八ッ場ダム近くの山木館、5月から一時閉館 コロナで利用客減少
八ツ場ダムの建設に伴い、2013年に八ツ場ダム近くの高台に移転した川原湯温泉の老舗旅館「山木館」が閉館します。その記事を掲載します。
一時閉館とはなっていますが、再開はむずかしいかもしれません。
川原湯温泉協会のHP http://www.kawarayu.jp/
をみると、旅館として現在、営業しているのは、山木館、丸木屋、やまた旅館、ゆうあい旅館、山水、やまきぼしの6軒だけです。それぞれ非常に厳しい経営状況にあるようです。
川原湯温泉街にかつては20軒強の旅館がありました。
国土交通省と群馬県は八ツ場ダムの建設によって川原湯温泉の旅館街を発展させるという話で、ダム建設への温泉街の同意を取り付けました。
しかし、移転後の実態は上述の通りで、川原湯温泉街の経営は非常に厳しい状況にあります。
新聞は今回の閉館の原因をコロナ禍としていますが、コロナ禍だけが問題だけではなく、八ツ場ダム工事による移転そのものが利用客激減の基本的な要因になっているはずです。
かつての川原湯温泉街を現状のような状況まで追い込んだ、国土交通省と群馬県の責任を問うべきだと思います。
マスコミはこの基本的な問題も取り上げてほしいと思います。
八ッ場ダム近くの山木館、5月から一時閉館 コロナで利用客少
(毎日新聞2022/3/31(木) 19:20)https://news.yahoo.co.jp/articles/b7d0474c372505cdb4f8817b2588b3143ba8851d
一時閉館する川原湯温泉の老舗旅館「山木館」=群馬県長野原町で2022年3月31日午後2時15分、庄司哲也撮影
完成から31日で2年となった八ッ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)のそばにある川原湯温泉で、1661年創業の老舗旅館「山木館」が5月21日を最後に一時閉館することを明らかにした。ダム建設に伴う高台移転は乗り越えたものの、新型コロナウイルスの感染拡大により利用客が大幅に減少していた。同館は従業員を整理解雇した上で家族経営での再開を模索する。
同館はダム建設に伴い2013年にダム湖を見下ろす高台に移転。木造2階建て全8室で、1泊2食付きで1人2万~3万円の高級路線で営業してきた。
15代目の樋田勇人さんによると、コロナ禍により宿泊客が安定せず、特に今年1月からの「第6波」以降は、10日連続で休業することもあった。樋田さんは「1組だけのために営業することもあり、営業すると赤字が生じていた」と明かす。
観光資源と見込んでいた八ッ場ダムは完成したものの、完成式典などが延期され、移転した同温泉をPRする機会も奪われた。そもそも、全国的に知名度が高い草津温泉が車でわずか25分の距離にあり、宿泊客が流れて集客も思うようには進まなかったという。
県内も適用対象となった第6波によるまん延防止等重点措置が3月21日で解除となり、4月から県独自の宿泊支援事業「愛郷ぐんまプロジェクト」第4弾もスタート。国の観光需要喚起策「GoToトラベル」が再開される可能性もあるが、樋田さんは「旅館経営は繁忙期で稼いで閑散期をカバーするが、コロナ禍で今後の経営が見通せない」という。
このため、同館は一時閉館後に5人の正社員を整理解雇し、経営を見直す。樋田さんは「宿の存続の道を探るため一時閉めたい。時期は言えないが、家族経営のような形で再開したい」と説明する。
長野原町産業課によると、同温泉はかつて20軒ほどあった宿泊施設がダム建設により現在は6軒に減少した。同課は「川原湯温泉で最も歴史がある宿だけに、山木館の一時閉館の観光面での影響は大きい」と話す。【庄司哲也】
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