水源連:Japan River Keeper Alliance

水源開発問題全国連絡会は、ダム建設などと闘う全国の仲間たちのネットワークです

ホーム > ニュース > 南摩ダムの情報

ニュース

南摩ダムの情報

思川開発(南摩ダム)と一体の栃木県・県南水道事業計画を中止させよう!(現状レポート)

2022年5月8日
カテゴリー:

関東地方では、必要性を失った思川開発(南摩ダム)と、それと一体の栃木県・県南水道用水事業が進められています。

その中止を求める市民運動が展開されています。

現在の状況をまとめたレポートを掲載します。

 

思川開発(南摩ダム)と一体の栃木県・県南水道事業計画を中止させよう!                                

南摩ダム 本体工事本格化 24年度完成へ定礎式 鹿沼

水資源開発機構が栃木県鹿沼市に建設する思川開発事業の本体「南摩ダム」の定礎式が今年3月12日に行われました。

下野新聞3月13日の記事を引用します。

「思川開発事業(南摩ダム)で12日、定礎式が行われた。ダムの本体工事は2020年12月に開始し、掘削などが終了。今後は本体の建設を本格化させ、24年度末の完成を目指す。同事業は、実施に向けて1969年に計画調査がスタート。調査以降、地元では住民による反対運動が続き、約20年前に水没予定地の住民の集団移転が始まった。その後、旧民主党政権下での事業一時凍結などの曲折を経て、2016年に継続が決まった。・・・・・」

図1 南摩ダムと利根川

図2 思川開発事業(南摩ダムと二つの導水路の建設)


必要性が希薄になった思川開発事業

思川開発とは利根川の支流「思川」の支川「南摩川」に南摩ダムを建設し(図1)、同時に支川「黒川」と「大芦川」から南摩ダムまでの取水・導水施設を建設する事業です(図2)。南摩川は流量が少ないので、黒川と大芦川から導水します。現在の総事業費は約1850億円です。

南摩ダムの貯水容量は5100万㎥もあります。

思川開発の目的は洪水調節、渇水時の補給、水道用水の開発ですが、そのうち、渇水時の補給は緊急性がなく、他のダム事業と同様、ダムの規模を大きくするための増量剤のようなものに過ぎません。

洪水調節の目的に関しては、ダムをつくる南摩川は流域面積が非常に小さく(12.4㎢)、小川のような川ですから(図3)、洪水調節の必要性は希薄です。

水道用水の開発に関しては栃木県、鹿沼市、小山市、古河市、五霞町、埼玉県 北千葉広域水道企業団に2.984㎥/秒の水道用水を供給しようというものですが、利根川流域の水道用水の需要は1990年代から減り続けています。

利根川流域は東京都も含めて水道用水の需要が1990年代から確実な減少傾向になっています。6都県(茨城・東京・千葉・埼玉・群馬・栃木)の上水道の一日最大給水量は、1992年度の1418万㎥/日から2018年度の1188万㎥/日へと、この26年間に230万㎥/日も減りました。この減少量は思川開発の開発水量約26万㎥/日の8倍以上にもなります。

節水型機器の普及、節水意識の浸透、漏水漏水防止対策等により、一人当たりの給水量が年々減少してきたことが主たる要因ですが、今後は首都圏の人口も減少傾向になると予想されるので、水道用水の減少傾向は一層進んでいきます。

そのような水道用水減少時代において思川開発の水源開発は無意味な時代錯誤の事業になっています。

以上のように思川開発の目的はいずれも虚構のものになっており、思川開発は、約1850億円という超巨額の公共事業を進めることだけを目的にした事業となっています。

このように無意味な思川開発事業に対して、「思川開発事業を考える流域の会」がつくられ、長年、反対運動が進められてきました。

思川開発の水源を使う水道計画が存在しない栃木県

栃木県が思川開発で確保する予定の水利権は0.403㎥/秒(3.5万㎥/日)で、県南地域(栃木市、下野市、壬生町)に水道水を供給することになっていますが(図4)、その水道計画が存在しません。

思川から取水して各市町上水道の配水池まで配水するためには取水施設、導水施設、浄水施設、送水施設を新たに建設しなければならず、巨額の費用がかかります。

この県南地域水道用水事業に関して2018年度に栃木県が委託した調査の報告書「水道施設広域化調査検討業務委託報告書(㈱日水コン)によれば、3案あって、約258~307億円という巨額の投資が必要となっています。

その一部は国庫補助金が出るとしても、大半はこの水道用水事業の利用者、すなわち、県南地域三市町の住民が負担することになります。

栃木県の県南地域水道用水事業の虚構

栃木県が県南地域水道用水事業を推進する表向きの理由は次のようなものです。

栃木県の「県南地域・水道用地下水の削減方針」 (2013年3月19日)

① 県南地域における地下水依存率は高く、栃木市等の市町は全量を地下水のみに依存しており、地下水の代替水源としての表流水を全く有していない。

② 県南地域においては、地盤沈下や地下水汚染が危惧されており、水道水源を地下水に依存し続けることは望ましくない。

③ 異常気象による渇水リスクが高まる中、県南地域には水道水源として利用できる水資源開発施設がない。

しかし、上記の①、②、③はいずれも根拠が稀薄です。

① 県南三市町水道の水源が地下水100%で何が問題なのか。

熊本市水道は地下水100%を誇りにしています。栃木県内でも真岡市や足利市などは地下水100%です。

② 県南地域は地盤沈下がすでに沈静化しており、地下水汚染は杞憂。

県南地域の地盤沈下は20年前から沈静化しています。県南地域では地下水汚染が進行していません。

③ 異常気象による渇水リスクは地下水こそ少ない。

渇水の影響を受けにくいのがむしろ地下水です。

栃木県は思川開発によって割り当てられた水源を無理矢理使うため、上記のように無意味な理由を作り上げて栃木市、下野市、壬生町にその水源を押し付けようとしています。

県の計画では2030年度には三市町の水道水源の35%を思川開発の水源に変えることになっています(図5)。

このような広域水道は経営を成り立たせるため、通常は責任水量制が導入されます。各市町ごとに広域水道に対する引取り責任水量を決め、その責任水量分の料金は使っても使わなくても市町が支払うという仕組みです。県南水道にこの制度が導入されると、各市町は、県南水道についてはその使用の多寡にかかわらず、一定の料金が徴取されるため、その使用を優先し、自己水源を減らしていく可能性が高いと考えられます。したがって、県の計画通りに進めば、三市町の水道水源の地下水割合は次第に小さくなっていくと予想されます。

三市町の住民にとって大変重要な問題です。県の計画通りに進めば、思川開発の水源の押し付けで、今まで地下水100%の美味しい水道水を享受していたのに、河川水の混入によって不味くなり、さらに県南水道の費用負担で水道料金がかなり高くなることが避けられなくなります。

地下水100%の水道水を守る運動

この計画に対して、三市町では地下水100%の水道水を守る運動が展開されています。「栃木県南地域の地下水をいかす市民ネットワーク」がつくられ、さらに各市町ごとにも「思川開発事業と栃木市の水道水を考える会」、「下野市の水道水を考える市民ネットワーク」、「壬生町の水と環境を守る会」がつくられて、地下水100%の水道水を守るための集会を開き、行政との交渉を続けています。

この「地下水100%の水道水を守る運動」がそれなりの効果を上げ、現段階では県南水道に対する各市町の姿勢に歯止めがかかり、県南水道事業計画は栃木県の思惑通りには進んでいません。

しかし、先行きはまだわかりません。「ダムの水を使わせる」ことが国の方針ですので、三市町への栃木県の働きかけが今後強まっていくことが予想されます。

栃木で進められている「地下水100%の水道水を守る運動」に対して支援の声を届けていただければと思います。

思川開発(南摩ダム)は全く無意味な事業

2022年3月8日
カテゴリー:

思川開発事業の本体「南摩ダム」の定礎式が3月12日に次の記事のとおり、行われました。

しかし、この思川開発事業は全く無意味な事業ですので、その虚構の要点をお伝えします。

 下野新聞報道

南摩ダム 本体工事本格化 24年度完成へ定礎式 鹿沼
(下野新聞2022.3.13 5:00 https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/564635

定礎式で儀式を行う関係者ら=12日午前11時15分、鹿沼市上南摩町

定礎式で儀式を行う関係者ら=12日午前11時15分、鹿沼市上南摩町

 国土交通省が進める鹿沼市の思川開発事業(南摩ダム)で12日、定礎式が行われた。ダムの本体工事は2020年12月に開始し、掘削などが終了。今後は本体の建設を本格化させ、24年度末の完成を目指す。
同事業は、実施に向けて1969年に計画調査がスタート。調査以降、地元では住民による反対運動が続き、約20年前に水没予定地の住民の集団移転が始まった。その後、旧民主党政権下での事業一時凍結などの曲折を経て、2016年に継続が決まった。
定礎式は建設現場で行われ、福田富一(ふくだとみかず)知事や佐藤信(さとうしん)鹿沼市長、本県選出の国会議員ら関係者約120人が出席した。福田知事らがダムの掘削時に出た砂利を礎石の周りに盛るなどし、工事の安全を祈願した。
福田知事は「気候変動で水害が頻発する中、ダム建設が進むことは意義深い。治水、利水の両面から大いに力を発揮することを期待する」とあいさつした。
南摩ダムは思川支流の南摩川に建設し、付近の黒川と大芦川が地下トンネルで結ばれる。高さ86・5メートル、総貯水量は5100万立方メートルとなる予定。総事業費は約1850億円。

 思川開発の虚構-1

まず、添付の資料「思川開発問題-1」をお読みいただきたいと存じます。

思川開発問題-1

 思川開発の目的は洪水調節、渇水時の補給、水道用水の開発ですが、そのうち、渇水時の補給は緊急性がなく、ダムの規模を大きくするための増量剤のようなものに過ぎません。
次に洪水調節に関しては、ダムをつくる南摩川は流域面積が非常に小さく(12.4㎢)、小川のような川ですから、その必要性はありません。
そして、水道用水の開発に関しては首都圏の各都市の水需要が減少傾向になっていますので、水源開発の必要性もありません。
このよう思川開発の目的はいずれも虚構のものになっているのです。
思川開発は実際には約1850億円という超巨額の公共事業を進めることだけを目的にした事業なのです。

 

 思川開発の虚構-2

思川開発については地元の栃木市、下野市、壬生町の住民にとって看過できない問題があります。
栃木県は思川開発によって割り当てられた水源を無理矢理使うため、栃木市、下野市、壬生町にその水源を押し付けようとしています。
添付の資料「思川開発問題-2」をお読みいただきたいと存じます。

思川開発問題-2

 栃木県は地下水100%の栃木市、下野市、壬生町の水道水源を、地盤地下対策を理由にしてその約半分を思川開発の水に転換させようとしています。
3市町の住民はたまったものではありません。思川開発の水の押し付けで、今まで地下水100%であった水道水は河川水の混入で不味くなり、さらに料金も高くなります。
3市町では地盤沈下は進行しておらず、地盤沈下対策は思川開発を推進するための口実でしかありません。

3市町の住民にマイナス面しかもたらさないことが強行されつつあるのです。

 愚かな思川開発(南摩ダム)に対して怒りの声を

 このように全く無意味で、有害な思川開発(南摩ダム)の定礎式が3月12日に行われました。
3市町では地下水100%の水道水を守る運動が進められています。3月13日には下記の通り、地下水100%の水道を守るための集会が栃木市で開かれました。
みなさまもこの愚かな思川開発(南摩ダム)に対して怒りの声をあげていただければと思います。

南摩ダム  水源変更反対で集会 栃木で25日、市民団体 /栃木

2018年11月28日
カテゴリー:

11月24日(土)~25日(日))、栃木県南地域水道問題全国集会&水源連総会がhttps://suigenren.jp/news/2018/09/24/11081/ のとおり、
開かれました。

11月25日の全国集会についての記事を掲載します。

南摩ダム
水源変更反対で集会 栃木で25日、市民団体 /栃木
(毎日新聞栃木版2018年11月22日)https://mainichi.jp/articles/20181122/ddl/k09/010/157000c?pid=14516

鹿沼市に建設される南摩ダムの完成に伴い、上水道の水源が地下水からダムの水に一部変更になる予定の栃木、下野、壬生の3市町の住民らでつくる「県南地域の水道水をいかす市民ネットワーク」(代表・大木一俊弁護士)は25日、栃木市惣社町の市国府公民館で、水源変更への反対集会を開く。
ダムは2024年度に完成予定。県はダムから最大毎秒0・4立方メートルの配分を受け、3市町への給水を計画している。13年3月に公表した報告書では、3市町の上水道水源に占める地下水の割合を30年度に65%、最終的には40%まで低減する目標を示している。
このため、3市町の住民の一部は水道水の水質低下や料金の値上げなどを懸念し、同市民ネットを17年8月に結成。従来通り地下水を水源にするよう求める署名活動などを続けている。
集会は午後1時15分開演。太田正・作新学院大名誉教授の講演「新規水源開発事業の不合理性を検証する」、大木代表らによる現地報告「高くてまずい水はごめんだ」などを予定している。資料代500円。
問い合わせは水源開発問題全国連絡会(028・600・5106、八幡山法律事務所内)。【太田穣】

思川開発巡り地下水使用要望 3市町に市民団体

2018年3月14日
カテゴリー:

利根川水系では八ッ場ダムの他に、時代遅れの大規模ダム事業がもう一つ推進されています。

(独)水資源機構が栃木県鹿沼市に建設しようとしている南摩ダム(思川開発事業)です。現段階の完成予定は2024年度末になっています。
南摩ダムも多目的ダムですが、主たる目的は首都圏の水源開発です。しかし、首都圏でも水需要が減少の一途を辿っており、その必要性がすでに失われてきていることは八ッ場ダムと同様です。

地元の栃木県も水道水源の確保で南摩ダムに参画しているのですが、現在はその水源を使うところがありません。
そこで、栃木県はその水源を無理矢理使うため、県南地域(栃木市、下野市、壬生町)に南摩ダムの水を供給する県南広域水道事業を始めようとしています。
この三市町の水道は地下水だけを使っており、市民は美味しくて安全性が高く、料金が安い水道水を享受しています。
地盤沈下や地下水汚染の心配もなく、今後も地下水を現状通りに利用し続けることに何の問題もありません。

この三市町に対して栃木県は南摩ダムへの参画のため、県南広域水道事業で思川開発の水を押し付けて地下水利用量を減らそうとしています。
県南広域水道事業は200億円を超える事業費が必要とされており、思川開発の負担金も合わせて、その三市町への供給料金に転嫁されることになります。
栃木県の計画では2030年度に三市町水道の地下水依存率を65%まで下げることになっていますが、将来は地下水依存率がもっと下がることが予想されます。
このままでは三市町は地下水依存率の低下により、水道水はマズくなり、水道料金が大幅に上がることは必至です。

このように理不尽な県南広域水道事業をストップさせるため、三市町の市民が立ち上がって署名を集め、去る3月12日に栃木市長、下野市長、壬生町長に対して、別紙の「地下水100%の水道水の維持を求める要望書 20180312」を提出しました。三市町の署名総数は約1万1千筆でした。

この要望書の提出についての記事もお送りします。

思川開発巡り地下水使用要望 3市町に市民団体   下野新聞2018年3月13日

鹿沼市の思川開発事業(南摩ダム)を巡り市民団体「栃木県南地域の地下水をいかす市民ネットワーク」(代表・大木一俊(おおきかずとし)弁護士)は12日、栃木、下野、壬生3市町長に、水道用水に地下水を使い続けるよう求める要望書を、署名約1万1千人分と共に提出した。
南摩ダム完成後、県が3市町にダムの水を卸売りする計画がある。同ネットワークは「地下水のみを使っている3市町の水道用水にダムの水(河川の表流水)が加わることになり、水道料金の上昇と水質の低下を招く」と懸念している。
この日は3市町の担当部署を訪れ要望書と署名簿を提出。下野市役所を訪れた大木代表は「安く、おいしく、安定供給される地下水利用の維持をぜひ検討して」と訴え、同市の長勲(ちょういさお)総合政策部長は「(県や関係市町でつくる)協議会で議論し、必要に応じ市民や議会と情報共有したい」と答えた。
また3、4月の壬生町議選と栃禾市議選の立候補予定者に行ったアンケート結果も同日公表。全体の約2割の11人が回答し、「情報が住民に周知されていると思うか」との問いに全員が「思わない」と答えたことなどを明らかにした。

(写真)署名簿を提出する大木代表(右端)ら=12日午前、下野市役所

実現可能な施設計画抽出へ 県南3市町の水道水 南摩ダム再開で調査着手(栃木県)

2017年10月4日
カテゴリー:

栃木県は、必要性がない思川開発事業の水源を無理矢理使うため、栃木市、下野市、壬生町水道の地下水源を大幅に減らす県南水道用水供給事業を推進しつつあります。

このことに関する記事を掲載します。

県南水道用水供給事業によって栃木市、下野市、壬生町水道は地下水源が大幅に減り、まずくて料金が高い水道になることは必至ですので、この事業に反対する運動が進められています。署名活動も始まりました。

 

実現可能な施設計画抽出へ 県南3市町の水道水 南摩ダム再開で調査着手(県生活衛生課)

[日刊建設新聞 栃木版 2017/9/30] http://www.jcpress.co.jp/wp01/?p=19251

南摩ダム建設に伴う思川開発事業の再開が決まり、県と栃木・下野・壬生の3市町は、水道施設の整備に向け調査や検討が始まった。7月に県南広域的水道整備事業検討部会が開かれ、施設計画等の基礎的な調査検討に着手。県生活衛生課によると、一級河川思川にある取水堰など既存施設の活用に向けた調査検討や施設配置を検討、今年度末を目途に取水候補地を選定し、実現可能な施設計画を抽出していくとしている。施設計画の抽出に伴う水道施設広域化調査検討業務は、日水コン(東京都新宿区)が担当している。

南摩ダムに保有する県水は、毎秒0.403立方m。県は思川の取水位置を決め、取水施設や導水施設、浄水場などを整備し、参画の3市町に供給する計画。3市町は現在、全量を地下水で水道水を賄っており、24年度末にまとめた「栃木県南地域における水道水源確保に関する検討報告書」では、野木町を合わせ平成42年度を目標に表流水の比率を35%、日量3万5000立方mまで高めていくとしている。

地下水の代替水源として表流水の比率を高めていくことは、県南地域における地盤沈下や地下水汚染が危惧されるためで、同報告書では水道水源を地下水のみに依存し続けることは望ましくないとしている。また、異常気象による渇水リスクが高まる中、県南地域には水道水源として水資源開発施設がないことに危機感を示し、水資源開発には相当な期間を必要とすることから、長期的な展望に立って、事前対策を講じていく必要性に言及した。

今年度の調査では、水道水を供給するに当たって、取水先の思川から3市町のエリアに、活用可能な施設がどこにどのような形で存在しているか、既存施設の資料を収集し把握するとした。具体的には、取水・導水施設、浄水施設、配水施設等その他関連施設としている。

調査では、資料による把握が可能な範囲内で、新設や既存設備の活用など複合型の可能性を検討し、考えられる組み合わせを整理する。また、組み合わせの中で実現可能な施設計画を3パターン程度抽出するとしている。

実現可能な施設計画を抽出した上で、30年度以降は最適案を抽出。最適案による施設の概略設計をまとめ、概算事業費を試算するとした。

思川開発事業は、30年度に導水路工、31年度には南摩ダム本体工を公告。導水路工は取水放流工を含め35年度まで、南摩ダムは基礎掘削や盛立工を経て36年度に試験湛水を行うとしており、計画では37年度にも表流水への転換が可能になる。

↑ このページの先頭へ戻る