抽象的で不明確」とし「(住民は)差し止めを求めうる明確な実態を有しない」と判断した1審判決を支持。

差し止めの理由にはならないと述べた。

住民側は判決後に集会を開き、水没予定地に住む岩下和雄さん(74)が「本当に腹立たしい。めげずに闘い続ける」と話した。【平塚雄太】

 

石木ダム訴訟 「国民に背向けた 行政のいいなり」 2審も敗訴、反対住民側憤り /長崎

(毎日新聞長崎版2021/10/22) https://mainichi.jp/articles/20211022/ddl/k42/040/372000c

「不当判決だ」。

控訴棄却の判決が言い渡されると、法廷には住民側の叫び声が響いた。川棚町で建設計画が進む石木ダムを巡り、水没予定地の住民らが建設主体の県と佐世保市に工事差し止めを求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は21日、1審に続き住民側の訴えを退けた。

住民側の馬奈木昭雄弁護団長は判決後、「裁判所は国民に背を向けた」と非難し、「論理が破綻している判決で、最高裁で戦っておかしさをはっきりさせる」と上告する方針を明らかにした。

住民側は佐世保市の水需要が減少し、治水面からもダム建設の必要はないと主張。8月の大雨でも安全に水が流れ、なお河川に余力があったとする専門家の検証結果を9月に高裁に提出し、追加の弁論再開を求めたが認められなかった。

判決後、住民側は福岡市内で集会を開き、水没予定地に住む岩下和雄さん(74)は「きちんと見ればダムはいらないことがわかる。裁判所は行政のいいなりか」と憤った。

知事「主張認められた」

判決を受け、中村法道知事は「県の主張が認められたと受け止めている。石木ダムの早期完成に向けて事業の推進に努める」とのコメントを発表した。【平塚雄太】

〔長崎版〕

 

 【長崎】石木ダム工事差し止め訴訟 二審も請求棄却

(長崎文化放送2021/10/21(木) 20:13)https://news.yahoo.co.jp/articles/bfdba24bb0d0c9011b3241d9fbb91c223248ee56

(映像あり)

長崎県と佐世保市が東彼・川棚町に建設する石木ダムをめぐり反対する地権者らが工事の差し止めを求めた裁判の控訴審で、福岡高裁は一審判決を支持し、訴えを棄却しました。

裁判は水没予定地の住民らが長崎県と佐世保市に工事の差し止めを求めたもので、一審の長崎地裁佐世保支部は住民側が訴えた「良好な環境で生活する権利」は工事差し止めの根拠にならないとして請求を棄却、原告は控訴していました。

21日の判決で福岡高裁の森冨裁判長は一審を支持し、住民らの訴えを棄却。

原告側の馬奈木弁護士は「最高裁で闘う」と話し上告する考えを示しました。

判決を受け長崎県の中村知事は「長崎県の主張が認められたものと受け止めている」として住民らに司法判断を重く受け止め、事業の推進に理解と協力を求めました。

 

石木ダム工事差し止め、二審も認めず 建設妥当性触れず住民敗訴

(西日本新聞2021/10/21 20:36)  https://www.nishinippon.co.jp/item/n/819701/

判決後の集会で石木ダム建設反対の思いを語る原告の岩下和雄さん(右)=21日午後、福岡市

福岡高裁(略)

長崎県と佐世保市が計画する石木ダム建設を巡り、予定地の同県川棚町住民ら約400人が工事差し止めを求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は21日、請求を退けた一審長崎地裁佐世保支部判決を支持し、住民側の控訴を棄却した。住民側は上告する方針。

判決で、森冨義明裁判長は「自己が選択した土地で継続的かつ平穏に生活する権利」などが侵害されるとの住民側の主張は「抽象的で不明確」と指摘。「社会生活上受忍すべき限度を超えた生活妨害などがあればともかく、事業自体が不合理なことなどを理由に、工事の差し止めを請求できない」と判断した。一方、県などには「地元関係者の理解を得るよう努力が求められる」と付言した。ダム建設の妥当性には触れなかった。

石木ダムは佐世保市の水不足解消と治水を目的として、1975年に国が事業採択。水没予定地の13世帯が用地明け渡しを拒んでいるが、2019年に所有権が国に移り、家屋などの強制撤去が可能な状態になっている。県などは9月、ダム本体の工事に着手した。住民らが国に事業認定取り消しを求めた訴訟は昨年10月、最高裁で住民側敗訴が確定している。(吉田真紀)

 

 石木ダム建設差し止め控訴審 訴えを棄却

(長崎国際テレビ2021/10/21(木) 19:10)https://news.yahoo.co.jp/articles/9e3fad183c343045e715262ffc59c1b3b5546dbd

石木ダム建設に反対する住民らが県と佐世保市に対して工事の差し止めを求めた裁判の控訴審が開かれた。福岡高裁は一審の長崎地裁佐世保支部の判決を支持し、原告の訴えを棄却した。 訴えを起こしているのは石木ダム建設に反対する住民や支援者約400人。石木ダム建設事業は利水・治水の両面において必要性がなく、住民の平穏に生きる権利を侵害するとして工事の差し止めを求めている。一審の長崎地裁佐世保支部は認めるに足る証拠がないとして原告の訴えを退けていた。21日控訴審判決で福岡高裁はダ ムの建設は洪水の調整などを目的とするものであって、「住民が平穏に生きる権利が侵害されるとは認められない」として一審判決を支持。原告の訴えを棄却した。一方で、県に対しては地元住民らの理解を得るよう努力することが求められるとしている。反対住民らは8月の豪雨から「100年に1度の大雨が降っても、洪水は起きないとするデータ」が得られたとして結審後の9月、弁論再開を申し入れていたが、審理されることはなかった。原告側は「事実を見て判断していない」として上告する方針。一方中村知事は「引き続き県の主張が認められたものと受け止める。早期完成に向け佐世保市、川棚町と一体になって事業を推進したい」とコメントを発表した。

 

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