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石木ダムの情報

7/19,石木ダム事業認定取消訴訟と工事差止仮処分申立の法廷が開かれました。。

2016年7月17日
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7/19 11:00 長崎地方裁判所佐世保支部 工事差止仮処分申立第2回審尋
15:00 長崎地方裁判所 事業認定取消訴訟第2回公判

  • どちらの裁判も、開始前に門前集会をおこないました。
  •  事業認定取消し訴訟終了後に長崎タクシー会館(株)4階にて報告集会(弁護団による解説と質疑応答)を行いました。(本稿はそこでの説明を基にしています)
     

工事差止仮処分申立第2回審尋

当方からは書面8本を裁判所に提出しました。

  • 長崎県・佐世保市の「本申立は、行政訴訟法第44条(公権力による行為については差止請求ができない)に抵触するので棄却を求める」という反論への反論。 ダム建設事業は公権力に寄らずとも可能な事実行為である。よって、差止申立は合法。
  • 「工事をしていないので差し止めるべき工事が存在しない。よって棄却を求める」という反論への反論。現在工事中の状態にないが、石木ダム建設に向けての工事が予定されている。
  • ダム建設事業の利水目的は存在しない。
  • 同治水目的は存在しない。
  • 裁判所からの質問への回答(物件を地図上に落とした図面)

長崎県・佐世保市の対応  「石木ダムの必要性 に踏み込まずに結審を」

長崎県・佐世保市は、上記反論への反論を次回審尋までに提出するとして、次回を以ての結審を求めました。
これは、当方が石木ダム事業は不要であるが故に石木ダム事業に関わるすべての工事差止を求めていることに対して、「石木ダムの必要性については審尋する必要がない」とするもので、許すことはできません。

債権者、債務者双方から提出された書証

  1.   債権者側 (個人情報を含む準備書面5(地権者と居住者)は省略)

2.債務者側

 

 

今後の予定

裁判所は、それには言及することなく、次回審尋において申立側の予定を聴きました。
当方は、侵害される権利について、具体的に整理した書面の提出を申し出ました。
次回は、9月8日14時から と決まりました。

事業認定取消訴訟第2回公判  裁判所、現地視察を提案!!

当方からは、石木ダム事業には利水面・治水面それぞれ必要性がないことを記述した書面と、その要旨を口頭説明する内容を記した書面を提出しました。
高橋弁護士が利水面について、平山弁護士が治水面について、その必要性はまさに「石木ダムありき」をこじつけるためのものでしかないことを事実をもとに説明しました。
裁判所は、現地視察の意向を表明し、それに向けての進行協議を持つことを提案しました。

高橋弁護士口頭説明

第1 はじめに
原告らが第1準備書面で述べていることは、石木ダムの利水面において、本件事業の基礎となっている佐世保市の平成24年予測が徹頭徹尾でたらめであり、本件事業の必要性は全くないということです。
本書面ではそのことを、三つの面から明らかにしています。第一に、佐世保市が平成24年に作成した将来の水需要予測は、中身を検討するまでもなく、でたらめに決まっていること、第二に、中身を検討したら、やっぱり、でたらめであったこと、第三に保有水源についてもでたらめを述べていること、です。

第2 平成24年予測は、中身を検討するまでもなく、でたらめであること
1 平成24年予測は、中身を検討するまでもなく、でたらめです。
何故そう言えるのでしょうか。
過去の予測と比較すると、そのことが一目瞭然だからです。

2 原告らは、昭和50年、平成12年、16年、19年、24年と、佐世保市の過去5つの水需要予測を比較検討しました。その結果、佐世保市が、常に、石木ダムの容量から逆算して水需要予測を「作っている」こと、つまり「石木ダムを建設するには将来の佐世保市の水需要はこれだけなければならないから、これだけになるはず」としていることが明らかになりました。
先に結論があるわけですから、予測の各要素は適当です。ある時は人口が増えるとし、ある時は工業団地ができるとし、またある時はハウステンボスが…、自衛隊が…、SSKが…、とあの手この手で水需要を作り出してきました。

3 注目すべきは、過去のすべての予測において、その時予測した「将来」が現実に訪れたとき、どの項目をとっても、予測通り「増えた」ことはなかった、ということです。平成24年予測を含めてすべての予測、すべての項目で、そうなのです。
この一事をもって、過去の予測がただの数字合わせであったことは明らかです。したがって、平成24年予測もただの数字合わせであり、中身を検討するまでもなく、でたらめであることは明らかです。

4 原告らは、本書面において、過去の予測が数字合わせであることを裏付けるものとして、二つの「予想」をしています。一つは、平成7年頃の佐世保市の将来の水需要予測値、もう一つは、平成24年予測を除く過去の利用量率です。この二つの数値について、原告らは資料を持ちません。しかし、過去の予測が数字合わせである以上、原告らが予想した通りの値になっているはずです。

第3 平成24年予測は、中身を検討すると、やっぱりでたらめだったこと
1 このように、平成24年予測はただの数字合わせですから、その予測内容自体が正しいはずがありません。実際、検討してみたらでたらめのオンパレードです。

2 まず、一般市民の生活用水の原単位ですが、国あるいは佐世保市が言っているのは、要するに、「石木ダムを作って供給量が増えれば、市民もそれに応じて水を使う」ということです。この論理が誤っていることは本書面で指摘したとおりですが、それはさておいても、国のこの主張は「生活用水の需要量が増えるので、石木ダムが必要である」という論理を放棄しており、自ら、石木ダムの積極的必要性がないことを自白しているのです。

3 業務・営業用水について、「観光者数との間の相関関係が見つかった」としています。しかし、それは、従来は「大口需要」としていたハウステンボスを、小口需要の中に入れ込んだ結果、そうなったにすぎません。確かに「発見」はしたのでしょうが、それもそのはずで、そうなるように「仕込んだ」からです。こういう行為は、旧石器時代の遺跡を考古学研究家藤村新一が次々と「発見」した事件で有名なように、一般には、「ねつ造」と呼びます。

4 SSKの水需要予測については、俗にいうところの「突っ込みどころ満載」でどこから見てもでたらめです。本書面の中でSSKの水需要が4.88倍になるなど、「明日地球が滅亡する」という予言並みのたわ言であると指摘していますが、平成36年どころか100年たってもSSKの水需要が4.88倍になることはありません。これこそ100パーセント確実な「予測」です。

第4 保有水源についての嘘

1 以上に加え、国や佐世保市は、保有水源についてもでたらめを述べています。 「不安定水源」の問題です。
国は、「慣行水利権が、法的に見ても、取水実績で見ても、不安定であり、佐世保市の水需要の基礎としてあてにすることはできない」と述べています。

2 しかし、法的に慣行水利権が「安定」であることは、講学上明らかです。
取水実績を見ても、これまで慣行水利権から継続的かつ安定的に取水されてきております。

3 そもそも、佐世保市が、慣行水利権を「不安定水源」に移行させ、佐世保市の保有水源から「抹殺」したのは、そうしないと石木ダムの建設の必要性が生じないからです。だから、おなじ慣行水利権でありながら、三本木は、四条橋よりも後になって、「不安定水源」に移行されています。

4 ですから、本件事業が中止になれば、慣行水利権は、現在事実としてそうですが、佐世保市の書類上もまた、「安定水源」に戻ります。「不安定水源」にする必要性がなくなるからです。佐世保市の保有水源に関する評価というのは、かくも恣意的なものです。

第5 最後に
以上述べましたように、佐世保市の水需要予測も、保有水源不足も、ともに、石木ダムを建設させるための方便として、佐世保市や長崎県ひいては国がねつ造してきたものにすぎず、利水面においても、石木ダム建設の必要性は全くありません。
昭和50年予測が、少なくとも結果的にでたらめであったことは、国・佐世保市といえども否定できないでしょう。あの当時、もしあの規模で石木ダムが建設されていたら、佐世保市民はいったいどれほど多くの負担を背負わされていたことか、そう思うとぞっとします。本書面で、「当時の地権者が反対してくれたからそうならなかったのであり、佐世保市民は足を向けて寝られない」と指摘しましたが、いかがでしょうか。
しかし、それは昭和50年予測に限りません。その後の予測もすべて過大な誤りであり、その当時に石木ダムができていれば、きっと今、無用な長物を抱えて途方に暮れていたはずです。
そしてそれは平成24年予測でもまた然り、です。本件事業が実現すれば、人間としての尊厳が奪われる地権者が苦しめられるだけではなく、平成36年の「未来の佐世保市民」もまた苦しめられるのです。
文字通り、「未来の子供たちに負の遺産を残さない」ために、本件事業は廃止されなければなりません。
以上が、原告らの第1準備書面で主張したことの骨子です。

平山弁護士口頭説明

第1 はじめに
原告らが第2準備書面で述べていることは,長崎県が石木ダムを建設するという「結論ありき」の方針に基づいて,客観的事実を歪めて事業認定申請をしていること,更に,そのような手法を採らなければ治水面における形式的必要性すら作り出すことができなかった,ということです。
本書面ではそれらのことを,大きく分けて三つの面から明らかにしています。
一つ目は,1/100の計画規模を導くまでに二重の数値操作がなされ,計画規模も変遷しているという点,二つ目は基本高水流量の計算過程の根拠となるデータや計算手順が明らかにされていない上,技術基準上,必要とされている生起確率について検証がなされていないという点,三つ目は,計画河道にて石木ダムがなくとも野々川ダムで調整した後の1320立方メートル/秒を流下させることができるとの客観的事実が存在し,また,実質的な代替案の検証がなされていないという点です。

第2 計画規模が異常値であること

1 まず,国土交通省河川砂防技術基準において全国的バランスが求められる計画規模の一般的・全国的評価基準によれば,川棚川はせいぜい1/10~1/50に過ぎません。

2 では,なぜ長崎県は計画規模を1/100とすることができたのでしょうか。
それは,長崎県が石木ダムありきの方針に基づいて,ダムの必要性を作出するために全国的な評価基準から大きくかけ離れた評価基準を用いたからです。

3 以上に加えて,平成17年に実施された想定氾濫面積の計算においては,なんと昭和50年当時の川棚川の河道状況データが用いられています。

なぜ最新の河道状況データではなく,約30年も前の昭和50年当時の数値を用いたのでしょうか。

それは,最新の河道状況データに基づいた想定氾濫面積計算を行った場合,たとえ長崎県の異常な評価基準を用いたとしても,1/100という計画規模を導くことができなかったためです。

4   このように長崎県は1/100という数値を導くために,全国的な基準とは大きくかけ離れた評価基準を用いると同時に,その基礎データも敢えて過去のものを利用しているのです。加えて,石木ダムが検討されるより前の昭和33年当時における川棚川の計画規模は1/30でした。
以上の通り,長崎県が,石木ダムありきの方針に基づいて,計画規模を1/100にするよう恣意的に数字を操作したことは明らかなのです。

第3 計画高水流量も異常値であること

1 次に,計画高水流量の計算についても,被告はどのように算出したかの手順について主張するにとどまり,具体的な計算根拠となるデータ及び計算数式については何ら具体的に明らかにしていませんし,原告らの主張に対する具体的な反論もしていません。
それは,基本高水流量1400立方メートル/秒という数値が実績値とのかい離が著しい,不合理な数値であることを被告自身が認めているものに他なりません。

2 また,国土交通省河川砂防技術基準においては,対象降雨を引き伸ばした結果,降雨強度の超過確率が,計画規模の超過確率に対して著しく差異があるような場合には,当該降雨パターンの引き伸ばし降雨を対象降雨から棄却(除外)する,とされています。

しかし,長崎県は,かかる技術基準に違反して,降雨強度の超過確率について検討しておらず,または,その結果を無視しています。

このようにして,長崎県は,およそ現実的に発生し得ない異常に大きい基本高水流量を作出するに至ったのです。

3 以上の通り,この計画高水流量の計算においても,計画規模の計算と同様,長崎県が石木ダムありきの方針に基づいて数字合わせをしたものに過ぎず,客観的・合理的な数値を歪めたものであることは明らかなのです。

第4 石木ダムに効果がなく,実質的には代替案の検討もなされていないこと

1 また,準備書面2で詳しく論述した通り,予定通りの河川整備計画が実施されれば,石木ダムがなくとも野々川ダムで調整した後の1320立方メートル/秒を流下させることが可能です。

そして法令上,堤防余裕高は必要とされておらず,仮に堤防余裕高を確保するとしても極めて限られた区間の堤防嵩上げや河床掘削で対応することができます。

このように,石木ダムがなくとも基本高水流量に対応することができるわけですから,本来的に石木ダムは不要であることが明らかなのです。

2 次に,過去の洪水をダムの必要性の根拠に挙げるのであれば,その主たる原因が何であるのか,考え得るその他の要因として何があるのか,複数の要因があった場合にどのように影響しあったのか,について客観的に検証される必要があります。

しかし,本件では一切のその検証がなされておりません。

本来なされるべき検証をすれば,先に述べたように,基本高水流量を流下させるために石木ダム自体が本来的に不要であり,且つ,内水氾濫・支流氾濫に対する効果も皆無であることが明らかとなってしまいます。

そこで,長崎県は,石木ダムありきの方針に基づき,この検証を敢えてしなかったのです。

3 代替案についても同じく,石木ダムありきの方針に基づいた検討しかなされておりません。

すなわち,本来検討すべき,堤防嵩上げ・河道掘削を代替案から敢えて除外し,同時に代替案の工事規模を過大にし,且つ,コストも過大に積み重ねるなどして,客観的事実を歪め,石木ダム優位の結論を導いているのです。

第5 最後に
以上述べましたように,長崎県は石木ダムありきの方針に基づいて客観的事実を歪めており,且つ,そうすることでしか石木ダムの形式的必要性を取り繕うことができなかったのです。
客観的事実を無視して,事業ありきの数字合わせをした事業認定申請,及び,その認可が現行憲法下で認められるはずがありません。

本事業は速やかに廃止されるべきです。

今後の予定

2016年9月21日、10月5日 進行協議 裁判所の現地視察について具体化を図ります。
2016年10月31日     第3回公判、執行停止仮処分審尋

訴訟資料など  

石木ダム工事差止仮処分申立 第1回審尋 報告 (石木ダム)

2016年5月18日
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2016年5月16日午後2時から、長崎地方裁判所佐世保支部にて工事差止仮処分第1回審尋がありました。

仮処分の審尋は非公開なので住民側は申立人(債権者)と代理人しか法廷内に入ることが出来ません。それでも部屋が狭くて十数名の申立人(債権者)が入廷できず、待合室で待機、ということになりました。

この日の法廷は、主張書面・疎明資料確認の後,実質審尋に入りました。
まず,裁判所から私たちに言われたのは,差止を求める「工事の特定」のことでした。
その点については

①  債権者が把握している情報だけでは工事の特定が困難であることを踏まえて
②  債権者主張を補足する形で債務者らからも工事の特定に必要な情報を提供してもらう。
③  その上で差止を求める工事を特定していく。

ということになりました。

裁判所から当方に出された宿題は,

①    債権者のうち,所有権者・居住権者の場所と工事対象地の関係を明らかにすること
②    債務者らの答弁書に対する反論を行う。 特に行訴法44条,保全の必要性について反論すること(*1)。

でした。

次回は、事業認定取消訴訟期日と同じ日の午前に、ということで、 7月19日(火)11時から12時まで となりました。
この日は、終了後に長崎地方裁判所に移動して、午後3時から事業認定取消訴訟第2回公判となります。

◎   解説*1: 債務者側(長崎県・佐世保市)は、当方の申立書に対する答弁書の中で、裁判所に以下の理由を挙げて「申立却下」を求めています。
その理由への反論を7月5日までに裁判所に提出することになります。

  1. 行政訴訟法44条で「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為については、民事保全法に規定する仮処分をすることができない。」とされている。「石木ダム事業は長崎県と佐世保市の事業=公権力の行使にあたる行為」であるから、差止仮処分はできない。
  2. 「差止によって保全されるという権利」について、
    ①私法上の権利と言えない、
    ②具体的な権利侵害事実もない,
    ③保全の必要性もない

上記に対する弁護団の考え方は、簡単に記すと以下のようになるとのことです。

弁護団の説明≫

1  今回の差止の対象は公権力の行使としての事業認定処分それ自体ではなく,事実行為としての工事それ自体であるから,行政事件訴訟法44条に抵触するものではない。
2  裁判所は,①私法上の権利性・②権利侵害性については特に詳細な反論を求めなかったことに照らせば,長崎県,佐世保市が主張する権利侵害がないとの部分に理由がないことが明らか。③保全の必要性は今工事を止める必要があるか否かという問題です。
いつ工事が再開されてもおかしくない状況(法律上の障害はない)である以上,保全の必要性があることもまた明らか。
但し,工事の特定との関係でいつ再開・着工されてもおかしくない工事がどの工事であるかという特定の問題は残るため,この点については債務者からの情報提供を待った上で特定していくことになる。

債権者、債務者双方から提出された書証
仮処分申立書
仮処分答弁書(佐世保市)
仮処分答弁書(長崎県) 

マスコミ報道

5月17日の長崎新聞

失敗事業へ向かう道 石木ダム 長崎新聞 論説

2016年5月13日
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5月11日、長崎県は形振り構わず、石木ダム予定地のすべての土地を強制収用するための裁決申請を行いました。この長崎県のやり方を長崎新聞の論説ga厳しく批判下をました。

長崎新聞 論説 2016年5月13日

失敗事業へ向かう道  石木ダム

川棚町に計画される石本ダムは1975年の事業採択から40年。82年の強制測量という失態によって、この事業は迷路に入り、長い時間がすぎてしまった。現在も完成していない責任の相当部分は県にある。
県は11日、反対地権者9世帯の家屋を含む約9万平方㍍の未買収地を、県収用委員会に裁決申請した。これで反対地権者13世帯の土地と家屋に対する裁決申請が全て終わり、強制収用に必要な手続きは収用委員会による裁決だけとなった。
収用委が受理すれば、裁決の手続きが始まる。裁決された場合、家屋を含む土地は180日以内に、含まない土地は60日以内に県に明け渡さなけれぱならなくなる。
この計画は失敗公共事業へと向かっている。反対する地権者が頑強に抵抗している。完成すれば巨大な自然破壊となる。だが理由はそれだけではない。
基盤整備が遅れた地方にとって、公共事業は地域のまちづくりに貢献し、住民の暮らしをより良くし、一面では経済の刺激にも役立ってきた。長崎県は戦後こうして発展してきた。今後もそれは続く。しかしこの事業は、やり方を間違っている。
ダムの必要性の説明が不足している。その状態で強制収用を実施する構えをとるのは全く許されない。この2点で、この事業は手法を誤っていると言わざるを得ない。
県事業である以上、佐世保市と川棚町だけの問題ではない。県の説明相手は県民であることを忘れないでほしい。
大型事業は程度の差こそあれ、自然を壊す。それでも必要性に異論がない事業は容認されてきた。この事業の必要性には大きな疑義が出ている。国が必要だと認めるだけでは足りない。県は、県民に説得力のある説明をできているのか。少なくともその切実度は理解されていない。
強制収用が現実味を増す中、反対地権者は脅されている心持ちだろう。重要なのは、見守っている大勢の県民にも、県が地権者を脅して押し切ろうとしているようにしか映っていないことだ。単に法に従って手続きだけを進めるような行政の在り方を見せられると、いったいどこを向いて仕事をしているのかと言いたくなる。
まず水の問題について、県民の理解が広がるようにしてほしい。現在と今後の佐世保市の水事情の逼迫を、県が県民に説明する努力が必要と感じる。防災対策についても同様である。
既に問題は反対地権者らによって法廷に持ち込まれている。たとえ造っても、手法を間違えた公共事業を成功とは呼べない。強制収用の手続きを止め、状況を緩和する努力に全力を注ぐときだ。(森永玲)

原告・代理人が陳述! 石木ダム事業認定取消訴訟第1回口頭弁論

2016年4月30日
カテゴリー:
  • 2016年4月25日 事業認定取消し訴訟 第1回口頭弁論

4月25日午後2時、長崎地方裁判所で事業認定取消訴訟第1回口頭弁論と執行停止申立審理が開かれました。多くの原告・傍聴者が結集し、法廷に入りきれないため傍聴は抽選となりました。
口頭弁論では、原告2名(岩下和雄氏・松本好央氏)と代理人3名(平山博久弁護士・鍋島典子弁護士・馬奈木昭雄弁護士)が意見陳述を行いました。
第1回口頭弁論の詳しい情報(訴状・被告答弁書、原告・代理人意見陳述書、マスコミ報道等)はこちら

口頭弁論に先立ち、地裁前で門前集会を持ち、原告代表として岩下和雄氏、弁護団代表として馬奈木弁護団長が事業認定取消し訴訟にあたっての気構えを確認しました。

終了後に長崎市役所内の会議室において、弁護団からこ第1回口頭弁論までのいきさつ、訴状に対する被告側の答弁書の趣旨と問題点、次回口頭弁論は7月19日午後三時から、・・・・等が報告されました。参加者からは、5人の意見陳述内容が素晴らしかったと絶賛の声が聞かれました。

なお、工事差止仮処分申立の第1回口頭弁論は5月16日午後二時から長崎地方裁判所佐世保支所で開かれます。

工事差止仮処分申立人に!  (石木ダム関係)2016年5月26日改定

2016年4月21日
カテゴリー:

石木ダム事業に反対される皆様、申立人になって工事を差し止める本人になりませんか!

長崎県外の方が申立人になっていただくときに必要な、弁護団委任状と、ゆうちょ銀行の振込用紙見本をご覧下さい。

石木ダム予定地13世帯住民を先頭にした石木ダム中止を願う私たちは、石木ダムを法的に中止させることを目的に、事業認定取消訴訟と工事差止仮処分申立を闘っています。

110名の原告が事業認定取消訴訟・執行停止申立を2015年11月30日に長崎地方裁判所に提訴し、今年4月25日に第1回目の法廷が開かれました。原告に制限がある事業認定取消訴訟に続いて、2月2日には505人が、石木ダムによって人格が侵害されるとする人ならば誰もが訴えることができる「工事差止仮処分申立」を長崎地方裁判所佐世保支部に申立てました。5月16日には第1回目の審尋が行われました。

「工事差止仮処分申立」はこの訴訟が終わるまで、申立人の追加が出来ます。

水源連としても、石木ダム事業がもたらす4つの負の遺産、

  • 無駄な事業による人権破壊
  • 無駄な事業による環境破壊
  • 無駄な事業への税金支出・水道事業費支出
  • 本来優先されるべき事業の停滞

を拒否することを一人一人が明確に示す手段として、多くの皆様が「申立人」になることを呼びかけます。
今からでも遅くありません。是非、申立人に名乗りを上げて下さい。

「申立人」になる方は、委任状に必要事項を記入し、印じるし2箇所に捺印して下記連絡先に郵送してください。そして、誠に恐縮ですが、郵便局で払込取扱票をもらって必要事項をご記入の上、分担金1万円をお送りください。「申立人になるのはちょっと」と思われる方は、同封の払込取扱票の支援に○をつけて、支援金をお送り下さい。払込取扱票の通信欄には、今後の連絡のため、メールアドレスまたはFAX番号も記入をお願いします。

本会に送付いただいた分担金・支援金と委任状はすべてとりまとめて、石木ダム対策弁護団に送付いたします。

連絡先:石木ダム建設絶対反対同盟を支援する会

〒223-0064 神奈川県横浜市港北区下田町6-2-28
電話・FAX 045-877-4970
メール:mizumondai@xvh.biglobe.ne.jp
ゆうちょ銀行当座口座:00270-9-136202

石木ダムのことについて詳しくは、こちらをご覧下さい。
仮処分申立委任状と振込用紙

 

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