石木ダムの情報
「石木ダムを断念させる全国集会」の講演の配布資料およびスライドと解説
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11月17日(日)に「石木ダムを断念させる全国集会」が川棚町公会堂で開かれました。
11月18日が家屋の明渡し期限になっていましたが、こうばるの13世帯は動じることなく、これまでの通りの暮らしを続け、長崎県と佐世保市に対して石木ダム建設を断念させる闘いを続けています。
この全国集会は奪われた土地を取り戻す新たな闘いのスタートとなる集会でした。
石木ダムは必要性が全くなく、地元住民を苦しめるだけの有害無益な事業です。この全国集会はそのことをあらためて確認する集会でもありました。
嶋津の方から最初に「石木ダムは治水利水の両面で全く不要」というテーマで30分間の講演を行いました。
この講演の配布資料と、講演で用いたスライドとその解説は次の通りです。
石木ダムは治水利水の両面で全く不要 配布資料20191117
石木ダムは治水利水の両面で全く不要 スライドと解説 20191117
治水に関して長崎県は、今年10月の台風19号豪雨のような未曽有の豪雨が川棚川流域に降る場合もあるから、石木ダムが必要だと言っていますが、それは全くの間違いです。
川棚川流域で1/100の雨量に対して石木ダムで対応できることになっているのは計画上も流域面積の8.8%に過ぎません。しかも、その中には港湾管理者の管理区間ということで堤防整備計画がない川棚大橋下流区間なども含まれているので、実際に石木ダムで対応できることになっているのは流域面積の4~5%にとどまります。したがって、1/100を超える未曽有の豪雨が降れば、石木ダムがあっても川棚川の各所で氾濫することになります。
さらに、1/100を超える雨が降れば、石木ダムが洪水調節機能を失ってしまうことも予想されます。
計画を超える雨が降ることもあることを考えれば、長崎県は石木ダムの建設に拘泥している場合でありません。その建設を断念して、川棚川流域の住民の生命と財産を本当に守ることができる治水対策に力を注がなければなりません。
利水に関しては、佐世保市は過去の渇水が再来すれば、市民の生活への影響が計り知れないものになると述べ、渇水の恐怖を煽って、石木ダムが必要だと宣伝しています。
しかし、過去の渇水到来時と現在は水需要の状況が大きく変わっています。佐世保市水道の一日最大給水量は1990年代後半から横ばいの傾向になり、2000年代になってから、ほぼ減少の一途を辿り、2018年度は1994年度の77%まで減少しています。
水需要の大幅な減少により、今の佐世保市は渇水に対応できる都市に変わっています。そして、これからも水需要の更なる減少が続くことは確実なので、佐世保市はますます渇水に強い都市になっていきます。
是非、上記の配布資料、スライドとその解説をお読みいただき、石木ダムが本当に無意味な事業であることを周りの方に伝えてくださるよう、お願いします。
石木ダム事業 住民「力で奪うのか」 長崎県は繰り返し公益性主張
11月18日、石木ダム建設に反対する住民ら約40人が長崎県庁を訪れ、石木ダムの計画断念を求める文書を提出しました。その記事を掲載します。
石木ダム事業 住民「力で奪うのか」 長崎県は繰り返し公益性主張
(長崎新聞2019/11/19 10:11) https://this.kiji.is/569330499597861985?c=174761113988793844
(写真)平田副知事(左)に宣言文を手渡す岩下さん=県庁
長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、水没予定の川原(こうばる)地区で暮らす反対住民13世帯の土地の明け渡し期限となった18日、住民らが県庁を訪れ、建設断念を求めた。明け渡しには応じない姿勢をあらためて見せた住民ら。一方の県側は同事業の公益性を繰り返し、主張は平行線をたどった。「行政代執行にならないようにすることが大事」としながらも、行政代執行を選択肢から排除しない考えを示す県。両者の溝は埋まる気配はなく、混迷の度合いを深めている。
午前9時半、マイクロバスで県庁に到着した住民らは一様に硬い表情だった。9月、約5年ぶりに実現した中村法道知事との面会では計画の見直しを求めて頭を下げたが、直後の会見で知事がダム推進をあらためて表明したからだ。後日、「生活再建や地域振興に誠意を持って対応する」として再度の面会を求める書簡が届いた。「こちらの話は聞かず、話を聞けというのか」。住民側はいら立ちを募らせていた。
17日に同町であった反対集会で採択した宣言文を平田研副知事に手渡すと、土地収用法に基づき土地の所有権を失った住民の岩下和雄さん(72)が憤りをあらわに口火を切った。石木ダムの主目的である利水と治水の効果に疑問を呈し、事業継続を承認した県公共事業評価監視委員会についても「ダムを造りたい人たちだけを(メンバーに)入れて再評価した」と切り捨てた。
「(治水面で)緊急性があるなら河川整備を先にやるべきだ」「石木ダムを造らないと治水効果は上がらない」-。約1時間の面会。治水一つとっても住民と県側の主張は、この日も最後まで交わることはなかった。
18日は住民らが県と同市に工事差し止めを求めた訴訟の期日とも重なり、住民らは面会を終えた足で長崎地裁佐世保支部へ。住民の岩永正さん(68)は「県庁と裁判所で厳しい現実を感じた。県は本当に私たちの生活を力で奪い取るのだろうか」と行政代執行に警戒感をにじませた。「付け替え道路工事現場の騒音で目覚める日常に慣れてきているのが怖い。嫌なことが続くが、地元の住民は踏ん張って暮らし続けるしかない」。石丸穂澄さん(37)は自らに言い聞かせるように話した。
午後5時前、住民らを乗せたバスが川原に帰着。それぞれが家路につき、夕食の支度や犬の散歩などの日常に戻っていった。岩本宏之さん(74)は「暮らしに変わりはない。ただ土地の所有権を失い、保険や行政の手続きなどにどの程度影響があるのかは気掛かりだ」とぼやいた。
一方、「石木ダム建設促進佐世保市民の会」の寺山燎二会長(81)は「佐世保市民にとってダムは必要だということを理解してもらいたいが、私たちは静観するしかない」と淡々と語った。
長崎・石木ダム「計画断念を」
(共同通信2019/11/18 10:08) https://www.nishinippon.co.jp/item/o/560481/
石木ダムの建設予定地
(写真)長崎県の平田研副知事(左)に石木ダム建設の断念を求める文書を読み上げる住民の岩下和雄さん=18日午前、長崎県庁
長崎県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダムを巡り、水没予定地に住む13世帯の明け渡し期限を迎えた18日、建設に反対する住民ら約40人が県庁を訪れ、計画断念を求める文書を提出し「河川改修など他の方法をやり尽くしてからダムを検討するべきだ」と訴えた。県は19日以降、行政代執行で土地や建物の強制収用ができるようになる。
出張中の中村法道知事の代理で対応した平田研副知事は、治水効果を強調し「行政代執行は選択肢から外さない。ダムで恩恵を受ける川棚町の人たちは大切な県民だ」と述べた。住民側は「そんな態度だから話し合いができない。私たちは県民ではないのか」と反発した。
長崎)あくまで立ち退き拒む 石木ダム明け渡し期限
(朝日新聞長崎版2019年11月19日0
県、代執行「排除せず」 長崎・石木ダム 反対派なお断念求める
(西日本新聞2019年11月19日 6時0分) https://news.livedoor.com/article/detail/17401144/
長崎県と同県佐世保市が計画する石木ダム事業(同県川棚町)は18日、立ち退きを拒む13世帯の宅地を含む全ての事業予定地が、県収用委員会の定める明け渡し期限となった。反対派はこの日、県に事業断念を要請したが、平田研副知事は住宅などを強制的に撤去する行政代執行について「選択肢として排除しない」との考えを示した。県は19日以降、行政代執行の手続きが可能になる。
県庁での要請には約50人が参加し、反対住民の岩下和雄さん(72)が「行政代執行すれば長崎の恥だ。全国民が見ている。それでもやるつもりか」と主張。17日に同町で反対派約700人が参加して開かれた全国集会で採択した「ダムは治水、利水の両面で全く不要」とする宣言文を提出した。
平田副知事は「治水面でダムが一番効果が高い」などと説明し、反対派からは怒号が飛び交った。出張中の中村法道知事は「期限を迎え、いまだ明け渡しいただけておらず残念。協力に応じていただけるよう働き掛けを続けたい」とのコメントを出した。
住民らが県と佐世保市にダムの工事差し止めなどを求めた訴訟は18日、長崎地裁佐世保支部で結審し、来年3月24日に判決が言い渡される。 (岡部由佳里、平山成美)
◇ ◇
■「みんな家族」「強制的」「仕方なか」 明け渡し期限、移転住民複雑
石木ダム事業が進む長崎県川棚町には、反対する住民がいる一方、さまざまな事情で用地を明け渡し、移転した人たちもいる。故郷に残った住民が土地の明け渡しを突きつけられ、同じ集落に住んでいた元住民は割り切れない思いを吐露した。
ダムが計画される川原(こうばる)地区で総代を務めた80代男性は、かつて「川原の思いを一つにする」と反対運動の先頭にいた。1982年、県が機動隊を投入して用地測量に踏み切った記憶は鮮明だ。「あそこまで強制的にやるとは思わなかった。むちゃくちゃだった」
先祖代々、200年以上受け継いだ土地は結局2003年に手放した。「川原が嫌で移ったわけじゃないが、高齢になって百姓をするのはきつい。いくら反対してもダムはできるとも思った。仕方なか」
川原に残る人たちに別れを告げるのはつらかったが、決断を悪く言う人は一人もいなかった。同じく川原で育った男性の妻は「みんな家族みたい。人間関係が良くなかったら、とっくに県に押し切られていた」と話した。
国の事業採択から44年の石木ダム計画。「長い、長すぎる。移転してから何年たつ? ダムになった自分の故郷は見たくない。かといってダムができなければ、なんで移ったのかという気持ちになる」。男性は複雑な胸中を打ち明けた。
一方、明け渡しに応じずに集落で暮らす川原房枝さん(79)は「それぞれ事情があった人もいる」と移転した元住民を思いやる。石木ダム工事差し止め訴訟原告の一人、岩本宏之さん(74)は「今秋もこの土地で稲刈りをした。生活を変えるつもりはない」ときっぱり語った。 (竹中謙輔、平山成美)
石木ダム建設反対で全国集会 反対派が宣言採択 新たな闘いへ運動拡大
11月17日(日)に「石木ダムを断念させる全国集会」が長崎県川棚町で開かれました。約700人が参加しました。
その記事とニュースを掲載します。
「石木ダム不要」訴え集会、長崎
(共同通信2019年11月17日 / 18:01) https://news.livedoor.com/article/detail/17394342/
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長崎県と佐世保市が計画する石木ダム(同県川棚町)の水没予定地に住み、建設に反対する13世帯の明け渡し期限が目前に迫った17日、住民や支援者ら約700人が同町で抗議集会を開いた。参加者は口々に「ダムは不要だ」と訴え、計画の中止を改めて求めた。
県は19日以降、行政代執行で13世帯の土地や建物を強制収用できる。集会の冒頭で住民の岩下和雄さん(72)は「県や佐世保市の暴挙は許せない」と強調。9月に中村法道知事と面会した際の知事の対応について「ずっと下を向いて顔を合わせようともしなかった。向き合って私たちの願いを聞いてほしい」と批判した。
【共同通信】
石木ダム建設反対で全国集会
(NHK2019年i11月17日 19時18分)https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20191117/5030005995.html
長崎県などが進める石木ダムの建設に反対する集会が、建設予定地の川棚町で開かれました。
石木ダムは、長崎県と佐世保市が水道水の確保や洪水対策を目的に、川棚町で建設を進めていますが、一部の住民の理解が得られないまま、ことし5月、長崎県の収用委員会が、ダムの建設に必要なすべての土地の強制収用を可能にする裁決を出し、18日、建物の移転などを伴う用地の明け渡し期限を迎えます。
17日の集会には、建設に反対する住民や団体のメンバーなど合わせておよそ700人が参加しました。
この中で、ダムの建設に反対する全国各地の団体で作る、「水源連=水源開発問題全国連絡会」の嶋津暉之共同代表は、治水対策に必要なものは堤防の整備であり、ダムの建設ではないなどと訴えました。
そして、住民の松本好央さんが「皆さんと力を合わせて地元を守り続けていくことを誓います」と決意表明を行いました。
このあと、「1日も早く建設を断念させたい」などとする宣言文が採択されました。
大阪から訪れた70歳の男性は「ダムが必要ないことがよくわかった。人ごとだと思わず、問題について知ることが大切だと感じた」と話していました。
石木ダム 反対派が宣言採択 新たな闘いへ運動拡大
(長崎新聞2019/11/18(月) 11:30) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191118-00000003-nagasaki-l42
(写真)石木ダム事業に反対する集会で、ダムに頼らない治水政策を紹介する嘉田氏=川棚町公会堂
長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設に反対する住民や市民団体は17日、同町内で「石木ダムを断念させる全国集会」を開いた。水没予定地に住む13世帯の土地が18日に、土地収用法に基づく明け渡し期限を迎えるのを前に、「新たな闘いのスタートとなるよう、運動を広げよう」とする大会宣言を採択した。
集会は13世帯でつくる石木ダム絶対反対同盟など7団体が主催し、県内外から約700人が参加。水源開発問題連絡会の嶋津暉之共同代表と、滋賀県知事時代に県内の六つのダム計画を中止、凍結した嘉田由紀子参院議員が講演した。
嶋津氏は、県と市が主張する石木ダムの治水・利水効果を検証。治水について「石木川より上流域には効果がない」「下流域も公共下水道の内水氾濫は防げない」などと指摘した。利水についても「人口減などで給水量は減少している」とし「治水、利水の両面でダムは不要」と訴えた。
嘉田氏は、ダムだけに頼らない治水政策のあり方を紹介。国内のダム事業で、居住者がいる建物の行政代執行は前例がないとして、「石木ダムは即刻中止すべき」と断じた。
今年9月に国会議員、地方議員で立ち上げた「強制収用を許さない議員連盟」の代表で、東彼波佐見町議の城後光氏は「本県だけでなく、住民の人権に関わる全国的な問題。さらなる議員の参加者を促し、行政にプレッシャーを掛けていきたい」と述べた。
住民の松本好央さんは壇上で古里への思いを吐露した。「県に思いが伝わらず残念だ。気持ちは変わらないが、仲間が増えたことが変わった。18日以降も変わらない日常を続けていく」と決意を述べると、客席から拍手が湧いた。
集会の参加者は18日に県庁を訪れ、大会宣言を県に提出する予定。
石木ダム反対の連帯 地権者・市民・議員 力強く 長崎で集会
(しんぶん赤旗2019年11月18日(月))http://jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-11-18/2019111801_04_1.html
(写真)活動報告をする「石木ダムの強制収用を許さない議員連盟」のメンバーら=17日、長崎県川棚町
長崎県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム事業をめぐり、「石木ダム建設絶対反対同盟」など県内7団体は17日、川棚町公民館で「石木ダムを断念させる全国集会IN川棚」を開催しました。全国各地から約700人が参加しました。
水問題の専門家で水源開発問題連絡会の嶋津暉之共同代表と、前滋賀県知事の嘉田由紀子参院議員が講演しました。
公共事業チェック議員の会から、立憲民主党の初鹿明博、大河原雅子両衆院議員、日本共産党の田村貴昭衆院議員が連帯あいさつし、田村氏は「長年住みなれた土地を奪ってはならない」と訴えました。
現在、国会議員・地方議員合わせて94人が参加する「石木ダムの強制収用を許さない議員連盟」から共産党の地方議員を含む23人が登壇し、代表の城後光波佐見町議が活動を報告。「石木ダムは人権問題。それを許してはならない」と力を込めました。
愛媛県や三重県など全国各地から参加した市民団体の代表も発言し「ともに新たなダムを造らせないため手を握り合っていこう」とエールを送りました。
地元地権者の松本好央さん(44)は「家も土地も奪われてしまった今だからこそ、人としてのあり方、石木ダムは必要なのかを問うていく。みなさんとともに川原(こうばる)を守り続けていくことを誓う」と声を震わせ決意を述べました。
最後に集会宣言を拍手で確認しました。
長崎)ダム断念を!700人集結 嘉田氏、知事権限強調
(朝日新聞長崎版2019年11月18日0
反対派集会に700人 18日、明け渡し期限 石木ダム
(西日本新聞 2019/11/18 6:00) https://www.nishinippon.co.jp/item/n/560429/
(写真)集会で、壇上から激励する全国の支援者たち=17日、長崎県川棚町
長崎県と同県佐世保市が計画する石木ダム事業に反対する住民や支援者らの全国集会が17日、事業予定地の同県川棚町であった。立ち退きを拒む13世帯の宅地を含めた全予定地が、18日に県収用委員会が定めた明け渡し期限を迎える中、700人が参加。「ダムは治水、利水の両面で全く不要。一日も早く断念させる」とする宣言文を採択した。
集会では、ダム建設に反対する各地の住民でつくる水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之共同代表と、滋賀県知事時代に六つのダム事業を中止や凍結した嘉田由紀子参院議員が講演。嘉田氏は知事のころ、県公共事業評価委員にダム慎重派を選び、事業の見直しにつなげたことを紹介した。
支援者は九州外からも訪れ、三重県の浜田不二子さん(69)は「ダムありきのやり方はどこも同じ。強制収用するなんて許されない」と語った。宣言文は18日、長崎県に提出する。 (平山成美)
石木ダム予定地の強制収用問題に関する国会ヒアリング 報告
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9月17日、衆議院議員会館内で、公共事業チェック議員の会が国交省と厚労省の担当者からヒアリングを行いました。
水源連ホームページで9月11日にお知らせしました「石木ダム予定地の強制収用問題に関する国会ヒアリング」
の報告です。
「強制収用については、長崎県と佐世保市が判断することで、国から口出しすることではない」とする国の姿勢を正し、皆さんが求めている公開討論会を開催して、疑問を払拭するのが行政の役割であることを強く主張しました。
1:公共事業チェック議員の会・総会/ヒアリング 次第
○日時 2019年9月17日(火)15:00~
○会議室 衆議院第1議員会館-第3会議室
○進行
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- 挨拶
- DVD「ほたるの会のまもりびと」約20分上映
- 石木ダム事業について関係省庁ヒアリング
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- 国土交通省
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総合政策局総務課土地収用管理室
明石征也企画専門官
石島博之課長補佐
鈴木篤史係長
水管理・国土保全局治水課
花篭利行課長補佐
篠崎修係長
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- 厚生労働省
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医薬・生活衛生局水道課
池田大介課長補佐
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- 国会議員
- ヒアリング参加 公共事業チェック議員の会会員
事務局長 初鹿明博衆議院議員
事務局次長 大河原雅子衆議院議員
会員 嘉田由紀子参議院議員
会員 石川大我参議院議員
会員 田村貴昭衆議院議員
- ヒアリング参加 公共事業チェック議員の会会員
- 国会議員
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2:進行報告
上記の「3 石木ダム事業について関係省庁ヒアリング」部分を起こした記録です。下をクリック願います。
2019年9月17日ヒアリング報告
3:配布資料集
今本博建 京都大学名誉教授、佐世保市民の松本美智恵さん、事務局からの資料集です。
3:「3 石木ダム事業について関係省庁ヒアリング」部分のビデオ
実況ビデオです。
https://youtu.be/UMrdCb_F5PU
生のやりとりを体験願います。
4:公共事業チェック議員の会声明
9月17日のヒアリング結果を受けて、「公共事業チェック議員の会」は、
「長崎県収用委員会が石木ダム事業地内の未収用地について収用明渡裁決を行なったことに強く抗議すると共に、長崎県が石木ダム事業自体を再考し、当該
用地の収用を断念することを強く求めます。
同時に、長崎県と佐世保市が公開の場で、石木ダムが本当に必要であるかについて地権者等と徹底した議論を行うことを求めます。」
を趣旨とした声明を発表しました。
全文は下をクリック願います。
「公共事業チェック議員の会」石木ダム収用明渡裁決についての声明
5:マスコミ報道
北村地方創生相が「犠牲に」と切り捨てた石木ダム水没地区住民、涙の訴えも長崎県知事には届かず
ジャーナリストの横田一さんによる石木ダム問題のレポート記事を掲載します。
北村地方創生相が「犠牲に」と切り捨てた石木ダム水没地区住民、涙の訴えも長崎県知事には届かず
(HARBOR BUSINESS Online 2019/10/3(木) 8:33配信) https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191003-00203053-hbolz-soci&p=1
(写真)9月19日、長崎県庁で石木ダム建設予定地の地権者が中村法道知事と面会、建設見直しを訴えた
(写真)住民たちの訴えに答える中村法道・長崎県知事
北村地方創生大臣が「誰かが犠牲になるべき」と発言
内閣支持率がアップした第4次安倍改造内閣で、10月4日スタートの臨時国会で加計疑惑にまみれた萩生田光一文科大臣とともに野党の追及を受けそうなのが北村誠吾地方創生担当大臣(長崎4区)だ。
新内閣発足直後の9月14日の記者会見で、自らの選挙区内の「石木ダム」(長崎県佐世保市川棚町)について「みんなが困らないように生活するためには、誰かが犠牲(になり)、協力して役に立つという精神で世の中は成り立っている」と発言。反対を続けて立ち退きに応じない地権者が「犠牲になるべき」というダム建設推進論をぶち上げたのだ。
これを「ダム建設『誰かが犠牲に』 北村地方創生相」(14日の『日本経済新聞』)、「北村地方創生相 ダム建設『誰かが犠牲に、という積極的なボランティア精神で』」(14日の『毎日新聞』)など大手新聞が一斉に報道すると、地権者は「住民の理解を得たいと言いながら、強制的に土地を奪おうとしている。これは人道上の問題だ」(炭谷潤一さん)などと反発。
知事時代に県内のダム見直しをした前滋賀県知事の嘉田由紀子参院議員も「北村誠吾新『地方創生大臣』は『地方破壊大臣』か?」(9月16日のフェイスブック)と批判、翌17日の「公共事業チェック議員の会」総会でも、ヒアリングを受けていた国交省や厚労省の官僚に「これだけ財政難で少子化の時代に国はどういう国政をしたいのか。未来の子供たちに説明できるのか。公僕としての誠意を示していただきたい」と強調、国費147億円を投入する「石木ダム建設計画」(総事業費538億円)の検証と見直しを求めた。
河川工学の専門家は「ダム案より代替案のほうが安い」と指摘
石木ダムは利水と治水が目的の多目的ダムだが、かつては渇水に悩まされた佐世保市の水需要は右肩下がりとなっている。治水も堤防強化などで代替可能であることから、地権者に犠牲を強いるほどの必要性に欠けると疑問視されている。
全国各地のダム計画を検証してきた今本博健京大名誉教授(河川工学・防災工学)もこの総会に参加、「石木ダムは要らない」と銘打ったレジメをもとに解説。総会の最後に今本名誉教授はこう指摘した。
「石木ダムは必要性に疑問がある。ダム案と代替案を比較する時にずさんな検討をしている。代替案の中に必要のない事業が含まれていて水増しされており、精査すればダム案より安くなって逆転するだろう」
きちんとした見直しをすれば、石木ダム建設の正当性(公共性)は消え去る可能性が高いというのだ。
ダムに沈む地域の住民たちが涙ながらに長崎県知事に訴える
国会議員や専門家から疑問が噴出した2日後の9月19日、水没予定地の地権者の約50人が中村法道・長崎県知事と県庁で面会をした。土地の明け渡しを求める採決を長崎県委員会が5月に出した結果、翌日(20日)になると所有権が国に移ることになっていた前日に5年ぶりの知事面会が実現したが、そこで地権者が目の当たりにしたのはダム建設ありきの姿勢だった。
最初に故郷への思いを語った地権者は松本好央さん(44歳)。「生まれ育ったこの土地に住み続けることは悪いことなのでしょうか、私たちは何も悪いことはしていません。この先もずっと住み続けていきます」との決意表明をすると、松本さんんお高校2年生の娘・晏奈(はるな)さんが「思い出が詰まったふるさとを奪われるのは絶対に嫌です。どうか私たちの思いを受け取ってください」と綴った手紙を涙ながらに読み上げていった。
続いてマイクを握った炭谷潤一さん(38歳)が「私は、私の家族と川原(こうばる)の人と川原というコミュニティを全力で守ります。住民の理解を得たいと言いながら、強制的に土地を奪おうとしている。これは人道上の問題だ」と訴えた。
その隣に座っていた炭谷さんの娘、小学3年生の沙桜(さお)さんも手紙を開いた途端、涙を抑えきれずに途切れ途切れになりながらも「私は川原が大好きです」「ダムを作らないで下さい」という故郷への思いを涙声で絞り出した。
最年長である92歳の松本マツさんは「川原のきれいな住みよかところに、なんでダムのできるとかな」「この年になって、どこへ出て行けと言うのですか」と訴えた。
住民たちの訴えも、知事には届かず
約2時間半にも及んだ面会は、地権者が起立して頭を下げて陳情する場面で終わったが、中村知事の石木ダムを推進する考えに変わりはなかった。面談中も石木ダム建設の必要性を何度も繰り返した中村知事は、面談後の囲み取材で「(ダム)事業全体を進めて行く必要があることを改めて感じた」と言い切ったのだ。
そして「事業全体の見直しは難しいと考えているのか」という質問に対しても、中村知事は次のような回答をするだけだった。
「検証を重ねて『これが最良の方策である』という考え方のもと、これまで進んできた経過があるわけですので、代替措置が新たに可能性のある話として出てくることになれば、また検討を進める必要があると思いますが、現状ではやはり今の方針のもとで進まざるを得ないではなかろうかと思っています」
そこで筆者が「鳥取県では恣意的な計画、データでダムありきになっていたが、見直しをする考えはないのか。子供たちの訴えを聞いても考えを変えないということか」と質問すると、中村知事はこう答えた。
「『ダム案と他の代替案の事業費を比較して、意図的に代替案の事業費が大きくなっていた』といったような点については、本県の場合にはたび重ねて検証作業を進めて来ているわけで、そういったことはない」
筆者はその後も再質問、次のような質疑応答を行った。
――子供たちの訴えについて一言お願いします。
中村知事:子供さんたちの故郷に対する思いを直接聞かせていただきました。そうした思いというのは大切にしなければいけないと先ほど申し上げた通りであります。
――(子供たちの訴えを)受け止めて何かアクションを起こさないのですか。今までの方針を変えるおつもりは。
中村知事:先ほど申し上げた通りであります。
――右から左へ聞き流すということですか。
中村知事:(無言)
司会者:これで終了します。
小学生から92歳の高齢者に至るまで、各年代の地権者が故郷への思いを訴えても、中村知事は面会前と同じダム推進論を繰り返しただけだった。
石木ダム建設計画は地元有力議員・金子家の“家業”!?
筆者が「土着権力の研究・長崎県自民党県連」(『選択』2016年2月号)という記事を書いた時の取材協力者は、「石木ダム建設計画は金子家の“家業”といえる」と話す。石木ダム計画は、自民党参院議員の金子原二郎・前長崎県知事(1998年~2010年)と、父親の金子岩三・元農水大臣の親子の足取りと重なり合うという。
中選挙区時代に長崎は、県庁所在地の長崎市(人口約19万人)などから成る「旧長崎1区」と、人口2番目の佐世保市(人口約10万人)や川棚町を含む「旧長崎2区」に分かれていた。
ここで岩三氏が9期連続当選(1958~1983年)。ダム計画浮上の1962年は2期目、事業採択の1975年は6期目、そして県が測量段階で機動隊を入れた1982年は9期目だった。当初から水没予定地の農家(地権者)が「農業を続けたい」と激しい反対運動を展開、現在に至っているために機動隊が入ることになった。
「岩三氏は選挙区内のダム計画に賛成でしたが、当時、佐世保市は慢性的な水不足で、推進の正当性はあった。しかし反対運動で計画が遅れる中、川からの取水などで水の供給能力が向上する一方、工場誘致失敗や人口減少や節水で水需要が右肩下がりになった。その結果、農家の土地を強制収用してダム計画を進める必要性・公共性はほとんどなくなった」(県政ウォッチャー)
「利水」の需要もなくなり、途中から「治水」と「流量確保」という目的が加わる
息子の原二郎氏が旧長崎2区の地盤を父親から引き継いで初当選したのが1993年。その翌年の全国的な大渇水を最後に、深刻な渇水は20年以上起きていない。高度成長時代から人口減少時代に突入する時の流れとともに、佐世保市の慢性的な水不足は解消、利水目的のダム建設の必要性が消え去ってしまったのだ。 途中から目的に「治水」と「流量確保」が加わったのは、利水目的に代わって必要性を下支えする狙いは明らかだったが、これも小規模な堤防強化などで対応可能だ。先の今本博名誉教授らダム問題の専門家は、「多目的ダムになってもダム建設の必要性は乏しい」と断言する。
しかし衆院議員から転身した金子前知事も、後任の中村法道知事も自民党長崎県連とともに、時代遅れとなった石木ダムを推進し続けた。なお民主党が長崎4小選挙区を独占していた2010年に初当選した中村知事は、原二郎氏から知事ポストを禅譲された形で、石木ダム推進の政策も引き継いだ。先の取材協力者の県政ウォッチャーはこう続けた。
「父親の金子岩蔵氏の時代に石木ダム計画が事業化して予算がつき、息子の金子知事代に進んだ。石木ダム事業は金子家の成果といえるので、それを完成することが親孝行と思っているのではないか。参院議員になった今も金子氏は知事ポストを禅譲した中村知事はもちろん、長崎県政に影響力を持っていると聞いています。金子前知事が父親の思いを引継いで推進してきた石木ダム計画に対して、中村知事が見直しを言い出せないのはこうした長崎県政の長い経緯があるためです」
「コンクリートから人へ」を掲げた民主党政権から2012年12月に政権奪取をした第2次安倍政権は「国土強靭化」を旗印にしながら、「人からコンクリートへ」の土建政治(公共事業推進)を復活させた。その象徴的な事業が石木ダム計画といえるが、北村大臣の犠牲発言を機にクローズアップされることになった。
しかし約538億円を投じて美しい棚田の景観を破壊する石木ダム建設に対しては、坂本龍一氏や伊勢谷友介氏ら著名人も反対している。安倍政権の土建政治体質を問う事業として、石木ダムをはじめとするムダな公共事業に関しての国会論戦が注目される。
<文・写真/横田一>
【横田一】
ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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