石木ダムの情報
川棚町長、何故署名拒否を明言できないのかナ?? 石木ダム関係
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8月4日、川棚町・山口町長に押印拒否を要請
石木ダム建設絶対反対同盟と支援者の皆さんは8月4日16時に川棚町役場を訪ね、山口町長と面会して、長崎県が同町長に求めるであろう立会い・土地測量図に代わる図面への著名・押印を拒否するよう要請しました。
7月25日、28日と土地測量を断念した長崎県は、土地収用法37条の2に基づいて「他の方法により知ることができる程度でこれらの調書を作成」し、土地収用法36条第4項に基づいて石木ダム起業者として「川棚町長に立会いとその調書への著名を求める」ことになっています。一方、土地収用法36条第5項では、「市町村長が署名押印を拒んだときは、都道府県知事は、起業者の申請により、当該都道府県の吏員のうちから立会人を指名し、署名押印させなければならない。」と抜け道を用意しています。
石木ダム建設絶対反対同盟と支援者の皆さんは「町長は本来、町民を守る立場にあるから、強制収用につながる手続には協力できない、として拒否して欲しい」と山口町長に要請しました。しかしながら山口町長は首を縦に振りません。「長崎県から書類が来ていないので答えることができない」とか、「地権者の身代わりになって押印するのとは違う。町長の立場としての押印なので地権者からの要請があったからと言っても拒否にはつながらない」という答弁に終始しました。
この山口町長の対応、大きな問題があります。
先に記したように 土地収用法36条第5項にあるように、町長が拒否した場合は知事が起業者の申請により吏員に立会い・署名押印させることでことは済みます。
土地収用法逐条解説にはこの 36条第5項について以下のように書かれています。
市町村長は地元の利害関係の影響を受けやすい立場にあるため、署名押印を拒否する場合なしとしない。また、その政治的な立場から事業に反対しているときも署名押印を拒否することもありえよう。・・・・。この場合には、都道府県知事は、地方自治法245条の8・12項の規定に基づく代執行等の手続を取ることも可能であるが、それには長時間を要するので、手続迅速化の趣旨に立って、5項の規定が置かれている。
町長が石木ダム事業推進の立場でない場合、強制収用対象者への気遣いがある場合などは、立会い・署名押印を強要されることはないのです。
山口町長はこの解釈を心得ておられるのでしょうか? 心配になります。
資料
実況ビデオ
「石木ダム問題 川棚町長へ申し入れ 2014年8月4日」
http://youtu.be/FtRimsHD4yQ
マスコミ報道
長崎県、付け替え用道路工事着工中断,司法の判断を待つ!??
2014年7月30日から8月7日、付け替え用道路工事着工反対意思表示行動を貫く!
長崎県は付け替え用道路工事着工を毎日、午前と午後、計二回ずつ試みに来ました。
その都度、事前に多くの人が工事現場入り口に結集し、時には長崎県職員に背を向けて歌を唄いとおし、着工反対の意思表示を貫きました。
石木ダムの必要性についての公開質問状への回答・説明がやっと始りました。
石木ダムを前提とした付け替え道路工事は、石木ダムの必要性が合意に達してから着手しないと、既成事実が先行し、これからの公開質問状への回答・説明は無意味になってしまいます。着工の前に「公開質問状への回答・説明を求める」という意思表示です。
県職員はあたかも「この工事が石木ダム事業とは別」というような言い訳をして10~30分程度説得を試みましたが、通じないと見るや引き返すことを繰り返しました。
7日午後には、工事現場入り口に結集して背を向けていた人々に「石木ダム建設事業の付替県道工事に対する通行妨害禁止の仮処分命令申立を裁判所に提出したので、裁判所の判断が示されるまで着工は中止する」と伝えました。
何と姑息な長崎県なのでしょうか。
「通行妨害禁止」の仮処分申請、確かにSLAPP訴訟(strategic lawsuit against public participation、威圧訴訟、恫喝訴訟)ですが、もっとあくどいものがあります。
長崎県は「収用裁決申請提出書類の一部である測量図作成のための測量と、付け替え道路着工は強行しない=警察を使わない」としていました。
測量はできなくてもそれに代わった図面を提出することでOKとなることもあり、住民から連日抗議にあったため、警察を使うまでもなく測量をあきらめました。
長崎県は「付け替え道路着工は未だあきらめることはできない」と考えているのか、県みずからが警察を使うこと無しに「妨害」を排除する方法を考えた訳です。それが司法判断と裁判所の責任で行う23人の排除です。
排除といっても、いわゆる機動隊による排除ではないでしょう。
長崎県が自らの手を汚すことなく、司法権力の手で排除する、という極めて姑息なやり方です。
石木ダム建設絶対反対同盟の皆さんと支援者の皆さんの固い団結が長崎県をして付け替え道路自力着工をあきらめさせました。
「長崎県は目に見える無茶はできない」という立ち位置にいることは確かです。長崎県は石木ダム建設事業をみずからの責任範囲では遂行することができ無くなっていることを自覚しているのでしょう。
この仮処分申立てに対しては石木ダム対策弁護団が対応することになります。妨害の事実はないこと、石木ダム事業が中止になれば付け替え道路は不要であることなど、仮処分申請の却下を勝ち取るべく闘いです。
私たちとしては、長崎県に対して 「石木ダム建設事業の付替県道工事に対する通行妨害禁止の仮処分命令申立」取下げを強く要求していきましょう。
資料
20140807通行妨害禁止仮処分申請マスコミ配布文 pdf 600kb
実況ビデオ
石木ダム問題 付け替え用道路工事を阻止 2014年7月30日
http://youtu.be/3rTjX0M-czY
石木ダム問題 付け替え用道路阻止行動2日目
http://youtu.be/4rP5CQ1M0Kc
「石木ダム問題 付け替え用道路阻止行動3日目」
http://youtu.be/-uoT_0JxACs
「石木ダム問題 付け替え用道路阻止行動5日目」
http://youtu.be/Uuoxg7tvYWU
「石木ダム問題付け替え用道路阻止行動5日目②」
http://youtu.be/IYRWbo1vbwY
「石木ダム問題 付け替え用道路阻止行動5日目③」
http://youtu.be/vidTMSgXrw4
「石木ダム問題 付け替え用道路阻止行動6日目」
http://youtu.be/5hiTlW0KcmQ
「石木ダム問題 付け替え用道路阻止行動6日目②」
http://youtu.be/YAk6EsRLeZ4
「ある地権者宅から 付け替え用道路工事ゲート前までの道のり」
http://youtu.be/YAk6EsRLeZ4
「石木ダム問題付け替え用道路阻止行動7日目」
http://youtu.be/5rnhx70dgfY
「石木ダム問題 付け替え用道路阻止行動7日目②」
http://youtu.be/YTI0dPYi7LM
7日目(8月7日)の午後、「石木ダム建設事業の付替県道工事に対する通行妨害禁止の仮処分命令申立を裁判所に提出したので、裁判所の判断が示されるまで着工は中止する」と伝えました。裁判所の判断が下りるまで着工中止ということで、8月8日からは長崎県は工事着工の試みを止めています。
マスコミ報道
下の各図をクリックすると、それぞれの記事を見ることができます。
長崎県、説明できず土地測量断念 石木ダム関係
2014年7月25日、7月28日 土地測量反対意思表示行動で長崎県は測量断念
事業認定処分未留保分の権利についての収用裁決申請期限はこの9月8日になっています。
長崎県収用委員会へ収用裁決申請を行う際に提出必要な書類の一部に土地測量図があります。長崎県はこの図面作成のために7月25日9時から現地に測量に入ることを予告していました。
この予告に対して石木ダム建設絶対反対同盟の皆さんと支援者・石木ダム対策弁護団の皆さんが7月17日に「石木ダムの必要性についての公開質問状への回答・説明が始まった矢先に、『先ずダムありき』の行動は行わないでほしい」と長崎県に要請していましたが、長崎県は聞き入れることなく7月25日午前9時に現地へ測量に来ました。
現地には長崎県の石木ダム建設を前提とした動きに抗議する人が大勢集まり、「現地測量の前に石木ダムの必要性について答えて欲しい」と県職員に要請しました。長崎県職員は説明することができず、20分程度で引き返しました。
週明けの7月28日にも長崎県職員は土地測量を試みましたが、やはり説明することができず、測量を断念しました。
何故、長崎県は土地測量を断念したのか?
それは強行すること=警察を同行すること で混乱状態が生じると、世論が長崎県にとって厳しくなると判断したことが第一,第二は土地収用法37条の2に「土地測量ができない場合はそれに代わる図面で可」とされているからです。
石木ダムの必要性について真摯な話合いを拒否し続けて来た長崎県は、収用裁決申請期限間際になって、説明の場に着くことを選択したばかりです。その一方で、長崎県は収用裁決申請手続を進めるという、矛盾した挙動を摂っています。「誰の目にも分かる手荒なことはできない」、それだけは分かってきたようです。
参考:土地収用法第37条の2
(測量等が著しく困難な場合の土地調書及び物件調書の作成)
第37条の2 起業者は、土地所有者、関係人その他の者が正当な理由がないのに第36条第1項の土地調書又は物件調書の作成のための第35条第1項の規定による立入りを拒み、又は妨げたため、同項の規定により測量又は調査をすることが著しく困難であるときは、他の方法により知ることができる程度でこれらの調書を作成すれば足りるものとする。この場合においては、これらの調書にその旨を付記しなければならない。
資料
- 現地立入り長崎県文書(H26.7.24) PDF 100kb
実況中継
- 「石木ダム問題 長崎県の測量調査に抗議し阻止する(2014年7月25日)」
http://youtu.be/q3uQLOB_6O4 - 「石木ダム問題 土地測量阻止行動2日目」
http://youtu.be/Wzad5mtlbLM - 「石木ダム問題 土地測量阻止行動2日目そのつづき」
http://youtu.be/-5SfYvWcjF4
新聞報道
各記事をクリックしてください。
7月17日の長崎県抗議行動 (石木ダム関係)
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「強制立入りはしない」「現地に行くかどうかはあらためて検討」の約束を得ました。
2014年7月17日16時から、石木ダム建設絶対反対同盟の皆さんと支援団体・石木ダム対策弁護団が知事宛の抗議文を持って、長崎県庁第2別館2階ABC会議室で抗議活動を持ちました。
以下は、いしまるほずみさん撮影のビデオ(下にリンクを張ってあります)に基づいての報告です。
長崎県からの対応者は河川課長・野口浩でした。
「知事が出席しての初めての説明会が7月11日に開催された。ダムの必要性について今後も話合いを継続する約束したにもかかわらず、収用裁決申請の手続進行の一つである測量のための立入り通告を送りつけて来るとは何事だ。立入りは拒否する。」「ダムの必要性への疑問は益々確信を強めている。収用裁決申請の手続進行などとんでもない」と立入り調査拒否を強く主張しました。
その結果、野口課長は「強制立入りはしない。現地に行く=立入り調査を試みる かどうかはあらためて検討して回答する」と約束しました。
付け替え道路着工予告に関しては「ダムの必要性に納得がいく説明がされない限り、いかなる工事にも反対する。もし工事に入るのであれば以前から知事が約束しているように工事に入る一週間前に当方に知らせること」と要請しました。野口課長は「知事に伝える」としました。
この日、15時半頃から長崎県庁前で抗議集会を、長崎県庁から第2別館にかけてはパレードを行いました。とのかく「先ずは石木ダムありき」の長崎県の姿勢にたいする怒りが結集した一日でした。
関連資料
抗議文(H26.7.17) pdf 148kb
知事定例会見 付け替え道路着手 700kb
当日の収録ビデオ いしまるほずみさん収録
石木ダム問題 長崎県庁へ抗議(2014年7月17日) 県庁前抗議集会
http://youtu.be/K9curY38QaE
石木ダム問題 長崎県庁へ抗議2(2014年7月17日) パレード(県庁前から第2別館まで)
http://youtu.be/Itllke7JQtw
石木ダム問題 長崎県庁へ抗議3(2014年7月17日) 長崎県庁第2別館における抗議活動
http://youtu.be/gvRw_WAn6GY
マスコミ報道 間隔が空いています。合計4紙です。
長崎県知事・佐世保市長・川棚町長 合同説明会 (石木ダム事業)
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2014年7月11日 こうばる公民館における説明会の報告
2014年7月11日夕方7時から、石木ダム予定地内で居住されている13世帯の皆さんがいつも活用されている「こうばる公民館」で、長崎県知事(中村法道氏)・佐世保市長(朝長則夫氏)・川棚町長(山口文夫氏)を招いての「石木ダムの必要性に関する公開質問状への回答説明会」が開催されました。
行政側は、事業認定非保留地の収用裁決申請期限を9月8日に控えていることから、収用対象としている13世帯に「自主交渉で協力を取り付けたい」として面会願いを提出していた経緯があり、この説明会を13世帯への「協力お願いの場」という位置づけがありました。
当方側は石木ダム建設絶対同盟の皆さん・支援4団体・石木ダム対策弁護団が出席しました。
行政側は、各首長をはじめとし、説明役として長崎県からは浅野河川部長・野口河川課長・浦瀬企画監・古川石木ダム事務所長ほか、佐世保市からは谷本水道局長・河野計画室長ほかが出席しました。
弁護団事務局長の平山弁護士が進行役を務めました。
最初は長崎県と佐世保市からの出席者に自己紹介をお願いしました。
知事は「ダム事業への理解をお願いする」という主旨の話しに入ったので、参加者たちから「ダムありきの話しはナシにして欲しい」「話しが長くなるから短く」との声が上がり、持ち時間2分と言うことになり、「裁決申請までわずかしかない、話合いで解決していきたい。」等と述べました。
佐世保市長は「佐世保市はほんとうに水に困っている。ダムが必要」と発言。「今は水に困っていない」と会場から多くの声が上がりました。
次いで、実質的な質疑に入りました。
3自治体からの全出席者の自己紹介を終えてから、岩下氏が挨拶をかねて、この日の説明会の意義を話しました。
これまでにダムの必要性についての話合いを知事たちは拒否してきたこと、石木ダムがほんとうに必要であるかについて住民と一緒に検証することが不可欠であると述べ、今日をきっかけに検証作業を続けていくことを強く要請しました。
最初は利水に関した質問です。
質問:佐世保市は今現在、困っているのか?
平成19年度から現時点まで一日平均給水量も一日最大給水量も1万㎥/日も下がっているではないか。
今は困っているんですか?
答え(水道局長):水道法に基づく常時必要とする水源(佐世保市が言う安定水源)が足りない。
リスク管理上水源が不足している。
蛇口をひねれば水が出ているから今日は足りている。
法律論的には原水は不足している。
いかなる時でもユーザーが必要とする豊富な水量を供給するのが水道事業者の責務である。
解説(遠藤):「法律論的には原水は不足している」とは、「佐世保市の言う安定水利権では不足」という意味で実際には「慣行水利権は水道水源として認めない」などという法律はありません。
豊富という言葉は、水道法第1条の「清浄にして豊富低廉な水の供給を図り」の「豊富」を意味しているようです。しかしこの「豊富」には10年に一度の渇水に対応できる水量であることが水道法5条の解釈とされ、渇水時には適用しないことが水道法15条にもられています。
質問:ダム計画が出された昭和50年に佐世保市は「昭和60年に水需要は16万㎥/日になる。
保有水源は10.5万㎥/日なので6万㎥/日不足する。よって石木ダムが必要」としていた。
現在の一日最大給水量は8万㎥/日たらず。昭和50年予測から見ても不足予定水量6万㎥/日より2万㎥/日も給水量が減少しているのであるから、ダムはいらないことになるではないか。
答え(知事):不安定水源を活用していたから給水できている。不安定分を安定化させるには四万㎥/日不足している。
解説(遠藤):慣行水利権分をゼロとみなすのは法的にも実態としても全くの誤り。慣行水利権の能力について疑義がある場合は、科学的検証が必要。
質問:2013年度予測では2014年度から急激に使用量が上がるとしている。その結果として2007年度予測と同じ水量になっている。数字あわせではないか?
実際は不足はないのではないか?
H11,H13年度は一日最大給水量が10万㎥/日を超えていた。それをまかなうの原水があったのに、今は原水が足りないという。どこへ行ってしまったのか?
水需要が増えると言っていたのに実際は減少している。
この二つについて説明されたい。
答え(水道局長):2013年度予測は「同規模の他都市と比べて水の使い方が少ない。
渇水による節水で我慢している状況にある。この我慢状況がなくなれば水使用量が増える」、と考えた。
質問:今は足りているんですね。
生活の質を落とすほど我慢をしているんですか?そうではないでしょ。
一人あたりの水使用量が少ないというのは誇るべきことではないのか?
豊富な水を供給してもっと水を使いましょうよ、というのは本末転倒ではないのか。
答え(水道局長):いつ何時でも水を供給する義務がある。渇水時には不足する。
解説(遠藤):水道供給義務として平常時は不足を来さないことが水道法5条と15条で求められています。水源については10年に一度の渇水に対応できる水量であることが水道法5条の解釈とされ、渇水時には適用しないことが水道法15条にもられています。
質問:H19年渇水以降は貯水池の貯水率は93%以上を維持している。水は足りている証拠ではないのか。
不安定水源・安定水源という言葉は水道法にはない。
10.5万㎥/日を7.7万㎥/日にしなければならない法的根拠はない。
これを戻せばすむ話しでないか。
質問:「現状は足りているが、10年後に不足する可能性がある」というのではないのか。
答え(水道局長):私はそれを答える立場にない。
答え(市長):平成6年の渇水が原点。危機管理として是非ともお願いしたい。
質問:それは現在は水が足りていることを言っている。
H6渇水が再来したらどうなるのか、しっかりと検証しよう。
市長はH6渇水が今再来したときどうなると考えているのか?
答え(市長):状況が違うから簡単には言えない。しっかりしなければならない。
質問:H6渇水時より現在は水の使用量が大幅に減少している。殆ど問題にならないのではないか。
シミュレーションを行ってその結果を知らせて欲しい。
答え(計画室長):シミュレーションに取りかかったが、きちんとシミュレーションに足りるデータが欠落しているので、シミュレーションはできない。
質問;それでは「H6年渇水再来対応としての石木ダム」は根拠がないことになる。
答え(市長):H6渇水時で陥ったようなことはなくしたい、それは市長としての責任。
答え(水道局長):事業認定申請書に書いたのは渇水の例示としてあげた。
安定水源だけでは現在も不足し、将来は不足する。
質問・意見に耳を傾ける首長たち。痛いことを言われているのでどうしても顔がこわばる。 佐世保市水道局長 佐世保市長朝長氏 長崎県知事中村氏 川棚町長山口氏
質問:安定水源の法的根拠は? 何十年に一度の渇水時にも豊富な水の供給が義務付けられているとする法的根拠も示されたい。
答え(水道局長):供給義務は水道技術指針。
解説(遠藤):異常渇水による給水停止は水道法第15条で認められています。
添付の水道法逐条解説15条第2項中の但し書き(216ページ)を参照ください。
同書220ページには、“常時給水の義務を解除する「正当な理由」とは、給水の停止が異常渇水によるもののほか・・・・”と記されています。
水道施設として備える条件は水道法5条に記されています。逐条解説には「1/10渇水対応」と記されています。
質問:慣行水利権は安定水利権ではないのか?
答え(計画室長):慣行水利権にも安定と不安定があるのでは。佐世保市は不安定水利権としている。
当方:そんな解釈はあり得ない。著しく反している。許可水利権も届出水利権(慣行水利権)も効力は同じ。
以上が利水に関する質疑応答でした。
利水質疑 筆者のまとめ
① 2007年度以降、水使用量は減少が続き2013年度には1万㎥/日も少なくなっている。
② 2008年度以降、貯水池の貯水率は93%を割ったことがない。
③ 以上から、2008年度以降は水不足で困っていることはない。
④ 佐世保市の言い分:法的には(=安定水源だけでは)、水源が不足状態にある。
⑤ 当方:不安定水源・安定水源の区分には法的根拠はない。あるというのであれば、その根拠を示すこと。
⑥ 佐世保市の言い分:何十年に一度という渇水時にも豊富な水を供給する義務が水道事業体に課せられている。
⑦ 当方:そのようなことがあるならば、法的根拠を示すこと。(異常渇水による給水停止は水道法第15条で認められています。)
⑧ 佐世保市:H6年渇水を現在に置き換えるシミュレーションは当時のデータ不足で不可能。
⑨ 当方:それであるならば「H6年渇水再来対応のため」に科学的根拠ナシ。石木ダムの必要性としてH6渇水は口実にできないではないか。
H6渇水が再来しても水使用量が大幅に減少しているので、殆ど影響はないと考えるが、リスク対策として、きちんと検証することが不可欠。
治水に関する質疑
問:現在の川棚川は過去の洪水に対応できるか?知事の認識は?
答え(知事):下流部で一部の河道整備が遅れているが、それが完成すれば1130㎥/秒の流下能力があるので、過去の洪水は石木ダムナシで流すことができる。狭窄部である城山地点の河道整備を早期に行いたい。
問:100年に1回の降雨量を400mm/24hrとしたときの流量を1400㎥/秒としているが。
答え(知事):雨の降り方によって流量は変わる。
問:雨量400mm/24hrを9パターンの洪水に当てはめ、その最大値を取って1,400㎥/秒としている。他の8パターンは1400㎥/秒より小さい。そうであれば100年に1回の洪水が1,400㎥/秒になる確率は更に低いのではないか?
答え(土木部長):400mm/24hrは100年に1回。降雨パターンに確率はない。だから1,400㎥/秒は100年に1回。
それはおかしいと反論続出。
400mm/24hr降ったときに必ず1400㎥/秒になるというのではなく、最大で1400㎥/秒になるのであるから、100年に1回と言い切ることはできない。「1400㎥/秒は確固とした値ではなく架空の値でないか」の指摘有り。
解説(遠藤):雨が降る量と雨の降り方が各々独立していれば、両方の確率を掛け合わせた値がある降雨量である振り方が重なる確率になる。今の場合、降雨量が400mm/24hrになる確率は1/100,採用した降雨パターンは9ケース。その中の最大値一つだけが1400㎥/秒となっている。よって、1400㎥/秒になる確率は1/100ではなく、1/100×1/9=1/900になるのではないか?という議論。
統計学で降雨パターンの分布の独立性が認められているならば1400㎥/秒の確率は1/900となるが、そうでないと1/900とは断言できない。
いずれにせよ、1/100よりは遙かに小さい確率であることは確か。
問:過去100年に戦後最大とされている大きな洪水はあったのか?
答え(河川課長):実績として残されているのは川棚町史しかない。そこで一番大きな洪水は昭和23年洪水。
問:過去100年程度までに大きな洪水があったかを調べるのがよい。流域の人に聞けば分かるでしょ。 過去100年程度で最大の洪水は昭和23年洪水であった、ということになるのではないか?
川棚町長、河道改修が終われば過去の洪水は石木ダムがなくてもすべて流せる、という説明は県から受けていますか?認識は?
答え(川棚町長):そのように説明を受け、理解している。
問:残りの改修工事を早期に完了させるということでこの場は一致した。ところで何時になるのか?
答え(河川課長):城山地点の関係者と調整を進めたい。
以上で治水の質疑応答終了
治水質疑 筆者のまとめ
① 下流域現在の流下能力は1,000㎥/秒。
② 計画高水流量1,130㎥/秒流下に向けた河道改修を早期に完了させる。
③ 河道改修が完了すれば、戦後洪水は石木ダムがなくても安全に流下できる。
④ 100年に1回の洪水流量1,400㎥/秒は、100年に1回の計画降雨量400mm/24hrと202mm/3hrを9つの降雨パターンに当てはめた時に算出された最大値。
100年に1回の計画降雨量400mm/24hrと202mm/3hrが降ったとき、降り方による違いがあるので流量も変化する。
⑤ 過去100年程度の期間の洪水調査をしよう。おそらく昭和23年洪水が過去100年程度の最大洪水であろう。
参加者からの意見
13世帯の一員:針尾工業団地計画中止に伴い、工業用水計画6万㎥/日が削除された。その後人口減少で2万㎥/日差し引いた。このあたりの説明が不足している。
石木ダムサイトの地質調査:透水性が高い、湧水がある、採石場のダイナマイト使用によるヒビ割れ等で安全性に問題ある。
多目的ダムとすることで災害を引き起こす恐れ。洪水によっては多目的ダムが洪水被害を拡大する。
これまで石木ダム反対を言い続けてきた。いじめられ苦しめられ続けてきた。権力と金の力で平和で安住の地がめちゃくちゃに破壊された。
事業認定されても話合いが進むことにはならない。裁決申請は片手に強制収用、片手に交渉の姿勢でしかない。
どうしても必要であるならば、石切場採石跡地の活用があるではないか。
住民を追い出し、不幸のどん底に陥れるのは違法とは言えないとしても人のやることではない。
13世帯の一員:夢の紹介
平山弁護士 :全体のまとめ
- 今回初めて知事・市長・町長の参加を得られた。
- 担当者でなければ答えられない質問、首長でなければ答えられない質問があることが分かった。
- これからは長崎県・佐世保市一緒の説明会とし、これに知事・市長・町長に参加願う、ということで約束されたい。
知事
毎回出るとなると説明会を開く日程が入らなくなる可能性がある。必要に応じて土木課長に伝えて欲しい。石木ダムを判断するのは私と認識している。その都度、よく聞いて出席を判断する。
終了は21時30分でした。
実況ビデオ
撮影 いしまるほずみさん
2014年7月11日知事面会
http://youtu.be/7vHcEJL4cms
2014年7月11日知事面会つづき
http://youtu.be/IvyApLZEztQ
参考資料
マスコミ報道
長崎新聞